山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●2019全国高校駅伝競走山梨県予選
~山梨学院男女とも19回目の優勝。都大路出場~
~全国まで2カ月。課題を修正して総力で挑む~

「男子第70回・女子第31回全国高校駅伝競走山梨県大会兼関東高校駅伝県予選」が10月26日、西湖畔周回コースで行われた。男子は7区間42,195km、女子は5区間21,0975kmを男子14校、女子13校が出場。秋の湖畔を力走した。山梨学院高男子は、1区4位と出遅れたが3区でトップに立つと譲らず、2位笛吹高に3分30秒の差をつけ、2時間12分42秒でゴール。9年連続19回目の優勝。女子は、1区鬼頭がスタート直後からトップに立ち1位で襷をつなぐとその後も全員が区間賞の走りを見せ、2位韮崎高に5分36秒差の1時間15分47秒でゴールテープを切り、11年連続19回目の優勝を飾った。山梨学院高を含めた上位6チームは11月16日に行われる関東大会に出場し、優勝した山梨学院高男女は、12月22日に京都市で行われる全国大会(都大路)に山梨県代表として出場する。

「男子第70回、女子第31回全国高校駅伝競走山梨県予選会」は、前日の雨もあがり僅かに色づき始めた樹々の葉が陽を受け、五合目付近まで冠雪した富士山が見下ろす西湖湖畔で行われた。このところの肌寒い日とは打って変わり穏やかな気温の中、男子が午前10時20分、西湖レストハウス前駐車場をスタートした。高校駅伝の幕開け。熱い声援が選手たちをロードに送り出した。参加チームは男女とも昨年より1校少ない男子14校、女子13校。それぞれが6校の関東大会出場枠と全国大会(都大路)男女各1校の切符を懸けて競い合った。

◆男子《42,195km》西湖畔周回コース左回り
■男子1区10,000m=大塚嘉胤(3年)・区間4位
大塚は、レースの流れを左右する10kmの最長区間に抜擢された。1区からトップに立ち、レースを優位に進めようとした大塚は、スタートから積極的に先頭に出て、後続を従える。しかし、序盤の上りでリズムが掴めなく、先頭を譲ると残り3km付近で引き離され1位の笛吹高に34秒差、3位の巨摩高に10秒差をつけられ4位で2区の小松田有将(2年)に襷をつないだ。大塚嘉胤選手は「上りで力を使わないで下りからペースを刻んで行こうと思ったのですが、序盤から足が重くて動かせなくて1週間前の試走の時のタイムから1分近く遅く、情けない走りになってしまった」と悔やんだ。
■男子2区3,000m=小松田有将(2年)・区間1位
2区の小松田は、順位を上げられなかったものの、区間賞の走りで前を行く3校に追いすがり3位の巨摩高まで4秒差に縮めた。小松田有将選手は「1番で来ると思っていたので想定外で正直焦りもあったのですが、ラスト1kmの下りでペースを上げることができました。個人的には最低限の走りはできたと思います」と手ごたえを口にした。
■3区8,107.5m=漆畑徳輝(3年)・区間1位
4位で襷を受けた漆畑徳輝(3年)は9月の記録会5000mで自己ベストを更新。昨日との気温差で体調は今一つだったと言うも、走り出してすぐに3位を捉えると、3km付近でトップをかわすとそのまま差を広げる圧巻の走り見せ、2位の笛吹高に51秒の差をつけた。漆畑徳輝選手は「4位だったので焦らず少しずつ前を追いかけて行こうとしました。自分の力を出し切ることを考えて走りましたが目標タイムより20秒遅いのでこれからもっと力をつけないと全国では戦えない」と前を向いた。
■4区8,087.5m=加藤聡太(3年)・区間1位
加藤は、襷を受け取るとさらに差を広げ、2位以下にダメージを与えた。加藤聡太主将は「個人的には目標タイムより悪くて課題が残るレースでした」と納得していない。9年連続19回目の都大路出場については「先輩たちが築いてきた歴史をつなげられて良かったです」と安堵するも、「もっと走り込んで長い距離に対応できる力が必要だと思います」と課題を挙げる。全国では「長い区間を上位で走りたい」と決意を新たにした。
■5区3,000m=河野瑛(3年)・区間1位
河野瑛選手は「1kmごとのペースを見ながらどの位粘れるかを考えて走りました」。しかし、5区の上りから始まるコースは河野を苦しめた。「上りで段々と腕が固まってきてしまい急な蝙蝠穴付近できつくなってしまいました。その先の2km過ぎてからの下りでペースを上げられたらと考えていました。目標タイムよりは悪かったですけど、試走の時よりかは速かったので良かったと思います」と最後まで諦めない走りで2位をさらに引き離した。
■6区5,000m=額賀稜平(3年)・区間1位
湖畔沿いを走る6区のほぼフラットのコースを、額賀稜平選手は「本来ならば、中間過ぎてから徐々にペースを上げていきたかったのですが、それができずにずるずる落ちてしまった」と下を向いた。さらに「この駅伝でしっかり走って関東、全国という大きな大会に調子を合わせていきたかったんですが自分に満足いく結果が出ずに走り終わってしまって正直悔しさが残る大会になってしまった」と話した。
■7区5,000m=橘田翔(2年)・区間1位
2年生でアンカーを任された橘田翔選手は気負いから普段の走りができなかった。「先頭で襷をもらって最初の2km位を飛ばし過ぎて後半の上りで足が動かなくなりました」。9連続19回目の優勝を意識して「連覇してきているということで、絶対に負けられないという気持ちがあった」といつもの余裕の走りには程遠い苦しい表情でゴールに飛び込んできた。「きつすぎて。最後は笑顔でゴールしようと思っていたのですが無理でした」と苦笑い。
「結果はチームで優勝できたのでほっとしています。チーム的には強いので次の都大路に向けて頑張っていきたいと思います」と気持ちを入れ替えた。

