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●関東大学女子バスケットボール1部リーグ最終戦
~初参戦“常勝常笑”軍団。有終の美飾れず~
~手応えを自信に変えて来季に上位を目指す~

「第70回記念関東大学女子バスケットボール1部リーグ戦」最終戦が10月24日、エスフォルタアリーナ八王子を会場に行われた。山梨学院大バスケットボール部女子“常勝常笑”軍団は、昨年1部リーグ入替戦で5度目となる挑戦で創部12年目に初の1部昇格を果たし大会に臨んだ。8校から構成された1部リーグ戦は、9月21日に開幕。初参戦した山学大女子は、初戦を昨年度優勝チームの東京医療保健大学との対戦を皮切りにこれまでに1部常連校との対戦で2勝4敗と1部の壁に苦戦を強いられるも熱戦を演じてきた。迎えた最終戦。同じく1部昇格組で同率の日本体育大と5位を懸け対戦した。試合は前半第1P(ピリオド)開始早々、山学大ポイントゲッターの橋口樹(3年)が得点するとスターティング5の連携が噛み合い優勢にゲームを進めるも、日体大も徐々に機動力を発揮し流れを掴み、互いに点の取り合いとなった。日体大1点リードの第2Pでは、山学大北越春香(3年)のドライブシュートなどで一時7点をリードするが、日体大の速い攻撃による得点力と堅守で山学大は攻めあぐねた。ミスも重なり6点のリードを許し終了。後半サイドが変わり第3Pに入ると、日体大は5連続得点を決めるなど一挙に差を広げた。それでも山学大は、最終第4Pに、大澤来彩主将(4年)、橋口を起点に浅野瑛菜(3年)の身体を張ったドライブシュート、坂口日奈子(3年)の3P(ポイント)シュートで反撃を試みるが及ばず69-77で敗退。有終の美は飾れなかった。それでも1部昇格の初年度に6位に着けた若いチームは、手応えを自信に変え来季に上位を目指す。山学大の次の大会は12月に開催される全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)に3年連続で出場する。

■山梨学院大バスケットボール部女子、1部昇格への道のり
“常勝常笑軍団”山梨学院大バスケットボール部女子は、2008年創部、強化指定クラブに指定され、僅か3年目の2010年に4年生のいないチームで1部入替戦に専修大と対戦。55-68で敗れ1部の壁の厚さを味わった。その後、2014年、2015年と続けて順天堂大と対戦、65-69、57-59と後一歩のところで涙を飲んだ。創部10年節目の2017年度には『今年こそは』と臨んだ松蔭大との対戦に、ミスが目立ち自滅する形の大差で1部の夢は破れた。そして、2019年。再び松蔭大との入替戦で79-63勝利し、ついに悲願の1部昇格を果たした。もともと山梨学院は、関東の大学一を決める「関東大学女子バスケットボール選手権大会」に2014年、2部校では初の優勝の快挙を達成。直近の2018年・2019年には4位・5位と安定した成績を残しており(2020年は新型コロナウイルス感染防止で中止)1部校に遜色ない実績で昇格は遅すぎた。

■関東大学女子バスケットボール1部リーグ
現在、1部リーグは昨年優勝した東京医療保健大学、準優勝の白鷗大学、拓殖大学、早稲田大学、筑波大学、専修大学、日本体育大学、山梨学院大学で構成されており、いずれも伝統校、実力校として君臨している。9月21日に開幕した当リーグは白熱したレベルの高い戦いが展開されてきており、山梨学院は強豪に跳ね返されながらも2勝4敗と健闘してきた。

■最終戦試合前のインタビュー
梅嵜英毅前監督の教え子で元全日本代表キャプテンを務めた林五十美監督は「上位チームは技術だけではなくメンタルも本当に強いと感じていて私たちとは試合の入り方が全く違い最初から10-0位から始まっているような雰囲気だった」と強豪校の持つプレッシャーを肌で感じたと明かした。また、山梨学院バスケットボール部1期生で卒業後は、Wリーグの山梨クインビーズや新潟アルビレックスに在籍した外村悠貴コーチも「上がってきたばかりで空気に飲み込まれてただ名前負けしてビビッてしまい、向かっていけない、戦えていないところがたくさんあった」と選手たちの様子を話した。そして自身が叶わなかった1部について「ずっと目標にしていた所で遠い世界だと思っていましたけれど、ようやく後輩たちがその世界で戦えているんだな」と感慨深い表情を浮かべた。林監督は最終戦を前に「とにかく思い切って悔いのないように練習してきたことをすべて出し切ってほしい」と選手をコートに送り出した。

