●2020関甲新秋季リーグ戦1部Regular Round
~見事4年生のフィナーレを勝利で飾る~
~初出場初先発の右腕 栃原が6回を好投~
山梨学院大は関甲新秋季リーグ戦1部最終戦Regular Round第3節2回戦を10月19日、日立市市民運動公園野球場で作新学院大と行い5対2で勝ち、通算4勝2敗として1部残留を決めシーズンを終了した。山学大は初出場初先発の右腕 栃原歩武(3年遊学館)が1回表に一死一、二塁から4番を遊併殺。その1回裏、2番 長尾康太郎(3年)の四球、盗塁、主将3番DH 知見寺代司(4年)の安打、そして4番主砲 新井遼太(4年)の犠飛で1対0と先制。右腕 栃原が4回表、5番に三適時内野安打され1対1の同点とされる。その裏に山学大は、3番DH主将 知見寺の四球、4番主砲 新井の安打、投手失策で無死満塁とし、7番 宮下塁(4年)・8番 戸田遥斗(2年)の連打適時打で3対1と再びリード。山学大は打撃陣が5回・7回にも追加点を挙げ5点を奪取。山学大は先発右腕 栃原からリリーフ陣が引き継ぎ、7回表 左腕 森井文哉(4年)と8回表 右腕 安本昌文祥(4年)が無失点、9回表 左腕 千葉稜河(4年)が1失点で抑え5対2で勝利した。主将 知見寺は「今季、大事なところで勝ち切れなかったが、最終的に良い形で終われたのは良かった。来季後輩は優勝を目指して欲しい」と結んだ。須田喜照監督は「このRoundは第1節の常磐戦で1部残留が決まってから、『4年生の集大成』となる引退試合。それに来季を睨んだ『新戦力の養成』をテーマに戦ってきた。今日、初出場初先発の右腕 栃原が6回を1失点で抑え来季につながる投球を見せてくれた。今日の最終戦は全ての4年生14人と来春のレギュラー入りが期待される選手など25人をベンチ入りさせた。選手たちは5対2で勝利してくれ、4年生のフィナーレを勝利で見事に飾ってくれた」と称賛した。
【試合前インタビュー】
▶︎須田喜照監督は「これまで攻撃陣はよく得点し頑張っている。投手陣が踏ん張れていない」と頷き、「勝利を目指しつつ4年生の集大成と来季活躍してもらいたい投手などにチャレンジしてもらっている」と大きく頷く。「最終戦で4年生は引退となる。全員野球で有終の美を飾ってほしい」と願い全員野球で臨む。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
作新学院 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
山梨学院 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | × | 5 |
【 作新学院大学 Vs 山梨学院大学(2回戦)】
日立市市民運動公園野球場は両翼94m、センター120m、グラウンド人工芝。収容観客数1.2万人。野球場のある茨城県日立市の日本気象協会1時間天気13時00分の天気予報は、曇り、気温 17.3度、風向 北、風速 1.7m/s。両校の選手がホームプレートを挟み整列し主審のコールで13時29分、Regular Roundの山梨学院大学(A3位) 対 作新学院大学(B3位)の2回戦が開始された。
▶︎1回表、後攻の山学大は須田喜照監督が初出場初先発の右腕 栃原歩武(3年遊学館)をマウンドに上げた。先発の右腕 栃原が1番打者を0-1から中飛に、2番打者をフルカウントから遊飛に打ち取るも遊落球(6E)で一死一塁。続く3番打者に0-1から中前安打を与え一死一、二塁。4番打者を1-0から遊ゴロ併殺(6-4-3)に仕留め、二塁残塁としてチェンジとする。
