●2020年秋季関東地区高校野球山梨県大会(準々決勝)
~ソロ本塁打 佐藤も9回裏一発サヨナラ出ず~
~抱負 新チームづくりを行い夏の大会で躍進~
山梨学院高校は秋季関東高校野球山梨県大会準々決勝を9月26日、山日YBS球場で甲府城西高校と行い3対5で準々決勝敗退とした。後攻の山学は甲子園交流試合で先発した右腕 川口龍己が初回三者凡退と好スタートを切る。その右腕 川口が3回表に長短4安打と内野失策で0対3とされた。6回表には、左腕 宮下龍希が四球と野手犠打失策の後に適時打され0対4。山学はその6回裏、8番 左腕 宮下の左中間越え二塁打と1番 鈴木斗偉のニゴロ、2番 岩田悠聖の内野安打で1対4。山学は8回表に甲子園交流試合でリリーフした左腕 古川秀将が2四球と盗塁に安打で一死満塁からスクイズを決められ1対5。その8回裏に9番代打 佐藤龍哉が左中間芝席に飛び込むソロ本塁打を放ち2対5と追い上げる。山学は9回裏には6番 相澤秀光と7番代打 川井奎人の四球、8番代打 杉浦寛太の死球で無死満塁とした。ここで8回裏にソロ本塁打を放った9番 佐藤が打席に、一発がでれば6対5の大逆転サヨナラ。期待の佐藤が遊ゴロを打ち併殺、その間に相澤が生還し3対5。その後も二死二、三塁としたが後続が倒れ、勝利の女神は甲府城西に微笑んだ。吉田洸二監督は「これから選手を鍛え、来春の新入生を加えて新チームづくりを行い夏の大会で躍進を遂げたい」と抱負を述べた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
甲府城西 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 5 |
山梨学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 3 |
【試合前インタビュー】
吉田健人野球部長兼コーチは「甲府城西戦に向けて、投手陣は、制球力や変化球の切れと真っすぐの伸び。そして新しく練習している球種のチェックなどを行った。バッター陣は、選手の欠点を直すことに力を注いだ」と振り返る。チームには「準々決勝になると、投打に渡って相手のレベルも上がるので、選手には前回の試合でもまだ投打にわたりプレーでの一つ一つの立ち振る舞いが安定していなかったので、甲府城西戦では安定した力を出して戦ってもらいたい」と述べた。
【甲府城西校 Vs 山梨学院高校】
◾️吉田洸二監督は9月20日に甲府城西戦について「できれば、一発勝負なので、早い段階で試合の主導権を握りながら戦っていきたい」と述べた。ベンチ定員は責任教師、監督、記録員と選手21名以内。山日YBS球場は両翼92m、中堅120mで外野 天然芝生、内野 クレイ。収容観客数は、内野スタンド7,931人、外野スタンド(芝生)12,000人。甲府市の13時00分日本気象協会調べの1時間ごと天気予報は、天気曇り、気温24.3度、湿度62%、風向 南、風速2m/s。両校の応援団スタンドにはスタンドは新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、副顧問と1年・2年の控え選手を除き完全無観客となった。一塁側 甲府城西高校、三塁側 山梨学院高校、両校選手がホームベースを挟んで整列。先攻 甲府東高校、後攻 山梨学院高校で準々決勝戦が12時48分に開始された。
▶︎1回表、後攻の山学は吉田洸二監督が甲子園交流試合で先発した右腕 川口龍己(1年)をマウンドに上げた。右腕 川口が1番打者を2-2から左飛に、2番打者を2-2から右飛に、3番打者を初球で中飛に打ち取り三者凡退とする。
▶︎1回裏、山学は相手の先発左腕 滝嶌俊喜(2年)から1番 鈴木斗偉(1年)が2-2から中飛に、2番 岩田悠聖(1年)がフルカウントから左飛に、3番 山元丈輝(2年)が2-0から中飛に打ち取られチェンジ。
▶︎2回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の4番打者を1-0から中飛に、5番打者を初球で左飛に、6番打者に0-1から中前安打を与え二死一塁。7番打者の1-0から右腕 川口が一塁牽制しタッチアウトでチェンジとした。
