●産官学連携 山梨県特産品の美味しい料理コンテスト
~淡水魚の部とヤーコンの部 A・Bで1位~3位を選定~
~講評「買うレベルの美味しさと独創性のある料理」~
2020産官学連携 第11回山梨県特産品の美味しい料理コンテスト(山梨県・山梨学院短期大学)は12月9日、山梨学院短期大学調理実習室で同大食物栄養科栄養士コース1年生58人が参加して行われた。鈴木耕太食物栄養科講師は「このコンテストは山梨県の特産品を知ることや調理技術の習得、さらにはレシピの開発で山梨県の特産品の普及を目指して開催している。今回、学生は山梨県産の淡水魚とヤーコンを主材料にテーマ『新しい生活様式の中での「テイクアウトとできる料理」』で、AクラスとBクラス各13班に分かれ、生料理・焼く・揚げる・炒める・蒸すなどで料理し、審査基準の美味しさ80%・独創性20%で競った」と説明。審査に当たった山梨県農政部食糧花き水産課担当 小澤諒主任は「想像を超えるいろんな料理が出てきて、どれもお店で売っていたら買うレベルの美味しさと独創性のある料理だった」と講評した。審査結果はA・Bクラスともに淡水魚の部とヤーコンの部で1位から3位が選定された。1位の料理は、Aクラスでは淡水魚の部で『ヤマメのリゾットはさみ焼き』(秋山優美・小泉有紀・白倉美由希)が、ヤーコンの部で『ふわふわ緑のヤーコンサンド』(阿部百華・波多絵理香)が選定。Bクラスでは、淡水魚の部で『甲斐ちーモン』(塩島るり・鷹谷栞鈴・宮坂美乃里)。ヤーコンの部で『ヤーコンsandwich』(渡辺愛梨・網倉朋哉)が選定された。参加者は1位から3位の受賞者に惜しみない賞賛の拍手を送った。このコンテストのレシピは山梨学院短大ホームページに掲載される予定。(受賞者の敬称略)
【料理コンテスト概要】
▶︎鈴木耕太食物栄養科講師は「今回、学生は山梨県産の淡水魚(甲斐サーモン、ヤマメ、鯉など)とヤーコンを主材料にテーマ『新しい生活様式の中での「テイクアウトとできる料理」』で、食物栄養科栄養士コース1年生58人がAクラスとBクラス各13班に分かれ、生料理・焼く・揚げる・炒める・蒸すなどで料理し、審査基準の美味しさ80%・独創性20%で競う」と説明。
【スケジュール】
▷《Bクラス》45号館204調理実習室
8時30分調理開始~10時30分調理提出、10時30分審査開始~11時30審査結果発表・講評。
▷《Aクラス》45号館204調理実習室
12時30分調理開始~14時30分調理提出、14時30分審査開始~15時30審査結果発表・講評。
●講評・結果発表●
▶︎山梨県農政部食糧花き水産課水産担当主任 小澤諒審査委員は「山梨県は山々に囲まれていて豊富な名水に恵まれており、ニジマスの生産量は全国第3位、ニジマス以外のヤマメ・イワナといったマス類の生産量は全国第2位となっている。さらに養殖業者の高い技術力、産地の近さによる新鮮さが相まって刺身にしても塩焼きにしてもとても美味しい。ただ、山梨県内にその魅力が十分に伝わっていない。本日の山梨県の特産品の美味しい料理コンテストのテーマは『テイクアウトできる料理』だったが、想像を超える色々な料理が出てきて、どれもお店で売っていたら買うレベルの美味しさと独創性のある料理だった。それはヤーコンを使用した料理も同様だった。これを機会に県産の淡水魚やヤーコン、さらに山梨の特産品をアピールしていただきたい」と講評した。
◆《Bクラス》受賞者◆
〈淡水魚〉
▷1位 『甲斐ちーモン』(宮坂美乃里・鷹谷栞鈴・塩島るり)
▷2位 『ヤマメのクッキー』(河西土海・小野育実)
▷3位 『甲斐サーモンのライスボール』(村松葵・小沢由実)
〈ヤーコン〉
▷1位 『ヤーコンsandwich』(渡辺愛梨・網倉朋哉)
▷2位『赤ワイン香るヤーコンのパウンドケーキ』(松野好花・富岡美桜、北條愛里)
▷3位『ヤーコン肉いなり』(土屋詩織・永井櫻)
◆《Aクラス》受賞者◆
〈淡水魚〉
▷1位『ヤマメのリゾットはさみ焼き』(秋山優美・小泉有紀・白倉美由希)
▷2位『甲斐サーモンとポテトグラタン~ヤーコンのタルタルソースがけ~』(望月香那・渡辺彩)
▷3位『イワナのサクサクパイ~ホワイトソース仕立て~』(今澤明香・小林夏綺)
〈ヤーコン〉
▷1位『ふわふわ緑のヤーコンサンド』(阿部百華・波多絵理香)
▷2位『スペルト小麦香るヤーコン麺~つみれを添えて~』(今井桃子・小池舞)
▷3位『ドリヤーコン』(雨宮里佳・加藤みなみ)
◾️参加者は1位から3位の受賞者に惜しみない賞賛の拍手を送った。
【コンテスト終了後インタビュー】
