山梨学院パブリシティセンター

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●2020年夏季山梨県高等学校野球大会(2回戦)
~山学エース吉川 初戦で雨模様も好投~
~6番 才津が2打席連続の2打点で勝利~

山梨学院高校は7月23日、山日YBS球場で初戦を甲府商業高校と対戦し5回コールド11対1で3回戦進出を決めた。後攻の山梨学院はエース左腕 吉川大が先発し「初戦で雨模様だったが平常心で投球できた」と4回を被安打3、三振1、四死球0、失点1、自責点0とエースの貫禄を見せて吉田洸二監督の起用に応えた。攻めては1回裏無死一、三塁で3番小吹悠人がしぶとく右前安打し、主将 㓛刀史也が3塁から生還し先制した。二死一、二塁で6番 才津紘大が1-1からの3球目「高めのストレートを迷わず振り抜く」と左中間フェンス直撃の2点適時三塁打で3対0とリードした。6番 才津が3回裏も無死一、三塁で2-1からの4球目を芯で捉え中越えの2点適時二塁打を放ち、2打席連続となる2打点で5対1とし試合を決めた。山学は13安打の猛攻で11得点を奪った。吉田洸二監督は「実践間隔が空いたのと例年とは違う異様な雰囲気にのまれ本来のうちの野球ができなかった」と高みを目指す。山学は3回戦を8月2日、9時00分から山日YBS球場で甲府東高校と笛吹高校の勝者と対戦する。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
甲府商業 0 1 0 0 0         1
山梨学院 3 0 7 0         11

【大会経緯と主な規定】
吉田健人野球部長は「新型コロナウイルス感染防止対策により、今夏の第102回全国高校野球選手権大会と地方大会が中止となったことで、練習の成果を発揮する場を与えようと、山梨県独自の2020年夏季山梨県高等学校野球大会が開催されることとなった。関係の方々に心から感謝したい」と頭を下げる。試合は「公式試合のトーナメント方式で1試合9イニング制、延長10回からタイブレークを開始する。打順は、9回終了後時の打順を引き継ぐ」。コールドゲームは「得点差5回以降10点以上、7回以降7点以上の差がついた場合」に適用。1人の投手は「15イニング以内」とする。ベンチ入りは「選手21人と記録員1人の22人までとし、試合ごとのメンバー変更が可能」とした。対戦相手は「7月4日、山梨県立青少年センターで37校34チームの野球部長(責任教師)が出席し組み合わせ抽選会を行い、山梨学院は本日の第2試合で甲府商業高校と対戦することとなった」と述べた。
 
