●第39回全日本学生スピードスケート選手権大会最終日
~持田 総合3位逃し 原ともに5位入賞~
~インカレに向けて、高みを目指ざす~
第39回全日本学生スピードスケート選手権大会2日目最終日が12月1日、渋川市の群馬県総合スポーツセンター伊香保リンクで行われた。山梨学院大学勢は女子スプリントで持田あかり(4年)が500mで「体がスムーズに動いた」と40秒51と昨日を0秒37上回る好タイムでゴールし5位。最終種目1,000m、「この滑走で自分のスケートができれば総合3位が取れる」とスタート。400mを激走し昨日を0秒11上回る1分22秒00でゴールしたが6位として「総合3位が5位。インカレまでにはダッシュを修正したい」と決意を述べた。男子スプリントで原眞尋(2年)が500mで「1本目がうまく出なかった」と9位とつまずいた。しかし、昨日13位の1,000mで5位とし総合5位入賞を果たした。川上隆史監督は「持田と原ともに1歩及ばず表彰台に上がれなかったのは残念。2人ともこの大会で得た課題に向けて取り組みさらに高みを目指してもらいたい」と期待を込める。「選手たちはインカレに向けて、2か月余りと十分時間はあるので、それぞれが自己管理を徹底して練習を積んで調整を行ってもらいたい」と期待を寄せた。
◾️試合前インタビュー◾️
▶︎伊藤潤二コーチは昨日4位の原選手について「原は昨日、屋外でベスト記録を出した。原の室内リンク記録は36秒41をマークしており、室内記録からして条件が揃えば35秒台を出し優勝する力は十二分にある。今日は欲を持って戦ってもらいたい」と大いに期待を寄せる。
▶︎川上隆史監督は持田について「持田は女子の主将として、昨日のレースでは1,000m6位、500m7位と健闘してくれた。この勢いでベスト記録を出す滑りで表彰台を狙い、チームの選手を牽引してもらいたい」と期待を込めエールを送る。他の選手には「男女ともに8位から20位以内を目指してもらいたい」と激励。今日は最終日、女子スプリントの持田、男子スプリントの原ともに、種目と総合での表彰台を目指す。
◾️〈2日目 山梨学院勢戦績〉◾️
群馬県総合スポーツセンター伊香保リンクは榛名山麓の大自然の中、標高940mに位置している。屋外リンクは400メートルトラック。屋内第1リンク、58メートル×28メートルと屋内第2リンク58メートル×28メートルを併設している。ウォームアップが7時30分から8時30分まで行われ、9時00分から女子500mが開始された。
●女子スプリント●
《 500m 2日目 》
▶︎15番滑走の山梨学院の持田あかり(4年)が、昨日1,000mで同走した日体大の松隈梨乃と同じ滑走となった。持田がアウトから、インから松隈がスタート。持田が「自分の課題の100mまでは、相手を追い上げよう」と腹を括りスタート。100mを松隈が11秒32で通過。先行された持田が「焦りはなかった」と昨日より0.10秒早い11秒41で通過。持田が昨日より0.27秒早いラップで、松隈に0秒16差をつけ40秒51でゴールし、昨日を0.37上回る好タイム。その結果、持田は自己ベスト40秒40には及ばなかったものの32人中5位と昨日の7位から躍進し総合4位につけた。川上隆史監督の昨日の活躍の「勢いでベスト記録を出す滑りで表彰台を狙い、チームの選手を牽引してもらいたい」と言う期待に応え、表彰台を射程距離においた。
◾️1位[昨日1位] 山田梨央(信州大)[RR 39.32]、2位[昨日2位] 樋沙織(高崎健大)[RR 39.49]、3位[昨日4位] 鬼頭琴音(八戸学院大)[40.05]。山梨学院勢の戦績は、5位[昨日7位] 持田あかり(4年)、13位[昨日18位]藤森優衣(2年)。
《 1,000m 2日目 》
