●第97回箱根駅伝のエントリーメンバー発表
~田畑主務エントリーメンバー16人呼名~
~20校中の10位までの大学にシード権~
山梨学院大学陸上競技部駅伝は12月10日、甲府市緑が丘スポーツ公園内の体育館前で第97回東京箱根間往復大学駅伝競走のエントリーメンバー16人の発表を行った。田畑昌寛主務から登録選手が次の通り呼名された。荒井祐人 30分00秒27(4年 川西緑台)、遠藤悠紀 28分58秒01(4年 報徳学園)、瀬戸祐希 29分17秒41(4年 興國)、日影優哉 29分24秒24(4年 富山商業)、森山真伍 28分28秒30(4年 樹徳)、坪井海門 29分12秒02(3年 明成)、松倉唯斗 29分10秒44(3年 明成)、矢島洸一 29分58秒55(3年 山梨学院)、渡邊晶紀 29分37秒85(3年 藤枝明誠)、Paul Onyiego 28分30秒00(3年 モゴンガ)、伊東大暉 29分35秒93(2年 鹿児島実業)、木山達哉 29分37秒02(2年 尽誠学園)、篠原楓 29分47秒47(2年 新居浜東)、星野一平 29分48秒83(2年 東農大二)、島津裕太 29分47秒70(1年 九里学園)、新本駿 29分17秒59(1年 報徳学園)。また12月29日には区間エントリーで往路5人・復路5人の計10人と補員6人を提出する。さらに本戦当日の朝に往路と復路で計6人までメンバーチェンジできる。ただし往路復路ともに4人までメンバーチェンジできるが5人全員の入れ替えはできない。2021年1月、2日の往路5区間は大手町読売新聞社前を午前8時00分スタートして箱根町芦ノ湖駐車場入口にゴール。3日の復路5区間は箱根町芦ノ湖駐車場入口を午前8時00分スタートして大手町読売新聞社前にゴールする。本大会出場校は20校とオープン参加の関東学生連合チーム計21チーム。この20校中の10位までに入った大学は、第98回東京箱根間往復大学駅伝競走のシード権を取得できる。
【エントリーメンバー発表】
12月10日、甲府市緑が丘スポーツ公園内の体育館前に夜明け前午前5時過ぎに続々と陸上競技部駅伝(ロング)・中長距離(ミドル)・競歩ブロックの選手が集まり108人が集合した。簡易サーチライトが複数設置され、午前5時30分に田畑昌寛主務がライトで浮かび上がった。
▶︎田畑昌寛主務(4年 九州学院)は「ただ今から、第97回東京箱根間往復大学駅伝競走のエントリーメンバー16人の発表を行います。呼名された選手は前に出てきてください。4年生、荒井祐人」と選手が呼名されると、その都度、集合した選手からエントリーを称える拍手が送られ、16人目の「1年 新本駿」が呼名されエントリーメンバーが整列し、選手一人一人が決意表明を行った。
▷荒井祐人 30分00秒27(4年 川西緑台)は「自分は予選会と全日本のメンバーに外れて悔しい思いをした。今回そうした悔しい思いをしたメンバーの分まで全力で頑張る」と述べた。
▷遠藤悠紀 28分58秒01(4年 報徳学園)は「チームの目標であるシード権獲得のために、貢献できるよう残り期間をしっかり準備をする」と述べた。
▷瀬戸祐希 29分17秒41(4年 興國)は「しっかり任された区間で区間賞争いをして、次の区間の選手にたすきをつなげる」と述べた。
▷日影優哉 29分24秒24(4年 富山商業)は「選ばれなかった選手の思いも背負って、4年間の全てをぶつけて走る」と述べた。
▷森山真伍 28分28秒30(4年 樹徳)は「チームは2年ぶりの箱根駅伝。外れてしまった選手やこれまで支えてくださった方々への感謝と恩返しの走りをする」と述べた。
▷坪井海門 29分12秒02(3年 明成)は「今回、初の箱根駅伝となる。自分の出せる力を精一杯出し切る走りをする」と述べた。
