●関甲新学生野球春季1部リーグ戦・第3節1戦目
~第1・2節惜敗で苦しむも投打が噛み合い勝利~
~上位進出には明日の2戦目の勝利が鍵~
4月7日に開幕した令和3年度「関甲新学生野球春季1部リーグ戦」。山梨学院大は4月18日、第3節1戦目を栃木県小山市・白鷗大学野球場で作新学院大と対戦した。昨年は新型コロナウイルス対策により春季リーグは中止になり、秋季リーグのみの大会開催になった。優勝候補の一角と見られていた山梨学院大は、大会運営の変更により微妙な差で上位チームに残れず総合順位5位に甘んじた。今回は1部リーグ8大学による2回戦総当たり。勝率で順位を決定する。雪辱を晴らすべく新たな気持ちで春季リーグ戦に臨んだ山梨学院はこれまで第1節新潟医療福祉大学を相手に1勝1敗。第2節白鷗大学に2敗し1勝3敗となった。想定外の3敗を喫したがすべて1点差での惜敗。上位進出に後がなくなった中、チームが奮起した。試合は、先攻の山学大が1回に先制。2回にも3番島村功記が走者一掃の適時二塁打を放ち5-0と序盤で主導権を握った。先発した岩佐嵐投手は、本塁打を被弾するなど3点を失ったが持ち前のコントロールを主体にした粘投で味方打線の奮起を待った。8回に再び打線が繋がり3点を加え作新学院を抑えた。これで2勝3敗。明日の2戦目を確かなものし、第4節宿敵上武大との対戦に雌雄を決する。
■昨年秋季リーグは優勝候補の一角と目されるもー
昨年はコロナ禍における自粛措置で春季リーグ戦は中止となり、無観客で行われた秋季リーグでは8大学をAB2ブロック4大学ずつに分けて行われ、それぞれの上位2大学が戦うチャンピオンシップラウンドに進むが、山梨学院のブロックではファーストラウンドで3大学が同率1位。得失点差で3位となりチャンピオンシップの優勝争いには加われず総合順位は5位と終わった。優勝候補の一角と見られていただけに結果は残念なものとなった。すべての試合終了後、須田喜照監督は「本当に強いというゲームもしましたし、一つ歯車が合わないと情けない試合をしてしまう。強いのか弱いのか。波がある感じですね。個人の力もそうですがチームの力もその辺をなくしていかないと優勝というのは見えてこないですね」と大会を振り返った。「リーグ戦を経験した3年生、2年生もたくさんいるのでしっかり来年に繫げて、優勝する力はあると思うので練習でしっかり自信を持って厳しい戦いの中で勝ちゲームはしっかり勝ち取るという底力を付けていきたい」と語っていた。
■新チームでジャンプアップを目指してリーグ戦に臨むもー
今年の春季1部リーグ大会運営は、8大学による2回戦総当たり。勝率で順位を決定する。1部リーグ参加校は、上武大学、白鷗大学、平成国際大学、新潟医療福祉大学、山梨学院大学、関東学院大学、作新学院大学、2部から昇格した松本大学の8大学。4月7日開幕したリーグ戦第1節。山梨学院大学は新潟医療福祉大学と対戦した。1戦目1-2と初戦を落としたが2戦目は7-4と勝利し1勝1敗。第2節では優勝候補の白鷗大と対戦。昨年Aブロック1位通過目前のファーストラウンド最終戦。白鷗大との対戦でまさかの大量失点で敗れ3大学同率となり山梨学院は得失点差で3位に沈む苦い思いを残した。新チームでリーグ優勝と昨年の借りを返すべく臨んだ1戦目は、岩佐嵐(4年・徳島商)投手が粘りのピッチングを見せたが、打線の援護がなく延長11回0―1で敗れた。2戦目は山梨学院高出身の中込陽翔(2年)が素晴らしいピッチングで相手打線を抑え、初回の1点のリードを8回裏二死までほぼ完璧に守って来たものの、次の8番打者に本塁打で同点に追いつかれ、その後延長の12回裏力尽き逆転サヨナラ負けを喫した。1―2と惜しい2連敗。通算1勝3敗となり上位に残るためには残り5節。後がなくなった。今季山梨学院が掲げるテーマは「1点を守り切る守備」「1点を取り切る攻撃」。肝に銘じ実践あるのみ。
■第2節までの悪い流れを一蹴。作新大に勝利ー
第3節は作新学院大学との対戦。4月17日に予定行われる予定の1戦目は降雨のために順延となり、翌18日仕切り直しが行われた。会場の栃木県小山市・白鷗大学野球場は晴れるも風が強い一日となった。2試合目に組まれた試合は午後2時11分、山梨学院の先攻で始まった。1回表二死2塁後、4番藤田直仁(4年 川島高)がライト線へ適時二塁打で1点を先制した。2回表には、先頭の6番小関龍王(4年 日大明誠高)の投手強襲安打、続く7番宮崎一樹(2年 山梨学院高)が三塁の横を痛烈に破る二塁打で無死三塁・二塁。その後二死になるも、1番長尾康太郎主将(4年 千葉英和高)が二塁内野打で三塁走者が生還、1点を加えた。再び二死満塁で3番島村功記(4年 高岡商業高)が初球を狙いすまし走者一掃の左中間へ適時二塁打を放ち3点を重ね5-0とリードした。山梨学院先発は3度目の登板になるエース岩佐嵐(4年 徳島商業高)。