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●第93回 全日本男子ホッケー選手権大会
~3連覇王者相手に3回目の準優勝に輝く誉~
~監督「学生らしく直向きに良く戦った!」~

第93回 全日本男子ホッケー選手権大会決勝が12月8日、赤磐市熊山運動公園多目的広場で、準優勝2回で初優勝を目指す山梨学院大学 対 3連覇3回目の優勝を目指す岐阜朝日クラブ戦が行われた。山学は第1クォーター(Q)の10分、ペナルティコーナー(PC)からMF28番 田村圭梧がシュートし、ゴールキーパーが弾いたボールをFW10番 縣諄が「リバウンドを確り行くというのが鉄則、気持ちを強く持って」素早く前に出てプッシュシュートを左隅に決め先制点を奪った。終了間際14分、山学は朝日にPCを与えFB2番 山田翔太に決められ同点とされる。第2Q、お互い譲らず激しい攻防戦が繰り広げられる。第3Qの8分と12分にPCからFB2番 山田に得点され1対3と試合を決められた。山学は社会人1位チームの王者に果敢に挑んだが3回目の準優勝とした。三澤孝康監督は「学生らしく直向きに良く戦った。立ち上がりPCで得点したが、相手は日本代表選手が多いチームで動じることなく、全てにおいて穴がないチームだった」と選手を誉め相手チームを称えた。

◾️山学決勝戦までの勝ち上がり◾️
今大会は2019年度全日本社会人ホッケー選手権大会と男子第68回全日本学生ホッケー選手権大会の1位から4位チームが参加して日本一を争う。大会はノックアウトシステムによる勝ち残り方式のトーナメントにより勝者を決定。試合時間は、1ピリオド15分の4クォーター(Q)制。同点の場合は、シュートアウト(SO)戦が行われて勝敗を決定する。山学は第1回戦を箕島ホッケー(社会人4位)と対戦。山学は3Q13分、FW29番 柴田光市(1年・今市)が、44分にはFB12番 沼田空(2年・石動)が決めて2対0。さらにFW18西川巧望(3年・箕島)が決めて3対0。4Q55分、箕島クラブに1点を返されるが3対1で勝利。準決勝では小矢部RED OX(社会人1位)と対戦し2Q8分、2試合連続得点となるFW18西川巧望(3年)が決め1対0で勝利し決勝戦に駒を進めてきた。岡山の天気は最高気温14.5度、最低気温1.7度で晴れ、赤磐市熊山運動公園多目的広場は105m×73mの人工芝ウォーターベースホッケー1面分、電光掲示板附設の施設。いよいよ試合が開始される。

◾️《決勝戦》◾️
山梨学院大学は決勝で、2008年と2010年に準優勝しており、初優勝を目指す。岐阜朝日クラブは3連覇3回目の優勝をめざす。会場の電光掲示板にカウントダウンが表示されフォーンが鳴り、山梨学院大学のセンターパスにより岐阜朝日クラブ戦が開始される。山学が朝日陣内に速攻で深く攻め込むが、一進一退の攻防が繰り広げられる。第1クォーター(Q)10分、山学は左サイドのFB3番 加藤雄太(2年・山梨学院)が前線でパスを受けると、サークル左外側に詰めるFW27番 松本和将(1年・今市)からのパスの要求に応じてパス。これを27番 松本が素早くコントロールしバックライン際の角度のないところから反転してパス、サークルエリアのFW10番 縣諄(3年・岐阜総合学園)がボールに向かって突進。相手フォワード2人にシュートを阻まれるが、ボールをしぶとくコントロールし続け、相手の反則を誘いペナルテイコーナー(PC)を獲得。MF6番 高橋洋介(2年・山梨学院)、MF28番 田村圭梧(1年・沼宮内)、松本、FW29番 柴田光市(1年・今市)、FW10番 縣らが集まり攻撃パターンを確認。ホイッスルでパッサー27番 松本がボールをストローク。これをサークルの外でストッパー6番 高橋がボールを止め、シューター28番 田村がシュート。FW10番 縣が「田村圭梧は『一本で打つ』と言うので、リバウンドを確り行くというのが鉄則、『自分は点を取る』と気持ちを強く持って」、田村がシュートするのと同時に左から「前に出てゴールキーパーが弾いたボールを」、冷静に「状況を見てゴールキーパーが倒れ込んでいたので、コースを確認しプッシュシュートで左隅に決めた」。山学は待望の先制点を奪い1対0とする。これで勢いづいた山学は一進一退の攻防を繰り広げる。終了間際の14分、山学は朝日からサークル内での反則があったとビデオ判定チャレンジ権を行使された。その結果、朝日にPCが認められ、山学はFB2番 山田翔太にシュートを決められ1対1の同点とされる。第2Q、お互い譲らず激しい攻防戦が繰り広げられる。山学はカウンターから朝日ゴールに詰め寄るも無得点のまま1対1で終了し前半戦を終えた。後半戦第3Q、山学は8分と12分にPCからFB2番 山田に得点され1対3とされる。第4Q、山学は2点リードされたが残り15分で同点もしくは逆転可能な時間。最後まで山学は粘るが試合終了のフォーンが会場に鳴り響いた。山学は社会人王者に果敢に立ち向かい3回目の準優勝とした。

