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●2019全日本学生ホッケー選手権
~山学男女が令和最初の学生チャンピオンに輝く~
~男子5連覇7度目、女子3年ぶり9度目の栄冠~

男子第68回・女子第41回全日本学生ホッケー選手権大会決勝が10月27日、東京・大井ホッケー競技場で行われた。男女ともに山梨学院大、立命館大が決勝に進出。女子決勝では、第1QにPCからFW深田麻実子のタッチシュートで山学が先制すると第3QにはFW田中花歩、第4QにFW高島瑠唯が得点を重ね、3対0で立命館を退け、3年ぶり9度目の優勝を勝ち取った。また、男子決勝は拮抗した試合展開となり、山学が第3QにFW松本和将の得点で先制。しかし、第4Q序盤にPCで立命館が得点し、試合は1対1の振り出しに。残り2分30秒、中盤からのボールをFW松本が受けるとそのままドリブルで相手DFとGKをかわし勝ち越し弾。この得点が決勝点となり、山学は2対1で立命館に競り勝ち、5連覇7度目の栄冠を手にし、山学男女が令和最初の学生チャンピオンに輝いた。
 
全日本学生ホッケー選手権に(インカレ)は、前年度ベスト4・大学王座・全日本大学大会の上位校に加え、各地区のブロック予選を勝ち抜いた男子計24校・女子計16校が出場する大学ホッケー最高峰の大会。男子は68回、女子は41回の歴史を持ちこれまでに山学大男子は2010年の優勝を皮切りに6度の栄冠に輝いている。特に直近は4連覇を達成しており、今大会は5連覇がかかった大会となった。一方の山学女子は2006年の初優勝以来8度の優勝に輝き、今回は3年ぶりの優勝を目指し大会に臨んだ。会場は、来年の東京オリンピックのホッケー競技の舞台となり今年7月に完成した大井ホッケー競技場。大会は10月23日に開幕したが、大雨の影響で25日の準々決勝が26日に延期となり、26日は準々決勝と準決勝2試合のダブルヘッダーで行われ、27日の決勝を迎えた。
 
■女子決勝(対:立命館大)
この大会昨年3位、また7月の大学王座では、決勝に立命館に0対1と競り負け涙をのんだ山学女子。23日の1回戦は関西学院大と対戦し10対0と快勝、26日に延期となった準々決勝は同志社大と対戦し11対0と圧倒、同日2試合目の準決勝・天理大戦は2対0で勝利し、今大会無失点で決勝に勝ち上がった。決勝の相手は、王座で敗れた立命館。リベンジを果たすべく選手たちは青色鮮やかな真新しいピッチに立った。

男子第68回全日本学生ホッケー選手権 決勝
≪山梨学院大VS立命館大≫(10/27)大井ホッケー競技場
○ 山梨学院大 3 第1Q 1-0
第2Q 0-0
第3Q 1-0
第4Q 1-0
0 立命館大 ●
山学得点:深田麻実子(9分)、田中花歩(43分)、高島瑠唯(48分)

試合は序盤から山学が攻勢を強め相手陣内で試合を進める。9分に山学はPCを獲得するとゴール前に詰めていたFW深田麻実子(3年 石動高)が姿勢を崩しながらもタッチシュートを確実に決め先制。一方の立命館もショートカウンターで反撃に出るが、山学は素早いプレスと人数をかけたディフェンスで攻撃の芽を摘み得点を与えない。第2Qに入っても山学が主導権を握り、序盤のFW田村綾菜(3年 不来方高)のシュートは惜しくもポストに阻まれるが、山学が押し気味に試合を進める。1対0で前半を折り返し、第3Q終盤(43分)、相手選手がイエローカードで5分間の退場中にゴール前の攻防で山学がPCを獲得。一度は阻まれたものの右サイドに流れたボールをMF的場斐那(4年 須和高)が奪い、ゴール前に入れるとFW田中花歩(4年 岐阜各務野高)が反応し2点目を追加。終了間際には相手にPCを与えたものの「さくらジャパン」(日本代表)のGK田中秋桜(4年 丹生高)が飛び出し、ゴールを守り抜く。第4Qに入ると山学の勢いはさらに増し、序盤(48分)に中盤からボールをつなぎ、「さくらジャパン」FW尾本桜子(4年 西京高)のシュートリバウンドをU21日本代表のFW高島瑠唯(2年 石動高)が押し込み、3点差と大きくリード。終盤には相手も攻勢を強めるが、GK田中の好セーブで得点を与えず3対0で試合終了。終了のホイッスルが鳴ると選手らはジョン・シアン監督のもとに駆け寄り、涙ながらに喜びを分かち合った。山学は出場全試合で無失点勝利し、3年ぶり9度目の優勝を勝ち取り、今年の王座の雪辱を果たした。
 