岩佐は1回裏を三者凡退の上々の立ち上がり。2回には先頭打者に安打を許すも牽制死と後続を二者三振に仕留めた。続く3回裏には、先頭打者に左中間三塁打を決められ次打者の内野ゴロの間に1点を献上した。二死後から二者にストライクを狙われ三塁・二塁と攻められるが後続をきっちり抑えた。5回裏には先頭打者に低めの3球目を左翼越えに運ばれた。山梨学院の攻撃は5回表、3番、4番が死球で続けて塁に出ると5番辻真一郎(2年 甲府工業高)がすかさず投手前に犠打を決め三塁・二塁に進めた。6番の小関も四球を選び一死満塁の得点機に。後続が打ち取られ無得点。6回表には再び四球で無死二塁・一塁。2番高橋泰雅(4年 城西大附属高)の3球目を捕手逸で三塁・二塁と走者進塁。一死後、3番島村の中前適時打で1点を加え6-2とリードを広げた。地元栃木の意地を見せる作新大もその裏一死後、四球と次打者が左中間に適時三塁打で得点を加え追走するも、山梨学院は8回裏、粘り強く好投する岩佐投手のため一死後、1番長尾主将が執念のバント安打で出塁すると盗塁で相手投手を揺さぶり、2番高橋が四球、3番島村がこの試合3本目の猛打で一死満塁と塁を埋めた。二死満塁後、途中出場の5番小澤陸(3年 山梨学院高)が右翼適時打で1点。続く6番小関、7番宮崎が四球を選び押し出しで2点を加え9-3とし勝利を確実にした。最終9回裏、作新学院の攻撃も岩佐の巧みな投球で抑えた。155球の粘投が報われ、ようやく投打の噛み合った勝利となった。
■《第3節1戦目 4月18日 栃木県小山市・白鷗大学野球場》
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院大学 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 9 |
作新学院大学 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 |
山梨学院大 バッテリー:岩佐嵐(投手) ー (捕手)小谷田崇志
〔投手〕岩佐(勝利投手):投球回数9回、投球数155、打者33、安打6、本塁打1、四球3、死球1、三振9、失点3・自責点3
〔打撃〕安打10(二塁打:藤田、宮崎、島村)、四球9、死球2、三振12
〔交代〕辻(三)→小澤 菅原元気(一)→岸本→丹羽 宮崎(中)→松尾 島村(左)→吉田大
■試合後のインタビュー
試合後、須田喜照監督は「今日は初回に1点と2回の島村の一打が大きかったです。リーグ戦なのでチャンスの時に取れるときに1点でもどんな形でも9点入ったことはチームにとっていいことなので相手の四球に絡みながら島村が良いところで打ってくれたり途中から入った小澤がライト前に打ったことは大きいことですし、次に繋がる試合だったですね。優勝するためには明日連勝して上武戦という流れで行かないと上が見えてこないので明日はいい意味で切り替えて臨みたいですね」と光明を感じていた。長尾康太郎主将は「勝ち切れなかった試合が多くて、今日は自分たちの試合がいい感じで運べたと思います。なかなか詰め切れないことがあって、それがこれからの課題でもあるので突き詰めていきたいなと思います。もう勝つしかないのでどんな形であれ1点差であれ勝たなければと思っているので勝ちに向かっていくだけです」と話した。3打数3安打4打点の活躍で勝利に貢献した島村功記選手は「負けた試合も岩佐、中込が良いピッチングをしていた時にバッター陣が不甲斐ない成績だったので今日はバッターがピッチャーを手助けしようと試合に入ったので良い勝ち方ができました」と今日の試合への意気込みを話し、好調なバッティングについては、「いい感じで自分のポイントで打てたのとボールの見え方も良かったので調子も上がってきたのかなと思います。まずは明日の試合に勝ち切って次の試合の上武に勝っていきたい」と気を引き締めていた。好投した岩佐嵐投手は「登板日がずれたこともあって体の感覚も土曜日に合わせている分、難しい部分もあったですけどキャッチャーの小谷田のリードもあって緩急であったり横系であったりコントロールで調子が悪くても自分らしい安定性あるピッチングができたかなと思います」と投球を振り返った。これからの試合については「ここ数試合噛み合っていなかったことが多かったですけど今日はしっかり打者の援護もあって噛み合ってきた形になったので自分が失点を減らしてもっと余裕のある試合になっていったらなあと思っているので徐々に上がってきているので次は上武戦なので大変ですけど、明日に2タテすることが前提なのでしっかり勝って上武戦に向かいたいと思います」と前を向いた。
第3節2戦目は明日4月19日午前10時より同野球場で行われる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.4.18