▶︎1回裏、山学大は相手投手左腕 福島慶亮(3年)から一死後に2番 長尾康太郎(3年 千葉英和)がストレートの四球で出塁。主将の3番DH=指名打者 知見寺代司(4年 山梨学院)の2球目で一塁走者 長尾が盗塁し一死二塁。3番DH主将 知見寺が1-1から中前安打を放ち一死一、三塁。4番主砲 新井遼太(4年 東海大学附属相模)が2-1から左犠飛を打ち、2番 長尾を生還させ1対0と先制。5番 島村功記(3年 高岡商業)の3球目に一塁走者の新井が盗塁失敗(2-6)しチェンジとする。
▶︎2回表、山学大は右腕 栃原歩武(3年遊学館)が先頭の5番打者を1-2から遊ゴロに、6番打者を2-2から二ゴロ、7番打者を1-2から中飛に打ち取り、三者凡退としてチェンジとする。
▶︎3回表、山学大は右腕 栃原歩武(3年遊学館)が先頭の8番打者を2-0から捕邪飛に打ち取り、9番打者の1-0から中飛に、1番打者を2-1から三ゴロに仕留め三者凡退としてチェンジとする。
▶︎4回表、山学大は右腕 栃原歩武(3年遊学館)が先頭の2番打者を2-2から二ゴロに打ち取るも二塁手後逸(4E)で無死一塁。3番打者を3-1から左飛に打ち取り一死一塁。続く4番打者の初球で一塁走者に盗塁され一死二塁。4番打者を3-1から右飛に打ち取るも二塁走者に進塁され二死三塁。5番打者1-2から三適時内野安打で3対1。二死一塁、6番打者に0-2から右前安打され二死一、二塁。7番打者に初球を左前安打され二死満塁。続く8番打者を1-2から右飛に打ち取り、三者残塁としてチェンジとする。
▶︎4回裏、山学大は先頭の3番DH主将 知見寺代司(4年 山梨学院)が3-1から四球を選び出塁。無死一塁、4番主砲 新井遼太(4年 東海大学附属相模)が初球を左前安打無死一、二塁。5番 島村功記(3年 高岡商業)が1-1から投ゴロを二塁に悪送球(1E-4)で無死満塁。ここで先発左腕 福島慶亮(3年)からリリーフ右腕 山田和樹(4年)に交代。リリーフ右腕 山田から6番 藤田直仁(3年 川島)が1-2から遊直で一死満塁。7番 宮下塁(4年 山梨学院)がフルカウントから右前適時打で知見寺が生還し2対1。一死満塁、8番 戸田遥斗(2年 浜松修学舎)が2-2から中前適時打で3対1。9番 林健太郎(4年 東海大学附属甲府)が2-0から三邪飛に打ち取られ二死満塁。1番俊足 清水寛太(4年 甲府工業)が初球一ゴロに倒れ、三者残塁としてチェンジとする。
▶︎5回表、山学大は右腕 栃原歩武(3年遊学館)が先頭の9番打者を2-2から空振り三振に、1番打者に1-0から打って中飛に打ち取り二死無塁。2番打者にフルカウントから四球を与え二死一塁。3番打者の初球に一塁走者に盗塁され二死二塁。3番打者を2-1から中飛に仕留め二塁残塁としてチェンジとする。
▶︎5回裏、山学大は先頭の2番 長尾康太郎(3年 千葉英和)が初球を中への三塁打を放ち無死三塁。3番DH主将 知見寺代司(4年 山梨学院)の初球が暴投となり2番 長尾が生還し4対1とリードを広げる。3番DH主将 知見寺が1-1から二ゴロに倒れ一死無塁。4番主砲 新井遼太(4年 東海大学附属相模)初球から右飛に二死無塁、5番 島村功記(3年 高岡商業)0-1から二内野安打で二死一塁。6番 藤田直仁(3年 川島)の3球目ら一塁走者島村が盗塁し二死二塁。が6番 藤田が1-2から三ゴロに倒れ二塁残塁としてチェンジとする。
▶︎6回表、山学大は右腕 栃原歩武(3年遊学館)が先頭の4番打者を3-0から遊ゴロに、5番代打をフルカウントから四球を与え一死一塁。6番打者の2球目一塁走者が盗塁し一死二塁。6番打者2-2から投ゴロ。二塁走者を三塁で刺し(1-5)一死一塁。7番打者0
0-2から空振り三振にしとめるも捕手のパスボールで振り逃げ、二塁走者が三塁進塁で二死一、三塁。8番打者を0-2から空振り三振に仕留め一、三塁残塁としてチェンジとする。
▶︎6回裏、山学大は先頭の7番 宮下塁(4年 山梨学院)がリリーフ右腕 山田和樹(4年)からリリーフ左腕 柳田凌斗(4年)の初球を右飛に、8番 戸田遥斗(2年 浜松修学舎)の8番代打 井上諄(4年 日本大学山形)が2-1から左飛に、9番 林健太郎(4年 東海大学附属甲府)が0-2から三飛に倒れ三者凡退としてチェンジとする。