【甲府商業高校 Vs 山梨学院高】
◾️吉田洸二監督は7月19日に「チームはようやく実戦感覚が戻ってきたかなと言う状況で、全体練習開始から天候が雨で、練習試合がほとんど中止になり、打者の力が秋からすると落ちているので、思うように行っていない」と明かした。それでも「まさか、まさか、山梨県大会や甲子園で試合が出来るとは思ってもいなかったので、本当にありがたいの一言です」と感無量の面持ちで述べ、選手には「結果はともかく、試合が出来ることに感謝して、今までやってきたことを全て出し切ってもらいたい」と述べた。
◾️例年であれば山日YBS球場の両校の応援団スタンドは満席だが、今年は感染防止のため、控え選手と高野連に登録してあるコーチ・副部長、3年の保護者(各家庭2人まで)のみがスタンドでの観戦となった。両校選手がベンチから登場し、駆け足で両校の選手がホームベースを挟んで整列。先攻 甲府商業高校、後攻 山梨学院高校で2回戦が12時9分に開始された。
▶︎1回表、後攻の山梨学院は吉田洸二監督が初戦先発のマウンドにエース左腕 吉川大(3年)を送った。エース左腕 吉川が1番打者を初球で一塁邪飛に打ち取る。続く2番打者を2-2と追い込んだ5球目を三遊間を抜ける左前安打され一死一塁。「慌てることはなかった」と、3番打者を0-1からの3球目で遊ゴロに打ち取り二塁フォースアウトで二死一塁。迎えた4番打者を2-1から二塁ゴロに仕留める上々の立ち上がり。
▶︎1回裏、山梨学院は1番主将 㓛刀史也(3年)が先発右腕 深澤慎星(3年)の3-1から「投手がコントロールに苦しんでいた」と四球を選び出塁。2番橘田陸斗(3年)が1-2からの4球目を右前安打し一、三塁とした。続く、3番小吹悠人(3年)が2-1からの4球目をしぶとく右前安打し、主将 㓛刀が3塁から生還し先制した。二死一、二塁に6番 才津紘大(3年)が1-1からの3球目「高めのストレートを迷わず振り抜く」と左中間フェンス直撃の2点適時三塁打で3対0とリードした。
▶︎2回表、山梨学院はエース左腕 吉川大(3年)が、先頭の5番打者への3球目を三遊間への抜ける当たりを打たれ三塁手が好捕するも送球がずれ内野安打で出塁を許す。続く6番打者を初球で二塁ゴロに仕留めた当たりが、堅守 㓛刀史也(3年)が「正面に飛んできたので丁寧に捕球しょうとして球を弾いてしまった」と失策し無死一、二塁とした。エース左腕 吉川が7番打者の初球犠打を高めでかわした0-1からの2球目に投犠打され、一死二、三塁とされる。続く8番打者の1-1からの3球目を三塁ゴロに、これを三塁手がハンブルして生還を許し3対1とした。
▶︎3回裏、山梨学院は先頭の主砲4番 栗田勇雅(3年)が2回裏から代わった右腕 加藤大河(3年)の2-1からの4球目を三塁線を破る左前二塁打で出塁。5番岩田悠聖(1年)が邪飛で粘り1-2からの6球目を一、二塁間を抜ける右前安打で無死一、三塁とする。続く、6番 才津紘大(3年)が2-1からの4球目「迷わず振り抜くと」中越の2点適時二塁打を放ち、2打席連続となる2打点で5対1とした。続く7番 外川温大(3年)がストレートの四球を選び無死一、二塁。8番に代わった役田翔(2年)が1-1からの3球目をニゴロで一死一、三塁。9番 吉川大(3年)の1-1からの3球目に役田が盗塁し一死二、三塁とする。吉川がフルカウントから四球を選び一死満塁とした。続く1番主将 㓛刀史也(3年)が3-1からの4球目「追加点を奪おうと真ん中やや低めのきた球を肩を開かずにミートした」と一、二塁間を破る右前に2点適時打を放ち7対1とした。二死二、三塁で3番小吹悠人(3年)が2-0からの3球目をしぶとく捉え左越え2点適時二塁打を放ち9対1。主砲4番 栗田勇雅(3年)が2-0から左越えフェンス直撃の2点適時二塁打を放ち9対1とした。
▶︎4回表、山梨学院はエース左腕 吉川大(3年)が、5番打者を3球空振り三振に、6番打者を1-1の3球目で投手ゴロに打ち取り、7番打者を中飛に仕留め三者凡退とした。
▶︎5回表、山梨学院は吉田洸二監督がエース吉川に代わり左腕 宮下龍希(2年)をマウンドに上げた。左腕 宮下が先頭の8番打者を初球で二飛に打ち取ると、吉田監督が3番手で右腕 川口龍己(1年)をマウンドに送った。右腕 川口が9番打者を初球で遊ゴロに打ち取り、続く1打者を2-2からの5球目で右飛に打ち取り継投で三者凡退に討ち取った。
▶︎5回裏、5回表にライトの守備についた山本丈雄(2年)が9番打者として打席に立った。山本が4回表から継投した右腕 市川匡実(3年)の1-1からの3球目を強くミートし中堅手のグローブを弾く二塁打で出塁すると、吉田監督がすかさず志村佳樹(3年)を代走に送った。無死二塁、1番主将 㓛刀史也(3年)が死球で出塁し無死一、二塁。一死後、3番小吹悠人(3年)が2-0からの3球目をしぶとく当て投ゴロに、これを投手がハンブルする失策で一死満塁。続く、主砲4番 栗田勇雅(3年)がフルカウントから三遊間を破る左前適時打で三塁から代走の志村が生還し11対1の5回コールドとした。
◾️山梨学院は5回でチーム打撃成績は打数27、得点11、安打13、二塁打5、三塁打1、塁打数20、三振5、四死球4、盗塁3、残塁7、打率 .481。守備成績は刺殺15、補殺6、失策2、併殺1、守備率 .913。チーム投手成績は打者数19、打数18、投球数52、投球回数5、被安打3、三振1、四死球0、失点1、自責点0。
 
