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●文部科学大臣賞 酒折連歌賞記者発表
~第22回の「問いの片歌」5句が発表される~
~ひらめき・感性豊かに個々の人生など込め~

言の葉連ねて歌遊びの酒折連歌賞実行委員会(廣瀬孝嘉実行委員長)は3月30日、山梨学院広報スタジオで4月1日公表に先駆けて、文部科学大臣賞 第二十二回酒折連歌賞問いの片歌の記者発表を行った。酒折連歌賞は甲府市の酒折宮が『連歌の発祥の地』であることに因んで、山梨学院大学が1998年に創設。廣瀬実行委員長が「一 はればれと一円玉は一グラムです」、「二 親ゆびと小ゆびひろげて距離をはかって」、「三 歩く意志なくても進む朝の雑踏」、「四 これだけは手放さないよあきらめないよ」、「五 北斎の富士の角度は三十八度」と5句を詠みあげて発表。廣瀬実行委員長は「酒折連歌賞は、『問いの片歌』を提示して『答えの片歌』を募集する、全国に例を見ない文学賞となっている。決められた一つの片歌から、十人いれば十人、それぞれ違った片歌が生まれることも大きな魅力。是非、問いの片歌にひらめき・感性豊かに、個々の人生なども込め、答えの片歌5・7・7にして奮ってご応募ください」と述べた。応募期間は、2020年4月1日~9月30日期間内必着。結果発表は、2021年2月1日となっている。

