山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●第99回全国高校サッカー選手権山梨大会 決勝 
~山学が日本航空に2対1で逆転勝利し県王者奪還~ 
~選手層の厚さを見せ、3年ぶり7回目の選手権へ~ 

第99回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会決勝が11月14日に山梨中銀スタジアムで行われ、山梨学院高は日本航空高と対戦した。試合は、前半序盤から激しい球際の競り合いで両校譲らぬ展開。一進一退の攻防が続いた前半14分、航空がロングスローからのこぼれ球を押し込み先制。1点を追いかける山学はセカンドボールへの素早い対応などでボールを奪い、相手ゴールを目指す。19分、MF新井爽太のロングスローのクリアボールをMF廣澤灯喜がダイレクトボレーで決め、同点に追いつく。1対1で折り返した後半15分、山学はFWの2枚替えを行い、前線を活性化し攻勢を強める。34分には3回戦で4得点の活躍をみせたMF山口丈善を投入。38分にMF山口が起用に応え、ゴール前のこぼれ球を決め、逆転に成功。山学は、集中した献身的な守備で航空に追加点を与えず、2対1で試合終了。大会を通じ、選手層の厚さを見せた山学が3年ぶり7回目の選手権切符を獲得した。 
 
今季、最初で最後の全国につながる大会。ここまで第4シードの山学は、初戦・3回戦は富士北稜高に13対0、準々決勝を帝京第三高に3対0、準決勝では日大明誠高に3対0と全試合クリーンシートで勝利を収めてきた。山学は、全試合を通じ、途中出場の選手が結果を残すなど選手層の厚さを見せ、決勝まで勝ち上がってきた。対する第2シードの航空は初戦・3回戦を甲府城西高に4対0、準々決勝は北杜高に3対0、準決勝では甲府商業高に1対0と山学同様クリーンシートで決勝に進出。山学は昨年の準決勝で航空に0対1で敗れ、涙をのんでいる。選手権出場まであと1勝、山学は3年ぶり7回目、航空は2年ぶり3回目の全国切符を目指し、12時05分、熱戦の火ぶたが切られた。 

第99回全国高校サッカー選手権山梨県大会 決勝
≪山梨学院高VS日本航空高≫(11/14)山梨中銀スタジアム
○ 山梨学院高 2 前半 1-1
後半 1-0
1 日本航空高 ●
山学得点者:廣澤灯喜、山口丈善

試合は、前半序盤から激しい球際の攻防で両校譲らぬ展開。山学は、MF廣澤灯喜(3年 湘南ベルマーレ小田原)の技術力の高いドリブルやFW野田武瑠(3年 インテリオールFC)の前への推進力、MF新井爽太(3年 FC深谷)のロングスローなどで航空ゴールを目指す。一方の航空はロングボールやサイドを起点に攻撃を組み立てる。前半14分、航空がロングスローからのこぼれ球を押し込み先制。1点を追いかける山学はセカンドボールへの対応やハイボールの競り合いでボールを奪い、ディフェンスラインを押し上げ、得点の機会を伺う。19分、山学が武器とするMF新井のロングスローが同点ゴールを演出。ロングスローでゴール前に入ったボールを相手DFがクリアし、これをMF廣澤がダイレクトボレーで決め、同点に追いつく。前半終了間際には航空に2本のCKを与えたが山学守備陣が得点を与えず、1対1で前半を折り返す。後半も序盤から攻守の入れ替えが激しく、前半同様拮抗した試合展開。後半15分、山学はFWの2枚替えを行い、前線を活性化し攻勢を強める。34分には3回戦で4得点の活躍をみせたMF山口丈善(3年 三菱養和調布)を投入。38分、ついに試合が動く。途中出場のFW笹沼航紀(3年 FC東京深川U-15)が右サイドからクロスを入れ、相手DFのクリアのこぼれ球をMF山口が右足を振り抜き、ゴール左に決め逆転に成功。後半に入っても航空は終始スピードを活かしたハードワークで山学ゴールを脅かすが、主将のGK熊倉匠(3年 FC東京深川U-15)、DF一瀬大寿(3年 VF甲府U-15)、DF板倉健太(3年 CAアレグレ)らの献身的な守備で得点を与えず、2対1で試合終了。長谷川大監督の選手交代の采配が決まり、途中出場の選手が起用に応え、大会を通じ選手層の厚さを見せた山学が3年ぶり7回目の選手権切符を獲得した。

