●男子第71回全国高校駅伝競走山梨県大会予選
~10年連続 20回目優勝肝を冷やす勝利~
~最終区小松田 駆け引き一気にスパート~
都大路への切符をかけて健脚を競う男子第71回全国高校駅伝競走山梨県予選が10月31日、西湖畔周回コース7区間42,195kmで行われ、山梨学院高校が2時間12分45秒の走りで10年連続20回目の優勝を果たした。西湖レストハウス前駐車場に15チームが整列し午前10時20分に号砲とともに一斉スタート。山梨学院は1区[10km]主将の橘田翔(3年)が「強い気持ちで」スタート。「6キロまで韮崎と農林」と並走。「7キロ付近で韮崎に仕掛けられ、韮崎と農林においていかれ」トップと44秒差でたすきリレー。2区[3km]菊池陸斗(1年)が農林を抜き2位に浮上する区間賞の走りで39秒差。3区[8.1075km]和田瑛登(1年)と4区[8.0875km]伊東駿(1年)はオーバーペースがたたりトップと1分21秒の大差となる。5区[3km]望月瑠希哉(1年)が区間賞の走りで27秒、6区[5km]篠原一希(1年)が区間賞の走りで44秒詰めて10秒差とし、アンカー7区[5km]小松田有将(3年)にたすきを託す。小松は「1キロで韮崎に追いつき、きつかったが相手の表情を見て、さらにギアをあげ」激走し、2位韮崎に区間賞の走りで56秒差をつけ笑顔のガッツポーズでゴールテープを切った。箱崎孝久駅伝部男子監督は「1区の44秒差は誤算。その影響で3・4区がオーバーペースで1分21秒の大差。良く5区が27秒、6区が44秒と詰めて10秒差にした。7区は相手に並び駆け引きで一気にスパートし相手の戦力を削いだ。駅伝ならではのチームプレーで勝利したが、都大路に向けて立て直したい」と勝利に肝を冷やした。山梨学院は、12月20日に都大路で行われる男子第71回全国高等学校駅伝競走大会とともに出場権を獲得した11月21日に栃木県で開催される関東大会に臨む。
【試合前インタビュー】
▶︎箱崎孝久駅伝部監督は「1区はエース3年生キャプテン、2区から6区までが経験のない1年生、アンカー7区で実力のある3年生を起用した。1区のキャプテンが競って2区につなぎ4区までしのぎ、5区と6区が快走しリードして、最終走者の7区につなぎ、7区がしっかり走り、韮崎などの強豪校に競り勝ちたい」と述べた。
【駅伝競走山梨県予選レース】
西湖レストハウス前駐車場に15チームが整列し午前10時20分に号砲とともに一斉スタート。山梨学院は1区[10km]主将の橘田翔(3年)が「強い気持ちで」スタート。「6キロまで韮崎と農林」と並走。「7キロ付近で韮崎に仕掛けられ、韮崎と農林においていかれ」トップと44秒差でたすきリレー。2区[3km]菊池陸斗(1年)が農林を抜き2位に浮上する区間賞の走りで39秒差。3区[8.1075km]和田瑛登(1年)と4区[8.0875km]伊東駿(1年)はオーバーペースがたたりトップと1分21秒の大差となる。5区[3km]望月瑠希哉(1年)が区間賞の走りで27秒、6区[5km]篠原一希(1年)が区間賞の走りで44秒詰めて10秒差とし、アンカー7区[5km]小松田有将(3年)にたすきを託す。小松は「1キロで韮崎に追いつき、きつかったが相手の表情を見て、さらにギアをあげ」激走し、2位韮崎に区間賞の走りで56秒差をつけ笑顔のガッツポーズでゴールテープを切った。
◉1区[10km]橘田翔(3年)31分55秒区間3位 チーム3位
[西湖レストハウス前駐車場~旧ガソリンスタンド前]
山梨学院はエース主将の橘田翔(3年)が「調子は良い。強い気持ちで自分がいいスタートを切って1年生ランナーに渡そうと」スタート。「1キロ地点では韮崎・農林」と集団走行。「引き離そう」とするが「3キロ、6キロまで韮崎と農林」と併走。「7キロ付近で韮崎が仕掛け、それについていこうとした」がラップが上がらない。「それでも、ついていこうと必死で走った」と力走。「韮崎に引き離され、農林にもおいて行かれ」3位に下がった。「農林とその先の韮崎の背中が遠くに見える」と懸命に走るが「いつもの調子が出ない」とトップ韮崎と44秒遅れで2区の菊池陸斗たすきを手渡した。山梨学院 3位31分31秒。
◉2区[3km]菊池陸斗(1年)9分12秒区間賞 チーム2位
[旧ガソリンスタンド前~西湖漁業組合駐車場手前]
