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●第104回日本陸上競技選手権大会800m男子決勝
~初優勝日本一に輝く800m瀬戸口大地~
~世界陸上やオリンピックを目指したい~

山梨学院大学陸上競技部中長距離 瀬戸口大地(4年 開新高)は10月3日、新潟市・デンカビッグスワンスタジアムで第104回日本陸上競技選手権大会第3日目の800m男子決勝に出場し、終始トップを守り初優勝し日本一に輝いた。瀬戸口は第2日目800m予選で2組で1分48秒02の走りで1位通過し決勝に進出。スタートラインには日本記録保持者の川元奨(スズキ)、ゴールデンGP陸上・インカレ覇者の松本純弥(法政大)、ゴールデンGP陸上2位 金子魅玖人(中央大)らの強豪がひしめく。インカレ2位(大会新記録)の瀬戸口は7レーンから号砲とともに一斉スタート。瀬戸口は「先頭で引っ張ってレースをつくろう」と先頭に躍り出た。追随する川元(スズキ)、金子(中央大)らに一度も先頭を譲らず、さらに最終コーナーでスピードを上げ後続を振り切りゴール手前で勝利を確信して右腕の拳を振り上げトップでゴールした。瀬戸口は「プラン通りの完璧な自分のレースができたので素直に嬉しい」と声が弾んだ。「全日本インカレで記録も更新しており、上り調子で狙えない位置ではなかったのでしっかり狙った結果です。タイムは別として自分なりの良いレースができた」と頷いた。「上田誠仁監督はもちろん、これまでサポートや応援してくださった方々に感謝したい」と気持ちを込め、「初の日本タイトルを取ったので、来年以降も優勝を狙って、その先の世界陸上やオリンピックを目指したい」と抱負を述べた。
 
【レース前】
瀬戸口大地(4年)は8月23日、国立競技場(東京)で行われたセイコーゴールデングランプリ陸上2020東京の男子800mに出場。日本陸上競技連盟から招待された日本を代表するトップアスリートたちが集結ししのぎを削った。瀬戸口は9レーンからスタートし250m付近で1位の松本純弥(法政大)の後を2位で力走。550m付近で金子魅玖人(中央大)に抜かれ3位でゴール。瀬戸口は「前を詰めることができなかった。久々のレースを楽しもうと臨み、しっかり楽しんで走れた。ただ、ラストスパートでまくる走りができなかったので、9月の全日本インカレに備えたい」と述べた。瀬戸はその9月のインカレで先頭を引っ張るレースで自己記録となる大会新記録1分47秒28をマークしたが松本純弥(法政大)にゴール手前で抜かれ2位となった。瀬戸口はこの日本選手権が大学生として最後の大きなレースとなるので、ラストチャンスにかける」と不退転の決意でレースに挑む。上田誠仁監督は瀬戸口に「今大会は『決勝に残って優勝を狙う』という強い決意を持って臨む大会」と述べていた。最終コールに入る前に一言『勝ってこいよ』と声をかけ」送り出した。
 
【800m男子決勝】
瀬戸口大地(4年 開新高)が16時25分に召集された。デンカビッグスワンスタジアムで第104回日本陸上競技選手権大会第3日目の800m男子決勝がいよいよスタートする。2レーン 櫻井大介(セイコー)、3レーン ゴールデンGP陸上・インカレ覇者の松本純弥(法政大)、4レーン 薄田健太郎(筑波大)、5レーン ゴールデンGP陸上2位の金子魅玖人(中央大)、6レーン 根本大輝(順天堂大)、7レーン 瀬戸口大地(山梨学院大)、8レーン 日本記録保持者の川元奨(スズキ)、9レーン 梅谷健太(サンベルクス)。デンカビッグスワンスタジアムの静寂に号砲が響き渡り一斉スタート。瀬戸口は「先頭で引っ張ってレースをつくろう」と走り、100mを過ぎバックストレートの直線に入るオープンで先頭に躍り出てレースを引っ張る。金子が追随してくる。その外側から川元がスピードを上げて2番手に躍り出る。400メートル付近、先頭 瀬戸口(山梨学院大)、川元(スズキ)、金子(中央大)、根本(順天堂大)、松本(法政大)、梅谷(サンベルクス)、薄田(筑波大)、櫻井(セイコー)と帯状で走行する。相変わらず瀬戸口(山梨学院大)が先頭をキープし続ける。残り200m付近で瀬戸口がギアを上げる。川元(スズキ)が食らいつく。その後を金子(中央大)らが続く。瀬戸口(山梨学院大)が最後のコーナー付近でさらにギアを上げると川元(スズキ)が背後に迫るが、金子(中央大)らは引き離される。残り100m付近、先頭で瀬戸口(山梨学院大)、金子(中央大)、外から松本(法政大)が激走して上がってくる。先頭、瀬戸口(山梨学院大)がさらにギアを上げると、2番手争いの金子(中央大)、松本(法政大)、梅谷(サンベルクス)を引き離す。瀬戸口(山梨学院大)がゴール手前で勝利を確信し右腕の拳を振り上げトップでゴールイン。瀬戸口は「フィニッシュしたときには、素直に嬉しさが込み上げてきた」と念願の勝利を噛み締めた。
 