▶︎2回裏、山学は先頭の4番 役田翔(2年)が2-1から中飛に、5番主将 針尾俊佑(2年)が2-2から中飛に、6番 相澤秀光(1年)が2-2から見逃し三塁に打ち取られチェンジ。
▶︎3回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の7番打者に2-1から右前安打を与え無死一塁、続く8番打者を1-2から送りバント失敗にし一死一塁。9番打者の1-0から三塁へのセーフティーバントで内野安打とされ一死一、二塁。続く1番打者を1-2から二飛に打ち取り二死一、二塁とする。2番打者に1-1から左前適時打を与え0対1とし二死一、二塁。しかし左翼手の失策で二死二、三塁とした。続く3番打者に1-0から中越え適時三塁打を許し0対3とした。二死三塁、4番打者をフルカウントから四球を与え二死一、三塁。5番打者の2-1からの4球目に一塁走者が盗塁を仕掛け、捕手が二塁へ送球(2-6)し、塁間に挟んでいる隙(6-3)に、三塁走者が本塁をつき一塁手から捕手へ転送しタッチアウト(3-2)でチェンジとした。
▶︎3回裏、山学は先頭の7番 笠井陽介(2年)が3-2から遊飛に、8番 右腕 川口龍己(1年)が1-0から左邪飛に、9番 小野慎之助(2年)が1-0から中飛に打ち取られチェンジ。
▶︎4回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の5番打者を1-2から投ゴロに、6番打者を2-2から空振り三振に、7番打者を2-1から右飛に打ち取り三者凡退とする。
▶︎4回裏、山学は先頭の1番 鈴木斗偉(1年)が2-2から中飛に、2番 岩田悠聖(1年)がフルカウントから左飛に、3番 山元丈輝(2年)が2-0から中飛に打ち取られチェンジ。
▶︎5回表、山学は右腕 川口龍己(1年)が先頭の8番打者を初球で二ゴロに、9番打者を初球で二飛に、1番打者を2-2から見逃し三振に打ち取り三者凡退とする。
▶︎5回裏、山学は先頭の4番 役田翔(2年)初球から遊飛に、続く5番主将 針尾俊佑(2年)が1-1から右飛に、6番 相澤秀光(1年)がフルカウントから左越え三塁打を放ち二死三塁。続く8番 笠井陽介(2年)が初球を一邪飛でチェンジとする。
▶︎6回表、山学は吉田洸二監督が右腕 川口龍己(1年)に代えて1回戦の笛吹高校で先発し3回を無失点と好投した左腕 宮下龍希(2年)をマウンドに送った。左腕 宮下が2番打者にフルカウントから四球を与え無死一塁。3番打者に0-2から犠打され、それが捕手失策となり無死一、二塁。続く4番打者に1-0から中前適時打を許し0対4。無死一、二塁で4回裏から守備についた5番打者に2-1から三犠打され一死二、三塁。続く6番打者を1-2から一ゴロに、これで三塁走者にホームを突かれるが本塁タッチアウト(3-2)で二死三塁。続く7番打者を1-1から右飛に打ち取りチェンジとする。
▶︎6回裏、山学は先頭の8番 左腕 宮下龍希(2年)が1-2から左中間二塁打で出塁。一死二塁後、1番 鈴木斗偉(1年)の1-0からのニゴロで二死三塁、続く2番 岩田悠聖(1年)のフルカウントから二内野安打で左腕 宮下が生還し1対4。3番 山元丈輝(2年)が初球を一邪飛としてチェンジとする。
▶︎7回表、山学はリリーフ左腕 宮下龍希(2年)が先頭の8番打者をフルカウントから一ゴロ(3A)に、9番打者を2-1からニゴロに打ち取り二死無塁。続く1番打者に3-1から四球を与え二死一塁。続く2番打者を0-1から左飛に打ち取りチェンジとする。
▶︎7回裏、山学は先頭の4番 役田翔(2年)が1-1から中飛に、5番主将 針尾俊佑(2年)がフルカウントから三ゴロに、 6番 相澤秀光(1年)が3-1から四球で出塁し二死一塁。7番 笠井陽介(2年)が3-1から四球を選び二死一、二塁。8番代打 甚野赳生(2年)が遊ゴロで二塁封殺でチェンジとする。