《問いの片歌記者発表》
▶︎言の葉連ねて歌遊びの酒折連歌賞実行委員会(廣瀬孝嘉実行委員長)は3月30日、山梨学院広報スタジオで4月1日公表に先駆けて、文部科学大臣賞 第二十二回酒折連歌賞問いの片歌の記者発表を行った。
【実行委員長挨拶】
▶︎廣瀬孝嘉実行委員長は「『古事記』によりますと、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の帰途、ここ甲斐の国の酒折宮に立ち寄り、『新治(にいばり)筑波(つくは)を過ぎて 幾夜(いくよ)か寝(ね)つる」と問いかけたところ、御火焚(みひたき)の老人(おきな)が「かがなべて 夜(よ)には九夜(ここのよ) 日(ひ)には十日(とおか)を』と答えた。この歌問答が、連歌の起源とされ、ここ酒折が、連歌発祥の地となった」と説明し、「これに因んで1998年、平成10年に山梨学院大学が『酒折連歌賞』を創設、『問いの片歌』を提示して『答えの片歌』を募集するという、全国に例を見ない文学賞とした。二人が向かい合って問答をするところに『酒折連歌』の原点があり、さまざまな年齢層が、一つの問いに対して答えを競い合うところに、『酒折連歌』の楽しさがある。決められた一つの片歌から、十人いれば十人、それぞれ違った片歌が生まれることも、『酒折連歌』の大きな魅力となっている。そして、相手を受け止めた上での言葉選びに、この文芸の特長があり、鑑賞や創作を通して心の触れ合いが生まれ、独吟では得られない生きたコミュニケーションを形成することができる。本県発祥の貴重な文化として、『酒折連歌』をさらにさらに広めていきたい」と挨拶。
【酒折連歌賞概要】
▶︎酒折連歌賞概要について、廣瀬孝嘉実行委員長は「応募句数は第1回の6,721句に始まり、第10回の52,703句を頂点にずっと3万句前後で推移。前回は、節目の20回に引き続いて、4万句を超えの42,029句だった」と述べ。男女別では「男性51%、女性49%と男性の割合が大きくなっている。この種の文芸の応募状況としては珍しく、この傾向が4年続いている」と、また、年代別では「学校からの団体応募が好調で10代が71%を占めている。その他、20代~30代が5%、40代~50代が8%、60代~70代が15%、80代以上が2%となっている。この中で、60代・70代が増加傾向にある」と分析。都道府県別では「山梨県が17,783句と42%となっており、県外からの応募が昨年に引き続いて半数を超えている。上位には首都圏や人口の多い府県が入っており、今回も47都道府県のすべてから応募があった。さらに、大使館や日本人学校の協力のもとに、海外の11か国から209句が寄せられた。また、下は6歳から上は100歳まで、実に幅広い年齢層から応募が寄せられている」と説明した。
〈問いの片歌発表〉
廣瀬孝嘉実行委員長から、次のとおり発表された。
一 はればれと一円玉は一グラムです
二 親ゆびと小ゆびひろげて距離をはかって
三 歩く意志なくても進む朝の雑踏
四 これだけは手放さないよあきらめないよ
五 北斎の富士の角度は三十八度
〈選考委員発表・紹介〉
引き続き、廣瀬孝嘉実行委員長から、次のとおり選考委員が発表され紹介された。
▷宇多喜代子先生(俳句界の大御所的存在で紫綬褒章・旭日小授章受章、日本芸術院会員。)
▷三枝昻之先生(短歌界の第一人者で『酒折連歌賞』の選考委員長。県立文学館館長。紫綬褒章受章。)
▷今野寿美先生(現代日本を代表する女流歌人で宮中歌会始の選者。)
▷井上康明先生(俳誌『雲母』『白露』に次ぐ『郭公』を主宰。飯田蛇笏・龍太、廣瀬直瀬氏の流れを引き継いでいる俳句界のホープ。)
▷もりまりこ先生(2001年から 酒折連歌賞ホームページ『もりまりこのうたたね日記』を担当。創設時から酒折連歌賞を牽引している。)
《応募規定・期間・結果発表・表彰等》
〈応募規定〉
▷問いの片歌5句の中から一句を選び、答えの片歌を五・七・七でつくって応募。なお、提示された問いの片歌五句すべてに応募しても差し支えない。また、応募句数にも制限はない。
▷個人応募は、ハガキ、封書(A4までの用紙)、FAX、メール、ホームページの5通りの中から選び、郵便番号・住所・氏名・性別・年齢・電話番号・問いの片歌番号・応募作品を明記し、一枚の用紙につき1句を応募する。
▷団体応募の「指定用紙」を酒折連歌賞のホームページからダウンロード、または事務局へ請求。団体で一括応募する場合は、必ず団体名、担当者名、メールアドレス、連絡先を明記の上、問いの片歌ごとにまとめて応募する。
〈応募期間〉
▷2020年4月1日(水)~2020年9月30日(水)期間内必着
〈一般部門表彰(全応募作品を対象)〉
▷《大賞》(1句)文部科学大臣賞/賞状 副賞10万円 大賞杯。山梨日日新聞社賞・読売新聞社賞・朝日新聞社賞・産経新聞社賞・毎日新聞社賞・山梨新報社賞・山梨放送賞・テレビ山梨賞。▷《山梨県知事賞》(1句)賞状 副賞3万円 楯。▷《山梨県教育委員会教育長賞》(1句)賞状 副賞3万円 楯。▷《甲府市長賞》(1句)賞状 副賞3万円 楯。▷《特選》(10句) 賞状 副賞1万円。▷《優秀賞》(12句) 賞状 副賞5千円。▷《優良賞》(54句)賞状。 
〈アルテア部門表彰(小・中・高校生の作品を対象)〉
▷《大賞》(1句)文部科学大臣賞/賞状 副賞3万円 大賞杯。山梨日日新聞社賞・読売新聞社賞・朝日新聞社賞・産経新聞社賞・毎日新聞社賞・山梨新報社賞・山梨放送賞・テレビ山梨賞。▷《特選》(19句) 賞状 副賞5千円。
※ 一般部門とアルテア部門の重複受賞はない。
〈結果発表〉
2021年2月1日(月)酒折連歌賞ホームページにて公表。
〈応募・問い合わせ先〉
 〒400‐8575 甲府市酒折2―4―5
 山梨学院大学酒折連歌賞事務局
 電話 055-224-1641 FAX 055‐224‐1643
 E-mail oubo@sakaorirenga.gr.jp
 URL  http://www.sakaorirenga.gr.jp

《記者発表後インタビュー》
▶︎廣瀬孝嘉実行委員長は「問いの片歌を提示して、それに答えていただく文学賞。例年、全国から海外から、幅広い年齢層から、その時その時の時代や社会を反映した歌などが寄せられてくる」と頷く。「選考委員の先生方が良い歌の条件として、①答えが具体的であること。②主題に普遍性があること。『なるほど、そうだよな』という共感を覚える歌。③答えに個性があること。それぞれの人の人生が反映されている歌など」と微笑む。審査方法は「選考委員五人が、それぞれ創作した問いの片歌に寄せられた答えの片歌の中から100句選ぶ、それを選考委員が持ち寄り500句にして、選考委員全員で100句まで絞り込み、選者それぞれが各賞を選び、再び持ち寄り協議しながら各賞を決定していく」と明かす。「感心するのは、選考委員の先生方が選ぶ歌が重なっていること。同じ歌を同じ様に評価しているところが素晴らしいところ」と目を見張る。「是非、問いの片歌にひらめき・感性豊かに、個々の人生なども込め、答えの片歌五・七・七にして奮ってご応募ください」と述べた。

文(H.K)、カメラ(平川大雪) 2020.3.30