山梨学院は菊池陸斗(1年)がトップ韮崎と44秒差「1位でたすきをもらえると思っていた」が、情報で「韮崎に先行されていることを知り『まずい』と緊張」して待つ。たすきを受け「気持ちを切り替えて1秒でも前との距離を縮めよう」とスタート。トップと44秒差「先を行く韮崎に追いつこう」と追走。3秒差の農林を「1キロ手前で抜いた」と激走。最後の「坂できつかったが『これを越えれば下りと平坦だ。チームのために』と頑張った」と歯を食いしばって走る。あと「1キロ弱、下りを勢いよく足を回して走った」と力走。「あまり縮められなかった」と区間1位区間賞で韮崎の選手に5秒縮め「後は任せた」とたすきを渡した。山梨学院 2位41分07秒。
◉3区[8.1075km]和田瑛登(1年)25分、46秒区間2位 チーム2位
[西湖漁業組合駐車場手前~西湖こうもり穴手前]
山梨学院は和田瑛登(1年)が韮崎がスタートして39秒「自分が前との差を詰めて、後のランナーが余裕を持って楽に走れるように頑張ろう」とスタート。「1キロ過ぎあたりから、前を行く韮崎を意識」する。「だんだん韮崎との差が縮まっていく」と快調に飛ばす。「6キロあたりから背中からお腹に痛みが差し込んできた」と走りに陰りが見え始める。「なんとか、痛みを堪えながら粘って走る」が韮崎の背中が遠のく。「やるしかない」と「痛みを忘れるくらいに『前を詰めよう』と頑張った」が区間2位で韮崎の選手に2秒遅れで「これ以上タイムは下げられない『頑張ってくれ』」とたすきを渡した。山梨学院 2位1時間06分53秒。
◉4区[8.0875km]伊東駿(1年)25分46秒区間2位 チーム2位
[西湖こうもり穴手前~カーブミラー付近]
山梨学院は伊東駿(1年)が韮崎と41秒差「2番でくる。たすきを5区に0秒差で渡すようにしょう」勢いよくスタート。「1キロ、いつものペース3分8秒をキープしょう」と自重し快走する。「2キロも自分のペースを守ろう」とはやる気持ちを抑えて軽快に走る。あとは「前を詰めるために3分5秒を切るぐらいのペースで走ろう」としっかり腕を振りハイペースで走る。さらに「ラスト、1キロでギアをあげようとしたが上がらない」と、「そのまま差を広げられている」と焦る。「いつもの加速ができない」と気持ちだけがはやる。「韮崎と0秒差に詰めるはずが、その通りには行かなかった」と落胆し、「『後を頼む頑張ってくれ』」と、区間2位で韮崎の選手に40秒遅れでたすきを託した。山梨学院 2位 1時間32分39秒。
◉5区[3km]望月瑠希哉(1年)9分12秒区間賞 チーム2位
[カーブミラー付近~青木原看板先]
山梨学院は望月瑠希哉(1年)が韮崎と81秒差「『72秒ぐらい離れている』と聞いて焦った」とスタート。「1秒でも詰めよう」とがむしゃらに走る。「1キロの通過は焦って速く走った」と意に反する走行。「チームのために頑張ろう」と足の回転と腕振りをしっかりする。単独走に加えて「2キロ地点のきつい坂、『気持ちが負けないように』」と一生懸命上る。「きつい走行が続く『自分は下りが得意だ。頑張ろう』と、気持ちが折れないように」力走する。「ラスト1キロ、得意な坂で飛ばし、目標タイムをクリアした」と、区間1位区間賞で韮崎の選手に27秒詰めてたすきを勢いよく手渡した。山梨学院 2位 1時間41分51秒。
◉6区[5km]篠原一希(1年)15分14秒区間賞 チーム2位
[青木原看板先~観岳園オートキャンプ場]
山梨学院は篠原一希(1年)が韮崎と54秒差「先頭との差が思う以上に開いていたのでとても不安だった」とスタート。「相手の背中がみえるが焦らず、自分のリズムでしっかり走ろう」とオーバーペスを自重する。「2キロ地点で相手の背中が少し大きく見えるが『また早い、落ち着いて』」とはやる気持ちを抑える。「3キロのカーブでややピッチを上げる。カーブを抜けると相手の背中がやや大きく見える」と追撃を開始する。「ラスト、1キロで韮崎の背中が徐々に大きく見え『ここだ』とスパートをかけた」と激走する。さらに「捕らえる距離に入ったので、がむしゃらに腕を振ることだけを考えた」と力走し「10秒差まで詰めた」と1区の遅れ44秒を一気に取り返し、「優勝してください」とたすきを渡した。山梨学院 2位 1時間57分05秒。
◉7区[5km]小松田有将(3年)15分40秒区間賞 チーム1位
