●第98回全国高校サッカー選手権山梨大会 3回戦
~山梨学院は初戦を甲府東と対戦し4対0で勝利~
~少ない好機を活かしクリーンシートで初戦突破~
第98回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は10月22日、台風で延期していた3回戦が行われた。第3シードの山梨学院高は3回戦からの登場で山梨学院和戸サッカー場で甲府東高と対戦した。試合は前半12分、主将でMF平松柚佑のボレー弾で山学が先制すると、29分にはMF小熊太陽が2点目を追加。2対0で前半を折り返すと後半開始2分、CKからFW川野大成が3点目を上げ、相手を一気に突き放す。後半は前半に増しアップテンポで攻撃を仕掛けるが、相手の厚い守備に阻まれ追加点を奪えず我慢の時間が続く。相手も攻勢を強めたが、山学守備陣が無失点と奮闘。山学は後半ATにFW岡田遼平が4点目を入れ、試合を決定づけた。山学は甲府東に4対0で勝利し、準々決勝進出を決めた。
山梨学院高校サッカー部では今年3月、山学大サッカー部ヘッドコーチを務めていた長谷川大監督が新たに就任。これまで秋田商業高や神奈川大を指揮した経歴を持ち、秋田商時代には選手権出場、神大時代には激戦の神奈川県で天皇杯県代表に導いている。新チームは、県ユースリーグで暫定首位となっているものの5月の県総体は5位、全国総体予選は3位と今シーズンは県内無冠。試合前、長谷川監督は選手たちを前に「一戦一戦が大事、初戦から100%出そう」と話し、ピッチに送り出した。山学イレブンは2年ぶり7度目の選手権出場を目指し、初戦・3回戦を甲府東と対戦した。
第98回全国高校サッカー選手権山梨県大会 3回戦 ≪山梨学院高VS甲府東高≫(10/22)山梨学院和戸サッカー場 |
||
---|---|---|
○ 山梨学院高 4 | 前半 2-0 後半 2-0 |
0 甲府東高 ● |
得点者: 平松柚佑、小熊太陽、川野大成、岡田遼平 |
試合は甲府東のキックオフで始まった。山学はラインを上げ積極的に攻撃を仕掛ける。セカンドボールへの対応も早く、山学が試合の主導権を握る。前半12分、MF山内隆矢(3年)の右CKをファーサイドのDF高橋朝日(3年)が頭でゴール前に落とし、MF平松柚佑(3年)の左足ボレーシュートで山学が先制。主将の先制点に山学の攻撃も厚みを増し、29分にはMF関口翼(3年)のゴール前への右サイドからのロングスローがファーサイドに抜け、MF小熊太陽(3年)がこれに反応し2点目を追加。2対0で前半を折り返すと後半開始2分、後半から途中出場のFW小林諒雅(3年)のグランダー気味の左KCをFW川野大成(3年)が合わせ試合は3対0に。その後は、前半に増し素早いボール回しからテンポ良くゴール前まで攻め込むものの相手の厚い守備に阻まれ得点を奪えず我慢の時間が続く。山学は、ゴール前へのクロスに加え、ミドルレンジからのシュートを積極的に放ち、相手守備陣を崩しにかかる。一方の甲府東は、カウンターやDFラインを上げるパワープレーで山学ゴールを脅かすも山学守備陣は声を掛け合い相手の攻撃をかわし得点を与えない。後半アディショナルタイムは2分、山学は最後までの得点の機会を狙い、隙を作らず40+1分に途中出場のFW岡田遼平(3年)が4点目を入れ試合を決定づけた。山学は相手の厚い守備を崩し、少ない好機ながら4対0のクリーンシートで甲府東を下し、準々決勝進出を決めた。
試合後、選手を前に長谷川大監督は「勝つことがきょうの最大のテーマで、その部分に関しては一番良い結果になった。ただし、それぞれの自分のプレーに対する反省はしなければいけない。勝つことはできたが、自分たちの弱点も出てしまった。一つずつ解消して次に向かって行こう」と語りかけた。また、取材に対し「台風などで開幕が遅れ、自分たちのプレーを見つめ直す時間もでき、初戦が大事になると思った。前半は特に相手の規律のある守備で難しさがあったが、引いた場面ではCKの機会も生まれるので、うちが得意とするセットプレーを活かすことができた。次戦は、もっと攻撃のパターンを試せると思うので隙を見せずにしっかり点を取り、また取られないようにやっていきたい」と述べた。先取点を決め、チームに勢いを与えた平松柚佑主将は「相手が5バックでやりにくさはあったが、負けたら終わりのトーナメントは勝つことが全てなので、次に進むことができたので良かった。後半は危ない場面もあったが、選手間で声を掛け合って無失点で終えることができた。次はさらに厳しい戦いになるが、きょう課題だった攻守の切り替えを徹底して全員でしっかりと戦いたい」と語った。
第98回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は10月12日に開幕予定を台風の影響で19日に延期。山学は3回戦が19日に予定されていたが、この日に延期され、初戦を迎えた。準々決勝からは当初の予定通りとなり、山学は次戦・準々決勝を10月26日に韮崎中央公園陸上競技場で昨年の準決勝で敗れた帝京第三高と11時00分キックオフで対戦する。山学イレブンが令和最初の選手権切符を目指し走り出した。
文(Y.Y)、カメラ(藤原稔)2019.10.22