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●天皇杯 全日本レスリング選手権大会2日目
~61㎏級 榊が令和初の1年生優勝の栄冠に輝く~
~92㎏級 大津が明日の優勝決定戦へ駒を進めた~

令和元年天皇杯 全日本レスリング選手権大会兼Road to Tokyo2020日本代表選考会2日目が12月20日、東京・駒沢体育館で行われた。山学は61㎏級 榊流斗(1年)が清水蛍汰(拓大)と決勝戦を行い5対3で破り令和初の1年生優勝の栄冠に輝いた。榊が第1ピリオド、相手からパッシブのコーションを奪い1対0。第2ピリオド、榊が素早く背後に回りテイクダウンさせ3対0。残り1分、榊が相手にテイクダウンさせられ3対2。残り12秒、榊が相手の背中をマットに向けさせ5対2。相手の抗議でコーションが認められ5対3とした。小幡邦彦コーチは「山学の61㎏級での優勝者は2014年 鴨居正和(4年 香川中央)、2015年 乙黒圭祐(1年 帝京)、2017年 小栁和也(3年 韮崎工業)と4人目。1年生では2人目の快挙」と賛辞を贈った。また、92㎏級準決勝で大津拓馬(2年)が横田裕大(立教大)を11対0のテクニカルフォール勝ちを収め、明日の優勝決定戦に駒を進めた。92㎏級 谷﨑匠(2年 岐南工業)と86㎏級 山田修太郎(2年 秋田商業)が準決勝で善戦したものの敗れ3位決定戦にまわった。

◾️本日の出場者及びスケジュール◾️
男子フリースタイルに61㎏級 榊流斗(1年 帝京)が決勝戦に出場。86㎏級 山田修太郎(2年 秋田商業)、92㎏級 大津拓馬(2年 島原)、谷﨑匠(2年 岐南工業)が出場する。男子グレコローマンスタイルには130㎏級 冨栄雅秀(4年 霞ヶ浦)、貝塚賢史(山梨学院大学クラブ)が出場する。本日のスケジュールは7時45分から8時00分まで第2計量で前日の実施階級の61㎏級 榊流斗が臨む。その他の選手は8時00分から8時30分に第1メディカルチェックと計量が行われる。試合は9時30分から敗者復活戦、予選から準々決勝が行われ18時15分から19時15分まで決勝(前日の13階級、マット2面)が行われ、その後に表彰(前日の13階級)が行われる。また、21日の実施階級の抽選は、準決勝終了後に行う。ルールは世界レスリング連盟(UWW)ルールが適用され、一部、日本レスリング協会が定めたものを適用するルールで行われる。

⬛︎《決勝》61㎏級 榊流斗(1年 帝京)⬛︎
▶︎小幡邦彦コーチは「61㎏級 榊の決勝は、拓大の早山竜太郎選手が上がってくると思っていたが、対戦相手の予想が外れて拓大の清水蛍汰選手と戦うことになった。榊は今まで対戦したことがない相手となる。出来れば早い段階で3対1に持ち込み、相手が焦って攻めてくるところをカウンターで狙い大差をつけて勝ちたい。ただ、内容より確り勝ちに拘り優勝させたい」と大きく頷き抱負を述べた。
▶︎18時00分、場内にファンファーレが鳴り響き、国歌斉唱の後に場内に「天皇杯 平和元年 全日本レスリング選手権大会の決勝戦を行います」とアナウンスが響く。「Bマット第68回フリースタイル61㎏級決勝戦。赤、2019年全日本大学レスリング選手権優勝 山梨学院大学榊流斗選手。青、天皇杯5位拓殖大学 清水蛍汰選手」とアナウンスされると、拍手と声援に包まれマット上に両選手が登場した。レフェリーが両選手を直径1mのサークルに呼び寄せ、点検と指示を行い両選手に握手をさせ、ホイッスルを吹き試合を開始した。
▶︎第1ピリオド、両者が差し手争いから激しく動く一進一退の攻防。徐々に榊が相手にプレッシャーをかける。レフェリーが相手にパッシブの1回目を口頭注意。榊が差し手からギアを一段上げてさらに相手を攻め立てる。レフリーが試合を止め相手にアクティブタイム30秒を告げた。榊が攻め込んでくる相手を真っ向から受け止め反撃する。30秒が経ち相手からパッシブのコーションを奪い1対0とした。その後も、両者決め手を欠き終了。
▶︎第2ピリオド、榊が差し手から素早く背後に回りテイクダウンさせ3対0。残り1分、榊がマットのパシビティ・ゾーンで円を利用して相手を場外に出そうと試みるが、相手がしぶとく密着して来て、そのはずみで背中を見せると素早く背後に付かれテイクダウンさせられ3対2。残り12秒、差し手から低く相手の右足にタックルし、相手の背中をマットに向けさせテークダウンを奪い5対2でタイムオーバー。相手がレフリに抗議しレフェリーがコーションを認め5対3とした。榊が令和初の1年生優勝の栄冠に輝いた。