[観岳園オートキャンプ場~コウモリ穴先(折返)~根場民宿組合前道路上ゴール]
山梨学院は小松田有将(3年)が韮崎と10秒差「1位の韮崎の背中が見える位置でたすきを受け」スタート。「みんながここまで運んでくれた」と必死で走る。「全国にみんなを連れて行く」と猛追する。「1キロ地点で並んだ。瞬間、相手の様子を伺い『これは行ける』と思い、相手との駆け引きでスパートをかける」とみるみる韮崎を引き離す。「これで負けたら高校生最後の駅伝となる」と全力疾走する。坂の手前「仲間がいたので『このままの勢いで行くしかない』と2キロの上り、「苦しさもあって、楽しさもあって、頑張れた」と難所を切り抜ける。「折り返し地点、相手との差が目視できる」と冷静に走る。「折り返して、相手の姿がない『これはいける』」と確信した。「『監督の落ち着いていけ、監督の落ち着いていけ』の指示」がしっかり聞こえた。「根場民宿組合前道路上ゴールにいる仲間の姿が見えた」と、区間賞の走りで2位の韮崎に56秒差をつけ「ガッツポーズで『やった』と笑顔で」ゴールテープを切った。
◾️山梨学院高校が1時間13分44秒の走りで12年連続20回目の優勝を果たし都大路の出場権を獲得した。
《 タイム順位 》
1位 山梨学院 2時間12分45秒、2位 韮崎 2時間13分41秒、3位 笛吹 2時間17分42秒、4位 甲府工 2時間22分39秒、5位 巨摩 2時間22分56秒、6位 甲府一 2時間26分12秒、7位 甲府西 2時間26分27秒、8位 農林 2時間26分38秒、9位 日大明誠 2時間35分03秒、10位 富士北稜 2時間39分14秒、11位 甲府南 2時間39分32秒、12位 富士学苑 2時間39分38秒、13位 甲府昭和 2時間46分52秒、14位 都留興譲館 2時間58分10秒、15位 峡南・青洲 3時間18分49秒。
《 区 間 賞 》
1区 伏見友汰(3年 韮崎)、2区 菊池陸斗(1年 山梨学院)、木幡凌大(3年 笛吹)、3区 米森蓮真(2年 韮崎)、4区 赤池祥(2年 韮崎)、5区 望月瑠希哉(1年 山梨学院)、6区 篠原一希(1年 山梨学院)、7区 小松田有将(3年 山梨学院)。
【レース後インタビュー】
▶︎7区で逆転した小松田有将(3年)は「韮崎と10秒差でみんながたすきを繋いできてくれた」と頷く。「1位の韮崎の背中がはっきり見えたので、設定ラップの走りではなくて飛ばした」と大きく頷く。「1キロ地点で並んだ。瞬間、相手の様子を伺い『これは行ける』と思い、相手との駆け引きでスパートをかけた」と声が弾む。「全国にみんなで行けることが嬉しい」と素直に喜んだ。「3年なので、負けたら高校生最後の駅伝となると思い、韮崎に抜かれないようにそのまま頑張った」と全力疾走した。「2キロの上り、苦しさもあって、楽しさもあって頑張れた」と満面の笑み。「折り返して、『監督の落ち着いていけ、監督の落ち着いていけ』の指示がしっかり聞こえた」と笑顔。「根場民宿組合前道路上ゴールにいる仲間の姿が見えた。ガッツポーズで『やった』と笑顔でゴールした」とはにかむ。「都大路に行くという目標が達成できて嬉しい」と述べた。
▶エース︎主将の橘田翔(3年)は「優勝できてほっとしている」と頷く。「自分が迷惑をかけて厳しいレースになったのでチームのみんなには感謝している」と気持ちを込めた。「早く、気持ち切り替えて、何がいけなかったのか、問題点を洗い出して、その課題を修正して走りを立て直したい」と前を向いた。「チームも自分も関東大会、本戦の都大路に向けて、チーム一丸となって頑張りたい。大会までにはチームをつくり直したい」と力を込めた。
▶︎箱崎孝久駅伝部監督は「1区の44秒差は誤算」と肝を冷やした走り。「その影響で3・4区がオーバーペースで1分21秒の大差」となった。「良く5区が27秒、6区が44秒と詰めて10秒差にした」と大きく頷き。「7区は相手に並び駆け引きで一気にスパートし相手の戦力を削いだ勝利」と褒めた。「駅伝ならではのチームプレーで勝利したが、都大路に向けて立て直したい」と結んだ。
◾️山梨学院は、12月20日に都大路で行われる男子第71回全国高等学校駅伝競走大会とともに出場権を獲得した11月21日に栃木県で開催される関東大会に臨む。
文(H.K) 、カメラ(小池裕太) 2020.11.3