▶︎8回表、山学は吉田洸二監督が左腕 宮下龍希(2年)に代えて甲子園交流試合で川口をリリーフした左腕 古川秀将(1年)をマウンドに上げた。左腕 古川が先頭の3番打者にフルカウントから四球を与え無死一塁。4番打者をフルカウントから見逃し三振、このとき一塁走者に盗塁を決められ一死二塁。5番打者を3-1から四球を与え一死一、二塁。6番打者の初球を右前安打され一死満塁。7番打者に3-2から投へのスクイズを決められ1対5。二死二、三塁で8番打者に故意四球を与え二死満塁。9番打者を1-0から遊ゴロに仕留めて代走を二塁封殺(6-4)でチェンジとする。
▶︎8回裏、山学は先頭の9番代打 佐藤龍哉(2年)が2-2から左中間芝席に飛び込むソロ本塁打を放ち2対5。1番 鈴木斗偉(1年)がストレートの四球を選び無死一塁。2番 岩田悠聖(1年)が2-2から右前安打を放ち無死一、二塁。3番 山元丈輝(2年)の1-0からの中飛で1番 鈴木が二塁からタッチアップし一死一、三塁。4番 役田翔(2年)が1-1から左飛に、5番主将 針尾俊佑(2年)が2-2から見送り三振に倒れ追加点のチャンスを逸しチェンジ。
▶︎9回表、山学はリリーフ左腕 古川秀将(1年)が3番打者を初球で三ゴロに、4番打者に0-1から左前安打され一死一塁。5番打者に右前安打され一死一、三塁。続く6番打者を1-2から遊ゴロに打ち取り併殺(6B-3)でチェンジとした。
▶︎9回裏、山学は先頭の6番 相澤秀光(1年)が3-1から四球を選び出塁。無死一塁、7番代打 川井奎人(2年)がストレートの四球を選び無死一、二塁。ここで相手が先発左腕 滝嶌俊喜(2年)から右腕 小林駿太(2年)に交代。8番代打 杉浦寛太(2年)が2-1から死球を受け無死満塁とした。ここで8回裏にソロ本塁打を放った9番 佐藤が打席に、一発がでれば6対5の大逆転サヨナラ。期待の佐藤が遊ゴロを打ち併殺(6B-3)の間に、6番 相澤が生還し3対5。二死三塁、1番 鈴木斗偉(1年)がストレートの四球で二死一、三塁。2番 岩田悠聖(1年)の1球目に1番 鈴木が盗塁し二死二、三塁とし一打同点としたが、2番 岩田が1-0から二飛に倒れゲームセット。
◾️山梨学院は8回でチーム打撃成績は打数31、得点3、安打5、二塁打1、三塁打1、本塁打1、塁打数11、打点2、三振2、四球6、死球1、犠打0、犠飛0、盗塁1、残塁8、打率 .161。守備成績は刺殺27、補殺12、失策2、暴投0、捕逸0、併殺1、守備率 .951。チーム投手成績は打者数40、打数31、投球数148、投球回数9、被安打9、本塁打0、三振4、四球6、死球0、暴投0、ボーク0、失点5、自責点5、防御率5.00。
【試合後インタビュー】
▶︎主将 針尾俊佑(2年)は「相手の守備が深く、良い当たりもキャッチされた。途中でバットを短く持って叩くバッティングで対応した。それからヒットも出たが、ヒットでのつなぐ野球ができなかった」と神妙。「投手陣は打撃陣の援護がないことや失策などもあり点を取られた」と振り返る。「自分もチームも練習で指導を受けたことをこれからの練習試合で確り出来るようにしたい」と頷き、「冬場のトレーニングで体を確りつくり、来年のオープン戦で指導を受けたことなどをチェックして公式戦で発揮できるようにしたい」と言い切る。「3年生は夏が最後となるので甲子園に行けるように、チームが一つになり日々の練習に集中して励みたい」と胸の内を明かした。
▶︎吉田洸二監督は攻めては「相手の左腕 滝嶌選手の長身から投げるカーブに4回まで、中飛6本・左飛4本と外野フライを打たされ三者凡退とされ、相手の策にはまって抜けきれなかった」と相手の術中に陥った。「5回以降は先頭打者ホームランは出たが、つなぐ野球ができずにチャンスを生かしきれなかった」と活路を見出せなかった。守っては「2エラーに加えて、特に今までになかった記録に残らないイージーミスが目立った」と振り返った。総じて「チームには日々指導している野球の基礎のセオリーを実行に移すスピード感がなかった」と大きく頷き、決して「不思議な負けではなかった」と受け止めた。「来年の夏に向けて、これから選手を鍛え、来春の新入生を加えて新チームづくりを行い夏の大会で躍進を遂げたい」と抱負を述べた。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.9.27