▶︎7回表、山学大は須田喜照監督が初出場初先発の右腕 栃原歩武(3年遊学館)からリリーフ左腕 森井文哉(4年 松本工業)が先頭の9番代打をフルカウントから中前安打を与え無死一塁。1番打者を2-2から死球を与え無死一、二塁。2番打者を0-2から二ゴロの併殺(4-6-3)、その間に二塁走者が三塁に進塁で二死三塁。3番打者に0-1から投ゴロに仕留め三塁残塁としてチェンジとする。
▶︎7回裏、山学大は先頭の1番俊足 清水寛太(4年 甲府工業)が初球を右前安打し出塁。2番 長尾康太郎(3年 千葉英和)の2番代打 飯塚孔規(4年太田工業)が1-1から中飛に打ち取られ一死一塁。3番DH主将 知見寺代司(4年 山梨学院)が2-2から見逃し三振、4番主砲 新井遼太(4年 東海大学附属相模)が0-1から左越え適時二塁打を放ち5対1とし、7回表に右翼手5番 島村功記(3年 高岡商業)と守備交代した5番 別府豊(4年 尚志館)がフルカウントから空振り三振に倒れ二塁残塁としてチェンジとする。
▶︎8回表、須田喜照監督がリリーフ左腕 森井文哉(4年 松本工業)から安本昌祥(4年 山梨学院)が先頭の4番代打をフルカウントから四球を与え無死一塁。5番打者を1-1からニゴロに打ち取り一死二塁。6番打者を2-2から空振り三振に打ち取り二死二塁。7番打者を初球で二飛に仕留め二塁残塁としてチェンジとする。
▶︎8回裏、山学大はこの回からリリーフ左腕 柳田凌斗(4年)から代わったリリーフ右腕 山本悠雅(3年)に6番 藤田直仁(3年 川島)の代打守岡樹(4年 日本文理)が2-2から見逃し三振に、7番 宮下塁(4年 山梨学院)がフルカウントからニゴロで二死無塁。8番 小谷田崇志(3年 帝京第三)から代打 髙橋裕也(4年 藤沢翔陵)が初球を遊内野安打で出塁し二死一塁。9番 林健太郎(4年 東海大学附属甲府)が2-1からニゴロし二塁封殺(4-6)で、一塁残塁としてチェンジとする。
▶︎9回表、山学大は、須田喜照監督が安本昌祥(4年 山梨学院)からリリーフ左腕 千葉稜河(4年 山梨学院)に交代。リリーフ左腕 千葉が先頭の8番代打を1-0から中前安打を与え無死一塁。9番打者の5球目を暴投し一塁走者が進塁し無死二塁。9番打者を2-2から投ゴロに打ち取りが、その間に二塁走者が三塁へ進塁し一死三塁。1番打者に2-1から二ゴロに打ち打ち取るが、その間に三塁から生還され5対2とされる。2番打者を3-0から二ゴロに仕留め、5対2でゲームセットとした。これで山梨学院はRegular Roundを通算成績を4勝2敗で終了した。
【試合終了インタビュー】
▶︎初出場初先発で1勝を挙げた右腕 栃原歩武(3年遊学館)は「一昨日の練習で、先発で行くと言われた。昨日、相手が真っすぐに狙いをさだめていたので、今日は変化球を出し惜しみしないで、ストレートを含めていろいろな球種を投げた」と相手の分析を怠らない。6イニング投げた中での1失点は、4回に暴投が絡んでの失点で、今後は集中力を切らさないようにしたい。それに四球やツースリーやノースリーなどをなくしていけば試合が楽につくれるので、そこを練習で修正したい」と向上心がにじみでる。「自分の持ち味の打たせて取るピッチングはできていた。ただ、追い込んで粘られたり、三振がほしいときに取りきれなかったりすることが課題。オータムカップまでにはクリアしたい」と意欲を燃やす。「4年生の先輩方には下級生の時からAチームでお世話になっているので4年生の最終戦で勝利導けたのは嬉しい」と恩返しができて素直に喜んだ。
