●高円宮牌2019ホッケー日本リーグ
~山学 初の準優勝に輝く目標達成!~
~MF主将 川口リバースで一撃誇示~
高円宮牌2019ホッケー日本リーグ女子・ファイナルステージは11月17日、大阪府茨木市の立命館OICフィールドで決勝戦が行われた。決勝戦は初の決勝進出で初優勝を狙う山梨学院CROWNING GLORIESと、5連覇11回目の優勝を狙うソニー HC BRAVIA Ladiesの対戦となった。山学は第1Q、相手陣地を襲うがソニーも譲らない手に汗握る攻防。山学がソニー陣地に攻め上げた残り1分、カウンターからソニーのFW9 永井友理にフィールドゴール(FG)を決められ先制される。第2Q、ソニーに2分 FW7 小沢菜々恵、8分 FB14 小川里佳と連続FGを、10分FW9 永井にペナルティーショットを決められ0対4。第3Q、再びFW9 永井にFGされ0対5。第4Qの試合終了3分前に山学がソニーのゴールに波状攻撃を仕掛け、ゴールキーパーが弾いて浮いてきたボールをMF7主将 川口花菜がリバースで叩くと鮮やかにゴールに突き刺さり1対5として、主将 川口が左手にスティックを持ち両手を高々と掲げ山学チームの一撃を誇示した。間も無くすると試合終了のフォーンが会場に鳴り響き、山学は初の準優勝に輝くとともに目標の3位以上を達成した。
◾️試合前インタビュー◾️
ジョン・シアン監督は「楽しみ。今ワクワクしている」と笑顔。「今年のチームは初めは攻め手に悩むなど得点力に悩んでいたが、特に全日本学生選手権(インカレ)で点数が取れるように改善できた」と頷く。高円宮牌の「レギュラーステージも、中盤のMF8番の的場斐那が組み立てて、日本代表のMF4番の尾本桜子、右には伸び盛りのFW14番の中込絵莉、そしてディフェンスのFB2番 鈴木美結らの選手が成長」して快進撃を見せた。「ファイナルステージの準々決勝で南都銀行に3対1、準決勝で立命館ホリーズを3対0で下し、チームはさらに上昇中」で決勝戦に勝ち上がってきた。ディフェンスでは「高円牌は、失点は1点以上は取られていない」と12戦で38得点、5失点と絶好調。高円牌は3位が最高で決勝進出は初めてとなる。決勝のソニー戦のポイントは「ペナルティーコーナーの一本目が決まると『点数が入るぞ』という気持ちにもなるので、1本目のペナルティーコーナーを決めることが重要」と述べた。
⬛︎〈決勝戦 山梨学院 対 ソニー〉⬛︎
山梨学院CROWNING GLORIESはレギュラーステージ学生リーグ1位でファイナルステージに進出。ファイナルステージの準々決勝で南都銀行 SHOOTING STARSに3対1、準決勝で立命館ホリーズを3対0で下し決勝戦に勝ち上がってきた。ソニー HC BRAVIA Ladiesはレギュラーステージ社会人リーグ1位でファイナルステージに進出。ファイナルステージの準々決で天理大学ベアーズに2対2でSO(シュートアウト)戦で3対2、準々決勝でグラクソ・スミスクライン Orange Unitedを1対1でSO戦で4対3で下し決勝に進出してきた。茨城市は15時00分の天気予報は、天気曇り、気温18.5度、湿度42%、北北西の風、風速2m/s。立命館OICフィールドはウォーターベース人工芝1面に観客席つきスタンド併設。いよいよ試合が開始されるジョン・シアン監督は「ここまできた、山学のホッケーで思い切り戦おう」と選手を送り出す。ゴールキーパーとフィールドプレイヤーの11人が守備位置につく。15時00分、フォーンが会場に鳴り響き、山梨学院 CROWNING GLORIES 対 ソニー HC BRAVIA Ladiesの60分間の試合が開始された。