《 順  位 》
1位 瀬戸口大地(山梨学院大)1分47秒70、2位 金子魅玖人(中央大)1分47秒95、3位 松本純弥(法政大)1分48秒04、4位 梅谷健太(サンベルクス)1分48秒08、5位 薄田健太郎(筑波大)1分48秒89、6位 櫻井大介(セイコー)1分49秒12、7位 根本大輝(順天堂大)1分49秒53、8位 川元奨(スズキ)1分50秒46。
 
【レース後のインタビュー】
▶︎800mで終始トップを守り初優勝し日本一に輝いた瀬戸口(4年 開新高)は「プラン通りの完璧な自分のレースができたので素直に嬉しい」と声が弾んだ。ゴールデングランプリの後から「上半身を中心にしっかり補強をした」と頷いた。その結果9月のインカレでは「記録も更新して上り調子で狙えない位置ではなかったのでしっかり狙った結果」と絶好調で挑んだ。「タイムは別として自分なりの良いレースができた」と、監督との『決勝に残って優勝を狙う』レースプランに徹した。その結果、日本記録保持者の川元(スズキ)やライバルのゴールデンGP陸上・インカレ覇者の松本(法政大)やゴールデンGP陸上2位の金子(中央大)らを抑えて日本一に輝いた。「上田誠仁監督はもちろん、これまでサポートや応援してくださった方々に感謝したい」と気持ちを込め、「今回、日本タイトルを取ったので、来年以降もしっかり優勝を狙って走る」と連覇を目指す。「次は、世界を狙える選手にならないといけないので、練習メニューなどをシフトして、世界陸上やオリンピックを目指したい」と抱負を述べた。
▶︎上田誠仁監督は「今大会は『決勝に残って優勝を狙う』という強い決意を持って大会に臨んだ」と頷く。「9月13日に全日本インカレが終わって、本人もレースを分析して短い期間だったがプランを立て直して実践して、しっかりコンディションを整えた」と振り返る。その結果「昨日の予選もトップで余裕を持って通過できた」と明かす。「万全な体調だったので、最終コールに入る前に『勝ってこいよ』とだけ声をかけ」送り出した。レース展開も「スタートして100m地点のオープーンレーンになった時点では、既に先頭に立っていて、そのまま自分のペースに持ち込めた。通常は1周目と2周目のタイム差は2周目に2秒~4秒ぐらい落ちるが、今回のレースはイーブンで前半後半を押し切った。最後にもう一段上げる余裕すらあった。今回は勝負に徹していたのでラストが競り合う展開があればさらに記録は伸びたと思う。プラン通りの走りができた」と絶賛した。思えば「熊本県大会で高校3年生の瀬戸口の400mの走りを見て、この選手は800mで日本一になると直感した。迷わず声をかけ山梨学院への進学を勧めた。ご両親も監督さんも信じて賛成してくださった。瀬戸口が日本一になってくれて、その逸材であることを立証してくれた」と感慨無量。「瀬戸口はまだまだ伸び代のある選手なので、さらなるレベルアップを図り世界を目指して頑張って欲しい。卒業後は佐賀の企業の支援を受けつつ競技活動を続けるので来シーズンを見据えて、今後も鍛錬を怠らないよう指導していきたい」と述べた。
 
文(H.K) 、カメラ(山梨学院大学陸上競技部提供) 2020.10.5