●山梨学院大・大学院・短大・専攻科 卒業
~新型コロナ予防のため式典を中止し学科ごとに対応~
~1,064名の卒業生・修了生が学び舎から旅立ち~
山梨学院酒折キャンパスでは3月15日、学び舎から旅立つ卒業生・修了生が恩師や仲間との別れを惜しんだ。今年度の卒業生・修了生は大学800名、大学院5名、短期大学259名の計1,064名。山梨学院大学・同大学院並びに山梨学院短期大学・同専攻科合同卒業式・学位授与式・修了証書授与式の全体式典は古屋記念堂を会場に行われる予定だったが、新型コロナウイルスの感染予防のため中止となった。代わりに同日同時間帯に学科(演習)ごとの個別の対応に変更された。このうち、式典で授与される予定だった大学・大学院の各学科総代、創立者古屋賞受賞者には時間を分け、学長より直接卒業証書や表彰状が手渡された。卒業生らは時間の許す限り、恩師や仲間との最後の時間を共有し、思い出が沢山詰まった学び舎を後にした。
例年「山梨学院大学・山梨学院短期大学合同卒業式並びに山梨学院大学大学院学位授与式・専攻科修了証書授与式」には卒業生・修了生や保護者など2000人を超す出席者が参列。しかしながら今年は新型コロナウイルス感染症の感染リスクの高まりがあり、感染を防止するための十分な対策を施すことができないことから合同式典は中止となり、各学科での対応に変更された。2019年度の卒業生・修了生は、大学学部800名(法学科207名、政治行政学科176名、経営学科198名、管理栄養学科35名、国際リベラルアーツ学科17名、スポーツ科学科167名)、大学院社会学研究科5名、短期大学259名(食物栄養科78名、保育科160名、専攻科保育専攻21名)の計1,064名。2016年度創設のスポーツ科学科は第1期生の卒業生を送り出した。
■山梨学院大学・同大学院
大学・大学院の卒業証書・学位記の授与は各学科や演習単位ごとに個別に実施された。各演習室では指導教員から卒業生一人一人に卒業証書を手渡し、新たな門出を祝福。また、各学科総代には時間を分け、古屋光司学長から直接卒業証書が授与された。各学科総代を前に古屋光司学長は「これから社会人になる中で、ただ仕事をこなすのではなく、自分自身の成長のために、目的や達成目標などを自分自身で考えて取り組むようにしてください。日々状況は変わるため、同じ状況はありません。毎日毎日判断が必要で成長の舞台が毎日設定されています。“なぜやるのか”という疑問を常に持ち続け、行動をしてください。また、組織の中に入ってしまうと全体を見ることが難しい場合もありますが、物事を俯瞰して見られると自分の行動目的や仕事の意義が意識しやすくなります。さらに、現代社会は多くの情報であふれ、日々ニュースも更新されています。社会の波に流されずに、自分自身の軸がぶれずに、着実に成長して欲しいと思います」と語り掛けた。合同卒業式で卒業生代表として挨拶をする予定だったスポーツ科学部1期生の南夏海さんは「1期生として無事卒業でき、嬉しく思います。私は競技スポーツではなく、子どもたちへの指導やボランティアなど生涯スポーツを学びたくて入学しましたが、講義も実践的な内容で実技も分かりやすく、少人数で先生方には親身に教えていただけて充実した4年間でした。公務員(町役場)に就職しますが、スポーツ振興や町民の健康増進など町の人の役に立てるように働いていきたいと思います」と語った。
■山梨学院短期大学・同専攻科
短大・専攻科は学科ごとに実施。保育科・専攻科保育専攻は21世紀広場のステージ21で実施。保育科総代には遠藤清香科長より、専攻科総代には野中弘敏科長より卒業証書・修了証書が授与され、各卒業生・修了生にはゼミごとに授与が行われた。一方の食物栄養科は、講義室で羽畑祐吾科長から一人一人に卒業証書が授与された。卒業生を前に山内淳子学長は「世界は新型コロナウイルスによって大変な混乱状態にあります。この先皆さんの長い人生の中では、思うようにならないことやこんなはずじゃなかったという困難が、時折訪れるかもしれません。そのような苦しい中にあっても喜びを生み出せる人でいらしてください。どんな小さな喜びでも構いません。喜びを生み出せる賢さと優しさと強さをお持ちの人でいらしてください。苦しい中にあっても周りの人に、自分自身に喜びをもたらせる人であってほしいと願っています。この2年間私は皆さんから直接的に間接的に沢山の喜びをいただいてまいりました。苦しい中にあっても喜びを生み出せる賢さと優しさと強さを、これが卒業にあたって私から皆さんに贈らせていただく言葉です」と述べ、社会に旅立つ卒業生を祝福した。
■創立者古屋賞
また、この日は例年合同式典で行われている「創立者古屋賞」の授与も個別に行われた。「創立者古屋賞」は、当該年度の卒業生のうち、他の学生の範となる顕著な成果をあげ、山梨学院の名声を高めた学生を顕彰する制度。今年度は女子ホッケー日本代表として選出された2018年の第18回アジア大会の優勝メンバーで、今年度のインカレ優勝に貢献した田中秋桜選手と今年度のユニバーシアード日本代表(準優勝)で関東リーグ1部再昇格に貢献し、JFAなでしこリーグ特別指定選手として在学中になでしこリーグ出場を果たし、今春AC長野パルセイロレディースに加入した小山由梨奈選手の2名が選ばれた。この日は、田中選手が出席し、理事長室で古屋光司理事長から表彰状と記念品が贈られた(小山選手はすでにチームに合流しており、この日は欠席)。卒業後はコカ・コーラレッドスパークスで競技を続ける田中秋桜選手は「4年間やってきたことをこういった名誉ある賞で評価していただけたことを嬉しく思います。また、やってきたことを結果として残せた4年間だったので周囲の方に感謝しています。4年間の思い出として最後の大学王座の決勝で負けたことの悔しさは忘れることができず、このままじゃだめだと全員が一つになったインカレで無失点優勝したことが思い出に残り、価値のある大会だったと思います」と4年間を振り返り、今後については「東京五輪まで残り数か月ですが、五輪だけに照準を当てるのではなく、長期的に見て自分の力を着実に焦らずにつけていきたいと思います。どんな時でも自分ができることはやり続け、大会はもちろん、普段の生活や練習からできることを着実に増やしていきたいです」と更なる飛躍を誓った。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪、今村佳正、藤原稔、Y.Y)
2020.3.15