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●天皇杯 全日本レスリング選手権大会3日目
~92㎏級 大津『初優勝』納得のリベンジ勝利~
~3位 92㎏級 谷﨑 / 86㎏級 山田が表彰台に~

令和元年天皇杯 全日本レスリング選手権大会兼Road to Tokyo2020日本代表選考会3日目が12月21日、東京・駒沢体育館で行われた。山学は92㎏級 大津拓馬(2年 島原)が山中良一(名古屋工業高校教員)と決勝戦を行い9対1と快勝し初優勝の栄冠に輝いた。大津が第2ピリオド、1対1のイーブンから豪快に俵返しを決めビッグポイントを奪い5対1。さらに相手がバランスを崩しうつぶせに逃げたところをテイクダウンを奪い7対1。すかさず両腕を差し込み右にローリングして9対1と試合を決め、昨年負けた相手にリベンジした。山学は3位決定戦で92㎏級 谷﨑匠(2年 岐南工業)が竹内亮亘(ALSOK)を5対0、86㎏級 山田修太郎(2年 秋田商業)が村山貴裕(自衛隊体育学校)に6対4で共に勝ち3位に輝いた。また、65㎏級 乙黒拓斗(3年 帝京)が準決勝で安楽龍馬(早大)に8対1で勝ち、明日の決勝で東京オリンピツク代表をかけて戦う。

◾️本日の出場者及びスケジュール◾️
男子フリースタイルに92㎏級 大津拓馬(2年 島原)が決勝戦に出場。92㎏級 谷﨑匠(2年 岐南工業)、86㎏級 山田修太郎(2年 秋田商業)が3位決定戦に出場する。57㎏級 服部大虎(2年 日体大柏)、65㎏級 乙黒拓斗(3年 帝京)、74㎏級 森川陽斗(1年 飛龍)、横山凛太朗(3年 いなべ総合学園)が出場する。本日のスケジュールは7時45分から8時00分まで第2計量で前日の実施階級の92㎏級 大津、92㎏級 谷﨑、86㎏級 山田が臨む。その他の選手は8時00分から8時30分に第1メディカルチェックと計量が行われる。試合は9時30分から敗者復活戦、予選から準々決勝が行われ18時00分から19時00分まで準決勝が、19時00分から19時40分に決勝(前日の10階級、マット2面)が行われる。その後に表彰(前日の10階級)が行われる。ルールは世界レスリング連盟(UWW)ルールが適用され、一部、日本レスリング協会が定めたものを適用するルールで行われる。

◾️《優勝決定戦男子92㎏級フリースタイル》◾️
▶︎小幡邦彦コーチは「92㎏級 大津の決勝は、昨年負けている相手で山中良一(名古屋工業高校教員)と戦う。相手について研究し対応策を練った。前半、ロースコアで良いので確りプレッシャーをかけて、後半勝負に行く」と策を施す。いよいよ試合が始まる。
▶︎18時00分、場内にファンファーレが鳴り響き、国歌斉唱の後に場内に「天皇杯 平和元年 全日本レスリング選手権大会の決勝戦を行います」とアナウンスが響く。「Aマット第68回フリースタイル92㎏級決勝戦。赤、2019年明治杯全日本選抜レスリング選手権大会優勝 山梨学院大学大津拓馬選手。青、2019年天皇杯2位、社会人オープン選手権優勝 名古屋工業高校教員 山中良一選手」とアナウンスされると、会場は拍手と声援に包まれマット上に両選手が登場した。レフェリーが両選手を直径1mのサークルに呼び寄せ、点検と指示を行い両選手に握手をさせ、ホイッスルを吹き試合を開始した。
▶︎第1ピリオド、両者が組み合い争う。大津が前に出て圧をかける。レフェリーが山中に1回目のパッシブを告げる。相手が前に出ようとするが大津が下がらない。確り受けたりいなしたり巧みに試合を進める。相手が前に圧力をかけ攻め込んでくるが動じない。レフリーが試合を止め相手にアクティブタイム30秒を告げた。相手が前に圧力をかけ攻め込んでくるが大津が真っ向から受け止め試合が動かない。30秒が経ち相手からパッシブのコーションを奪い1対0とし第1ピリオド終了。
▶︎第2ピリオド、大津がレフェリーから1回目のパッシブを受け。30秒が経ちコーションを取られ1対1。組合から大津が右手で相手の首根っこを押さえ後ろに押し、相手の反発を利用して体を開きながら前に引き倒すと、相手が腰を浮かして両手と両膝をついた瞬間、上からのしかかり両腕を胴に回し、そのまま持ち上げて、残り1分20秒に豪快に俵返しを決めビッグポイント4点を奪い5対1とした。さらに相手がバランスを崩しうつぶせに逃げたところをテイクダウンを奪い7対1。すかさず両腕を差し込み右にローリングして9対1と試合を決め、昨年負けた相手にリベンジすると共に初優勝の栄冠に輝いた。