監督就任2年目の長谷川大監督は大会を振り返り「プリンスリーグを経て選手層は厚くなっていて、交代選手という考えではなく、それぞれの強みが発揮する場所やタイミングをこちらが考え、スタートは11人ですが、15.6人は遜色なく自分たちの強みを組み合わせることが今年のチームの強みだと思っています。相手をよく見て、起用の方法やタイミングなどゲームの流れをしっかり考えることに重点を置いていました」と語り、3年ぶりの全国に向け「コロナ禍で混沌としている世の中で、記憶にも記録にも残る大会になり、この大会に出場できることは凄く意義のあることで、自分たちの人生の中でも支えになる1年になったと思います。サッカーができる喜びをしっかり噛みしめながら、チャレンジャーとして出場が叶わなかったチームの思いも背負い、山梨県代表として責任をもって戦い、高いところを目指したいです」と抱負を語った。横森巧総監督は「今年はコロナの影響で選手も指導者も大変な1年でした。たった1度の全国につながる大会を優勝できたことは凄く幸せなことだと思います。選手たちの勝ちたい気持ちが前面に表れた試合でしたが、気持ちに余裕がない部分もあったので、やれることはやって全国に向けてさらにチーム力を高めていきたいです」と述べ、激闘を制した選手たちに温かい眼差しを向けた。同点ゴールを決めた廣澤灯喜選手は「ゴールの瞬間は凄く気持ちが良かったです。最高でした。監督からは自由にやっていいと言われていたので、自分の特徴のドリブルや抜け出しなどそういったことを心掛けました。(きょうの自分のプレーは)50点ぐらいで、まだまだやれたので100点にもっていけるように、全国まで残りの期間で得点力やドリブルのキレ、先を見越したプレーなどの精度を上げていきたいです」と話し、ロングスローで同点ゴールを演出し、セットプレーのキッカーとしても活躍した新井爽太選手は「相手は航空なので蹴り合う展開でセットプレーが多くなると思っていたので、自分のロングスローやコーナーキックなどで得点をアシストしたいという気持ちで試合に入りました。先制されて焦りましたが、しっかりと投げて自分の仕事ができ、得点につながったので良かったです。自分のロングスローは全国でも通用すると思うのでセットプレーでのアシストは必ずして、ドリブルからのクロスなど攻撃のバリエーションを増やして、相手の脅威になるように戦いたいです」と全国での活躍を誓った。勝ち越しゴールで全国切符をもたらした山口丈善選手は「今年は途中出場が多く、辛い期間もあり、決勝も出場時間が少なかったですが、呼ばれたからには自分が勝利を決めてやるという強い気持ちでピッチに入りました。(ゴールシーンは)練習してきた場面だったので、得点に貪欲になって全力でボールに向かいました。この1か月半でスタメンに選ばれるように自分の特徴を伸ばし、優勝や得点王を目指して練習していきたいです」と意気込みを語り、チームをまとめる熊倉匠主将は「全国では高いレベルのチームが多く、自分たちはセットプレーで押し込まれた時に弱さが出てしまうので、ハイボールへの対応など練習で意識して取り組み、得点力など今のままでは勝てないと思うので残りの期間で高めていきたいです。夏のインターハイが開催されず、昨年は準決勝で敗れ、悔しい思いをしているので、選手たちの冬にかける思いは強く、ここまで支えてくださった人たちへの感謝の気持ちを忘れず、全国でプレーしてきたいと思います。全国ではアグレッシブなプレーで日本一を取ってきたいです」と全国に向け、力強く語った。 
 
第99回全国高校サッカー選手権大会は、組み合わせ抽選が11月16日にオンラインで行われ、12月31日に開幕。1回戦は東京・神奈川・埼玉・千葉の各会場で実施され、決勝は1月11日に埼玉スタジアム2002で行われる。
 
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2020.11.14