●第99回全国高校サッカー選手権山梨大会 準々決勝
~山学が帝京第三に3対0のクリーンシートで勝利~
~後半序盤の選手交代が奏功。先制点で流れを作る~
第99回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会準々決勝が10月31日に行われ、山梨学院高は韮崎中央公園陸上競技場で帝京第三高と対戦した。試合は、序盤から攻守の切り替えが激しく、両校拮抗し一進一退の攻防。山学はGK熊倉匠の好セーブやDF陣の集中した守備でゴールを固守。30分過ぎからは山学が主導権を握り始めるが、決定機に欠き0対0で前半を折り返す。後半に入ると山学は序盤に交代カードを切り、前線を活性化。17分、ついに均衡が破れる。途中出場のMF山口丈善が左サイドを突破し、ゴール前のこぼれ球を右サイドから走りこんだMF新井爽太が決め、山学が先制。さらにその2分後には、MF石川隼大のゴールで2点目。25分には、途中出場のFW茂木秀人イファインが前試合に続き得点し、3点差と帝三を突き放す。山学は後半序盤の交代が功を奏し、3対0のクリーンシートで帝三を退け、準決勝進出を決めた。
第4シードの山学は3回戦からの登場で初戦を富士北稜高に13対0で勝利し、この日の準々決勝を迎えた。今大会、選手間の競争によりチーム力の向上を目指し、3回戦では普段スタメン外の選手が個々の特徴を出し、チーム力活性化の好循環を生み出した。準々決勝は昨年と同カードで今大会10度の優勝経験を持つ帝京第三高と対戦。試合前、監督・コーチらは「相手コートで主導権を握り、攻守に関わり続けるサッカーをしよう。セットプレーとカウンターの守備は集中して対応。強い気持ちを持って、自分の役割を演じよう」と選手を鼓舞し、ピッチに送り出した。
第99回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準々決勝 ≪山梨学院高VS帝京第三高≫(10/31)韮崎中央公園陸上競技場 |
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○ 山梨学院高 3 | 前半 0-0 後半 3-0 |
0 帝京第三高 ● |
山学得点者:新井爽太、石川隼大、茂木秀人イファイン |
試合は、序盤から攻守の切り替えが激しく、一進一退の攻防となり、拮抗した試合展開。帝三はショートカウンターなどから山学ゴールに攻め込むが、GK熊倉匠(3年 FC東京深川U-15)のファインセーブやDF陣の集中した守備で、得点を与えない。一方の山学は、ハイボールやセカンドボールを奪い、すぐに攻撃に転じ、当たり負けしないアグレッシブなプレーで相手を圧倒。前半30分を過ぎると徐々に山学が主導権を握り始め、MF新井爽太(3年 FC深谷)のロングスローも多用し、得点の機会を演出。しかし山学は、相手の堅守を崩せず、0対0で前半を折り返す。後半序盤も山学が素早い攻守の切り替えから相手ゴール前にボールを運ぶ。後半7分、前試合2得点の活躍のFW茂木秀人イファイン(2年 FC東京深川U-15)を投入し前線を活性化。山学は最終ラインからのビルドアップに加え、ロングフィードで前線を押し上げ、攻撃をテンポアップ。13分には前試合4得点のMF山口丈善(3年 三菱養和調布)を投入し、中盤も活性化。積極的な交代が功を奏し、ついに試合の均衡が破れる。17分にMF山口が左サイドからドリブル突破し逆サイドに展開、PA内のこぼれ球を右サイドから走りこんだMF新井の強烈なシュートで山学が先制。さらにその2分後には、相手GKの弾いたボールをMF石川隼人(2年 GRANDE.FC)が押し込み2点目。先制点から立て続けに2点を奪い、攻撃の流れを作ると、25分にはクリアミスをFW茂木が収め、ドリブルシュートで3点差とし、山学が帝三を突き放す。山学は3点に満足せず、集中力を切らさず、足を止めることなく最後まで攻め続け、試合終了のホイッスル。帝三との厳しい戦いを3対0のクリーンシートで制した山学が、準決勝進出を決めた。
試合後、長谷川大監督は「前半の拮抗した試合展開は想定しており、後半に違った戦い方をするゲームプランは上手くいったかなと思います。前半お互いが真っ向勝負し、後半に早い時間で動きに柔軟性がある選手を投入することで相手がついてこられないと予想していましたが、1点勝負の中で、3対0は予想外でした」と試合を振り返り、準決勝に向け「先週と違うメンバーで戦って、選手間の競争ができており、競争の中で飛び出してくる選手を期待しています。去年は準決勝で負けていますので、また1週間そこに向かって一つずつ良い準備をしていきたいと思います」と語った。無失点でゴールを守り切った熊倉匠主将は「前半の立ち上がりで相手に押し込まれるシーンがあり、後半も危ない場面がありましたが、3点取って勝つことができたので良かったです。試合前から声は大事にしようと話をしていて、声を出し合ってケアはできていましたが、危ないシーンもあったので、その部分は来週にいかしたいです。去年は準決勝で負けてしまっているので、1週間で良いものを積み上げて来週につなげて優勝できるように頑張りたいです」と述べ、先制点を決めた新井爽太選手は「シュートチャンスが何度かあって外していたので、決めたいという気持ちで蹴りました。きょうは前半に相手と蹴り合う展開になってしまったので、(準決勝では)前線でしっかりボールを収めてゲームの流れを作って圧倒したいと思います」と話し、士気を高めた。
第99回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に、観戦は事前登録した保護者や部員のみに制限。山学は昨年、準決勝で日本航空高に敗れ、その悔しさをバネにプリンスリーグ関東に再昇格を果たした。昨年のリベンジを果たすべく、チームの士気は高く、今年の準決勝は昨年の覇者・日大明誠高との対戦が決まった。試合は、11月7日に山梨中銀スタジアムを会場に、10時30分キックオフで行われる。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2020.10.31