●第81回 全日本女子ホッケー選手権大会
~山学大がグラクソに3対1準決勝に進出~
~全員守備・全員攻撃を徹底して戦いたい~
第81回 全日本女子ホッケー選手権大会1回戦が12月4日、赤磐市熊山運動公園多目的広場で、山梨学院大学 対 グラクソ・スミスクライン Orange United戦が行われ、山学大が3対1で勝ち明日の準決勝に進出した。前大会2位の山学大は第1Q(11分)、10番FB 尾本桃子からの右サイドへのロングパスを9番FW 深田麻実子が受け取りドリブルで右サイドから切り込みゴール前にセンタリング、これを7番FW 髙島瑠唯がタッチシュートで押し込み先制。山学大は第2Qも厳しく相手陣地に攻め込んだ(25分)、ペナルティコーナーを獲得し10番FB 尾本桃子がフリックシュートを決めて2対0。そのリスタート、山学大はグラクソに一瞬の隙を突かれ中央突破から得点を許し2対1。第4Q(56分)、山学大は1番 田村綾菜が自陣サークル前で相手パスをカットし約80ヤードをドリブルし、相手キーパーの前で1回転してシュートを決め3対1と試合を決めた。主将の和田茜は「スタートから山学の前に出る勢いあるホッケーができた。明日も手強い相手になると思うが全員守備、全員攻撃を徹底して戦いたい」と満面の笑み。ジョン・シアン監督は「このところフィールドゴールでの得点がなく山学のプレーが影を潜めていたが、フィールドゴールで先取点を挙げ波に乗ったことが大きかった。明日は全日本の準決勝、今日以上のゲームができるようにしたい」と結んだ。
◾️全日本学生選手権大会概要◾️
大会は女子第42回全日本学生ホッケー選手権大会(インカレ)と2020年度全日本社会人ホッケー選手権大会の1位から4位の8チームが参加して日本一を争う。試合はノックアウトシステムによる勝ち残り方式のトーナメントにより勝者を決定する。試合時間は1ピリオド15分の4Q(クォーター)制。同点の場合は、SO(シュートアウト)戦が行われて勝敗を決定する。全ての試合にビデオアンパイア制度を採用しチャレンジ権を認める。フィールドに立てるのは11人で、1人のゴールキーパーと10人のフィールドプレイヤーによって構成される。選手交代は試合中何度でもでき、一度退いた選手が何回でもプレーすることが可能。1回戦は無料の有観客試合だがコロナ感染防止対策のため、会場の検温所で検温後、検温終了のリストバンド装着と連絡先記入を確認が義務付けられている。
◾️試合前インタビュー◾️
ジョン・シアン監督は「昨年は決勝でソニーに敗れ2位となったが、今年は昨年のチームに比べて決定力に課題がある」と頷く。ただ「守りの要、鈴木美結(4年 岐阜各務野)がインカレの準決勝で骨折して、決勝から欠場して1ヶ月、今回間に合わないと思っていたが、患部をテーピングなどでしっかりサポートして出場できるので非常に嬉しい」と微笑み、「チームにとって、プラスに働くはず、心強い」と頷く。「戦い方は学生らしく前へ、前へ積極的に攻める」と大きく頷く。7時50分、山間で太陽がまだ顔を出さない「朝一番初めの試合、無風であまり寒くはないがグラウンドが硬い。これがプレーにどう影響するか。うちは何時も朝早くから練習しているので体は動く、とにかく負けたら終わりなので何とか点を取って準決勝に進出したい」と述べた。
◾️〈第1回戦 山梨学院 対 グラクソ〉◾️
岡山県赤磐市熊山運動公園多目的広場は105m×73mの人工芝ウォーターベースホッケー1面分、電光掲示板附設の施設。第1試合9時00分試合開始。赤磐市の日本気象協会1時間天気予報は、晴れ 気温 6.0度、湿度 74%、風向 南、風速 1m/s。コイントスにより山梨学院大学のセンターパスが決定した。ゴールキーパーとフィールドプレイヤーの11人が守備位置につく。山梨学院大学(大学2位) 対 グラクソ・スミスクライン Orange United(社会人3位)の60分間の試合が開始される。
