●令和2年度「第63回山梨学院高校卒業式」
~卒業生334人が新しいスタートに立つ~
~数多くの大きな軌跡を後輩に残して~
穏やかに晴れわたった令和3年3月1日、隣接する梅の名所『不老園』の梅の花が見頃を迎える中、山梨学院高校「第63回卒業証書授与式」が行われ特進コース、グローバルコース、進学コース合わせて334人の門出を祝福した。式は同校体育館に新型コロナ感染症防止対策のため卒業生、在校生を代表して生徒会、教職員のみが参列。全員がマスク着用、時間短縮で執り行われた。保護者は別室でリモートにより式の模様を見守った。午前10時に吉田正副校長の開式の言葉で始まった。初めに、生徒総代の特進コース・小槙創さんが卒業証書を受け、続いて皆勤賞(17人)、特別表彰(2人・1団体)、外部団体表彰(97人)の賞状が各代表に授与された。山梨学院の名声を高めた者に贈られる特別表彰「創立者古屋賞」は第99回全国高校サッカー選手権の優勝に貢献したサッカー部の熊倉匠主将が受賞した。学校長式辞では山内紀幸校長はこれからの人生で心掛けてもらいたいものとして、「『人を笑う人間になるな。人と笑う人間になれ』。笑い方を変えれば皆さんの人間性はどんどん高まっていきます」と笑い方ひとつで人間性が分かるものと人生訓を卒業生に送った。式を終えた卒業生は、各クラスで最後のクラス会が行われそれぞれに卒業証書が手渡された。数多くの思い出を育み貴重な3年間を過ごした334人は、学び舎から晴れやかに旅立って行った。
■卒業証書・特別表彰・各外部団体表彰授与
令和3年の始まりに第99回全国高校サッカー選手権において山梨学院高校の2度目の優勝は、県民に大きな明るい衝撃を与えた。日ごとに春らしさを感じる季節の変化の中で浮き立つような余韻が残る山梨学院高校で3月1日、令和2年度「第63回卒業証書授与式」が執り行われた。式は午前10時、卒業する3年生334人が体育館に入場した。式は吉田正副校長の開式の言葉で始まり、初めに総代の小槙創さんが壇上に上がり、卒業生を代表して卒業証書を受け取った。続いて皆勤賞17人が一人ひとり紹介され広瀬真菜さんが代表で授与された。続いて部活動などによる活躍による表彰で特別表彰として「創設者古屋賞」に全国高校サッカー選手権で11大会ぶりに2度目の優勝に貢献したサッカー部熊倉匠主将が選ばれた。「創設者古屋賞」は学術、文化、スポーツ等の分野で生徒の模範となる顕著な成果をあげ、山梨学院の名声を高めた者に授与される。また、正課及び課外活動で特にすぐれた実績をあげた個人や団体を表彰する「Students of the Year賞」に男子やり投げで高校歴代10位の記録を出した鈴木凛さん、サッカー部が受賞。外部団体では山梨県私立中学高等学校連盟協会長賞及び県高等学校教育研究会生徒会指導部会会長賞の関口小涼さん、県高等学校野球連盟会長賞の功刀史也さん、県高等学校文化連盟賞を吹奏楽部・田中美羽さんが受賞。他に部活動としてホッケー部、駅伝部、ソフトボール部、テニス部、空手道部など体育局13団体。文化局からは吹奏楽部、放送部、応援部、書道部、将棋部など15団体の計28の外部団体から延べ97人が表彰を受けた。
■学校長式辞・在校生送辞・卒業生答辞
各表彰の紹介、授与後に式辞の挨拶に立った山内紀幸校長は全国高校サッカー選手権に優勝したサッカー部の活躍に触れ、その中で部員の一人が小学生時代に来日したポルトガルのスーパースター・ロナウドにインタビューする機会を得て、たどたどしいポルトガル語で質問した折、居合わせた記者たちに嘲笑され、その心無い笑いからロナウドがかばったエピソードを紹介。その行為に対してニーチェの『笑い方に人間性が出る』という言葉を引いて、「『人を笑う人間になるな。人と笑う人間になれ』。笑い方を変えれば皆さんの人間性はどんどん高まっていきます。『Laugh With』そうすれば皆さんの周りにはたくさんの信頼できる人が集まってきます。そして、あなた自身が信頼され豊かな人生を送ることができます」とこれからの人生に必要となる大事な言葉を送った。在校生を代表して送辞に立った松土千奈生徒会長は初めに先輩たちの部活動での活躍や実績。学業へのひたむきな努力と夢への挑戦に感動したと思い出を綴り、「自ら未来を切り開いていくとする姿は私たち後輩に大いなる刺激を与えてくれました。思い起こせば先輩方は常に私たちがこのようになりたいという目標としての存在でした。そのような先輩方の後を受けてこれからは私たちが山梨学院を引っ張っていく存在とならなくてはなりません。先輩方のように切磋琢磨し、お互いを思いやりながら強い一体感を持って新たな山梨学院高校の未来を築く存在となることを在校生一同ここにお約束します」と先輩に誓った。卒業生を代表して関口小涼前生徒会長は、まずは3年間の学生生活を振り返り後輩への感謝の言葉を述べ、続いて「これからは皆さんが先頭に立って、学校を作り上げていく番です。高校生活は長いようで短くあっという間に過ぎてしまいます。辛いことはたくさんあると思いますが周りには手を差し伸べてくれるたくさんの方々がいることを忘れないでください。そして後悔のないように一日一日を大切にして残りの学校生活を楽しんでください」とエールを送った。さらに「卒業はいつか必ず来ると分かっていましたが今日までの当たり前の日々がもうなくなってしまうと思うと少し寂しく切なく思います。正直に言えばもう少しだけ皆と一緒に過ごしていたい気持ちでいっぱいです。しかし私たちは前に進んでいかなければなりません。進む道はそれぞれ違いますが山梨学院での経験や思い出を胸に進んでいきたいと思います」と言葉を締めくくった。
■校歌斉唱・退場曲「卒業~それぞれの旅立ち」
式の終盤。卒業生の高校生活最後に歌う山梨学院校歌。3年間の思いが走馬灯のように去来する。最後に野球部OBのシンガーソングライターの伸太郎さんが舞台に立った。「卒業おめでとうございます。山梨学院を卒業して28年経ちました。今年度も皆さんに勇気と希望をいただきました。心のワクチンをいただきました。最後にこの卒業式の退場のために作った曲を精一杯歌います」と『卒業~それぞれの旅立ち~』を熱唱。卒業生は学年主任に誘導されそれぞれが思い描く新しい希望の道への一歩を踏み出した。
■式後のインタビュー「創立者古屋賞」熊倉匠、総代・小槙創
式後、創立者古屋賞を受賞した熊倉匠さんは「自分たちが3年間頑張ってきたことを評価していただきうれしいの一言に尽きます。これに満足することなく、もっともっと上を目指さなくてはいけないと思っています。目標としているところはハイレベルなのでそれに向けて頑張っていきたいです」と喜びを語った。卒業生総代を努めた小槙創さんは「緊張しましたけど大きな失敗はなかったので安心しています」。思い出に残ることとしては「友人といろいろな難しい問題について議論し合ったりしたことです」と話し、将来は「工学系で電気とか電子工学の方面に進む予定です」と話し、すでにいくつかの大学から合格の通知を受け、今は第一志望の結果を待っている。
今日の日はゴールではない。
新しいストーリーは、ここから始まる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.3.1