●男子フリースタイル試合結果(決勝除く)●
92㎏級 大津拓馬(2年 島原)
◇準々決勝  3対1  山根光司(中大)
◇準決勝  12対1  横田裕大(立教大)
   ※テクニカルフォール勝ち
▶︎大津が差し手争いから、相手が右足タックルに来るところを、右足を引き相手の胴に両手を差し込むと、左回転して相手の右足首を決め、相手をうつぶせにして、背後に回りテイクダウンさせ2対0。すかさず、相手の胴に両手を回し左にローリングし4対0とする。さらに差し手争いから右足タックルで右足を右手で抱て腰の位置まで上げ、片足で立っている相手の左脇に左手を差し込みすくい、相手を倒しテイクダウンさせ4対0。そのまま左にローリングし8対0。その後、1点返されるが攻め続けて12対1のテクニカルフォールで明日の優勝決定戦に駒を進めた。
92㎏級 谷﨑匠(2年 岐南工業)
◇準々決勝  5対4  伊藤飛未来(中大)
◇準決勝  1対4  山中良一(名古屋工業高校教員)
▶︎この結果、谷﨑が明日の3位決定戦にまわった。
86㎏級 山田修太郎(2年 秋田商業)
◇予備選  7対6  松雪泰成(専修大)
◇準々決勝  11対0  浅井翼(茨城県競技力向上対策本部)
   ※テクニカルフォール勝ち
◇準決勝  0対8  高谷惣亮(ALSOK)
▶︎この結果、山田が明日の3位決定戦にまわった。

●男子グレコローマン試合結果●
◾️130㎏級 貝塚賢史(山学大クラブ)
◇予備選  4対5  奥村総太(拓大)
◾️130㎏級 冨栄雅秀(4年 霞ヶ浦)
◇予備選  5対7 松岡太一(日体大)

◾️試合終了後インタビュー◾️
▶︎61㎏級 榊流斗(1年 帝京)は記者たちの質問に「優勝できたことは素直に嬉しい」と開口一番。優勝の要因として「日々の練習で自分に甘えずに、徹底してレスリングに取り組んだことと、家族や日頃応援してくれる方々や怪我の時にサポートしてくださった方々に『優勝という形で恩返ししたい』と思い臨んだ」ことをあげた。「先輩たちがメチヤメチャ強くて、先輩のように強くなりたいと思った時、『最低この試合で優勝することだ』と目標となった」と振り返る。次の目標は「とりあえず、夏の全日本を頑張りたい」とあげた。それには「今日の試合で、大舞台で100%力が出せない。冷静な判断がに欠け1ポイントで良かったところを2ポイント与えたなど課題も山ほど見つかったので練習で克服したい」と、11月の内閣全日本大学選手権で喜びを封印した男が素直に喜びそして感謝した。
▶︎小幡邦彦コーチは61㎏級 榊について「この階級は、狙っていた階級」と有言実行した。苦戦はしたが、とにかく勝ってくれた」と微笑んだ。「もう少し、実力を出せば点数差が開いていたと思う」と頷いた。「だいぶ緊張していたので、経験がない1年生なので無理はない」と大きく頷いた。「5年後、オリンピックを狙える選手、こうした経験が大きな舞台で緊張をせずに戦えるようになるので、良い経験になったと思う」と将来を嘱望する。「榊は11月の内閣総理大臣杯 全日本大学選手権では、2週間前ぐらいにやっと戦える体になり、もともと実力があるので優勝し、この大会に向けて調子は上向いていた」と振り返る。「決勝戦は深追いをさせずに着実に加点させる戦法をとり、内容より確り勝ちに拘り戦わせた」と明かす。「山学のこの61㎏級での優勝者は2014年 鴨居正和(4年 香川中央)、2015年 乙黒圭祐(1年 帝京)、2017年 小栁和也(3年 韮崎工業)と4人目。1年生では2人目の快挙となる」と賛辞を贈った。決勝戦を決めた92㎏級 大津について「今日はいつもの動きは出来ていた。順当勝ちしてくれた」と頷く。「明日の相手は昨年負けている相手。前半、ロースコアで良いので確りプレッシャーをかけて、後半勝負に行きたい」と述べた。準決勝で涙をのんだ92㎏級 谷﨑について「谷﨑は相手に合わせすぎた。ずっと、谷﨑が押していたが、相手は一瞬のチャンスを狙っていたところにはまった。相手の巧さにやられた」と深く頷く。「谷﨑はパワータイプ前に前に詰めれれば良かったが詰めきれなかった。明日の3位決定戦ではこの課題を克服して3位を獲得してもらいたい」と述べた。予備選から準決勝に上がって来た86㎏級 山田について「内閣の前あたりから新しいスタイルに取り組んでいる。それがやっと花開いて来た」と、「予備選で過去負けている相手」に対し、第2クオータの1対6から攻めの姿勢を貫き7秒を切り左差しから相手をすくい投げで崩しテイクダウンさせ7対6と大逆転。「準々決勝では11対0と勝ち自力がついて来た証拠。予備選から準決勝までよく戦った。取り組んでいるスタイルが間違っていないことを確信した。明日の3位決定戦では思い切り戦ってもらいたい」と笑顔で述べた。「今日は榊が優勝した。明日は大津が優勝決定戦、92㎏級 谷﨑と86㎏級 山田が3位決定戦に挑む、この波に乗りたい」と述べた。

文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2019.12.21