●世界の扉シリーズ①
~人気旅行作家・吉田友和さんトークショー~
~「一番に出会う旅」と題し旅行の魅力紹介~
山梨学院大学国際交流センターは4月14日、海外や異文化について「知る!」「感じる!」「考える!」をテーマにした、世界の扉シリーズをスタートさせた。第1弾は、これまでに世界約90か国を訪問し、雑誌やWEBメディアへの寄稿、記事監修のほか、編集者として旅行ガイドの制作なども手がける人気旅行作家の吉田友和さんが講師を務めるトークショーを開催。吉田さんは、「一番に出会う旅」と題し、これまで訪問してきた世界の国々の魅力や旅の面白さについてテーマごとに解説。吉田さんは「私は、自分にとっての一番を追い求めて旅行をしています。一番は旅行をし続けるたびに更新され、次の旅をするモチベーションにもなり、一番を探す中で現地の人との交流や学べることも多いです。一つの旅のテーマとして“一番を探す”ということを提案したいと思います」と述べ、新しい旅の魅力やカタチについて学生らに紹介した。
山学大国際交流センターでは、国際感覚やグロバールな視野の醸成、国際化適応力の育成を目的に2019年度から各国大使による講演会や国際交流イベントを積極的に開催し、「全学的国際化」に向けた様々な施策を実施している。2021年度からは海外や異文化について理解を深める「世界の扉シリーズ」をスタート。第1弾の開催に先立ち秋田辰巳国際担当学長代理は「新型コロナウイルスの影響で海外旅行は難しくなっていますが、きょうのテーマは旅です。日本語の「旅」という漢字のルーツは諸説ありますが、“軍隊が大勢で移動する”これが旅という字の始まりです。現代の世の中に定義づけするために、国語辞典を調べてみると(前略)・・・毎日の生活から一定期間離れ、他の土地で非日常的な生活を送ること・・・(後略)とされています。きょうは吉田流の旅について楽しいお話が聞けると思いますので、是非お楽しみください」と挨拶した。
講師を務めた吉田友和さんは1976年千葉県生まれ。これまでに世界約90か国を訪問。旅先からリアルタイムに更新し続け話題になった旅行記サイトが書籍化され、『世界一周デート』(幻冬舎文庫)で作家デビュー。その後夫婦でまとめた世界一周旅行ガイド『してみたい!世界一周』(情報センター出版局)、会社員生活の中での海外旅行体験をつづった『仕事が忙しいあなたのための週末海外!』(情報センター出版局)が大きな反響を呼び、旅行作家としての活動を本格的に始める。雑誌やWEBメディアへの寄稿および記事監修のほか、編集者として旅行ガイドの制作なども手がけている。
吉田さんは、学生らを前に旅行作家になった経緯や仕事の方法、書籍化までの流れについて3度の世界一周旅行を例に説明。その上で「一番に出会う旅」と題し、「一番美味しい国」「一番高い国」「一番真面目な国」「一番幸せな国」「一番買った国」などテーマごとにこれまで訪れた国の魅力や面白さを解説した。初めて海外旅行で訪問したタイでは、入国時の思い出や一番印象に残っている料理などを写真で紹介。吉田さんは「タイは海外旅行の入門に最適な国だと思います。観光できる場所も多く、文化・歴史も学べ、料理も美味しく、適度な刺激もあります。治安についても注意しなければいけない部分もあり、海外旅行のイロハを学べると思います」とコメントした。また、旅行作家の視点からお国柄(人間性)について振り返り「ドイツのような真面目な国は、ネタを探しづらいため、記事として書きにくく、ツッコミどころがある国の方が文章として表現する時には楽です。ハプニングが多い国の方が、書き手としては書きやすく、きっちり真面目な国はツッコむ余地が少なくネタ探しに苦労します」と旅行作家ならではの楽しむ以外の旅の苦労を語った。結びとして「私は、自分にとっての一番を追い求めて旅行をしています。一番は旅行をし続けるたびに更新され、次の旅をするモチベーションにもなり、一番を探す中で現地の人との交流や風景を見たり、学べることも多いです。一つの旅のテーマとして“一番を探す”ということを提案したいと思います」と述べ、新しい旅の魅力やカタチについて学生らに語り掛けた。
トークショーの最後の質問コーナーでは、学生から海外旅行をする上での言葉の壁について問われ、吉田さんは「英語は得意ではありませんが、語学力とコミュニケーション力は別だと思っています。外国語の単語や文法を知らなくてもコミュニケーションを図る意思があれば、意外と通じると思います。政治の話や難しい専門的な話は無理ですが、旅行をしている局面においては、そんなに苦労したことはありません。相手の懐に入り込んで相手と話をして、お互いを理解しようとすると通じる部分があります」と答え、学生の不安を解消していた。
山学大国際交流センターでは、2021年度も様々な交際交流イベントを企画しており、今月16日にはヨルダン駐日大使によるトークショーやヨルダンの難民をテーマとしたドキュメンタリー映画の上映などを予定している。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2021.4.14