●第63回全日本大学空手道選手権大会
~男子団体形 駒澤大に0.1差及ばず無念5位~
~中村・大上・塙の自信『パイクー』演武も~
第63回全日本大学空手道選手権大会が11月10日、愛知県スカイホール豊田で開催された。山梨学院大学は当連盟の最高峰に位置づけられた大会の男子団体形の部で5位となった。山梨学院は第1ラウンドAグループで中村脩平(4年)・大上健(4年)・塙聖司(3年)で『セイエンチン』の形演武を行った。その結果、1位 帝京大学、2位 同志社大学、3位 山梨学院大学、4位 中部学院大学の上位4チームが第2ラウンドに進んだ。Aグループ第2ラウンドで山学は『スーパーリンペイ』の形演武を行い、1位 帝京22.8点、2位 山学21.9点、2位 同志社21.9点、4位 中部21.1点となり、山学と同志社が順位決定戦を行い同志社が2位、山学が3位となった。山学はBグループ2位の駒澤大学と3位決定戦を行い、山学は自信の『パイクー』の形演武で25.6点と駒澤の25.7点に0.1差及ばず無念の5位となった。片田貴士監督は「優勝、悪くても3位を狙っていた。選手は期待どおりの力を出し切ってくれた」と褒めた。「優勝した帝京大との差は、歴然としていた。これで今年度の大会は全て終了した。新チームで高みを目指します」と来年度の活躍を誓った。
【試合前インタビュー】
片田貴士監督は「優勝を目指して、技の切れや正確さやスピードを競う競技、十分練習を積んできた」と頷く。出場選手は「中村脩平(4年保善)・大上健(4年岡山山陽)・大家廉(4年埼玉栄)・塙聖司(3年横浜創学館)でエントリーした」と明かす。形演武は「『パイクー(白虎)』『スーパーリンペイ(壱百零八手)』『セイエンチン(征遠鎮)』を予定」している。「いずれも、戦いの演武。日頃の練習の成果を大会で発揮してもらいたい」と期待をかける。
【男子団体形試合】
《第1ラウンドAグループ》
山梨学院は第1ラウンドAグループに、中村脩平・大上健・大家廉の代わりに塙聖司のメンバーで、形演武『セイエンチン』で臨んだ。片田監督は「セイエンチンは、『緩急』静と動が重要となる形。見せ所は技の大きな切り返しが、前半2つ、後半2つある。技のキレと力強さの表現が必要」と試合を見つめる。演武後「いつもと同じ演武ができた。1位となった帝京大学と同じ得点を出した審査員もいたので、総じて上手く出来た」と評した。その結果、山学は目論み通りの選手の活躍で、1位 帝京大学、2位 同志社大学、3位 山梨学院大学と3位に入り第2ラウンドに進出した。
《第2ラウンドAグループ》
山梨学院はAグループ第2ラウンドを、片田監督は「第1ラウンドの演武が良かったので、リラックスして、この調子で行こう」と、中村脩平・大上健・塙聖司のメンバーを送り出した。形演武は『スーパーリンペイ』で臨んだ。片田監督は「スーパーリンペイは、力強さを表している重厚感のある形。最初の3本の突き、中盤の突きなど多種多彩な攻撃的なところが、3ブロックに分かれている演武」と試合を見つめる。演武後「第1ラウンドの流れ、そのままで良かった」と評した。その結果、1位 帝京22.8点、2位 山学21.9点、2位 同志社21.9点、4位 中部21.1点となり、山学と同志社が21.9点で2位となったため順位決定戦を行った。片田監督は決定戦について「一人一人の演武は良かったが、若干乱れてしまうところがあった」と、同志社が2位、山学が3位となった。これで山学はBグループ2位と3位決定戦を戦うこととなった。
《3位決定戦》
山梨学院はBグループで2位となった駒澤大学と対戦が決まった。片田監督は「駒澤は非常にダイナミックに形を演武してくるチーム。足のスタンスや幅が大きい、うちとは対照的な形を演武をしてくる」と予測する。いよいよ3位決定戦、山学は中村脩平・大上健・塙聖司のメンバーで形演武『パイクー』で臨んだ。片田監督は「パイクーは、連続した動作が特徴な形。1つの動作でワンツーなど連続した動きや瞬発的な力の出しかたが重要」と試合を見つめる。演武後「練習どおりの力を発揮してくれた」と評した。その結果、形演武で25.6点と駒澤の25.7点に0.1差及ばず5位となった。
【試合後のインタビュー】
片田貴士監督は「優勝、悪くても3位を狙っていた」頷く。「選手は期待どおりの力を出し切ってくれた」と褒めた。しかし、大会で「優勝した帝京大との差は、歴然としていた。そのほかの大学とは僅差で接戦だったが」と肩を落とす。「私の読み以上に帝京大は素晴らしい演武を行った」と脱帽した。「これで今年度の大会は全て終了した。来年度の大会に向けて新チームで高みを目指したい」と抱負を述べた。「団体形に出場した中村脩平と大上健、そしてその他の空手部の4年生はこの大会で引退となる」と感慨深い。「山梨学院に入学してくれて4年間、全員がチームのためにも頑張ってくれた」と感謝する。「育成スローガンに『文武両道をモットーに選手としても社会人としても一流の人材を目指す』を掲げて、一人一人が向上心を持って良く練習に励んでくれた。社会に出ても自主性と協調性を持って社会人として一流を目指してもらいたい」とはなむけの言葉を送った。
文(H.K) 、カメラ(小池裕太) 2019.11.11