●2020年秋季関東地区高校野球山梨県大会(2回戦)
~甲子園交流試合以来の登板 右腕川口 調子70%~
~5番主将 針尾 先制ソロ / 4番 役田 2点本塁打~
山梨学院高校は秋季関東高校野球山梨県大会2回戦を9月20日、山日YBS球場で甲府東高校と行い、7対0(8回コールド)で勝ち準々決勝に進出した。後攻の山学は守っては甲子園交流試合以来の登板となった先発右腕 川口龍己が好投しながらも「調子は70%」と5回2/3を投げ流れをつくり、左腕 黒澤拓真が2回1/3を投げ相手の攻撃を封じた。攻めては2回裏一死から5番主将 針尾斗偉が「とにかく一本打って塁にでればチームに勢いがつく」と「インコース高めのカーブ」を左芝席に先制ソロするなど2対0。3回裏には先頭の右腕 川口が左前安打で出塁。二死二塁後、3番 山元丈輝の右越え適時二塁打、4番 役田翔の右越え2点本塁打で3得点を挙げ5対0とした。山学は7回、8回にも得点し7対0の8回コールドで勝利した。吉田洸二監督が「チームに投打で不動の軸となる選手がいない。早く頭角を現してもらいたい」と促し、次戦は「できれば、一発勝負なので、早い段階で試合の主導権を握りながら戦っていきたい」と述べた。山学は9月26日、山日YBS球場で甲府城西高校と準々決勝を行う。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
甲 府 東 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
山梨学院 | 0 | 2 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1× | 7 |
【試合前インタビュー】
吉田健人野球部長兼コーチは甲府東戦に向けて「投手陣は、川口のアウトコースの制球力と球種を増やすこと。また、これから期待したい黒澤を始めとする選手の調整に時間を費やした」と頷く。「バッター陣は、役田や山元を始めとする選手の欠点を直すことに注力した」と振り返る。甲府東戦は「前回の笛吹戦では投打にわたりプレーでの一つ一つの立ち振る舞いが安定していなかったので、どっしり腰を据えて戦ってもらいたい」と述べた。
【 甲府東高校 Vs 山梨学院高校】
◾️吉田洸二監督は9月13日に甲府東戦について「まず勝つこと、それにまだ秋に活躍してもらいたい投手などの選手がいるのでテストするというテーマで臨む」と述べた。ベンチ定員は責任教師、監督、記録員と選手21名以内。山日YBS球場は両翼92m、中堅120mで外野 天然芝生、内野 クレイ。収容観客数は、内野スタンド7,931人、外野スタンド(芝生)12,000人。甲府市の9時00分日本気象協会調べの1時間ごと天気予報は、天気小雨、気温22.2度、湿度50%、風向 南南東、風速2m/s。両校の応援団スタンドにはスタンドは新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、副顧問と1年・2年の控え選手を除き完全無観客となった。雨の降るなか一塁側 甲府東高校、三塁側 山梨学院高校、両校選手がホームベースを挟んで整列。先攻 甲府東高校、後攻 山梨学院高校で2回戦が8時50分に開始された。
▶︎1回表、後攻の山学は吉田洸二監督が甲子園交流試合で先発した右腕 川口龍己(1年)をマウンドに上げた。右腕 川口が1番打者を2-2から中飛に打ち取り一死無塁。2番打者に0-1から右前安打を許し一死一塁。続く3番打者を0-1から左飛に、4番打者を左飛に仕留めチェンジとする。
▶︎2回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の5番打者を0-1から遊飛に打ち取り一死無塁。6番打者に2-1から左前安打され一死一塁。続く7番打者の初球に投ゴロとし二塁封殺(1-6)で二死一塁。8番打者を初球二ゴロに仕留めチェンジとする。
▶︎2回裏、山学は一死後に5番主将 針尾俊佑(2年)が1-1から「インコース高めのカーブを確り捉え」左越えソロ本塁打し1対0とする。
▶︎3回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の9番打者を0-2から3球三振に、1番打者を初球で二飛に、2番打者をフルカウントから三振に仕留め三者凡退とする。
▶︎3回裏、山学は先頭の9番 右腕 川口龍己(1年)が2-1から左前安打で出塁し、1番 相澤秀光(1年)の投犠打で一死二塁。二死二塁、3番 山元丈輝(2年)が初球を右越え適時二塁打で3対0。続く4番 役田翔(2年)が1-1から「インコース低め真っすぐ」を右越え2点本塁打を放ち5対0と突き放すも後続が倒れチェンジ。
▶︎4回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の3番打者を2-1から左飛に、4番打者を2-2から三振に、5番打者を0-1から二ゴロに打ち取り三者凡退とする。
▶︎5回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の6番打者を2-0から一ゴロに、7番打者を初球で遊ゴロに、8番打者を初球で中飛に打ち取り三者凡退とする。
