●内閣総理大臣杯 全日本大学レスリング選手権大会
~大学日本一!! 内閣総理大臣杯3年ぶり6度目の優勝~
~ワンチームになり大逆転二番手三番手が頑張った!~
大学日本一を競う第45回内閣総理大臣杯 全日本大学レスリング選手権大会(最終日)が11月10日、鹿児島の日置市吹上浜公園体育館で行われた。山学は早大、日大、日体大をワンチームになり大逆転しての3年ぶり6度目の優勝を果たした。山学は記念写真のあと高田裕司監督が2回3回と宙に舞った。山学はフリースタイル8階級中の7回級で3位決定戦以上に出場。61kg級 榊流斗と125kg級 アルメンタイが優勝。57kg級 服部大虎と86kg級 山田修太郎、それに敗者復活戦から上がってきた97kg 級大津拓馬が3位。65kg級 飯田翔真と70kg級 佐藤旭が敗者復活から3位決定戦に出場したが敗れて5位となった。高田監督は「日体大が三冠を狙う中、優勝できるとは思っていなかった。本当に二番手三番手の選手たちが良く頑張ってくれた。これはチーム力がついたことの現れ、令和元年に画期的な優勝で、選手たちに感謝です」と絶賛した。試合結果は優勝 内閣総理大臣杯の山学大が49点、準優勝の早大が45点、3位の日体大が42.5点、入賞は4位 日大 36点、5位 拓大 31点、6位 国士舘大 25点、7位 中大 20.5点、8位 明大 18.5点となり、東日本学生リーグが独占した。
◾️試合前インタビュー◾️
小幡邦彦コーチは「団体戦は早大・日大が3階級、うちと日体・国士が2階級で決勝に進出しており団体優勝は混戦」と大きく頷いた。「うちは8階級に7人が最終日に残った。大変厳しい状況だが、可能性は十分ある。「1位 12点、2位 9点、3位 6点、5位 3.5点、7位 2点、8位 1点の大学対抗ポイントが加算される。まだ、まだ、全員一丸となり3年ぶり6回目の優勝を果たし、内閣総理大臣杯に輝き大学日本一となるチャンスはある」と述べた。
◾️〈山梨学院大学戦績〉◾️
《フリースタイル》優勝 内閣総理大臣杯 | 合計 | ||
⬛︎1日目(準決勝)⬛︎ | 49点 | ||
57kg級 | 服部 大虎(2年) | 3位 | 6点 |
61kg級 | 榊 流斗(1年) | 優勝 | 12点 |
65kg級 | 飯田 翔真(1年) | 5位 | 3.5点 |
70kg級 | 佐藤 旭(2年) | 5位 | 3.5点 |
74kg級 | 横山凛太朗(3年) | 1回戦敗退 | 0点 |
86kg級 | 山田修太郎(2年) | 3位 | 6点 |
97kg級 | 大津 拓馬(2年) | 3位 | 6点 |
125kg級 | アルメンタイ(3年) | 優勝(3年連続優勝) MVP最優秀選手賞 |
12点 |
《3位決定戦》
【65kg級 飯田翔真(1年)】
飯田が敗者復活戦を勝ち上がり谷山琢磨(拓殖大)と対戦。第1ピリオドの1分55秒過ぎ、飯田が組み手から谷山にテイクダウンさせられたまらず場外に出て0対1。飯田が谷山のプレッシャーに屈し残り5秒再び場外に出て0対2で終了した。第2ピリオド、残り3分を切り飯田がタックルでテイクダウンし両足を取られバックを決められ4対0。片足タックルからローリングで2回転され0対8。0対9とされた残り30秒に飯田が意地を見せ早い動きから谷山を攻め込むと谷山が堪らず場外に逃げ1対9としタイムアップ。飯田は5位となりチームポイント3.5点を獲得した。
【70kg級 佐藤 旭(2年)】
佐藤が敗者復活戦を勝ち上がり齋藤一樹(明治大)と3位決定戦で対戦。第1ピリオド、佐藤が1対0から20秒過にタックルから右足を取られ1回転され0対3。第2ピリオドに入り、佐藤が積極的に攻めて一進一退の攻防が繰り広げられた残り30秒、齋藤が堪らず場外にのがれて1対3とし、さらに1点を追加され1対4としタイムアップ。佐藤が5位となりチームポイント3.5を獲得した。
【57kg級 服部大虎(2年)】
服部が3位決定戦を敗者復活から勝ち上がってきた諏訪間翔太郎(拓殖大)と対戦。第1ピリオドの20秒過ぎに攻撃に消極的な諏訪間に警告(コーション)が告げられた。諏訪間に30秒間のアクティブタイム(ポイント獲得する時間)が与えられ、この時間内にポイントを取れなかったため4分過ぎに服部に得点1が与えられ1対0。第2ピリオドの残り2分過ぎに服部にアクティブタイムが与えられ1対1とされた。その直後、服部は相手の右足タックルから両足首を交差させてアンクルホールドを決めて3対1とした。残り5秒を切り組み手から左手で左腰を抱えられると、服部は諏訪間の左脇に右手を差し込み小手投げで、大きく右回りしバックを許さない。残り4秒を切り服部は時計が残り1秒を切ったのを確認し、場外に逃れ3対2として組み合ったところでタイムアウト。服部が強かに戦い3位となりチームポイント6点を獲得した。
【86kg級 山田修太郎(2年)】