◾️試合終了後のインタビュー◾️
▶︎ペナルティコーナー(PC)から先取得点を挙げたFW10番 縣諄(3年岐阜総合学園)は「田村圭梧が『一本で打つ』と言うので、リバウンドを確り行くというのが鉄則なので、『自分は点を取る』と気持ちを強く持って」、田村がシュートするのと同時に「前に出てゴールキーパーが弾いたボールを、状況を見てゴールキーパーが倒れ込んでいたので、コースを確認しプッシュシュートで左隅に決めた」と一気に述べた。「ここのところ、チームに貢献できていなかったので決めたときは嬉しかった」と微笑み振り返る。「チームが追加点を欲しいときに取れなかったので、これから練習でドリブルなどの精度をあげて得点が出来るようにしてチームに貢献したい」と目を輝かせ記念写真の輪の中へ消えた。
▶︎主将FB8番 浦下陸(4年)は「試合前は結構、押されるというイメージがあった」と頷く。「試合に入り、これは良い試合が出来ると思った」と肌で感じた。その後「PCから縣諄がプッシュシュートで先制して『これでリズムに乗れる』と思ったが、PCで3失点は悔しい」と振り返る。一転して「チーム全員で全日本選手権を全力で戦えたので良かった」と噛み締める。「4年生は全員で9人、既に3人は引退し6人、試合に出たのは4人、試合に出れない人、すでに引退した人の思いも込めて、4年生は全力で試合に臨んだ。後輩は自分たちより力のある選手が多いので、チーム力を高めてもらって、自分たちに出来なかったことを成し遂げてもらいたい」とエールを送った。その足で浦下主将は仲間が待つ記念撮影に加わった。その光景は充足感に包まれていた。
▶︎三澤孝康監督は「相手の岐阜朝日クラブは日本代表が多いチーム。チャレンジャーとして臨んだ」と頷く。「うちは学生らしく直向きに立ち上がりから、自分たちのやらなければならないことに、エネルギーをかけて良く戦った」と選手を誉めた。「チャンスは少ないと思っていたが、立ち上がりPCで得点し幸先は良かったが、相手は日本代表選手が多いチームで動じることなく、手堅くPCで3得点された。相手が一枚上だった」と感服の至り。「日本のトップの舞台で、うちも良く攻めてチャンスを作ったが、最終的にチャンスの終わり方が自分たちのミスで終わっているシーンがほとんどだった。ここが課題」と大きく頷いた。「4年生はこれで引退となる。キャプテンの浦下陸を中心に、インカレ5連覇、全日本選手権準優勝と、今日まで下級生を良くまとめてくれた。4年生には心から感謝している」と目頭を熱くして感無量な面持ち。「これから新チームとなるが、2月に新入生も参加しての合宿を予定している。このような試合に出場できる選手は限られているが、個々の個性を生かしつつすべての部員のベクトルが同じ方向に向き、最大の目標である全日本学生選手権(インカレ)6連覇が達成できるように、ONE TEAM(ワンチーム)になって戦えるチームづくりをする」と抱負を述べ会場を後にした。

文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.12.10