試合後、ジョン・シアン監督は「王座で敗れた相手でプレッシャーがあるゲームとなったが、見事に山学のゲームを展開してくれて相手を0点に抑えることができた。王座の失敗から学び、選手たちの勝ちたい気持ちをグラウンド上で見ることができ、良いゲームで評価できる内容だった」と選手を讃えた。川口花菜主将は「王座で負け、ここまで辛い練習をみんなで頑張ってきたので、結果として出たので凄く嬉しいです。途中バタついて上手くいかない場面もありましたが、しっかり外から攻撃を仕掛けて決めきれたのが勝因だと思います」と喜びを語り、後輩に向け「練習してきたことが結果に出るので、この喜びを忘れずに王座奪還、インカレ連覇を達成してほしいと思います」と言葉を結んだ。先制点を挙げたFW深田麻実子選手は「自分たちのホッケーをして、それが結果につながったと思います。(先制のシーンは)練習したことがそのまま出て、体が自然と動いて反応していました。きょうの優勝でジョンさんに日頃の感謝が伝えられたと思います」と話し、ピッチを縦横無尽に走り2点目を挙げたFW田中花歩選手は「1点決められたのは大きいですが、ポストに当ててしまったり空振りをしてしまったりしたので、しっかり反省をし、練習をして次の日本リーグにつなげていきたいと思います。この1か月の厳しい練習で絶対に勝つ自信がついて、王座の悔しさを晴らすことができました」と語った。決勝でゴールを守り切ったGK田中秋桜選手は「攻め込まれていなかったので大きな不安はなく、シュートが来ても自分の守備範囲内で守れたので、DFがプレスやチェックに行ってくれたお陰だと思います。王座での失点はいつ見返しても鉛のように重たいものがありましたが、このチームで逃げずに自分たちの弱さと向き合って突き詰めたことが結果につながっていると思います」と胸を張り、決勝点を入れたFW高島瑠唯選手は「本当に辛い練習もありましたがみんなで励ましあったことで今があると思います。(ゴールシーンは)無我夢中でしたが、自分は触っただけでみんなが繋いでくれた1点だと思います。来年は連覇がかかるので、自分のことだけでなく、チームのために普段の練習からしっかりやっていきたいと思います」と前を見据えた。
 
■男子決勝(対:立命館大)
昨年覇者の山学男子は、1回戦をシードされ24日の初戦・2回戦で東京大を3対0で退けると26日の準々決勝で関西大と対戦し9対0と圧勝。同日18時30分から行われた準決勝・明治大戦を1対0と競り勝ち、女子同様にクリーンシートで決勝に進出した。女子優勝の流れを受け、勢いそのままに立命館大に挑んだ。

男子第68回全日本学生ホッケー選手権 決勝
≪山梨学院大VS立命館大≫(10/27)大井ホッケー競技場
○ 山梨学院大 2 第1Q 0-0
第2Q 0-0
第3Q 1-0
第4Q 1-1
1 立命館大 ●
山学得点:松本和将2(35分・57分)

試合は、第1Q序盤から拮抗した展開となり、一進一退の攻防が続く。山学は両サイドを大きく使い、縦への速いパスで好機を探るが、相手の厚い守備に阻まれ得点は生まれない。第2Qも山学はショートパスで相手ゴールに襲い掛かるが決定機に欠き無得点で前半を終える。後半・第3Q序盤に均衡が破れる。開始5分に山学はこの試合初めてのPCを獲得し、相手GKのシュートリバウンドにU21日本代表のFW松本和将(1年 今市高)が反応し、強烈なシュートはゴールネットに突き刺さり山学が先制。山学の攻撃はさらに勢いを増し、試合は第4Qへ。第4Q開始2分(47分)に山学はPCから失点するも終盤(57分)にU21日本代表のDF田村圭梧(1年 沼宮内高)がパスカットしたボールをスクープで前線のFW松本に送り、FW松本はドリブルで相手DFとGKをかわし、勝ち越しとなる2点目を追加した。山学は最後まで攻撃の手を緩めずに、2対1と競り勝ち、5連覇7度目の栄冠を手中に収めた。試合後は、部員らがピッチ上の選手のもとに駆け寄り、喜びを爆発させた。
 
三澤孝康監督は「チームとして非常に苦しいシーズンでしたが、チームとして危機感を感じてインカレ5連覇に向けて選手が行動を移してくれた。試合前選手たちには、後半勝負になると思っていたので、前半から継続して(自分たちの攻撃を)やり続けようと話をした。1・2年生主体のチームでしたが、最後に4年生がしっかりとまとめてくれた結果が優勝だと思います。来年は6連覇がかかり、王座も取れていないので、冬からしっかりとトレーニングを積み、チームを作っていきます」と更なる飛躍を誓った。浦下陸主将は「素直に嬉しい気持ちでいっぱいです。技術はあるチームだと思っていたので、チーム力を高めていくことを大前提に考えてチームをまとめてきました。(昨日の2試合の影響で)疲れはあったと思いますが、決勝という大舞台で思いっきりプレーする気持ちで臨みました。いつも立ち上がりが悪いので、アップや更衣室から盛り上げて声を出して試合に入りました。(後輩たちに対し)技術力はどの大学よりもあると思うので、さらにチーム力を高めて欲しいと思います」と語った。この日2得点と躍動したFW松本和将選手は「1年生なので4年生に比べてプレッシャーは少なかったと思いますが、5連覇がかかる試合でFWとして得点を決められてチームを勝利に導けたので良かったと思います。前半は自分が思うようにボールを受けられず納得のいかないプレーでしたが、後半は積極的にボールを受けて2得点決めることができて本当に良かったと思います。2点目は田村からのパスも完璧で自信を持ってシュートを打つことができました」と試合振り返った。
 
大会を振り返り、寺本祐治総監督は「男子は今年結果が出ず、女子も王座で悔しい思いをして、チャレンジャーとしてこの大会に照準を合わせて臨みました。アベック優勝2回目ということで、勝った喜びよりも勝てた安堵感の方が大きいです。両監督は毎年学生が変わる中でしっかりとチーム作りをしてくれて、選手たちもそれに応えてくれて、本当におめでとうと言いたいです」と語り、監督、選手らを労った。山学男女は3年ぶり2度目のアベック優勝を決め、令和最初の学生チャンピオンとしてその名を伝統ある大会に刻んだ。
文(Y.Y)、カメラ(小池裕太)2019.10.27