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●全日本大学女子サッカー選手権 山学初陣 
~2回戦で静岡産業大と対戦し、0対2で敗退~ 
~緊張からプレーが硬く、試合の主導権握れず~ 

第29回全日本大学女子サッカー選手権が兵庫県三木市・三木総合防災公園内各会場で12月24日に開幕。初出場で関東第5代表の山梨学院大は26日の2回戦で東海第2代表の静岡産業大と第2陸上競技場で対戦した。試合は前半序盤から山学の硬さがプレーに表れ、静産大のポゼッションサッカーに試合の主導権を握られる。山学はGK大城聖奈やCB岩下胡桃を中心に攻撃を防いでいたが、前半21分、自陣中盤でボールを奪われ、山学DF陣のカバーが間に合わず、静産大が先制。1点ビハインドで迎えた後半、立ち上がりは山学がボールを繋ぎ攻勢を強めたが、静産大に一瞬の隙をつかれ、ショートカウンターから2点目を献上。反撃に出たい山学は、ゴール前までボールを運ぶものの、決定機に欠き得点を奪うことができない。山学はシステム変更やパワープレイで攻撃に変化を与えるが、最後まで相手ゴールをこじ開けることができず試合終了。インカレ初陣となった山学は、自分たちのプレーが満足に出せず、2回戦敗退となった。 
 
全日本大学女子サッカー選手権(インカレ)は、全国のブロック予選(リーグ戦)を勝ち抜いた24校が出場。山学大は、関東大学女子サッカーリーグ戦1部で4勝1分4敗の5位に入り、創部7年目で初めてのインカレ出場を決めた。山学は、関東第5代表として1回戦がシードされ、2回戦からの登場。東海地区予選を4勝1敗の2位で通過し、1回戦を不戦勝し、2回戦に駒を進めた静産大と対戦した。試合前、AC長野パルセイロ・レディースへのプロ加入が内定している山学大の鈴木日奈子主将は「山学大は「主体性」という言葉を大切に自分自身やサッカーと向き合い、新チーム結成時には「みんなが主役」というモットーを掲げ、後輩達と積極的にコミュニケーションをとり、学年関係なく切磋琢磨しあえる環境が出来たこと、そして後輩達がとても頼もしく力をたくさん貸してくれた事がインカレ出場に繋がった。歴代の先輩達の想いも胸に1戦1戦を大切に山学大らしいサッカーで1勝でも多く勝ち進んで行けるよう、選手、スタッフ全員で戦っていきます」と意気込みを語った。創部初のインカレ初陣、これまでの卒業生の思いも胸に、山学イレブンはピッチに立った。 

第29回全日本大学女子サッカー選手権大会 2回戦
≪山梨学院大VS静岡産業大≫
2020.12.26 会場:兵庫県 三木総合防災公園第2陸上競技場
● 山梨学院大学 0 前半 0-1
後半 0-1
2 静岡産業大学 ○
 

 
試合は、山学がインカレ独特の緊張感にのまれ、選手たちは硬さからパスミスやセカンドボールへの対応が遅れるなどプレーの質が低下。一方の静産大は、人数をかけた素早いプレスや視野の広いカバーリングで山学の攻撃の芽を摘み、ポゼッションサッカーで山学のゴールを襲い、試合の主導権を握る。山学は、GK大城聖奈(4年 名護高)が最後列から声を出しコーチングを行い、CB岩下胡桃(3年 藤枝順心高)を中心としたDF陣の献身的な守備で静産大からゴールを堅守。守備からのビルドアップで主将のMF鈴木日奈子(4年 常盤木学園高)が中盤の要として攻撃を組み立て、FW浜田芽来(2年 十文字高)、FW上田莉帆(2年 湘南学院高)の2年生コンビのツートップの裏への飛び出しなど徐々に得点の機会を伺っていく。山学は、相手の攻撃に耐えながらショートカウンターや最終ラインから前線へのロングフィードを織り交ぜ、相手バイタルエリアに侵入し、少ないながらシュートチャンスを作っていく。前半21分、試合の均衡が破れる。守備から攻撃に転じようとしていた山学は、自陣中盤でボールを奪われ、DFのカバーが間に合わず、PA内でシュートを打たれ、静産大が先制。同点に追いつきたい山学だったが、相手の守備を攻略できず0対1で前半を折り返す。1点ビハインドで迎えた後半、序盤から山学がサイドを大きく使い、細かくパスをつなぎ、ボールを保持する時間が増える。後半7分にはCKを獲得。グラウンダーのボールがPA内に入り、DF鈴木海音(3年 帝京第三高)がシュートを打つが惜しくもGK正面。攻守の切り替えが素早い静産大はその1分後、自陣で山学からボールを奪うとワンタッチパスのショートカウンターから鮮やかに2点目を追加。0対2と劣勢の山学は、前線にボールをつなぎ、相手PA内まで進入するが、最後のフィニッシュで精度を欠き、決定機を活かせず得点を奪うことができない。後半途中には、MF鈴木とFW浜田の位置を入れ替え、システムを変更するが、相手の堅守を崩せず時間だけが過ぎていく。後半残り5分、山学は最終ラインを押し上げ、パワープレイに出るが、連携の取れた相手守備陣に阻まれゴールをこじ開けることができず試合終了。山学の後半のシュート本数は静産大を上回ったものの、終始相手のペースにのまれ、自分たちのプレーが満足に出せず、初陣を勝利で飾ることはできなかった。 
 
試合後、田代久美子監督は「硬さがあり、自分たちがやりたいサッカーが全然できなかったが、選手たちは精一杯プレーしていた。0対2で負けてしまったが1点でも入っていれば状況や流れは変わっていたかもしれない。シュートは打てていたが入らなかったのは今後の課題。今大会には自信を持って臨み、個の質を見ると十分戦えていた部分もあるが、チームとしての繋ぎがこういった場で発揮できないのはチームとしての弱さだと思う」と試合を振り返り、「チームとしてこの場に立ち、全国の強豪と戦えたことが、今後の糧になり、ここからが新たなスタートになると思う。4年生が二人しか出てない中で下級生がこの悔しさを経験できたことは大きく、負けたことは残念だが、インカレの常連になり、ベスト4、日本一を目指すチームになるという着実な一歩は踏み出せた。悲観的になるのではなく、チームとしてこの負けを力に変え、来年のチーム作りに繋げていきたい」と前を見据えた。鈴木日奈子主将は「関東リーグとは違い、負けたら終わりの独特の緊張感があり、みんな全体的に思うように体が動いていなくて、修正できずに試合が終わってしまい、悔しい気持ちでいっぱいです。自分自身も緊張で思うようにプレーできず、相手にも対応できなくて、まだまだやれたと思います」と悔し涙を見せ、後輩たちに対し「今回インカレの緊張感が経験できたことは大きく、来年は今年よりも強くなると思います。今年は浜田に得点源として頼りがちでしたが、全員が点を取れれば、必ずこのピッチに戻ってこられると思うので、田代監督のもとで一生懸命頑張ってほしい」とエールを送った。自身のプロ生活スタートに対し、「どんなプレッシャーに対しても自分の思い描いているプレーが出せる選手になり、きょうのような辛い試合でも最後まで前向きなプレーや声掛けでチームを明るくさせられる人間になりたいです」と抱負を語り、最初で最後のインカレの舞台を後にした。
 
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2020.12.26