●山梨学院大学・短期大学卒業式
~新型コロナ対策として、学部・学科ごとに実施~
~1074名の卒業生・修了生が学び舎を巣立つ~
2020年度山梨学院大学・短期大学卒業証書授与式、大学院学位授与式、短期大学専攻科修了証書授与式が3月15日に行われ、卒業生・修了生がたくさんの思い出が詰まった学び舎を後にした。一昨年までは、大学・短期大学が合同で卒業式を行っていたが、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大学はゼミごと、短大は学科ごとに実施。今年度は、徹底した感染対策を施した上で、大学・短大がそれぞれ式典を企画し、大学は学部ごとに時間・会場を分けて実施した。今年度3月の卒業生・修了生は大学・大学院821名、短大253名の計1074名。卒業生らは仲間や恩師との別れを惜しみ、学び舎での最後の時間を思い思いに過ごしていた。在学中に顕著な活躍で大学の名声を高めた「創立者古屋賞」には乙黒拓斗選手(法学部:レスリング東京五輪代表内定)と鈴木日奈子選手(経営学部:AC長野パルセイロ・レディース加入)が選ばれた。
2020年度3月の卒業生・修了生は大学法学部220名、経営学部219名、健康栄養学部44名、国際リベラルアーツ学部7名、スポーツ科学部191名、大学院社会科学研究科6名、短大食物栄養科89名、保育科144名、専攻科保育専攻20名の計1074名。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、法学部・経営学部・健康栄養学部・国際リベラルアーツ学部・スポーツ科学部・大学院社会科学研究科・短期大学がそれぞれ卒業証書授与式・学位記授与式・修了証書授与式を時間・会場を分けて実施した。また、感染防止の観点から会場内は卒業生・教職員に限定し、保護者へはオンラインで式典の様子を配信した。式後はゼミや学科ごとに分かれ、担当教員から卒業証書が授与され、思い出話に花を咲かせたり、記念写真を撮るなど時間の許す限り、学び舎での最後の時間を過ごし、別れを惜しんでいた。卒業生らは、コロナ禍にあっても自分の夢に向かい、希望を胸に新たな世界に巣立っていった。
■大学長式辞
古屋光司大学長は「(前略)仕事や人生の目標達成において、楽をしようと思わないでください。人生において苦労や困難を避けて通ることはできません。苦労や困難はみなさんが成長する機会です。目の前の課題から逃げ、楽をしようとすると成長することができずに時間を浪費してしまいます。これからは先行きが不透明な時代で、社会は刻一刻と変化をしています。いままでのやり方や慣例にこだわらず、新しいことへの挑戦や新しいやり方をどんどん試してください。これが若い人たちの使命であり、特権です。先が見えないと安心や安定を求めたくなり、何かにすがりたいという気持ちが出てきます。周りに流されずに自分の軸をしっかり持ち、どんな時代や社会になろうとも変化に対応し、自分のやるべきこと、やりたいことを実現するという強い意志を持ってください。周りの目を気にしすぎることなく、自分の心の声を信じて自分で設定した目標に向かって、一歩一歩成長して欲しいと願っています。皆さんの可能性は無限です。人生の成功はみなさんの中にあり、最大の資産は時間、「若さ」です。時間を無駄にすることなく、一度きりの人生を楽しんで欲しいと願っています」と述べ、社会に旅立つ卒業生にエールを送った。
■短期大学長式辞
遠藤清香短大学長は「みなさんが2年前入学した際に、前学長の山内淳子先生が「実践を貴ぶ」という本学の教育理念についてお話されました。(中略)“実践を通して人々を笑顔にする”これは本学がずっと大切にしてきたことです。現在世界中が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、私たち人類はこれまで経験したことのない課題と向き合っています。食や保育に関わる専門職の方々もそれぞれの現場で自分たちが何をできるかを精一杯考えて日々を過ごしています。(中略)“実践を通して人々を笑顔にする”ということは、いつの時代もどんな状況でもその大切さは普遍的です。10年前の東日本大震災で多くの人が被災した中、食や保育に関わる専門職の実践は人々の生活と幸せを支えました。10年後、どんな未来が待っているか分かりませんが、“実践を通して人々を笑顔にする”ということはきっと変わらず大切にされているだろうと思います。本学でみなさんが学んだ“実践を通して人々を笑顔にする”ということを食や保育の専門職の現場ではもちろんのこと、みなさん一人一人がその人生の中で実行してくださったら、これほど嬉しいことはありません」と卒業生に語り掛け、今後の活躍を祈念した。
■創立者古屋賞
「創立者古屋賞」は当該年度の卒業生のうち、他の学生の範となる顕著な成果をあげ、山梨学院の名声を高めた学生を顕彰する制度で2020年度は乙黒拓斗選手と鈴木日奈子選手の2名が選ばれ、各学部の式典の中で授与された。乙黒選手はレスリング部に所属し、フリースタイル65kg級で2018年の世界選手権で日本最年少優勝記録を樹立。2019年には天皇杯2連覇、2020年のアジア選手権優勝、延期となった東京オリンピックの日本代表に内定している。一方の鈴木選手はサッカー部女子に所属し、2019年の第30回ユニバーシアードに日本代表として出場し準優勝を獲得。2019年は関東大学女子リーグで2部優勝1部昇格に貢献。2020年は主将としてチームをけん引し、関東リーグ1部5位で創部以来初のインカレ出場権を獲得し、WEリーグ参入が決定しているAC長野パルセイロ・レディースへ加入した。(本学女子初のプロ契約)。創立者古屋賞に加え、各式典の中ではスチューデンツオブザイヤー賞の表彰も行われ、3年生以下は別途授与式を実施した。
※2020年度創立者古屋賞・スチューデンツオブザイヤー賞受賞者一覧
式典終了後、乙黒拓斗選手は「4年間通い、授業やスポーツの文武両道ができて良かった。屈辱を味わったこともあったが、コーチや法学部の先生方が救いの手を差し伸べてくれたので卒業することができた。精神的にも競技面でも沢山成長することができた4年間だった。大学4年生の時にオリンピックに出たかったが1年延期になり、次は自衛隊(体育学校)に進むが、“山梨学院大出身者”として優勝できるように頑張りたいです。学生ではなくなるので、(社会人として)自覚を持って、みんなに認められるような選手になりたいと思います」と語り、鈴木日奈子選手は「(創立者古屋賞の)賞状を受け取り、今までやってきたことが認められ、4年間頑張ってやってきて良かったです。入学当初からインカレ出場を目標に掲げてやってきたので、出場権を獲得できた時が一番思い出に残っています。試合に出て結果を残すことが、今まで支えてくれた人への恩返しになると思うので、今まで以上に厳しい戦いになってきますが、一日一日気を抜かず精一杯頑張ります」と語り、両選手ともに新天地での活躍を誓った。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪、今村佳正、藤原稔、Y.Y)
2021.3.15