レース後、平成25年度男子第64回全国高等学校駅伝競走大会で初優勝に導いた箱崎孝久駅伝部総監督は開口一番「なかなか厳しいレースで思ったより苦戦しました」と厳しい表情。全国に向けては「ここまでうまく仕上がってきて5000mのタイムも伸びて来ていたので今日の結果は残念です。もう一回立て直さなければいけないと思っています」と気を引き締めた。

◆男子《42,195km》 優勝*山梨学院高 タイム*2時間12分42秒

区間 氏名 距離 区間タイム 区間 合計タイム 総合
1区 大塚嘉胤(3年) 10,000m 32,16 4位 32,16 4位
2区 小松田有将(2年) 3,000m  9,01 1位 41,17 4位
3区 漆畑徳輝(3年) 8,1075m 24,52 1位 1:06,09 1位
4区 加藤聡太(3年) 8,0875m 25,44 1位 1:31,53 1位
5区 河野 瑛(3年) 3,000m 9,31 1位 1:41,24 1位
6区 額賀稜平(3年) 5,000m 15,28 1位 1:56,52 1位
7区 橘田 翔(2年) 5,000m 15,50 1位 2:12,42 1位


◆女子《21,0975km》西湖畔周回コース左周り
■1区6,000m=鬼頭このみ(2年)・区間1位
女子は、男子の10分遅れの午前10時30分にスタートした。1区鬼頭は、スタート直後から先頭に立ち集団を引っ張った。鬼頭このみ選手は「レース前は集団で走ろうと思っていましたけど、最初から行けると思ったので積極的になりました」。序盤の上り2kmで後続を徐々に引き離すと3kmからの下りで「下りが得意なのでそこでしっかり差をつけようと思っていました。最後の2kmはきつかったけど2区で夢先輩が待っているので1秒でも速く襷をつなげられるよう、チームの事を考えて走りました」。第1中継所では2位の笛吹高に36秒の差をつけて2区に襷を渡した。
■2区4,097.5m=伊藤夢(3年)・区間1位
伊藤は、最近まで体調を崩し復調しつつも万全でない中で力走した。伊藤夢選手は「襷をもらった時には後ろは見えなかったですけど、とりあえず1番で襷をつなげるようにと走りました。後半の徐々に上っていく所と襷渡しの場所がきつかった」。本調子でない中でもエースの誇りを胸に最低限の走りを見せ2位との差を1分に広げた。中継所でレースを見ていた伊藤の祖父清水信夫さん(静岡県裾野市)は「今体調があまり良くないと聞いていたけど良く頑張ってくれた。うれしかった」と孫の走りに目を細めた。
■3区3,000m=中嶋千沙都(1年)・区間1位
中嶋は普段はトライアスロンチームに所属し今回助っ人として起用された。中嶋千沙都選手は「緊張し過ぎないでリラックスして走れればタイムはついてくると思っていました。上りの半ばの1kmあたりが苦しかった」と話したがトライアスロンで鍛えた足腰で力走した。駅伝という初めて走る環境については「1年生でこのチームで走らせてもらいとても楽しかったです」と笑顔で話した。
■4区3,000m=平塚莉珠(3年)・区間1位