■1部リーグ最終戦。伝統校日本体育大学に挑む
対戦相手は1部8チームのなか、山梨学院と同じく今期1部昇格を果たした日体大。現在2勝4敗と5位で並んでいるが、過去に1部で34回の優勝回数を誇る伝統校。山梨学院は、昨年2部リーグで2敗を喫した強豪だ。山梨学院はオフェンス・ディフェス両面で貢献するチームの要。4番F・大澤来彩主将(4年)、元女子U18日本代表の16番C・橋口樹(3年)を起点に3年を中心に構成する若いチームで臨んだ。午前11時に両チームのボールタップで始まった試合は、第1P(ピリオド)。開始早々、橋口が長身を生かしたシュートで先制すると14番G・山本美空(3年)、18番F・浅野瑛菜(3年)が鋭いドライブシュートで得点を重ねリードする。山梨学院は立ち上がりスターティング5(ファイブ)の連携が機能しリウバンドやターンオーバーで優位に立つ。その後、日体大も徐々に動きが良くなり点の取り合う互角の展開。21-22で第2Pに突入。開始早々、再び橋口がポストプレーで得点すると続いて連続8得点でリードする。すると日体大の反撃魂に火が着き怒涛の攻撃を開始。連続して11点を奪われ逆転される。山学大も対抗するも、相手の堅いディフェンスの前にシュートの精度が悪くこのピリオドまで33-39で前半を終了。後半第3Pに入っても日体大の勢いは止まらず再び連続11点を重ねられ15点差とリードを広げられた。橋口樹選手は「3Pの出足が悪すぎました。そこで一気にやられて追いつこうとしているときにターンオーバーが出たり、簡単に3P(ポイント)を打たれたり」と振り返った。その後、18番F・浅野瑛菜(3年)のドライブシュート、バスケットカウント、橋口のインサイドシュートなどで7点差まで点を詰めるも、日体大の速いオフェンスに翻弄されさらに得点を重ねられ48-61。13点差で3Pを終了した。このままでは終われない山学大は、大澤主将が相手コートでパスをカットしてゴールに持ち込むガッツプレーや橋口のシュート、17番F・坂口日奈子(3年)の3Pシュートで点を詰めるも、焦りからか再びイージーシュートミスが目立ち、その間隙をぬって日体大は着実に点を奪った。残り5分になり、互いに激しい攻防を繰り広げ、山学大は最後の力を絞り山本、大澤、橋口が得点を重ねたが万事休す。日体大の堅固なディフェンスを破ることができずに69-77と敗退し、5位を巡る直接対決に敗れ6位で1部初参戦は終わった。有終の美は飾れなかったものの、選手たちは1部での手応えを自信に変え、来シーズンに上位を目指す。

■1部強豪校と渡り合った“常勝常笑”軍団
山梨学院のスターティング5(ファイブ)は、4番F・大澤来彩(4年 北海道・帯広南商高)、13番F・北越春香(3年 千葉・市立船橋高)、14番G・山本美空(3年 千葉・昭和学院高)、16番C・橋口樹(3年 福岡・東筑紫学園高)、18番F・浅野瑛菜(3年 福井・足羽高)の5人。その他、6番C・阿部桃夏(2年 足羽高)、7番G・土屋菜緒子(1年 千葉経済大附属高)、15番C・石川明日香(4年 山梨・韮崎高)、17番F・坂口日奈子(3年 熊本・慶誠高)が途中交代出場した。

1部最終戦《山梨学院大VS日本体育大学》10/24 AM11:00~
東京・八王子市エスフォルタアリーナBコート
● 山梨学院大 69 1P 21-22
2P 12-17
3P 15-22
4P 21-16
77 日本体育大学 ○

試合後、林五十美監督は「まだやれましたね。彼女たちの顔を見ていても、やり切って負けたという負けではないという感じがしますし、もっともっと良いパフォーマンスをしてきているので残念な気持ちが残ります」と消化不良の結果に渋い顔。さらに「ゲームの流れの中で、ここで頑張らなければいけない時での経験がまだまだ足りないのでチームとしての仕上がりがまだ甘かった部分があったかなと思います」と精神的な課題を挙げた。チーム最高の26得点を挙げたポイントゲッター橋口樹選手は「山学は自分とキャプテンが起点ですけど、相手は起点があっても5人が攻められるからドライブでも簡単に抜いてきたし、ゴール下まで行ってねじ込む強さがあり、流れの中でここ1本欲しい時に絶対決めてくるし、うちにはそこが足りないと思いました」と振り返った。40分間フル出場でメンバーを鼓舞した大澤来彩主将は「今日の試合の出足は悪くなかった。自分たちのターンオーバーで相手に追いつかれたりとか、その後のミスから流れを持っていかれるという場面があって、全部が悪かったわけではないですけど、自分たちのバスケットを出し切れなかったという感じです。ミスが多かった」と唇を噛んだ。最後に12月に控える4年生最後の大会インカレについて「残り1か月、改善することがたくさんあるのでリーグ戦で経験したことを、しっかりやるべきことを徹底して昨年以上の成績を残せるように頑張りたい」と前を見据えベスト16を目標に戦う。

今年度のリーグ戦は、新型コロナウイルスの感染防止に配慮し、昇格、降格を伴う入替戦を行わずに今年度の順位は来期に反映されない。インカレには1部は全チーム出場権が与えられ、山梨学院は3年連続の出場となる。林監督は言う。「1部は一流だなということを感じていて、ただ1部にいるだけではなく上位を目指し、もっともっと一流になれるように高めていかなければいけない最高の舞台だと思います」・・・・・。
山学大女子の最終目標は関東で1位、全国で頂点。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2020.10.25