▷松倉唯斗 29分10秒44(3年 明成)は「全日本に続き、2回目の駅伝となる。臆せず怯まず前へ1秒でも早くたすきを渡す」と述べた。
▷矢島洸一 29分58秒55(3年 山梨学院)は「大きな大会は初めて、自分の仕事をチームスピリッツである紺青(根性)を胸に頑張る」と述べた。
▷渡邊晶紀 29分37秒85(3年 藤枝明誠)は「学生連合で箱根駅伝を走ってからけがとなり克服した。けがをした選手の希望となれる走りをする」と述べた。
▷Paul Onyiego 28分30秒00(3年 モゴンガ)は「チームのためにしっかり走り頑張ります」と述べた。
▷伊東大暉 29分35秒93(2年 鹿児島実業)は「手術から来年こそはとできることをひたすら全てやってきた。自覚と責任を持ち箱根を走る」と述べた。
▷木山達哉 29分37秒02(2年 尽誠学園)は「箱根予選と全日本と選ばれなかった。その悔しさをバネにやってきた。シード権獲得に全力で取り組みたい」と述べた。
▷篠原楓 29分47秒47(2年 新居浜東)は「予選会、全日本に続いて選ばれたことに感謝している。チーム貢献のために全力で頑張る」と述べた。
▷星野一平 29分48秒83(2年 東農大二)は「チームに貢献できるよう、精一杯頑張る」と述べた。
▷島津裕太 29分47秒70(1年 九里学園)は「今回、選ばれたことに感謝し、本戦でチームの力になれるように頑張る」と述べた。
▷新本駿 29分17秒59(1年 報徳学園)は「任された区間で1分1秒でも早く次の区間の選手にたすきを渡せるように頑張る」と述べた。
▶︎大﨑悟史駅伝コーチは「ここで16人のメンバーが発表された。選ばれた選手から外れた選手への思いが複数人から発せられた。選ぶ側も、予選会でしっかり貢献してくれた選手、エントリーに向けて精一杯努力した選手に『申し訳ない』『選びたかったが』『もう少し頑張って欲しかった』など様々な思いの中で、苦渋の選択を迫られた。箱根予選会や全日本でも、走る選手はそうした思いを背負って、走れなかった選手はその思いを託しサポートや応援で共に戦い、箱根駅伝予選会も全日本も結果を残した。あとは箱根駅伝、残り23日。チームスローガンは『All For Win 魅せろ 紺青』、一つは勝利のために、もう一つは苦しさに耐え成し遂げようとする精神力の根性も兼ねている。チームが一丸となり戦い、復路で山梨学院がゴールしたときにチームのみんなが笑顔で終われるようにしたい」述べた。
▶︎飯島理彰駅伝監督は「昨年は予選落ちをし、箱根駅伝に出場できなかったチーム。悔しさを知り、屈辱を知り、1年間努力して這い上がってきた。16名のエントリーメンバーは箱根路で、走る姿でその這い上がってきた姿を見せてほしい。予選落ちをして知ったのは、悔しさ、屈辱だけでなく、チームに一体感がなかったことを思い知らされた。すなわち、みんなで喜びを分かち合えることができなかったチームだった。これから喜びを分かち合える日々を過ごしていってもらいたい。大﨑コーチから選手選考の苦渋の決断という話があったが、予選会で走って本戦の権利を勝ち取ってくれた選手数名が外れている。16名はその選手の思いを汲んでプルシアンブルーのタスキをつないでほしい。チーム一丸となって頑張っていこう」と述べた。
【終了後インタビュー】