主将として初めて走って駅伝で平塚莉珠選手は「無事に全国決められてほっとしています」と胸をなでおろす。2位と大差がついた独走の展開に自身の走りについて「全体的に平坦なコースですけど第3中継所を曲がった先の直線コースが長く感じてとてもきつかったです。少しでも速くと、予想していたタイム近くには走れたので良かったです」と納得した。2か月後の全国大会に向けて「これからでも皆で調子を上げることができるので全国では20番を目安に頑張りたい」と意気込んだ。
■5区5,000m=米原千尋(3年)・区間1位
米原千尋選手は「今年が最後の駅伝で絶対に都大路に行くという目標をぶらしたくなくて今の力をしっかり出し切れるようにと走りました」と。襷を受けると猛然と走り後続との差をなおも広げた。残り約1kmレース終盤ゴールまで続く上りに苦しめられたが最後は笑顔でゴールテープを切った。「個人的には下りが得意で好きですが上りを克服しないといけないですし、5kmいう距離は練習では結構走っているんですけどそれをレースで出し切る力が自分にはまだないので、今日のタイムだと全国では戦えないと思うの個人としてもチームとしても考えていかないと」。課題を挙げた。女子の総合タイムは昨年を4分近く下回るタイムも、11年連続19回目の優勝となった。

◆女子《21,0975km》 優勝*山梨学院高 タイム*1時間15分47秒

区間 氏名 距離 区間タイム 区間 合計タイム 総合
1区 鬼頭このみ(2年) 6,000m 21,39 1位 21,39 1位
2区 伊藤 夢(3年) 4,0975m 15,00 1位 36,39 1位
3区 中嶋千沙都(1年) 3,000m 9,51 1位 46,30 1位
4区 平塚莉珠(3年) 3,000m 10,31 1位 57,01 1位
5区 米原 千尋(3年) 5,000m 18,46 1位 1:15,47 1位

 
レース後、依田崇弘女子監督は「無事全国を決められてほっとしています。今回は、大砲がいないので最初から欲張り過ぎずに特に快走は求めずに堅実につないで行こう、全員で少しずつ差を広げて最後は差を大きく広げて勝とうということで臨みました」と静かに語った。「走りのタイムは予想通りではあったんですが、やはり関東や全国では通用するタイムではないのでこれからそこに向けて少しでも山梨県代表として恥じない走りができるように練習していかねば」と気を引き締めた。

◆大会結果《上位6校関東大会出場》
男子優勝・山梨学院高、2位・笛吹高、3位・韮崎高、4位・農林高、5位・巨摩高、6位・甲府工高。女子優勝・山梨学院高、2位・笛吹高、3位・北杜高、4位・韮崎高、5位・甲府昭和高、6位・巨摩高。

関東大会は11月16日(日)、神奈川県山北町丹沢湖周回コースを予定していたが台風19号の被害の影響で別のコースを検討中。全国大会(都大路)は12月22日(日)、京都府西京極陸上競技場発着で行われる。
全国大会まで2ヶ月。山梨学院は、課題を修正し総力で上を目指す。

文(K.F) カメラ(今村スタジオ、K.F)2019.10.27