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●全国高校サッカー選手権山梨大会 準々決勝
~春に敗れた帝京三高を3対1で下しベスト4進出~
~準決勝に駒を進めたのは山学・韮崎・航空・明誠~

第98回全国高校サッカー選手権山梨県大会は、準々決勝の4試合が10月26日に行われ、山梨学院高は新人戦で敗れた帝京三高と対戦した。激しく攻め上がり、粘り強く守り、後半にFW岡田遼平が2得点、PKで1点を返されたが、途中出場MF小林諒雅のダイレクトボレーで突き放し3-1で勝利、春のリベンジを果たした。準決勝に進出したのは山学高・韮崎高・航空高・明誠高の4校。準決勝戦は11月2日(土)に甲府・小瀬中銀スタジアムで行われる。山学高は13時45分開始予定の第2試合で日本航空高と対戦する。ここまで無冠の山学戦士たちは捲土重来を期して秋に挑み、冬を目指す。

今年の山学高サッカー部は、3月の新人大会決勝で帝三に敗れ、5月の高校総体は準々決勝で韮崎に敗れ、6月のインターハイ県予選も韮崎に準決勝で敗れた。12月まで戦う県ユースリーグでは暫定1位の位地にはいるが、ここまでタイトルは取れていない。無冠の戦士たちは、春の借りを秋に返すと心に誓い帝京三とのリベンジマッチに臨んだ。

第98回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準々決勝
≪山梨学院高VS帝京三高≫(10/26)於韮崎中央公園陸上競技場
○ 山梨学院高 3 前半 0-0
後半 3-1
1 帝京三高 ●
山学得点者: 岡田遼平2、小林諒雅

序盤から8割方ボールを支配する戦いだったが、前半は得点を奪えなかった。点が入ったのは後半14分、FW宮原和(3年)からのスルーパスに反応したFW岡田遼平(3年)が右50度の難しい角度からのミドルシュートをゴール左隅に突き刺し先制。20分過ぎに再び岡田がゴール前の混戦から2点目を押し込んだ。25分にPKを与え1点を奪われて悪い流れになりかけたが、後半途中出場のMF小林諒雅(3年)がMF関口翼(3年)の超ロングスローから目の前に跳ね返ってきたクリアボールをダイレクトボレーで豪快に決めて突き放し、春のリベンジを果たした。

2得点の岡田遼平選手は「チームに勢いをつけることができたと思います」と話し、追加点の小林諒雅選手は「次の試合もチームを救うプレーをしたい」と述べ、平松柚佑主将は「まだ借りを返し切れていません。1週間しっかり準備します」と語った。就任1年目の長谷川大監督(前山学大ヘッドコーチ)は「乗り越えなければいけない壁でしたので、今日は決勝のつもりで戦いました。背後へのボールで競り負けたところもあったのでそこは直していかないといけない。来週も決勝のつもりで戦い、本当の決勝に勝ち上がれるよう努めます」と中銀スタジアムでの戦いに目を向けた。

今年の山学高チームには、2年前のチームを率いて“選手権”に導いた人間ブルドーザー加藤拓己(現早大)のような重戦車も、昨年のチームをインターハイ全国制覇に導いた宮崎純真(現VF甲府)のような蝶のように舞い蜂のように刺す俊敏FWもいない。卓越した技や輝きを放つスター選手はいない。しかし、出場メンバーは118人による部内競争を戦い抜いてAチームに這い上がってきた戦士だ。誰もが近い未来にその輝きを放つ力を持つ戦士たちだ。彼らは昨夏の日本一の栄光を体感し、その後の勝てない苦渋の日々の両方を体感してきた。この日は岡田遼平と小林諒雅がその輝きの片鱗を見せたが、岡田の先制点は安原和と毎日特訓してきた練習の賜物であり、小林の得点は関口翼の人並外れたロングスローがもたらしたものでもあった。見逃してはいけないのは、薄田アーナンド(3年)、高橋朝日(3年)らのDF陣の献身的な守備と攻撃参加、2度の決定的シュートを抜群の反応で防いだGK熊倉匠(2年)の堅守がチームを支えたこと。それぞれがその力と輝きを放ち、全員でつかみ取った勝利だった。

オランダの伝説的名選手ヨハン・クライフが残した言葉、「才能ある若手にこそ挫折を経験させなければならない、挫折はその選手を成長させる最大の良薬だから」。この言葉を山学戦士たちはよく知っている。この言葉を支えにして、糧にして、無冠の挫折を乗り越え、努力を積み重ねてきた。この日の帝三戦で一つの壁を突破して一つの挫折を乗り越えた。さらに、来週と再来週に、もう一つの挫折を乗り越えるつもりだ。そして、もう、山学戦士たちは知っている。未来という日も、大人といわれる日になってからも、挫折を乗り越えるためには、技を磨くこと以上に心を磨くことが大切なことを。戦いに勝つためには運が必要だが、その運を引き寄せるには、血の滲むような努力の積み重ねと、瞬時の判断力が必要だ。君たちはその努力をしてきたし、その判断力を磨いてきた。全員の心と心を結び合わせて、次の戦いの舞台に立とう。

文(M.I) カメラ(藤原 稔) 2019.10.26