山梨学院パブリシティセンター

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●2020年甲子園高校野球交流試合(仮称)
~山梨学院野球部本格的な練習を再始動~
~いつか恩返しできる人になってほしい~

山梨学院高校野球部は6月16日、8月10~12日、15~17日の6日間開催される2020年甲子園高校野球交流試合(各校一試合)に向けて、グループ練習から本格的な練習を再始動した。山梨学院高校は新型コロナウイルス感染防止対策でオンライン授業や分散登校での対面授業など行っていたが、昨日の月曜日から留意事項を踏まえて授業が正常化された。これを受けて野球部員は練習休日明けの本日、授業終了後に砂田球場へ集合し本格的な練習に汗を流した。主将の功刀史也(3年)は「やっと、皆んなで通常の練習ができた」と笑顔で述べた。吉田健人野球部長兼コーチは「ランナーをつけての中継プレーなど試合勘を取り戻す練習を行なった」と頷いた。吉田洸二監督は「普通に練習できること甲子園で交流試合ができることに、高野連始め多くの皆様に感謝したい。選手たちが大人になった時、いつか恩返しできる人になってほしい」としみじみと述べた。

【これまでの経緯】
▶︎吉田健人野球部長兼コーチは「3月10日、第92回選抜旗授与式並びに壮行会を山梨県高野連並びに毎日新聞甲府支局に縮小して10分間で挙行していただいた。その翌日の11日、日本高等学校野球連盟の八田英二会長から『3月19日(木)に開幕する予定だった第92回選抜高等学校野球大会を中止する』ことを告げられ選手に伝えた」と小さく頷く。4月16日の全国緊急事態宣言が発令された5月20日には「『第102回全国高校野球選手権大会の中止とその出場校を決める都道府県大会の中止を決めた』ことを選手に告げた。春の甲子園も夏の甲子園もなくなった「6月10日の八田英二会長から、8月10日~12日、15日~17日の6日間、13日・14日予備日で阪神甲子園球場のにおいてセンバツに出場予定だった32校を招待して、各校1試合ずつの『2020年甲子園高校野球交流試合』が行われることとなった」。と満面笑みを浮かべる。「6月15日に大会参加申し込みを行なった」と、「招待人数は責任教師、監督、選手20人、記録員1人、ノッカー1人、補助員5人、校長(に準じる)1人の1校計30人以内。メンバーの提出はこの先になり、監督始め関係者で決める。また原則無観客で、野球部員や学校関係者の入場は今後の感染状況の推移を見ながら検討するとなっている」と深く頷く。「オンラインで7月18日に組み合わせ抽選が行われる」と目を輝かせ、「選手のために開会式もオンラインでの開催を検討するようだ」と微笑む。「3年生は春も夏もなくなり、それでも直向きに新型コロナウイルス感染防止対策で限られた練習に励む姿を見るにつけいたたまれない気持ちだった。そんな絶望的な状況の中で、高野連の皆様が選手のためにと何処よりも早く開催にこぎつけていただいたことに心より感謝申し上げたい」と神妙な顔つきで深く頭を下げた。
▶︎招待校は第92回センバツ出場校の32校で、【北海道地区1枠】白樺学園、【東北地区2枠】仙台育英(宮城)・鶴岡東(山形)、【関東・東京地区6枠】健大高崎(群馬)・山梨学院(山梨)・東海大相模(神奈川)・桐生第一(群馬)・国士舘(東京)・花咲徳栄(埼玉)、【北信越地区2枠】星稜(石川)・日本航空石川(石川)、【東海地区3枠(内神宮枠1)】中京大中京(愛知)・県岐阜商(岐阜)・加藤学園(静岡)、【近畿地区6枠】天理(奈良)・大阪桐蔭(大阪)・履正社(大阪)・智辯学園(奈良)・明石商(兵庫)・智弁和歌山(和歌山)、【中四国地区5枠】倉敷商(岡山)・鳥取城北(鳥取)・明徳義塾(高知)・尽誠学園(香川)・広島新庄(広島)、【九州地区4枠】明豊(大分)・大分商(大分)・創成館(長崎)・鹿児島城西(鹿児島)、【21世紀3枠】帯広農(北海道)・磐城(福島)・平田(島根)となっている。

