●スイーツマイスター実技試験
~スイーツマイスター実技試験に全員合格 !! ~
~2年間の集大成 どれも独創的な作品と絶賛~
山梨学院短期大学食物栄養科スイーツマイスター実技試験兼パティシエコース専門的実践力外部試験が1月28日、同大のスイーツ館2Fカフェテリア・レストランサービス実習室で行われた。スイーツマイスター実技試験は、パティシエコース全学生23名と栄養士コース希望者2名の計25名が受験。受験生は原則2時間以内で調理実習室で山梨県産の農畜産物や加工品を活用しオリジナルスイーツ1点を製作。受験順にスイーツ本体と審査員用に切り分けたスイーツを審査員のテーブルにセット。審査員が受験生から事前に提出された製作スイーツの名前、材料、作り方、作品意図などが記載されたレポートを手元に置き、①地域素材の活用、②独創性、③製菓技術、④視覚性、⑤味覚性を吟味し専門的実践力を評価。終了後、羽畑祐吾審査員長が「厳正なる審査の結果、全員合格いたしました」と発表すると会場が喜びで沸いた。講評で「今年も、どれも独創的なスイーツでした。皆さんの2年間の集大成を味わわせていただいた」と絶賛。兼ねた専門的実践力外部試験の結果通知は後日行われる。
◾️事前インタビュー◾️
羽畑祐吾 食物栄養科科長は「食物栄養科パティシエコースの学生は、お菓子づくりの国家資格である製菓衛生師を目指します」と頷く。従って「洋菓子、和菓子、製パンの技術習得だけでなく、食品衛生についての知識も深めていきます。また、本学認定のスイーツマイスター受験資格が得られ、合格すると合格認定証が与えられます。さらに、パティシエコース専門的実践力外部試験が行われ、後に作成される学生の『学修成果レーダーチャート』の作成にも用いられ卒業時の学生の質保証とします」と明かす。就職は「パティシエ(洋菓子職人)、和菓子職人、ブーランジェ(パン職人)の専門職種が約7割で、その他は一般職で就職する学生もおります」と状況を話し、「本日は本学認定のスイーツマイスター試験と、専門的実践力外部試験が行われます」と述べた。
◾️試験概要◾️
関戸元恵食物栄養科専任講師は「この試験は山梨学院短期大学認定資格のスイーツマイスター取得のための実技試験で、専門的実践力外部試験を兼ねています」と頷く。試験主題は「山梨県産の農畜産物や加工品を活用した。オリジナルスイーツを1点を原則2時間で製作してもらいます」と明かす。評価については「製菓衛生師にかかわる専門的実践力を、①地域素材の活用、②独創性、③製菓技術(レシピ通りの製作 コストパフォーマンス)、④視覚性(うつくしさ センス 好感度)、⑤味覚性(おいしさ)の5つの視点から、審査員各20点で100点満点で評価していただきます」と説明。スイーツマイスターの合格は「3人の審査員の平均点で、60%以上の得点率をもって合格となります。合格者には合格認定証が、それぞれに授与されます」と明解に話す。また外部試験について「製菓衛生師にかかわる専門的実践力が、2年間でどれだけ身についているかについているか、3人の学外審査員が個々の学生を直接評価します」と大きく頷く。受験生は「食物栄養科の2年生で、スイーツマイスター実技試験はパティシエコース全学生23名、栄養士コース希望者2名の計25名。また、パティシエコース専門的実践力外部試験はパティシエコース全学生23名が受験します」と述べた。
◾️審査実施◾️
受験生が午前11時30分に集合し、スイーツ館3F実習室と51号館204調理学実習室で、原則11時45分から13時45分までの2時間で製作。その後、受験番号順に出来上がった受験生の作品が、スイーツ館2Fカフェテリア・レストランサービス実習室の審査場に、スイーツ本体と審査員用に切り分けたスイーツを会場に運び入れられる。それを運営スタッフが審査員のテーブルにセットする。審査員の試食と同時に、関戸元恵食物栄養科専任講師が受験生から事前に提出されたレポート、製作スイーツの名前、材料・分量、作り方、作品の意図や使用した食材に関する事項、原材料費などの特記事項を説明。審査員から指導者に数々の質問が飛ぶ、また審査員同士が試食の感想を述べ合うなどして個々に、審査員が採点シート欄に①地域素材の活用、②独創性、③製菓技術、④視覚性、⑤味覚性の5つの項目、各20点で最高100点満点でA評価(優れている20点)、B評価(普通15点)、C評価(劣る10点)で採点していく。審査員用のコメント欄もあり必要に応じて、審査員がコメントを記載していく。審査は16時10分に終了した。
◾️スイーツマイスター実技試験結果◾️