▶︎第1Q、山学のセンターパスから試合が開始された。前半開始1分相手陣地を襲うがソニーも譲らない手に汗握る攻防。山学がソニー陣地に攻め上げた残り1分、カウンターからソニーの永井友理にフィールドゴール(FG)を決められ先制0対1とされた。ジョン・シアン監督がオフェンスとディフェンスの戦術を簡単に伝えた第2Q、ソニーに2分 FW7 小沢菜々恵、8分 FB14 小川里佳と連続FGを、10分FW9 永井にペナルティーショットを決められ0対4。それでも山学の攻防は衰えないままタイムオーバー。ハーフタイムの10分、ジョン・シアン監督が「1点ずつ返して行こう」と選手に声をかけた第3Q、ソニーのセンターパスから試合が開始された4分、再び永井にFGされ0対5と突き放される。山学とソニーの攻防が激しくなる、そのままタイムオーバー。ジョン・シアン監督が「思い切りいけ」と檄を飛ばし送り出した第4Qの開始3分、山学がペナルティーコーナーを獲得し、パッサーがボールをストロークしたがストッパーのスティックに当たり大きく後方に上がり相手陣地に抜け好機を逸した。山学は諦めることなくFB10 和田茜がサイドラインからサークルにたまを入れるが得点につながらない。山学は今度はFW1 田中花歩が右サイドラインからドリブルで相手陣地に切り込むが急転換しFB5 中村詩織にバックパス、中村が左のFB6 松郁実にパス、さらに松が左センター寄りの司令塔MF8 的場斐那にパス。ナンバー8 的場がサークル内のFW14 中込紅莉にボールを送る。中込がボールに食いつくが相手ディフェンダーに阻まれながらもドリブルでゴールに向かう。それにFW1 田中が前に出るゴールキーパーとの間に飛び込む、ゴールキーパーがボールを弾いて浮いてきたボールを中央やや左からMF7主将 川口花菜がリバースで叩くと鮮やかにゴールに突き刺さり1対5とした。主将 川口が左手にスティックを持ち両手を高々と掲げ山学チームの一丸の一撃を誇示した。試合終了後、ジョン・シアン監督が「スコアは1対5だが、スコアほどの差はなかった。立派に戦った」と選手を称えた。
◾️試合終了後インタビュー◾️
▶︎MF7主将 川口花菜は決勝戦について「前線から前に攻める積極的なプレーは出来ていたが、相手は5連覇11回目の優勝を狙うソニーだったので、23mラインまでは行けたが、なかなかサークルまで攻め切ることが出来なかった。悔しいが、ソニーは一つ一つが連携してプレーができていたのと、守備から攻撃の切り替えも一つ一つのプレーも速さがあった」と振り返った。得点について「皆んなが必死でつないできたボールをゴールキーパーが弾いて浮いて来た。皆んなの思いのこもったボールだったので絶対決めてやるとリバースで叩いて決めた」と一丸の一撃の心境を明かした。「チームは今日の試合の課題を練習でクリアして、12月に行われる全日本選手権で決勝まで行きリベンジを果たしたい」と抱負を述べた。
▶︎ジョン・シアン監督は「第1Qはうちが攻めのチームなので、残り1分で実力のあるソニーにカウンターで先制された。第2Qの連続3得点で試合は決まった。第3Qの1点は人に当たりる不運な得点だった」と頷く。得点だけ見ると1対5とワンサイドゲームだか、試合内容は緊迫した良い戦いだった」と選手を称える。「第4Qの得点は、チームの意地の得点だった」と頷く。「このチームは高円宮牌の決勝が初敗戦と良く戦って来た。今日の試合は攻め合いは五分五分でソニーがただ効率が良かった。この部分では圧倒的な差があった」と敗因に触れた。「引いて守って戦う戦法もあったが、うちのスタイルの攻めで戦う挑戦状だった」と振り返った。「全日本選手権で、この決勝戦でやりきれなかったことを、これから取り組み達成したい」と述べ会場を後にした。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.11.19