▶︎6回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が9番打者をフルカウントから三振に、1番打者を初球で左飛に打ち取り二死無塁。ここで吉田洸二監督が左腕 黒澤拓真(1年)をマウンドに送った。左腕 黒澤が2番打者をストレートの死球を与え二死一塁。3番打者を2-2から左前安打で二死一、二塁。左腕 黒澤が4番打者の0-2からの3球目に暴投。これで二塁ランナーがホームを突くが捕手から左腕 黒澤が捕球しホームベースでタッチアウトにしてチェンジとする。
▶︎6回裏、山学は先頭の6番 鈴木斗偉(1年)が3-1から死球を選び出塁し、7番 杉浦寛太(2年)の初球暴投で無死三塁として、7番 杉浦の2-1からの左犠飛で生還し6対0とした。その後、続が倒れチェンジ。
▶︎7回表、山学は左腕 黒澤拓真(1年)が先頭の4番打者をフルカウントから四球を与え無死一塁。続く5番打者を3球三振、6番打者に1-1から捕安打とされ一死二塁。7番打者をフルカウントから三振に、8番打者1-2から三振に仕留めチェンジとする。
▶︎8回表、山学は左腕 黒澤拓真(1年)が9番代打をフルカウントから三振。1番打者にフルカウントから四球を与え一死一塁。2番打者を2-2から三振に打ち取り、3番打者を0-2から遊ゴロに打ち取り二塁封殺(6-4)でチェンジとする。
▶︎8回裏、山学は先頭の5番主将 針尾俊佑(2年)がフルカウントから遊ゴロ、これを遊撃手が失策し無死一塁、続く6番 鈴木斗偉(1年)の投犠打で一死三塁。二死後、笠井陽介(2年)の右越え適時打で、主将 針尾が生還し7対0の8回コールドとした。
◾️山梨学院は8回でチーム打撃成績は打数30、得点7、安打10、二塁打4、三塁打0、本塁打2、塁打数20、打点7、三振1、四球2、死球0、犠打2、犠飛1、盗塁0、残塁5、打率 .333。守備成績は刺殺24、補殺7、失策0、暴投1、捕逸0、併殺0、守備率 1.000。チーム投手成績は打者数30、打数27、投球数110、投球回数8、被安打4、本塁打0、三振9、四球3、死球0、暴投1、ボーク0、失点0、自責点0、防御率0.00。
【試合後インタビュー】
▶︎甲子園交流試合で先発した右腕 川口龍己(1年)は「甲子園で投げて以来の公式戦だった」と頷き。「『甲子園の経験を生かして落ち着いて自分のピッチングを確りしょう』とマウンドに上がり、いざ投げてみてストライクが取れたので良かった」と振り変えるとともに、「まだ、球が浮いている場面もあったので、確り投げ切れていない。調子は70%」と自己採点。次戦までに「内外、高低のコントロールと球の切れと伸びが確りできるように練習を続けてしたい」と目を輝かせる。「自分は打ち取る投手だと思っているので、連打されないように確りと打ち取っていく、自分のピッチングを心がけたい」と淡々と述べた。
▶︎3回裏に右越え2点本塁打を放った4番 役田翔(2年)は「今日はホームランを打てたが、その一本だけしか打てなかった。4打席立ったら2本か3本は打てるようにしたい」と肩を落とす。「自分のバッティングフォームで左膝が折れる癖があるので、体の軸の回転で球を上から確り叩けるように自分のものにしたい」と大きく頷いた。本塁打について「もう一本欲しい場面だったので、インコース低め真っすぐを確り捉え感触は良かったが、切れるか心配だったが切れずに入ってくれた」と胸を撫で下ろした。「次から対戦投手のレベルも上がってくるが、『ここで欲しい』というところで確り打てるのが4番の仕事だと思うので練習を確りして準備したい」と述べた。
▶︎先制の左越えソロ本塁打を放った主将 針尾俊佑(2年)は開口「良くピッチヤーが0点に抑えてくれた」と感謝した。攻めては「初回に三者凡退で2回3回と連続得点したが、その後に打ちあぐんだ」と言葉を呑んだ。本塁打について「とにかく一本打って塁にでればチームに勢いがつく」と「インコース高めのカーブを確り捉えた。打球が低く飛んでいったので入るとは思わなかったが、一塁ベースを回って入ったのを確認した」と先制ソロを振り返る。「今日は1安打だけだったので課題が残った」。次戦は「今日はチームとしても甘い球を見逃していたので、どんどん振っていって先制し流れをつくって得点し、今日のように投手が守り抜いて勝ちたい」と述べた。
▶︎吉田洸二監督は「1年生の左腕 黒澤を6回表の二死後から登板させて2回1/3経験させてあげられたことは良かった」と開口一番。「右腕 川口は可もなく不可もなく安定していた」と5回2/3、被安打2、4奪三振、死球0を評価した。打撃陣は「5番 針尾と4番 役田にホームランが出たもののその一発のみだった。1年生の1番 相澤と7番 鈴木は無安打、2番 岩田は1安打と期待通りの打撃ができていない」とあえて苦言を呈する。「チームに投打で不動の軸となる選手がいない。早く頭角を現してもらいたい」と期待し奮起を促す。次戦は「できれば、一発勝負なので、早い段階で試合の主導権を握りながら戦っていきたい」と述べた。
◾山梨学院高校は9月26日13時00分より山日YBS球場で甲府城西高校と準々決勝を行う。
文(H.K) 、カメラ(藤原稔) 2020.9.21