●第98回全国高校サッカー選手権山梨大会 準決勝
~山梨学院高は日本航空高と対戦し0対1で敗れる~
~県リーグ優勝・プリンスリーグ昇格に向け再始動~
第98回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は11月2日、甲府・小瀬スポーツ公園山梨中銀スタジアムで準決勝2試合が行われた。山梨学院高はこの日の第2試合で昨年の覇者・日本航空高と対戦。試合は、前半序盤から航空が押し気味に試合を進め、11分に山学のオウンゴールで航空が先制。早い時間の失点ということもあり、山学は落ち着いて攻撃を組み立てるが、決定機に欠き0対1で前半を折り返す。山学は後半序盤に交代カードを切り、前線を活性化。何度かシュートチャンスを作るが、航空の粘り強い堅守を最後まで崩すことができず試合終了。山学は航空に0対1で敗れ、準決勝で涙をのみ、決勝進出はならなかった。
第3シードの山梨学院高は初戦・3回戦を甲府東高と対戦し4対0、準々決勝では、帝京第三高と対戦し3対1で勝利し準決勝に進出。対する昨年の覇者・日本航空高は第2シードで初戦・3回戦を市川高に5対0、準々決勝では駿台甲府高に2対0と無失点で準決勝進出を決めた。バックスタンドには両校応援団が陣取り試合前から熱い応援で選手らを鼓舞。令和最初の“選手権”まであと2つ、負けられない戦いが山学のキックオフで始まった。
第98回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準決勝 ≪山梨学院高VS日本航空≫(11/2)山梨中銀スタジアム |
||
---|---|---|
● 山梨学院高 0 | 前半 0-1 後半 0-0 |
1 日本航空高 ○ |
得点者: オウンゴール |
試合は、前半立ち上がりから航空が人数をかけた守備やセカンドボールへの対応など早々に山学の攻撃の芽を摘み、終始押し気味に試合を続ける。山学も攻守の素早い切り替えで攻撃のリズムを整えるが11分、ペナルティエリア右からのFKのセットプレーの場面で山学のクリアミスがオウンゴールとなり航空が先制。先制を許した山学は、早い時間の失点ということもあり、落ち着いて前線や右サイドにボールを入れ、攻勢を強める。22分、MF平松柚佑(3年)が相手のボールを奪うとMF関口翼(3年)につなぎ、MF関口がドリブルで抜け出しシュート。しかしボールは相手GKの好セーブで得点は奪えない。33分にはDF中根悠衣(2年)が左サイドからゴール前にクロスを供給、これをFW岡田遼平(3年)が頭で合わせるもボールはバーの上。0対1で前半を折り返し、山学は後半序盤に交代カードを切り、攻撃を再設計。前線の活性化を狙うが航空の粘り強い守備や素早いカバーリングからボールを前に運べず苦しい時間が続く。後半23分、縦へと早い攻撃からゴール前にボールを運び、途中出場のMF米野智大(3年)がミドルシュート打つも枠外へ。その2分後に山学はPKを獲得するが、相手GKのスーパーセーブに阻まれゴールを奪えない。残り5分、山学はDFラインを押し上げるパワープレーで攻め込み、39分にゴール前の混戦でDF薄田アーナンド(3年)が打ったシュートはバーの上に。山学は諦めずに終了の笛が鳴るまで攻撃を続けたが、最後まで航空の堅守を崩すことができず試合終了。山学は航空に0対1で敗れ、2年連続の準決勝敗退・3位となった。
試合後、長谷川大監督は「球際の勝負で後手を踏んでしまったのが(敗因の)全て。(球際は)うちの強みであり、航空の強みでもあり、相手の方がチャレンジしてきて、後半修正して押し戻したが相手の集中力もあり、ゴール前に行くまでが難しかった。セットプレーやカウンターをケアして練習してきたが、そこから失点したということで悔やまれる」と唇をかみ、「プリンスリーグに上がるためには切り替えてやっていかなければいけない。そこだけは落とさないように、逃さないように立ち上がる。3年生も含め、このメンバーで最後まで県リーグをしっかりと勝って参入戦までもっていけるように、球際の勝負と攻撃の形をしっかりと作りたい」と話し、前を向いた。
令和最初の選手権県代表を逃した山梨学院。ただ、3年生はこれで終わり(引退)ではない。現在、山梨県ユースリーグは暫定首位に位置し、プリンスリーグ関東参入戦出場に手が届いている。3年生は有終の美を迎えるために、顔を上げ、前を向き、立ち上がらなければいけない。1分1秒でも長くこの仲間とピッチで過ごすために・・・。
文(Y.Y)、カメラ(小池裕太)2019.11.2