▶︎長短20安打放ち気を吐いた1番俊足 清水寛太(4年 甲府工業)は「4年間やってきて最終戦で良い形で終われて良かった」とほっとする。「コロナ拡大防止対策で練習ができない時期が長くあったが、自分のバッティングを見直す良い機会になった。フォームをチェツクして改造することができた」とポジティブに捉え前に進んだ。「その結果、このシリーズで打撃が好調だった」と20安打した。「2年生の春に初めてレギュラーで出場でき、ホームランバッターではないが、良い時が続きホームラン王になった。3年の秋にはセンター主に3番で戦いベストナインをとった。とりたいと思っていたタイトルで一番嬉しかった」と振り返る。「毎年、リーグ戦が終わった後に記念撮影を行うが、今年はやり切り感があったので楽しく撮影できた」と声が弾む。「自分たちは達成できなかった。後輩は投打に渡り力があるので、リベンジして優勝をしてもらいたい」と思いを寄せた。
▶︎主砲不動の4番 新井遼太(4年 東海大学附属相模)は「4年間でこの大会が1番思い出深い。ディビジョンAではホームランを含む納得のいく打撃ができたことと、東海大学附属相模時代ともに野球をした白鷗大エースの山田啓太と戦えたことも良い思い出になった」とかみしめる。何より「監督に信頼してもらって2年生から不動の4番で起用してもらい感謝の言葉しかありません」と頭を下げる。「今日、最終戦だったので、『4番だから打とう』とか思わないで『試合を楽しもう』と思って臨んだ」と頷く。「結果、当たりが戻って最後に自分らしく終われたので良かった」と主砲に最後笑顔が戻った。「後輩には優勝を目指して頑張ってもらいたい」と述べた。
▶︎チームを主将として牽引してきた3番DH 知見寺代司(4年 山梨学院)は「大事なところでディビジョンAもRegular Roundも勝ちきれなかった」と頷く。「最終的に良い形で終われたのは良かった」と大きく頷いた。「野球は小一からやってきたが、我慢することなど忍耐力を養えられた。今回、監督からキャプテンを任されて野球はもちろんのこと、それ以外にチームを統率する中で、リーダーシップや監督の指揮官としての思いや、選手の思いや、選手を思いやる気持ちなど良い経験ができ勉強になった」と振り返る。「後輩はこのシリーズで多くの選手が経験できているので、来年、優勝を狙えるチームだと思うのでしっかり1年間やってほしい」とエールを送った。
▶︎主務の中澤勁(4年 土岐商業)は「マネージャーになりたくて父(箱根駅伝山下り中澤正仁氏)の母校である山梨学院大へ入学した」と振り返る。感動したことは「今回ディビジョンAで白鷗大学に4対1で勝利して1位通過が見えてきた2戦目で1対12と大敗しそれが響き得失点差でRegular Roundに回った悔しさが尾を引いていたが、今日の最終試合で選手の躍動感に満ちた戦いで勝利し、最後、笑顔で記念写真を取れたことで全てがぬぐいされ選手たちが報われた試合だった」と喜ぶ。後、感動のシーンは「昨年、春リーグ戦3戦目、山梨学院川田球場で上武大戦が行われ、同級生の別府豊が放った逆転満塁ホームランが今でも鮮烈によみがえる。選手の努力が形になって現れた時が主務として一番嬉しい。「関甲新学生野球連盟の出務も良い思い出」と振り返る。「後輩のマネージャーには選手と一緒に優勝してもらいたい」と期待を寄せる。
▶︎須田喜照監督は「個人タイトルでは1番 清水が20安打しているので最多安打を獲得すると思う。本人の努力が報われると信じている」と述べた。「このRoundは第1節の常磐戦で1部残留が決まってから、『4年生の集大成』となる引退試合。それに来季を睨んだ『新戦力の養成』をテーマに戦ってきた。今日、初出場初先発の右腕 栃原が6回を1失点で抑え来季につながる投球を見せてくれた。今日の最終戦は全ての4年生14人と来春のレギュラー入りが期待される選手など25人をベンチ入りさせた。選手たちは5対2で勝利してくれ、4年生のフィナーレを勝利で見事に飾ってくれた」と称賛した。
文(H.K) 、カメラ(小池裕太) 2020.10.25