●第92回日本学生氷上競技選手権大会2日目
~1年 熊谷が2日続けて準優勝はじける笑顔~
~フィギュア部門 河西SPで及第点FSに進出~
第92回日本学生氷上競技選手権大会2日目が1月6日、北海道の釧路市柳町スピードスケート場と釧路アイスアリーナで行われた。女子総合優勝7回の山梨学院大学勢は女子1,000mでホープ 熊谷萌(1年 盛岡工業)が昨日の500mに続き準優勝に輝き笑顔がはじけた。熊谷が「1,000mでは力が落ちると言われたくない」と8組OUTスタートで滑走。暫定1位の八戸学院大 前中香澄の1分23秒18を0.239秒上回るタイムで、1分22秒89と1人22秒台を叩き出したが、最終組10組の信州大 山田梨央に1.24秒差で昨日の500mに続き敗れた。学校対抗では1,000mで主将の持田あかり(4年 白樺学園)が9位4点、藤森優衣(2年 東海大諏訪)が10位 3点。3,000mで秋山光希(1年 郡山商業)が10位で3点を獲得し、熊谷の15点と合わせて25得点を挙げ、学校対抗順位を昨日の5位から4位と順位を上げた。男子は、1,000mで原眞尋(2年 佐久長聖)が9位で7点を挙げ昨日と同じ10位につけている。フィギュアのショートプログラム(SP)が行われ河西萌音(3年山梨学院)が一発目のトリプルループ、ダブルトゥループを決めるなど、軽快なステップなどで観客を魅了し、明日のフリースケーティング(FS)に進出を決めた。川上隆史監督は「学校対抗の氷上のインカレ。総合優勝の学校得点の目安は8点から9得点と見ている。本学は既にショートトラックスピードスケートで女子が優勝し学校得点で女子4点、男子2点を獲得している」と振り返る。「スピードの女子が、今日学校対抗で4位に浮上したことで、8回目の女子総合優勝が射程距離となった」と声を弾ませた。
◾️試合前インタビュー◾️
▶︎伊藤潤二コーチは女子について「1,000mで主将の持田あかりは入賞を、熊谷萌(1年 盛岡工業)は3位を以内を決め確実に得点してもらいたい」と頷く。男子について「1,000mで主将 岡田崚(4年 釧路江南)は、昨日の500mのように確実に得点を取ってもらいたい。エース原眞尋(2年 佐久長聖)は全日本学生スピードスケート選手権で1日目13位の1,000mで2日目に5位としている実績があるので、今日の1,000mはリラックスして原らしい滑りをしてもらいたい。柳沢健太郎(1年 佐久長聖)は1,500mで良く頑張った。この調子で今日も活躍してもらいたい」と述べ、「男女共に他の選手も自己ベストを目指してもらいたい」と期待を込める。
▶︎川上隆史監督は「今日も山梨学院の応援グッズで保護者など沢山の人が応援に駆けつけてくれている。そうした応援をパワーに変えて頑張ってもらいたい」と叱咤激励。「今日は女子3,000m、1,000m。男子5,000m、1,000m。それに加えて、学校対抗の7、8級クラスのフィギアのショートプログラムが行われる。スケート部が一丸となり上位を目指したい」と抱負を述べた。
◾スピードスケート〈2日目 山梨学院勢戦績〉◾️
釧路市柳町スピードスケート場は日本スケート連盟公認、1周400m×15m1面の屋外リンク。冷却方式鋼管埋設方式、夜間照明完備、電光時計計測システム設置、室内観覧席883人、盛土スタンド5,000人。管理棟、記録棟を併設。8時から公式練習が行われ、10時00分から男子500mが行われた。釧路市の天気は晴れ、気温マイナス2.5度、湿度50%、西6m/s。
●《女子 1,000m 》●
▶︎ホープ 熊谷萌(1年 盛岡工業)は「昨日とは違い平常心で会場入りした」。場内アナウンスが「続いては女子1,000m8組み、インナーレーン 鬼頭 琴音 八戸学院大学、アウターレーン 熊谷萌 山梨学院大学」と流れた。熊谷は「『500mだけは速いが、1,000mでは力が落ちる』と言われたくない、何としてでも勝ちたい」とスタートラインに立ちピストル音でスタート。スタートから熊谷が先行し200mを18秒59「18秒20を狙っていたのに」と出遅れ通過。「アウトスタートで、一番加速したいところでインコースだったので良かった」と600m 49秒52で通過。これで「帳尻は合って来たが、急に脚が疲れでパンパンになりきつい」。仲間の「声援が耳に届く」背中を押され滑る。必死で「脚を動かして」自分に鞭を入れる。「応援の全員の声援が鮮明に聞こえる」。1,000m 1分22秒89(33.37)」で同走の鬼頭を大きく引き離しフィニッシュラインを滑り抜ける。熊谷は暫定1位の八戸学院大 前中香澄の1分23秒18を0.239秒上回るタイムで、1分22秒89と1人22秒台を叩き出した。だが、最終組10組の信州大 山田梨央に1.24秒差で昨日の500mに続き敗れた。
◆女子得点者◆
▶︎1,000m◀︎ 2位 熊谷萌(1年 盛岡工業)15点、9位 持田あかり(4年 白樺学園)4点、10位 藤森優衣(2年 東海大諏訪)3点。
▶︎3,000m◀︎ 10位 秋山光希(1年 郡山商業)3点。
◆男子得点者◆
▶︎1,000m 9位 原眞尋(2年 佐久長聖)7点。
◾️フィギュア山梨学院勢戦績◾️
