●難関の税理士試験に科目合格
~山梨学院大法学部4年・石井聡馬さん~
~将来の夢は問題を親身に解決する税理士~
難関試験の税理士試験に挑戦している山梨学院大法学部4年の石井聡馬さんが今年度の税理士試験で科目合格(2科目)を果たした。税理士試験は科目合格制が採用されており、税理士資格の取得には会計学に属する必須科目2科目と税法に属する科目9科目中3科目の計5科目の合格が必要。石井さんは大学3年から本格的に勉強を重ね、2019年8月の試験で「簿記論」と「財務諸表論」の必須2科目を受験し、12月中旬に合格通知が届いた。山学大卒業後は山学大大学院に進学予定で、大学院でも消費税や法人税などに関する知識を深め、税理士資格取得を目指し奮闘する。
税理士試験は難関試験の一つとして知られ、資格の取得には「簿記論」「財務諸表論」の会計学の必須2科目と「所得税法」「法人税法」「相続税法」「消費税法」「酒税法」「国税徴収法」「住民税」「事業税」「固定資産税」の税法9科目のうちの3科目の計5科目に合格しなければいけない(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択)。このうち法学部4年の石井聡馬さん(山梨学院高校出身)が今年度の試験で必須科目の「簿記論」と「財務諸表論」の2科目に合格した。
石井さんは、税理士の祖母を見て育ち、山梨学院高校から公務員や税理士を目指し山学大に進学。在学中から日商簿記3級や2級に挑戦したが不合格が続き、資格取得を諦めかけていた時に簿記の授業を担当している経営学部の太郎良留美教授の言葉に奮起し、再挑戦して大学2年の2月に2級に合格。2級に合格したことで自信がつき、入学当初の目標の一つであった税理士試験への挑戦を決めた。3年生の5月から本腰を入れ勉強し、専門知識の修得のため専門学校の社会人講座にも通い、ダブルスクールで勉強を重ねた。知識の吸収が増えると勉強時間も増え、試験直前はテキストや参考書がボロボロになるまで1日8~10時間勉強を行い試験に備えた。一方、法学部の勉強も意欲的に行い、商法が専門の齋藤雅代教授のゼミナールに所属。税理士試験の勉強と並行し、少額減価償却資産についての研究を行い、卒業論文を書き上げた。石井さんは「勉強のため、友達と一緒に遊ぶことができなかったのが辛かったですが、試験会場でこのボロボロになったテキストを見て、やるだけやったという自信になり、不安はなくなりました」と当時を振り返った。
合格は12月中旬に郵送(通知)で届き、石井さんは合格の二文字を確認し、「試験を受けてから4か月間不安な気持ちでいっぱいでしたが、合格した喜びで安心しました。すぐに両親や先生方に報告しました」と当時の心境を語った。
大学卒業後は山学大大学院に進学予定。税理士法では税法科目のいずれか1科目以上に合格し、税法に属する科目に関する研究により修士の学位を授与された者は国税庁(国税審議会)の認定により残りの税法科目の試験が免除されるとされている。石井さんはこの制度を活用し、自身が興味がある「消費税法」の科目合格を目指し勉強を続け、大学院修了時に税理士の資格要件取得を目指している(税理士名簿への登録には2年以上の実務経験が必要)。また、大学院では合格後の実務にも活かせるよう法人税などの税法の勉強もあわせて行っていくという。
石井さんに将来について聞くと「最初は自信がありませんでしたが、今は税理士になることが一番の目標になっています。税に関する問題は事業主や法人に限らず市民でも生活する上で一度は直面する問題だと思うので、これを親身にプラスに解決できる税理士になりたいです」と力強く語った。
文・カメラ(Y.Y)2020.1.10