▶︎14番滑走、山梨学院の持田あかり(4年)がアウトスタート、八戸学院大の鬼頭琴音がインスタート。持田が「この滑走で自分のスケートができれば総合3位が取れる」と意気込んでスタート。200mを鬼頭が19秒23通過。「鬼頭選手の先行は織り込み済みだった」が、昨日より0秒34遅いタイム。「必死で両手を振るが、思うように前に進まない」それでも、「主将としても諦めるわけにはいかない」と気合を入れ直して滑走。600m、持田が49秒68で通過。鬼頭が49秒75で通過。昨日より0秒11遅いが、ラップは0秒21上回っている。さらに持田が残りの400mを激しく滑走し、追い込みの持田の真骨頂を発揮し、昨日を0秒11上回る1分22秒00でゴール。その後を鬼頭が1分22秒95でゴール。その結果、持田は31人中、6位とした。持田は500m、1,000mの1日目と2日目のトータルタイム163.445で目指していた総合3位を逃し総合5位で大会を終えた。
◾️1位[昨日1位] 山田梨央(信州大)[CR 1:18.16]、2位[昨日5位] 樋沙織(高崎健大)[CR 1:18.59]、3位[昨日4位] 堀あかり(高崎健大)[1:21.12]。山梨学院勢の主な戦績は、6位[昨日6位] 持田あかり(4年)、7位[昨日7位] 藤森優衣(2年)、17位[昨日16位] 木田綾音(2年)。
●男子スプリント●
《 500m 2日目 》
▶︎23組滑走、山梨学院大学の原眞尋(2年)が「ウォームアップの滑りで氷が滑るので記録が出る条件が揃っていた」と感触を得ていた。原がインから「昨日よりいいタイムが出る」とスタート。アウトから日体大の椿尚大がスタート。原が「1歩目が上手く出なくて、2歩目につながらなかった」と、100mを椿が100m9秒96で通過。原が昨日より0.11秒遅い10.27で通過する。原が「全然良くないと、自分が想像していた以上に相手に出られたのでまずい」と、「落ち着いて、フォームを低くして」体制を立て直して滑り追走する。「残り400mはうまく滑れた」と、遅れを少し挽回したものの昨日より0秒14遅い36秒77でゴール。その結果、原は48人中、9位となるとともに総合の表彰台争いからも遠のいた。原は「昨日4番で良い位置につけて、今日も上位を狙っていたが、自分の悪いところが出た。悔しい」と唇をかんだ。
◾️1位[昨日2位] 岩佐理央(専修大)[35.92]、2位[昨日3位] 安保和也(高崎健大)[36.11]、3位[昨日1位] 榊原一輝(日大)[36.15]。山梨学院勢の主な戦績は、9位[昨日4位] 原眞尋(2年)、12位[昨日16位] 岡田崚(4年)。
《 1,000m 2日目 》
▶︎20番滑走、山梨学院大学の原眞尋(2年)がインスタート、東洋大の石原朋弥がアウトスタート。原が「500mはスタートで出遅れタイムをロスしたが、ラップは出ていたので1,000mにつなげたい」と気持ちを切り替えスタート。「500mより直線コースが短い分スタートダッシュが良くなかった」と、200mを石原が17秒20通過。原が0秒16遅れの17秒36で通過。「相手に前に出られたが慌てずに、風も吹いているので姿勢を低く行こう」と滑走。600m、石原が44秒25で通過。原が44秒44で通過。「滑っていてしっくりこない」。残り400、「まだ相手が先に出ている。気持ちは焦ったが、最後インコーナーだから、そこにつなげられるように」と慌てずに滑走。「開き直れた」と原が1分13秒95でゴール。後を石原が1分14秒22でゴール。その結果、原は44人中、5位となった。原は500m、1,000mの1日目と2日目のトータルタイム147.590と1,000mでジャンプアップし総合5位入賞を果たした。
◾️1位[昨日2位] 岩佐理央(専修大)[1:12.40]、2位[昨日3位] 松井菫也(大東文化大)[1:13.31]、3位[昨日1位] 佐藤柊(高崎健大)[1:13.49]。山梨学院勢の主な戦績は、5位[昨日13位] 原眞尋(2年)、17位[昨日11位] 岡田崚(4年)、18位[昨日18位]渡邉拓(2年)。
