●2020年内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会
~大津初優勝 アルメンタイ4年連続優勝~
~大学対抗得点 初日離され山梨学院3位~
2020年内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会最終日が11月8日、大阪・東和薬品RACTABドームでフリースタイル3階級が行われた。山梨学院大は86kg級 山田修太郎、97kg級 大津拓馬、125kg級 バグダウレット・アルメンタイが出場。97kg級 大津拓馬と125kg級 アルメンタイが優勝。山学大は大津拓馬が決勝で日大の吉田ケイワンを8対6の判定で勝ち初優勝。アルメンタイが決勝で日体大 アビッド・ハルーンを10対0 テクニカルフォールで破り4年連続の優勝を果たした。優勝候補に挙げられていた山田修太郎は3位決定戦で敗れ5位と予想外の展開。大学対抗得点は山梨学院が1位 日体大71点、2位 拓大46点に次ぐ39.5点で3位となった。97kg級 大津拓馬は「決勝は0対5と先行されて『もう無理かな』と思ったが、片足タックルで持ち上げて立ったままで投げ、続けてローリングして逆転した。今年はグレコと二冠となった」と声が弾んだ。130kg級アルメンタイは「4年間でフリー4回とグレコ3回優勝ができた。今日が大学最後の戦いだったので、今日の優勝が一番嬉しい。very happy 」と満面の笑み。両選手は賞状と金メダルを持ち優勝をともに喜んだ。小幡邦彦監督は「61kg級 榊流斗と65Kg級 乙黒拓斗が12月セルビアで行われる予定の世界選手権(現在中止)に登録で欠場したが、昨年は乙黒抜きで優勝できたので理由にならない。ただ、初日に引き離されすぎた。選手層を厚くしたい」と結んだ。
【全日本学生選手権大会概要】
レスリングのフリースタイル学生日本一を決める大会。今年で46回目を数える。グレコローマンは腰から下を攻防に使用できないが、フリースタイルは全身を攻防に使用することができる。3分間×2ピリオドで、間に30秒のインターバルを取る。フォール、テクニカルフォール10点で試合は終了する。判定は点数が多い方が、同点の場合は最後に点数を取った選手が勝利する。得点は各クラス1位から8位までを入賞とし、その得点の合計により大学の順位を決定する。得点は優勝12点、2位9点、3位6点、5位3.5点、7位2点、8位1点。1位の大学に内閣総理大臣杯が、最優秀選手に文部科学大臣賞状が、それぞれが授与される。
【試合前インタビュー】
▶︎小幡邦彦監督は「1位 日体大との差は明日に3人が優勝したとしても、日体大が3人のうちで1人が7位入賞すれば逆転できない差となっている。優勝候補に挙げられている86kg級 山田修太郎、97kg級 大津拓馬、125kg級 アルメンタイに優勝してもらい上位を目指したい」と述べた。
◾️8日、86kg級 山田修太郎(3年 秋田商)、97kg級 大津拓馬(3年 島原)、125kg級 バグダウレット・アルメンタイ(4年 アスタナ)が出場する。
【1日目フリースタイル試合結果】【山梨学院大戦績】
《86kg級》山田修太郎(3年 秋田商)
▷予備戦 VS 八木海里(中央大学)判定 5対0勝ち
▷1回戦 VS 増川和也(中京学院大学)10対0 Tフォール勝ち
▷準決勝 VS 白井達也(日本体育大学)2対2 判定負け(最終得点者勝利)
[敗者復活戦]
▷2回戦 VS 大渕大聖(東洋大学)12対2 Tフォール勝ち
▷3位決定戦 VS 山倉孝介(早稲田大学)2対3 判定負け《5位》
《97kg級》大津拓馬(3年 島原)
▷1回戦 VS 大岩陵平(法政大学)10対0 Tフォール勝ち
▷準々決勝 VS 梅林太朗 早稲田大学 判定 5対1勝ち
▷準決勝VS 外山宏太(東洋大学)10対0 Tフォール勝ち
▷決勝 VS 吉田ケイワン(日本大学)判定 8対7 判定勝ち《初優勝》
《125kg級》バグダウレット・アルメンタイ(4年 アスタナ)
▷1回戦 VS 檜山魁豊(法政大学)12対0 Tフォール勝ち
▷準々決勝 VS 髙橋三十郎(九州共立大学)12対0 Tフォール勝ち