▶︎第1Q、フォーンが会場に鳴り響き、山学大の8番MF 中込紅莉(3年 巨摩)のセンターパスにより開始された。山学大は試合開始からリズム良く再三グラクソ陣内に攻め込む。開始11分、山学大は自陣深くから10番FB 尾本桃子(3年 西京)がスクープでロングパスを右サイドの9番FW 深田麻実子(4年 石動)に送り、9番FW 深田がワンバウンドで頭上高く跳ね上がった球をスティックでコントロールし、左後ろから迫る相手ディフェンダーをかわし、ドリブルで右サイドから切り込みゴール前にセンタリング、これを7番FW 髙島瑠唯(3年 石動)がタッチシュートで押し込み先制点を挙げた。
▶︎第2Q、山学大の8番MF 中込紅莉(3年 巨摩)のセンターパスにより開始。山学大は厳しく相手陣地に攻め込み(25分)、ペナルティコーナーを獲得し10番 尾本桃子(3年 西京)がフリックシュートを決めて2対0と引き離す。そのリスタート、山学大はグラクソの14番MF 尾関愛美に一瞬の隙を突かれ中央突破から得点を許し2対1と追い上げられる。
▶︎第3Q、グラクソのセンターパスにより後半戦が開始される。山学大は攻撃の手を緩めることなく相手陣内に深く攻め込むが、グラクソの巧みなディフェンスに跳ね返される。山学大はグラクソの反撃に全員ディフェンスで対抗し一進一退の攻防を繰り広げる。
▶︎第4Qグラクソのセンターパスにより開始。山学大は1番 田村綾菜(4年 不来方)が(56分)、自陣サークル前で相手パスをカットし約80ヤードをドリブルし、相手キーパーの前で立ち止まり、反転し後ろから追い上げてきた選手をかわすとともに、素早く球をコントロールしてさらに左に反転してゴール中央にシュートを決め3対1と試合を決め明日の準決勝に進出した。
◾️試合終了後のインタビュー◾️
▶︎主将の和田茜(4年 不来方)は「スタートから山学の前に出る勢いあるホッケーができた」と頷いた。「今までぜんぜんフィールドゴールでの得点ができていなかった。今日はスタートでフィールドゴールを決められたというのが、自分たちの中では大きかった」と大きく頷いた。「2点目が入ってリスタートから直ぐ攻められて得点された。攻めることに意識しすぎて前へあげすぎて、しっかり中締めができていなかった」と猛省。「2対1とリードしていたので『しっかり守って、後半であと1点取ろう』と思い慌てることはなかった。その後、しっかり守る中の第4クォーターで得点でき良かった」と振り返り、「明日も手強い相手になると思うが、2020年最後の大会となるので全員守備、全員攻撃を徹底して戦いたい」と満面の笑みで述べた。
▶︎ジョン・シアン監督は「このところフィールドゴールでの得点がなく山学のプレーが影を潜めていたが、立ち上がりが予想以上に動きが良く自分たちのペースで行けた。球離れも良く、正確に左右の攻撃もバランス良く表現できていた」と褒めた。「フィールドゴールで先取点を挙げ波に乗ったことが大きかった。第2クォーターでも2点目が取れて良かった。その後、直ぐに取り返され、これで流れが悪くなることもある。だが選手が最後まで前へ、前へ出て良く走って戦った。今日は良い意味で学生らしささが出た」と大きく頷いた。「試合開始にはちょうど太陽も出て無風で寒くもなく最高のコンディションの上に綺麗な素晴らしい会場で、自分たちの描く試合ができて良かった。明日は全日本の準決勝、今日以上のゲームができるようにしたい」と結んだ。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.12.4