【試合後インタビュー】
▶︎降雨の中でエースの貫禄を見せた 吉川大(3年)は「初戦で先発で降雨の中だったが緊張することなく平常心で投球できた」と微笑んだ。「やはり山日YBS球場のマウンドは本式で高いなと感じた。このマウンドにエースとして立てることが嬉しくて堂々と投げれた」と振り返った。「冬のトレーニングでは、体のキレが大事と考えて、ダッシュ系の走ることに特化して鍛えた。その結果、脂肪が落ちて体に筋肉がついて体のキレが良くなり、落ちる球の精度が上がった」と頷く。「今日はストレートとカットボールとツーシームの三種類だけ投げた」と明かした。今日のできは「ストレートも良かったがツーシームで打たせて取る投球ができたので良かったと思う」と頷いた。その他に球種は「カーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップを投げる」と微笑む。「これからはイニングを長く投げるようになると思うので、投げる球種を増やさなければならないし、誘う球も投げなければならないので、これからの練習でさらに精度を上げたい」とエースの声が弾んだ。
▶︎3回裏2打席連続2打点で勝利を引き寄せた6番 才津紘大は「初回二死一、二塁でチャンスが回ってきたので、ランナーを返そうと積極的に打って出ようと打席に立ち無心で集中した」と頷く。1-1からの3球目「高めのストレートを迷わず振り抜く」と左中間フェンス直撃の2点適時三塁打で3対0とリードした。「当たりが良かったので抜けたとは思ったが、まさか、左中間フェンス直撃になるとは思わなかった」と微笑む。「3対1と追い上げられての3回裏に無死一、三塁でチャンスが再びきたので、引き離そうと狙って打席に入り集中した」と頷く。「2-1からの4球目の高めに浮いた甘い球を芯で捉えた」と中越えの2点適時二塁打を放ち、2打席連続となる2打点で5対1としゲームを決めた。「チームに貢献できて良かったが、4回先頭打者で出塁しないといけない」と気負い、「低めに手を出し当たり損ねの投手ゴロになり先頭打者の責任が果たせなかった」と唇を噛む。「次回までに修正したい」と謙虚に述べた。
▶︎主砲4番捕手 栗田勇雅(3年)は「やっぱり、初戦ということがあって少し公式戦と離れていたので、みんな緊張しプレーがうまくいかなかった」と頷いた。「3回、先頭打者で出塁しなければと思い変化球に山を張っていたが真っ直ぐがきたので『遅れる』と思いタイミングが早く行った分、開いてしまってゴロになってしまった」と、それでも三塁線を破る二塁打で出塁した。「3イニングで二巡目となる打席が回ってきた。『同じ過ちをしない』と2-0から、変化球を待っていたがやはり読みが外れて真っ直ぐがきた。さすがに前打席で経験していたので、そこで早く行き過ぎないように溜めて打てた。少し詰まったが、左越えフェンス直撃できた」と2点適時二塁打を放ち9対1とした。改善すべき点として「自分たちの野球は応援団の声援やブラスバンドでリズムをつくり、応援と一丸となって乗っていく野球なので、無観客の中での硬式野球は初めての経験でそうした仲間がいなくてリズムに乗れなかった部分があった。一度、経験したので次戦は自分たちがベンチの中でリズムをつくり山梨学院らしく全力でプレーしたい」と述べた。
▶︎リードオフマンで巧打堅守 1番主将 㓛刀史也(3年)はチームは「初戦で緊張があった。今日、自分を含めて守備面でエラーがあり課題が残った」と大きく頷く。「自分の2回の無死一塁で正面にきたゴロを大事に捕球しようとハンブルし失点につながった。いつものリズムで前に出て捕球すべきだった」と守備の名手が猛省する。「うちのチームは守って失点を少なくして、リズムに乗り勝つチーム、練習で徹底したい」と前を向いた。先頭打者について「常に塁に出ることを考えて打席に立つ」と頷く。「初回は投手がコントロールに苦しんでいたので四球を選んだ。2回裏の打席は無死一、二塁、自分が犠打を失敗した後、二塁ランナーが三遊間に挟まれ一死二塁とされた。『自分の責任なので挽回しよう』と、気持ちを切り替えて打席に立ち甘く入ってきた球を『ランナーを進めよう』と肩を開かずに引っ張った」と右前安打で一死一、二塁とした。しかし「あの場面では、ヒットより犠打を決めることが重要だったので価値がないヒット」と言葉をのんだ。「明日からは練習で、堅守と広角に打てるようにしたい」と目を輝かせた。4打席、2安打、四死球2、盗塁2、打点2と大活躍したが笑顔はなかった。
▶︎吉田洸二監督は「吉川はエースとしてまずまずだった」と開口一番。「見方がエラーしなかったら失点は0点だった。0点は評価できる」と頷いた。しかし「実践間隔が空いたのと例年とは違う異様な雰囲気にのまれ、うちの守備が本来のリズムを崩し、うちの野球ができなかった」と沈黙。「1年生に経験させようとチャンスを与えたが、その1年生が最初からリズムを崩して、いつもでは考えられない変なミスをする。それをカバーしないといけない上級生も一緒になって普段では考えられないミスをしていた」と振り返る。「攻撃面ではそんな嫌なムードの中で、6番 才津紘大(3年)が1回裏二死一、二塁に左中間フェンス直撃の2点適時三塁打と3回裏も無死一、三塁での中越えの2点適時二塁打し、2打席連続となる2打点の計4打点と攻撃をつなげたが、」と言葉を止め、「第3打席は低めに手を出し雑な攻めとなって残念」と喜びの表情はなかった。チームは13安打で11得点したが「うちの選手らしからぬバッティングが目についた」と高みを目指す。攻守ともに「球場では点数が入っても、ファインプレーしても、歓声はなく大きな声を出しても喜べない異様な状況で真からリズムに乗れなかった。こうした環境でも守りからリズムをつくり、少ないチャンスをものにするうちの野球に戻さなければいけない。早く、そうした環境に慣れなければならない」と大きく頷いた。「3年生には大変申し訳ないが、ベストの状況を探り1・2年生に経験を積ませながら、未来につながる大会にしたい」と結んだ。
 
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.7.24