●第33回関東大学女子サッカーリーグ2部最終節
~山学大は順大に引き分け貴重な勝ち点1を挙げる~
~2部優勝1部復帰を決め選手たちは笑顔の花満開~
第33回関東大学女子サッカーリーグ2部最終節が11月10日に行われ、山梨学院大は山梨学院和戸サッカー場で順天堂大と対戦した。山学大は最終節を残し、勝ち点16の暫定2位。首位はすでに日程を消化した日本大で勝ち点差は僅か1。山学は最終戦を勝つか引き分け以上で2部優勝、1部復帰が決まる。山学は優勝を意識し、硬さが目立ち思うように攻撃のリズムが整わず0対0で前半を折り返す。後半、山学は選手交代でシステムを変え、前線を活性化し攻勢を強め、幾度となく順大ゴールに攻め込むが決定機に欠き両チーム無得点で試合終了。山学は最終戦を勝利で飾れなかったが貴重な勝ち点1を挙げ、2部優勝、1年での1部復帰を決めた。試合後、選手たちは笑顔の花を咲かせ、応援に駆け付けた保護者やOGと喜びを分かち合った。
山学大サッカー部女子は、創部6年目で現在社会人までを含めた山梨県女子リーグ1部で暫定首位、皇后杯全日本女子サッカー選手権には県勢として初めて本戦(関東第2代表)に出場した。先週の皇后杯1回戦では、バニーズ京都SC(なでしこ2部)と対戦し、格上相手にPK戦の末惜敗。学生リーグの関東大学女子サッカーリーグでは、一昨年2部優勝し初の1部昇格。しかし、昨季1部10位と1部校との壁を痛感。今年は2部でシーズンを戦い、最終戦を前に5勝1敗1分の勝ち点16の暫定2位。首位はすでに日程を消化した日大(5勝1敗2分 勝ち点17)。山学が最終節勝利の場合、勝ち点で上回り、仮に引き分けても勝ち点は同じながら得失点差で上回り、2部優勝・1部復帰が決まる。山学イレブンは、皇后杯の勢いそのままに暫定3位の順天堂大と対戦した。応援席には、保護者やOGに加え、先日の入れ替え戦に勝利し、初の1部昇格を決めたバスケ部女子も応援に駆けつけ選手たちに声援を送った。
第33回関東大学女子サッカーリーグ戦2部 最終節 ≪山梨学院大VS順天堂大≫(11/10)山梨学院和戸サッカー場 |
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山梨学院大 0 | 前半 0-0 後半 0-0 |
0 順天堂大 |
前半立ち上がりは、優勝を意識してか山学の選手たちは硬さが目立ち、順大にカウンターから前線にボールを入れられ、相手ゴールに向くことが難しい時間が続く。GK大城聖奈(3年 名護高)のコーチングや主将のDF生沼奈央(4年 健大高崎高)を中心とした守備で得点を与えず、守備から徐々に攻撃のリズムを整えていく。20分過ぎからボールが動き始め、山学はサイドを広く使い得点の機会を伺う。両チーム中盤でのプレーが増え、一進一退の攻防が続き、0対0で前半を折り返す。後半開始から山学は選手交代を行い、システムを1トップから2トップに変更し、前線を活性化。皇后杯を経験し、精神的にもたくましくなった選手たちは、積極的にボールにチャレンジし、攻勢を強めていく。後半5分、MF浜田芽来(1年 十文字高)の右からのクロスにユニバーシアード日本代表のFW小山由梨奈(4年 ジェフ市原・千葉レディースU18)がシュートで合わせるもボールはポストに。2分後にはユニバーシアード日本代表のMF鈴木日奈子(3年 常盤木学園高)が右サイドからゴール前にボールを入れ、MF浜田が合わせるもボールはGK正面。その後も攻撃の手を緩めず、果敢に順大ゴールに攻め込むが、決定機に欠き、得点に繋がらず時間だけが過ぎていく。35分過ぎには3度のセットプレーの場面も相手の堅守に阻まれ、得点を奪えず両チーム無得点で試合終了。勝利を目指して戦った山学イレブンだったが、貴重な勝ち点1を挙げ、得失点差で日大を上回り2部優勝、1年での1部復帰を決めた。試合後選手たちは、笑顔で記念写真に納まり、応援席の保護者やOG、バスケ部の選手たちと喜びを分かち合い、来シーズンの1部での活躍を誓った。さらには、サプライズで4日後の田代久美子監督の誕生日も2部優勝・1部復帰という最高のプレゼントで祝福した。
試合後、田代久美子監督は「昨年2部降格が決まった時から1年で戻ることは心に決めていたので、嬉しいというよりはホッとしたのが正直な気持ちです。試合前から硬さが見えていて、選手には目の前の勝負にこだわってやろうと言って送り出しましたが、ゲームも非常に硬い内容になってしまったので、そういった点ではまだまだだと思います」と試合を振り返り、来シーズンに向け「1年生も多く出て活躍してくれているので、これまで築いてきたものにプラスして、前への強さをもっと磨き、攻守にアグレッシブにやれるように、これから見直しをして、挑戦したいと思います」と述べた。生沼奈央主将は「結果としては引き分けですが、1部昇格という目標が達成できたので凄く嬉しいです」と喜びを語り、「チームをまとめるという点では苦労しましたが、ほかの4年生も協力してくれたのでとてもやりがいがありました。自分たち4年生は1部昇格が最終目標でしたが、後輩には1部で戦いインカレ出場権を獲得してほしいです」と後輩に期待を寄せた。チームを前線で盛り立てたFW小山由梨奈選手は「自分たちのペースで試合に入れなかったので苦労しました。最近プレーが上手くいかない部分があり、点を決めたい気持ちが大きかったですが、同点で試合が終わり、自分としては勝って終わりたかったのが正直な気持ちです。(4年間を振り返り)得るものが沢山あり、これから関東リーグの参入戦もあるので、悔いが残らないように結果を出せるように頑張りたいです」と語り、最後まで声を出し、ゴールを守り抜いたGK大城聖奈選手は「90分通して攻めている時間が多い中で、相手はカウンターや縦へのスピードなどを得意とするので、(山学が)攻撃をしている段階から後ろからコーチングしてゲームをコントロールできるようプレーしました。1部復帰を決めましたが、去年1年で1部から落ちてしまったので、1部に残り続け、インカレに出場できるよう結果と順位にこだわって来年はプレーをしたいです」と話した。
1年で1部復帰を決めた山学大のシーズンはこれで終わりではない。山学大は、山梨県女子リーグ1部で暫定首位。優勝チームには上位リーグの関東リーグへの参入戦の権利が与えられ、残り4試合負けられない戦いが続く。山学イレブンは、さらなる高みを目指し、ボールを追い続ける。
文(Y.Y)、カメラ(藤原稔)2019.11.10