▶︎キャプテン森山真吾(4年 樹徳)は「まずは、コロナ禍の中で大会を開催していただけることに感謝したい」と頭を下げる。「チームは2年ぶりに箱根路を走れるが、コロナ禍で疲弊しているみなさんに元気を与えられる走りを披露したい」と大きく頷く。「箱根駅伝予選会でチーム4位と好走し、このチームに勢いを与えてくれた2年生の橘田大河が、足の状態が良くなく外れてしまった。今、チームのみんなに『頑張って』と激励してくれた」と目を伏せる。しばらくして「それをモチベーションに、全員が本戦で橘田の箱根予選会の走りに負けない好走をしてくれると思う」と声を押し殺した。「山梨学院は33年連続出場と箱根駅伝の常連校だった。自分たちが、この大会でシード権を獲得して、その復活のきっかけにしたい。個人としても上位でたすきを渡せるようにしっかり走りたい」と淡々と述べた。
▶︎田畑昌寛主務(4年 九州学院)は「今、発表になったチームエントリー16名の届出を明日オンラインで行う。また往路5名復路5名の10名、そして補員6名の区間エントリーは12月29日にオンラインで行う」と頷く。「往路復路とも、当日レース開始1時間10分前に受け付けるが、選手と補員の交替は6名まで、ただ、1日に変更できる競技者は4名まで。変更は選手と補員との交替のみとし、選手同士の区間変更は認められない」と明かす。「本戦は2021年1月、2日の往路5区間は大手町読売新聞社前を午前8時00分スタートして箱根町芦ノ湖駐車場入口にゴール。3日の復路5区間は箱根町芦ノ湖駐車場入口を午前8時00分スタートして大手町読売新聞社前にゴールする。本大会の出場チームは20校とオープン参加の関東学生連合チームの21チーム。この20校中で10位までに入った大学は、第98回東京箱根間往復大学駅伝競走のシード権を取得できる」と述べた。「エントリー選手以外の選手は、箱根駅伝大会運営のサポートにあたることになる。選手同様全力でその任務に当たる」と述べた。
▶︎大﨑悟史駅伝コーチは「現状ではベストのオーダーを組めた」と頷く。「残り23日、練習で距離を踏むことは終わっている。あとはこれから寒くなるので、故障のリスクに最善の注意を払いつつ、一人一人が1キロ当たり1秒でも上げる感覚を掴むことと、箱根で戦うための体づくりをしなければならない」と大きく頷く。ここまできたら「他大学のことをあれこれ考えるのではなくて、自分たちの体調を勝負できるところまで上げられるかの、コンディショニングが最も大切になる」と力説。さらに「チームとしてコロナ禍での生活、マスク・手洗い・アルコール除菌、三密にならないなどの徹底と自己管理も大切」と促す。「去年、悔しい思いをした4年生をはじめとする選手は、ここまで良く頑張ってくれた」と褒める。「最後にシード権を獲得して笑顔で終われることが理想なので、まだ残り23日あるので、もう少しチーム力を上げられるように指導したい」と述べた。
▶︎飯島理彰駅伝監督は「予選会でチーム、4番 橘田大河、7番 齋藤有栄、10番 大迫太雅とシード権獲得に貢献してくれた選手が、アクシデントで抜けている」と頷く。しかし「それを補うことができる選手をエントリーした。箱根は5区・6区と特殊な区間があるので、その区間に適材選手を配置するとなると、その選手と入れ替えなければならない。従ってチームは戦力ダウンになっていない」と強調。「残り23日、選手はコンディションを調える期間に入るので、選手の状態を見て練習の強度などを決めていく」と大きく頷く。「これから我々指導スタッフと選手は、三密を避ける中でより緊密にコミュニケーションを取らなければならない」と。「2年ぶりの出場で初出場と同じ。何も失うものは何もない、自分たちの力を最大限に発揮するだけ。ただ、33回出ている過去の経験をフルに生かしたい」と胸中を明かした。
◾️正月の風物詩、箱根駅伝は2021年1月2日往路・3日復路ともに午前8時00分スタート、東京箱根間で往路5区間(107.5km)、復路5区間(109.6km)の10区間(217.1km)で、20校と関東学生連合チーム(オープン参加)で健脚を競う。
文(H.K) 、カメラ(平川大雪) 2020.12.11