山田が3位決定戦を敗者復活から勝ち上がってきた白井達也(日体大)と対戦。第1ピリオド、4分40秒過ぎに白井にアクティブタイムが与えられ、この30秒内にポイントを取れなかったため3分50秒過ぎに山田に得点1が与えられ1対0。1対1された残り2秒で組み手の攻防から白井が右足タックルに来て足を取られたが左足で踏ん張り右太腿に相手の頭を押し付けて決め左に体をずらしテイクダウンさせ首を決めながら素早くバックに回り決め4対1とした。日体大がチャレンジし映像判定で失敗し5対1で勝利。心身ともに逞しさを増した山田が3位となりチームポイント6点を獲得した。
【97kg級 大津拓馬(2年)】
大津が敗者復活戦を勝ち上がり村田優(中京学院大)と3位決定戦で対戦。第1ピリオド、大津が1対0とリードした1分50秒過ぎ左足タックルから抱え上げて背中からマットに叩きつける大技でビッグポイント4点が加算され5対0。そのまフォールし2分24秒で勝利。大津がチームポイント6点を獲得した。
《優勝決定戦》
【61kg級 榊 流斗(1年)】
榊が山口海輝(日体大)と対戦。第1ピリオドの4秒、山口がレフリーに負傷棄権を告げ試合が終了した。榊は1年生で初優勝。榊がチームポイント12点を獲得した。
【125kg級 アルメンタイ(3年)】
アルメンタイが決勝戦を石黒峻士(日本大)と対戦。第1ピリオド1分30秒過ぎに、攻撃に消極的な石黒に警告が告げられた。石黒に30秒間のアクティブタイムが与えられ、この時間内にポイントを取れなかったためアルメンタイに得点1が与えられ1対0とした。第2ピリオド、開始15秒アルメンタイが組み手争いから左足タックルに入りバックを決めて3対0とした。アルメンタイが残り30秒過ぎ、再び左足タックルからテイクダウンからバックを決め5対0とし3年連続の優勝。アルメンタイがチームポイント12点を獲得した。
◾️試合終了後インタビュー◾️
▶︎優勝に輝いた61kg級 榊 流斗(1年)は「優勝自体は素直に嬉しいが、決勝の相手が棄権してのラッキーな優勝なので」としっくりこない様子。「リーグ戦で、自分が勝てなくて7連覇できなかったので、今大会は優勝して貢献できて嬉しい」と微笑む。今大会は「左肩の手術後3月ぐらいで、本調子ではなかった」と明かす。「目標は全日本で活躍できる選手になりたい」と高みを目指す。
▶︎3位決定戦で日体大を破った86kg級 山田修太郎(2年)は「優勝を狙っていて準決勝で負けてしまいモチベーションが下がったが、早稲田、日体と優勝争いが行われていて、自分が3位決定戦で日体の白井に勝てば日体の優勝が消え、うちにもチャンスが来ると聞きモチベーションを上げて、戦いに挑み勝ちきれてうちと早稲田の争いとなり、チームに少し貢献できて良かった」と満面に笑みを浮かべた。
▶︎3年連続優勝でMVPに輝いた125kg級 アルメンタイは「大学日本一を決めるインポータントな大会だったので負けは許されなかった」と頷く。「100パーセントの力を出し切り頑張った」と微笑んだ。「ヘルニアで練習は一週間前に本格的に始動した。今回の試合では痛みは出なかった」と笑顔で明かした。「本来は97kg級なので125kg級のウエートはきつかった」と腰に手を当て戯けて見せた。「今日の日大の石黒と昨日の早稲田の山崎は強かった」と片目を瞑った。「本当に勝ててチーム優勝に貢献できて嬉しい」と笑顔。「今回フリーでMVP(最優秀選手賞)を受賞し、これでグレコと二冠になった」と喜んだ。
▶︎上村孝高主将は「1・2年生が頑張ってくれた」と声を弾ませた。自分は試合には出られなかったが、小幡コーチとセコンドに入り確り選手のサポートができたと思う」と胸をはった。「チームは東日本のリーグ戦に負けて悔しい思いをして、日々練習に励み力をつけてきた」と振り返る。「今大会はメディアに優勝候補から外され、これがチームにとってプレッシャーなく気楽に戦え、山梨学院の底力を見せられた」と手放しで喜んだ。
▶︎小幡邦彦コーチは「正直、試合前は戦力が落ちていた分、優勝は厳しいと思っていたが、大会1日目に選手一人一人が頑張ってくれて、大学日本一となるチャンスはあると確信した」と褒めた。「リーグ戦は7階級のうち4階級勝てばチームの勝ちとなるが、今大会は総合得点なので8階級で1位から8位までの得点がどれだけ取れるかが優勝を分けるポイントで、うちは優勝2人、3位3人、5位2人、得点なし1人と、上位で平均して得点をあげて優勝できた」と噛み締めた。
▶︎高田裕司監督は「今年はリーグ戦、インカレも成績が伸びなくて、今回もうちのエース乙黒が欠場で、日体大が三冠を狙う中、優勝できるとは思っていなかった」と胸中を明かした。今大会は「本当に二番手三番手の選手たちが良く頑張ってくれた」と褒めた。「これはチーム力がついたことの現れ」と大きく頷いた。「令和元年に画期的な優勝で、選手たちに感謝です」と心から喜ぶ。「これは来年につながる」と絶賛し会場を後にした。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.11.12