◾️試合終了後のインタビュー◾️
▶︎女子スプリント500m5位、1,000m6位で総合5位入賞の持田あかり(4年)は「総合3位が5位」と肩を落とした。「500mで総合4位に上がったので、1,000mで自分のスケートができれば総合3位が取れると、主将としてクラブの名誉にかけチャレンジしたが、思うようなスケーティングができなかった」と振り返った。「原因は、自分の一番苦手なダッシュからの500mでは100m、1,000mでは200mまでのタイムロスが響いた」と分析。「上で戦うには、ここをクリアできなければ勝てない」と自分に言い聞かせる。「インカレまでには、そこを縮めることを意識した練習メニューを考えて加え反復練習し修正したい」と決意を述べた。
▶︎男子スプリント500m9位、1,000m5位で総合5位入賞の原眞尋(2年)は「今日はウォームアップの滑りで記録が狙える感触を得ていた」と頷く。競技1番目の「500mで1歩目が上手く出なくて、2歩目につながらなかった」と、「昨日4番で良い位置につけて、今日も上位を狙っていたが、自分の悪いところが出た。悔しい」と唇をかんだ。1,000mでは「500mはスタートで出遅れタイムをロスしたが、ラップは出ていたので1,000mにつなげたい」と気持ちを切り替え5位とジャンプアップし総合5位入賞を果たした。「自分から申し出て、皆んなとは別の練習メニューでさせてもらっているので感謝しています。満足はしていないが、そこそこの結果がでて良かった」と胸を撫で下ろした。インカレに向けて「心・技・体を一から鍛え直したい」と高みを目指す決意を述べた。
▶︎伊藤潤二コーチは持田について「今日はリンクコンディションが良好だった」と頷く。「持田は、それを生かして室内タイムと変わらないタイムで滑走できたので調子は良かった」と褒めた。ただ「いつも勝てる相手が、総合順位で上に行ったので、総合3位は決めて欲しかった」と振り返る。「持田はキャプテンとして意欲的に何事にも取り組んでいるが、記録を伸ばすためには何としてでもダッシュからの500mは100m、1,000mは200mまでのタイムを縮めることを、練習で補強し自分の殻を打ち破ってもらいたい」と述べた。原について「500mはプレッシャーで動きが硬くなっていた。今日のリンクコンディションでは、リラックスして滑れば、昨日の記録を上回り好記録が出ていたはず」と惜しんだ。「逆に1,000mは昨日、同走の選手がコーナーで膨らみ置いてあったポイントを散乱させたのに躊躇してタイムロスし13位と出遅れた。今日は500mの反省もありリラックスして本来の原の滑りができていた」と大きく頷いた。「原はまだ2年生、自己コントロール力を身につけ持っているものを出せれば良い記録を出せる」と述べた。
▶︎川上隆史監督はスプリント総合選手権部門について「STワールドカップの運営で名古屋におり、実際レースの模様を見れなかったが、持田と原ともに一歩及ばず表彰台に上がれなかったのは残念」と声がトーンダウンした。「2人とも1日目よりランキングは上がったが、この大会で得た課題に向けて取り組みさらに高みを目指してもらいたい」と期待を込める。「選手たちはインカレに向けて、2か月余りと十分時間はあるので、ジャパンカップなどの大会をこなしながら、それぞれが自己管理を徹底して練習を積んで調整を行ってもらいたい」と期待を寄せた。また、総合選手権部門の選手について「男子は500m9位で総合16位の柳沢健太郎ら選手、女子は1,500m8位で総合13位の細田京香、3,000m11位で総合14位の岩下楓、1年生で3,000m15位で総合17位と善戦した秋山光希ら選手は、インカレに向けて奮起して練習を積み重ねて上を目指してもらいたい」と述べた。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.12.2