河西萌音(3年山梨学院)が29番目に登場。河西は「私の好きなニッキーのJeepers Creepers 2.0」と明るいアップテンポなサウンドに乗り、「一発目のトリプルループ、ダブルトゥループを決める」と会場が歓声と拍手が湧き上がった。軽快にステップを踏み「2発目のダブルアクセル」を決め、スピードに乗り、3発目のトリプルトゥループへ「少し回転不足を取られるか」と微妙に着地。それでも上手くステップと笑顔で軽快に滑り観客を魅了した。その結果、明日のフリースケーティング(FS)に進出を決めた。
◾️試合終了後のインタビュー◾️
▶︎ホープ 熊谷萌(1年 盛岡工業)は、「応援が力になった」と開口一番。「昨日の500mのラストスパートも、声援で『走らなければ』という気持ちになり乗り切れた」と振り返る。「自分のジンクスで風が吹いて悪いコンディションの時は勝つ。今日はその風が吹いていたので、『やってやろう』という気持ちに拍車がかかった」と微笑む。「『500mだけは速いが、1,000mでは力が落ちる』と言われたくない、何としてでも勝ちたい」と必死に滑った。「600mを通過すると、脚がパンパンになった。その時も声援に後押ししてもらい、さらにきつくなるゴール付近でも、応援してくださる全員の声援が鮮明に聞こえて、最後のフィニッシュラインを滑り抜けられた」と感謝する。「明日は2,000mリレーに出場するのでチームに貢献したい」と述べた。
▶︎主将の持田あかり(4年 白樺学園)は「今日は全種目の3,000mと1,000mで得点を挙げられて良かった」と笑顔。「皆んなで明るく勝ちにこだわり、1日目は得点者が2人のみだったのが、今日は4人が得点し、学校対抗で昨日の21点を上回る25点を挙げ、5位から4位に上がった」と頷いた。「明日は2,000mリレーとチームパシュートレースの団体競技となるので、チームがさらに一致団決して戦いたい」と笑顔で述べた。
▶︎伊藤潤二コーチは女子について「1,000mで予想より、熊谷萌(1年 盛岡工業)は順位を上げて2位、持田は入賞する力があり入賞と想定していたが9位と順位を下げた。藤森優衣(2年 東海大諏訪)は1,500mが期待より悪かったが1,000mでは今の力を出せた結果」と評価。「女子はこの頑張りで5位から4位になり、総合優勝に希望を繋げた」と振り返る。明日は「2,000mリレーは信州大と同走する。リレーのメンバーはうちの選手の特徴を生かして1走はスタートが得意でスピードがある熊谷萌、2走は熊谷が持って来たスピードでバトンリレーできる堀内祐実(3年吉田)、3走は中距離選手で中盤スピードか落ちずらい藤森優衣、4走は加速をしたままバトンが受け取れ力走できる主将の持田あかりを抜擢した。男子は1走は岡田崚(4年 釧路江南)、2走は松本匡平(1年 八戸学院光星)、3走は横沢公希(2年 嬬恋)、4走は原眞尋(2年 佐久長聖)で挑む。リレーで大事な声かけの役目を担う控えの選手も大きな鍵を握る。男女共にリレーで得点を挙げて少しでもジャンプアップしたい。特に女子は総合優勝の希望をフィギュアに繋げたい」と心境を明かした。
▶︎FSに進出を決めた河西萌音(3年山梨学院)は「緊張はしたが、今やれることはやれた」と演技が観客を魅了した。「ショートは100パーセントの演技ではなかったが、「私の好きな明るくアップテンポな曲に乗り演技できた」と、ただ「3発目のトリプルトゥループが少し回転不足気味だったかな」と首を傾げ、「転倒とか、ステップアウトにならなかったのが良かった」と胸を撫で下ろした。「明日のフリースケーティングでは、そうした小さなミスを生かして得点を挙げ、山梨学院の総合優勝に貢献したい」と明るく笑顔で述べた。
▶︎岩本英嗣フィギュアコーチは「河西萌音(3年山梨学院)は今朝の練習から良い調子で、本番でも演技を上手くまとめることができ、フリースケーティングへの出場を決定した」と頷く。「僅差でフリースケーティングへの出場が叶わなかった藤本梨乃(3年山梨学院)は、来年もあるのでさらに高みを目指してもらいたい」とねぎらった。「河西は明日の女子総合優勝に向けて、実力を出し切り1点でも多く得点を獲得しチームに貢献できるように上位を目指してもらいたい」と期待を込め述べた。
▶︎川上隆史監督は「学校対抗の氷上のインカレ。総合優勝の学校得点の目安は8点から9得点と見ている」と大きく頷く。「ショートトラックスピードスケート(ST)とホッケー部門は既に終了している。本学は既にST競技で女子が優勝し男子が3位で、学校得点で女子4点、男子2点を獲得している」と振り返る。「女子が、今日学校対抗で4位に浮上したことで、8回目の女子総合優勝が射程距離となった」と声が弾む。「明日の女子2,000mリレーとチームパシュートレース、そしてフィギュアで得点を伸ばし、あと総合得点を4点から5点獲得してくれれば、第85回大会でスピードが2位でフィギュアが総合得点を挙げて女子が総合優勝したことが再来する。大いに期待したい」と力を込め述べた。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.1.7