【砂田球場練習】
▶︎選手たちはランニング・体操・ストレッチ・ダッシュなどのウォーミングアップなどの練習準備を行う。吉田健人野球部長兼コーチの指示で、攻撃の練習のシートバッティング、ランナーをつけての中継プレーと守備練習、ランナーを絡めた投内(投手と内野手)連携プレーと試合形式の練習。そしてダッシュ、クールダウンを行い終了した。
▶︎吉田健人野球部長兼コーチは「新型コロナウイルス感染防止対策で5月までは自主練習を行なった。6月1日から14日まで分散登校によるグループ練習を行なってきた。今日からは授業が正常化になり全員参加しての練習初日、練習試合が始まる時期にもなるので試合勘を取り戻す実戦形式の練習を行なった。これからもランナーに対してどう守っていくのか、相手ピッチャーに対してのバント、相手守備人に対してどう仕掛けていくかなど、試合勘を取り戻す練習を行なっていく」と力説した。
【練習後のインタビュー】
▶︎エース左腕 吉川大(3年)「甲子園に代表で出場するので恥ずかしい試合はできないので試合に近づけた練習をした」と頷く。「シートバッティングで6人1班を3周から4周投げた」と笑みをこぼす。「最初、バントやエンドランの練習だったので、バントだったら高めに投げることや、エンドランだったら牽制でアウトを狙うだとか、後はバッターとの真剣勝負だったのでコントロールを意識して投げた」と振り返る。「球種はストレート、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップを投げた。秋に比べて、冬のトレーニングで落ちる球の精度が上がった」と頷く。「チームは肥大系のトレーニングが多いが、自分の課題として体のキレが大事と考えて、ダッシュ系の走ることに特化して鍛えた。その結果、脂肪が落ちて体が絞れて筋肉がついて体のキレが大分よくなった」と自信をのぞかせた。「今日は再始動で良いボールと悪いボールがはっきりしていたが、これからの実戦形式の練習で感覚が戻ると思うので心配はしていない」と清々しく述べた。
▶︎捕手栗田勇雅(3年)は甲子園5回の記録のチャンスが途切れたが「1年夏から3季連続甲子園に出場し、そして春が決まっていたので中止にならなければ4季連続甲子園出場となっていた。この夏代表になれたら5回出場となったが、記録が途切れたことについては気にもならなかった」とこだわりなくさばさば話す。「むしろ、当時は新型コロナウイルス感染で亡くなった方が多くいる中で、プレーして良いのかと悩んでいた」とうつむく。「今は一試合でも甲子園で試合ができることに素直に感謝し練習に集中している」と頷く。「今日は授業が終わって、全員での練習が初めてで、悪くなかったが甲子園で一勝をあげるのには課題が残る練習内容だったので、これから精度を高めていきたい」と4度目の甲子園での戦いに意気込みをあらわにした。
▶︎主将の功刀史也(3年)は「やっと、皆んなで通常の練習ができた」と笑顔。「新鮮な気持ちで練習に取り組め、全員集まってプレーすることによってチームワークを育てられるんだと改めて思った」と大きく頷く。春・夏の甲子園中止について「春も夏も人が亡くなっており、自分たちの安全を考えての開催中止だったのでやむを得ないことだと思った」と気持ちを整理した。「監督さんから『ここまで自主練だったりグループ練習だったり、全員が確り取り組んできた結果が、今回の2020年甲子園高校野球交流試合招待につながった』と言葉をいただいたが、本当にその通りだなと思う」と噛み締めた。「夏は暑いので、個々の能力がそんなに高くないので取れるアウトを確実に取ったり、エンドランとかバントで確実にランナーを進めて、スクイズであったり、一本で生還してくる走塁だったりが大切になる。そうしたワンプレーのミスが命取りになるので確り練習したい」と頷く。「先輩たちが心配してくれて、7月にエキシビションマッチを企画してくれた。そうした先輩たちに応えるためにも甲子園で勝ちたい。そのためにも練習に励みたい」と述べた。

【吉田監督インタビュー】
▶︎吉田洸二監督は甲子園交流試合について「普通に練習できること甲子園で交流試合ができることに、高野連始め多くの皆様に感謝したい。選手たちが大人になった時、いつか恩返しできる人になってほしい」としみじみと述べた。振り返ると「甲子園というゴールがなくなり、マラソンでゴールのないコースをひたすら走って迷走する選手だった気がする。今回、高野連がゴールテープを用意してくださったので、凄くありがたくて」と感慨無量。「そこで、この子たちが自然災害などでゴールのないところで走って困っている人がいたら手を差し伸べてあげられる、そうした器の人物に成長してほしい」と期待を込める。
▶︎甲子園中止について「春の甲子園中止に選手はがっくり来ていた。『この悔しさは山梨県で負けないで甲子園に行って晴らすしかない』と選手に言って、3月・4月は可能な限り自主練習をするなどでケアに努めながら生活をしていた」と目を伏せる。「夏の中止は選手も春の甲子園中止で心がへしおられていたのと、新型コロナウイルス感染症の全国緊急事態宣言が発令され全国に蔓延していたので覚悟ができていたので、春よりケアは大変ではなかった」と振り返る。
▶︎「6月10日、山内紀幸校長から『監督、おめでとうございます。只今、高野連から連絡が入り2020年甲子園高校野球交流試合に招待されました」と吉報を告げられた。その時、『コロナが高校球児に出たらまた中止になるのかな』と頭をよぎった。せっかく、選手は気持ちの整理がついているのに、これで中止になったらこの子たちはどうなるんだろうと、選手たちも記者の方に『もう中止にならないですよね』と尋ねていた。選手の心の傷は深く刻み込まれているんだ」とその時の様子に心が痛んだ。
▶︎5月21日に2016年夏の甲子園に出場し4連覇の切っ掛けをつくった元 主将の滝澤虎太朗氏(早稲田大学野球部4年)が、『ニュースで夏の大会も中止になったと知ったら、いたたまれない気持ちになり早稲田大学監督に許可を取り、4連覇の卒業生に声を掛けて7月に後輩を勇気づけるために休暇を取れる卒業生が公共交通機関は使わずに砂田球場に集まり、エキシビションマッチを行いたいのですがいかがでしょうか』とメールが届いた」と満面笑み。「山梨学院の卒業生が人として育っていること、ファミリーとして後輩を思いやる気持ちが何よりも嬉しい」と心が癒された。「後輩も、こうした先輩の愛情に応えてくれると信じている」と結んだ。

文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.6.17