●《3位男子フリースタイル●
92㎏級 谷﨑匠(2年 岐南工業)
◇3位決定戦で谷﨑が差し手から竹内亮亘(ALSOK)を押し込む。開始1分16秒、レフリーが試合を止め相手にアクティブタイム30秒を告げた。谷﨑が組み手で圧をかけ相手の攻めを許さない。30秒が経ち相手からパッシブのコーションを奪い1対0とリードし第1ピリオド終了。第2ピリオドの残り2分26秒、レフリーが試合を止め相手にアクティブタイムを告げた。谷﨑が攻め続けパッシブのコーションを奪い2対0。残り1分9秒、谷﨑が圧力をかけ前に前に出ると相手が耐えきれずに場外に出て3対0。押し込む谷﨑が相手に左腕で首を抱られるが、かまわずに前に出て相手を押し倒し仰向けにして押さえ込みテイクダウンさせ5対0と快勝し3位に輝いた。
86㎏級 山田修太郎(2年 秋田商業)
◇3位決定戦で山田が開始14秒で差し手から村山貴裕(自衛隊体育学校)の腕を掴み体をマットに沈めると同時に、左足首を右手で刈り体制を崩して背後に回りコーションを奪い2対0。山田が46秒、今度は組み際に相手の左腕を取り体を回転させて一本背負いを決め4対0。第1ピリオドの残り1分4秒、山田が前に圧力をかけて攻めると、相手が下がりながらの捨て身の首投げでビッグポイントが入り4対4。これで山田は耳を負傷し治療を受けるが、怯まず積極的に前に出て第1ピリオド終了。第2ピリオド、山田はねちこく前に前にと出て威圧する。残り30秒、このままではビッグポイントを奪っている相手の勝利となる。12秒を切り山田が活路を見出そうと渾身の力を振り絞り、相手の脇差しからそのまま大外刈りで倒しコーションを奪い6対4として3位に輝いた。

●男子フリースタイル試合結果●
65㎏級 乙黒拓斗(3年 帝京)
◇一回戦   5対2  堤泰樹(日体大)
◇準々決勝  6対1  嶋江翔也(佐賀県レスリング協会)
◇準決勝  8対1  安楽龍馬(早大)
▶︎乙黒が差し手争いから、安楽龍馬(早大)を横崩しや脇差しなどでいなしながら前に前に出る。開始46秒レフリーが試合を止め相手にアクティブタイム30秒を告げた。30秒が経ち相手からパッシブのコーションを奪い1対0とし、乙黒が相手との距離を置きレスリングをさせない。乙黒に第1ピリオド残り34秒でアクティブタイムを告げられるが終了。第2ピリオド、残り1分59秒でパッシブのコーションを奪い2対0。タックルの応酬から乙黒が右膝をつき相手をいなし、相手が体制を整えようと顔をあげた瞬間に仕掛けて、相手の体重が右に傾いたところで左手で膝を払いテイクダウン、更にバックを取りテイクダウン、そのまま両腕を胴体に回し右へローリングする連続技で8対0とした。残り30秒で乙黒がフィンガーのコーションを取られ8対1とし、明日の優勝決定戦に駒を進めた。
▶︎なお、57㎏級 服部大虎(2年 日体大柏)が予備選を阿部敏弥(国士大)と対戦し1対4で敗退。74㎏級 森川陽斗(1年 飛龍)が予備選を早川耐我(徳山大)と対戦し6対3で勝利し、1回戦で中村優太(ゴーゴーカレーグループ)と対戦し0対3で敗退。横山凛太朗(3年 いなべ総合学園)が予備選を瀬野春貴(ゴールドキッズ)と対戦し13対7で勝利し、1回戦で高谷大地(自衛隊体育学校)と対戦し13対2で敗れたが、対戦相手が決勝へ進出したため明日の敗者復活戦への出場が決まった。

◾️試合終了後インタビュー◾️
▶︎92㎏級で初優勝した大津拓馬(2年 島原)は記者たちの質問に「昨年負けていたので、リベンジできて嬉しい」と大きく頷いた。「明治杯と世界大会に出ているので、絶対勝ちたいと思って臨んだ」と意気込みを明かした。「稽古でチームのアルメンタイと卒業生につけてもらった」と納得のいく準備をして挑んだ。「相手と組んだ時、アルメンタイの方が力があると感じ、相手の脅威は感じなかつた」と振り返る。「稽古をつけてくれた方々に感謝したい」と笑み。「将来はパリオリンピックに出場したいのでオリンピックに出れる階級に体重を増やして狙いたい」とさらに高みを目指す抱負を述べた。
▶︎小幡邦彦コーチは92㎏級 大津について「大津は去年負けていたので、同じ轍を踏まないように確り対策を立て挑んだ」と頷く。「相手は年齢が上だったので、前半はロースコアで良いので、確りプレッシャーをかけて相手の体力を消耗させ、後半に痺れを切らせて攻めてくるところをカウンターを狙って攻める策がはまった。大津は良くリベンジした」と褒め称え満面笑み。「5年後のパリオリンピックを目指させたい」と声が弾んだ。2㎏級 谷﨑匠(2年 岐南工業)について「相手は大舞台で緊張して相当硬くなっていた。谷﨑はそこを見逃さず攻め5対0と竹内選手にポイントを取られなかったのは良かった」と褒める。「ただ、アタックに行っていなかった。さらに高みを目指すには、これからの課題になる。押しだけが強くても、レスリングは勝てない。今回、いい勉強になったと思う」と諭す。86㎏級 山田修太郎(2年 秋田商業)について「準決勝で優勝した高谷に負けたが、半年以上前からレスリングスタイルを変えたが少しづつ形が出来上がっている」と頷く。「普段から時間をラスト30秒とか設定して練習をしているので、時間がないところで股の間から大外刈りで崩してコーションを奪い勝ち切った。やはり5年後のパリオリンピックを目指させたい」と笑顔。乙黒拓斗について「乙黒は、全てが予定通りの戦いをした」と大きく頷く。「『明日も勝ちに拘ってやる』と本人も言っている。オリンピック代表がかかっているが平常心で戦ってもらいたい」と述べた。

文(H.K) 、カメラ(小池裕太) 2019.12.22