▶︎Bクラス淡水魚1位 宮坂美乃里・鷹谷栞鈴・塩島るり受賞者は「主材料は山梨の特産品である身色が鮮やかな赤色の大型ニジマス『甲斐サーモン』を選んだ」と声を揃える。「サーモンの臭みが気になる人のために、長ネギ、バジルなどの香味野菜やオリーブオイル漬けにして調理方法を工夫した」と頷く。「味に深みを出すために試行錯誤して、甘みが強くコクがある山梨県市川三郷町の大塚地区で栽培された大塚人参をソースに利用した。そのソースに合うモッツァレラチーズをプラスした。あとは具材の長ネギで彩り・香りを出し、テイクアウトようにワックスペーパーに料理を包み、中央を包丁で切り分けて断面が綺麗に見えるようにして完成させた。料理名は甲斐サーモンとチーズから『甲斐ちーモン』とつけた」と受賞を喜んだ。
▶︎Bクラスヤーコン1位 渡辺愛梨・網倉朋哉受賞者は「主材料にヤーコンを選んだ」と頷き、「友達に『ヤーコンは食感がレンコンに似ているよ』と聞き、レンコンのはさみ揚げが頭に浮かび」試作に取り組んだ。「具材にはきざんだヤーコン、それを引き立たせるために塩・胡椒で味付けをした豚肉のひき肉を手でよくもみ込み合わせた」と明かす。「ヤーコンを輪切りで1cmの厚さに切り、山梨産のヤマメのあらで作った出し・ほしだし・醤油・塩で煮た。それに具材をはさみ、砕いたカシューナッツの衣が茶色になるまで揚げ、それをオーブンに入れ肉に火がとおるを見て、とろけるチーズをのせてとけるまで加熱。取り出し醤油・バター・ガーリクで作ったソースを塗り、さらにオーブン入れて焦げ目をつけ、最後に彩にパセリを添え完成。料理名は『ヤーコンsandwich』とした」と受賞を喜んだ。
▶︎Aクラス淡水魚1位 秋山優美・小泉有紀・白倉美由希受賞者は「臭みのないヤマメを主材料に選び魚を丸ごと使った料理に挑戦した。1番苦労したのはヤマメの骨をどう処理したら良いか試行して、包丁を魚の開きを作るように入れて、エラや中骨を取り細かな骨は骨抜きで全て取り除いた。チーズリゾットを作るのに、オリーブオイルで玉ねぎを炒めマッシュルーム入れて、ヤマメのあら汁で炊飯したご飯を加え、味付けに牛乳・ほんだし・粉チーズを入れて、ヤマメに合うようにさっぱり味に仕上げた。それを魚の腹に詰め、最後に粉チーズを振りかけパセリを散らしオーブンに約12分入れて出し、見栄えをよくするためにガスバナーで魚やチーズに焼き目をつけて、テイクアウト用のおしゃれな紙の箱にレタスを敷き詰めて色合いと立体感を出し収め、『ヤマメのリゾットはさみ焼き』を完成させた」と受賞を喜んだ。
▶︎Aクラスヤーコン1位 阿部百華・波多絵理香受賞者は「最初はヤーコンでデザートを作ろうと思って試作していたがうまくいかず、サンドイッチを作ることにした。生地にヤーコンのお茶と抹茶を入れてパン生地をふわふわに仕上げた」と頷く。「ヤーコンは外見はサツマイモのようだが、蒸しても食感がシャキシャキしてサツマイモとは異なった。そこでこの食感を生かすためにヤーコンを輪切りにして、カレー粉などで味付けをしたりいろいろ試したが、水・味噌・みりん・酒・砂糖で煮て味を染み込ませたものが1番美味しかった。それを衣をつけて揚げてサクサクにすることに成功した。これに合うソースをマヨネーズで手作りで仕上げ、ヤーコンのサクサク天ぷらの表裏にソースを塗り大葉を上下ではさみ、それをふあふわ生地ではさんだ。これを『ふわふわ緑のヤーコンサンド』と名付けて、テイクアウト用の紙箱に入れて完成させた」と受賞を喜んだ。
▶︎鈴木耕太食物栄養科講師は「栄養士を目指す学生にとって、このコンテストは山梨県の特産品を知ることや調理技術の習得、さらにはレシピの開発で山梨県の特産品の普及に貢献できることは、食物栄養科が掲げる教育理念『智と情と勇気をそなえ、実践を貴んで、社会に貢献する人間を育成する』の実践の場となっている」と頷く。「学生にとって、レシピがない状態で、自分たちで考えながら試作していくところは調理技術を磨くうえで大変有効。卒業して、栄養士として病院や老人施設などで、タンパク源としての魚料理に、新鮮で、より安価で、安全な山梨県産の淡水魚を食材として提供できれば、地産地消の流れが定着し地域活性化に貢献できる」と大きく頷く。「学生から最初、既存のレシピから提案があがってきたが、それを1回やめてもらって、主材料に合う食材や調理法からレシピを考案してもらったところ、試行錯誤をしてそこから派生する今までにないような調理法や料理が数多く提出されてきた」と評価し褒めた。
◾️このコンテストのレシピは山梨学院短大のホームページに掲載される予定。(受賞者の敬称略)
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.12.10