山梨学院短期大学独自の認定資格で、スイーツと食品に関する知識と、洋菓子・和菓子・製パンの3分野の製菓技術を身につけ、必要専門教育科目の単位を修得した上で、今回のスイーツマイスター実技試験に合格した者に合格認定書が授与される。審査は、審査員長 羽畑祐吾本学食物栄養科科長、審査員 山本候充本学食物栄養科非常勤講師、審査員 三神敬子本学学事顧問の3人で行われ、16時20分から結果発表と講評が行われた。
▶︎羽畑祐吾 審査員長は「パティシエコースの受験生は、前期の講義と後期の実習と本当によく頑張りました。厳正なる審査の結果、全員合格いたしました。おめでとうございます。栄養士コースの受験生も全員合格です。おめでとうございます」と試験結果を発表。講評で「今年も、どれも独創的なスイーツでした。『今年は色合いが毎年に比べて地味かな』と思っていましたら、出来上がりを審査したら本当に素晴らしい出来でした。味もびっくりするような口の中でいろんな変化をする物があったりして、皆さんの2年間の集大成を味わわせていただき、『本当にありがとうございました』と言いたい。専門職に就く方も、そうでない方もオリジナリティーを存分に発揮した。日頃、先生方からいろんな技術などを教わったことを、次の厳しい社会で生かしてほしい」と述べた。
◾️パティシエコース専門的実践力外部試験◾
外部試験は製菓衛生師にかかわる専門的実践力が2年間でどれだけ身についているかについて審査し、後に作成される『学修成果レーダーチャート』作成にも用いられ卒業時の学生の質保証となる。審査は、審査員長 小川義美 本学学外助言評価委員会委員・山梨県洋菓子協会会長・早川ベーカリー代表取締役。審査員 小野曜 山梨県製パン協同組合理事長・コーナーポケット代表取締役。審査員 廣瀬和代パティスリーヴーヴリエ オーナーパティシエ(食物栄養科卒業生)の3人で行った。試験結果は「専門的実践力外部試験」結果の通知は後日行う。16時20分からスイーツマイスター実技試験講評に引き続き行われた。
▶︎講評で小川義美 審査員長は「私達、菓子業界も地元の食材でスイーツを作っていますが、審査していて『あれ、これ、あした店頭に並べようかな』と思わせる作品がいくつかありました。仕上げだとか、使っている食材のバランスとかは、もう少しこうしたら良いのではないかと思わせる作品もありましたが、大方が素晴らしい作品だった。2年間でこれだけのクオリティに上げるというのは、珍しいことだと思います。皆さんが、これから世の中に出て、この2年間がベースになって、そして強い味方になってくれると思います」と称えた。
◾️試験後インタビュー◾️
▶︎食物栄養科パティシエコースの高橋佳奈(2年)さんは「大人の『ワイン香る赤リンゴ』パンを製作」した。「『大人の✖︎✖︎』などのデザートが多く発売されている。その流れに便乗して、大人が好むパン作りを開始した」と振り返る。「大人が好きなワインに注目し、山梨県産のふじりんご1個を甲州白ワイン甘口にグラニュー糖、レモン汁、水を加えて、ワイン煮にして、外の生地には山梨産マスカット・ベリーA赤ワインのペーストを使用し赤リンゴ風にしようと考えた」と振り返る。「生地に卵黄に弾力とコクがある卵を使用し立体的リンゴ風に仕上げた」と3Dの仕上がり。「赤ワインのペーストを使用し、香りは引き立ったが、色が期待通りに赤くつかなかった」と誤算。「プロを目指しているので自己採点80点」と妥協を許さない。「趣味で焼き菓子とか洋菓子を作って来たが、2年間で創作パンができるようになれて成長を感じた」と笑顔で自分を褒めた。
▶︎食物栄養科栄養士コースの渡邉真帆(2年)さんは「お肌に嬉しい栄養満点『もちもちミルクレープ』に仕上げました」と微笑む。「大豆に含まれるイソフラボンに目をつけてミルクレープを製作しました」と栄養士らしい発想。「ハニーバター豆腐ホイップの材料は、イソフラボンが含まれている絹豆腐を使用し、これにバター・蜂蜜・生クリーム・練乳・バニラエッセンス、塩を加えました」と笑顔で大きく頷く。「八幡芋のもちもち生地の材料は、八幡芋・薄力粉・グラニュー糖・卵・バター・塩。それにイソフラボンが含まれている無調整豆乳と牛乳を使用しました」と強調。「仕上げに、八幡芋・油・黒蜜・ミントと、イソフラボンが含まれているきな粉を使用しました」と声が弾む。「栄養士ならでわのスイーツ、美肌効果と栄養も確り摂れる健康的なスイーツを目指しました。合格して嬉しいです」と述べた。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.1.29