▷準決勝 VS 山崎祥平(早稲田大学)判定 8対0 判定勝ち
▷決勝 VS アビドハルーン(日本体育大学)10対0 Tフォール勝ち《4年連続優勝》
【試合終了後インタビュー】
▶︎97kg級で初優勝した大津拓馬(3年 島原)は「決勝は日本大学のケイワン選手に0対5と先行されて『もう無理かな』と思ったが、片足タックルで持ち上げて立ったままで背中から投げ落とした」とビッグポイント4得点「続けて後ろから組みついてローリングを2回して」8対5と逆転した。「最後ラスト45秒、集中して残り時間を見ながら守りに徹して場外に2回出て」8対7で試合を終了させた。「最後まであきらめないで戦い勝利できて良かった」と笑顔。「今日の対戦相手の吉田選手には1年前のインカレで7対2ぐらいから逆転された」苦い思い出がある。「インカレの時は、勝てるという自信しかなくて、ちょっと天狗になっていた」と自分を戒めた。「今度はチャレンジャーとして試合に挑んだ。インカレと逆の立場になり最後まで気を抜かずに戦いリレベンジできた」と大きく頷いた。これで今年はフリーとグレコの二冠となった」と声が弾んだ。アルメンタイ選手と毎日練習していることが優勝につながった」と謙虚に感謝した。
▶︎4年連続優勝の130kg級バグダウレット・アルメンタイ(4年 アスタナ)は「今、めっちゃ嬉しいです」と満面の笑み。「卒業するから私のラスト試合です。めっちゃ嬉しいです」と大喜び。「私はタックルとカウンター攻撃が得意。だからグレコとフリーではフリーの方が好き。グレコは上半身だけ、フリーは全身OKだから足へのタックルができる」と頷く。「今日の決勝のアビドハルーンにもタックルとカウンター攻撃からバックを決めたり、ローリングなどを決めて勝った」と大きく頷く。「一番、警戒していたのは早稲田の山崎選手。前に0対1で負けていてラストポイントを獲得し辛うじて勝った」と苦笑い。「だから、今日は慎重に攻めて8対0で判定勝ち。めっちゃ嬉しいです」と笑顔。「4年間でフリー4回とグレコ3回優勝ができた。今までの優勝で今日が大学最後の戦いだったので、一番嬉しい。very happy 」と満面の笑みで述べた。
▶︎今日は選手のサポートに回った横山凛太朗主将は「コロナ禍でもやるべきことをやって、10月にグレコで優勝し、今回のフリーで優勝して二冠を達成しようと、選手一人一人がしっかり戦った」と胸を張る。「結果は団体戦3位となったが、みんなの頑張りで最低限の仕事ができたと」と振り返った。個人的には「4年生なので最後の試合だった。課題は残ったが」としみじみとした思いにひたり、「グレコとフリー両方で表彰台に上がれ、1年間充実していて良かった」と、喜びを噛み締めた。「これで試合はなくなったが、まだ主将として新人戦があるので、後輩たちには大事な試合になるので、監督の元で後輩育成に全力で努めたい」と述べた。
▶︎小幡邦彦監督は「今日は3つ優勝を狙っていたが一つ取りこぼしてしまった」と頷いた。「大津は逆転優勝で初優勝。アルメンタイは安定した勝ち方で4年連続の優勝となった。これで大津とアルメンタイはフリーとグレコの二冠となった。アルメンタイはグレコで2年生から3年連続の優勝をしており、これで3年連続の二冠を達成したことになる」と偉業を称える。「今年は横山主将を始め、全員がコロナ禍で出来る限りのことはしっかりやってきた」と褒め、「この大会で課題も見えたのでしっかり強化したい」と淡々。「特に横山主将は9キロの減量をチームのためにしてくれて、大会でもチームのために3位となり他の選手を牽引してくれた」と感謝し、「あと新人戦があるので主将としてもうひと頑張りしてもらいたい」と頼りにする。チーム事情としては「61kg級 榊流斗(2年 帝京)と65Kg級 乙黒拓斗(4年 帝京)が12月セルビアで行われる予定の世界選手権(現在中止)に登録で欠場したことなどあるが、昨年は乙黒抜きで優勝できたので理由にならない。ただ、初日に引き離されすぎた。選手層を厚くしたい」と結んだ。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.11.9