●関甲新学生野球春季1部リーグ第3節2戦目
~山学大、作新大に2連勝で優勝争いに望み~
~出足の出遅れを払拭。次節への進撃が始まる~
令和3年度「関甲新学生野球春季1部リーグ戦」第3節2戦目。1戦目の順延を受けて4月19日、山梨学院大は2戦目を栃木県小山市白鷗大学野球場で作新学院大と対戦した。第1節、2戦目を終えて1勝3敗と敗戦すべてが1点差で敗れ、決定打に欠け競い負けした。昨日行われた1戦目でようやく打線が目覚め、9―3で快勝。投げては勝ちに恵まれなかった岩佐嵐投手(4年 徳島商高)がこの試合でも好投し初勝利を挙げた。山梨学院は2戦連勝しなければ上位争いに絡めない崖っぷちに立たされ試合に臨んだ。試合は午前10時に始まった。山梨学院は後攻め。先発は第2節2戦目、白鷗大との対戦で延長12回を投げ切り負けを記録したものの、大きく成長した姿を見せつけた中込陽翔(2年 山梨学院高)がマウンドに上がった。1回・2回表を無難に切り抜けたその裏、山梨学院の攻撃は2安打と四球で一死満塁の場面で8番小谷田崇志(4年 帝京第三高)の先制安打と犠飛で2点。続く長尾康太郎主将(4年 千葉英和高)の2点右中間適時二塁打で打線が繋がり4点を奪い試合の主導権を握った。打線はその後も得点機を作るも、要所で相手投手を崩せず、ゼロが並んだ。一方の作新学院大は、3回表に山学の守りのミスで2点。6回にも1点を加えて4-3と追いすがったが、中込投手はピンチにも落ち着いて対処。9回表にも走者を出したものの、しっかり後続を断って試合を締めた。次節の第4節に強豪上武大との対戦の結果が優勝争いに加われるか如何の試金石となる。
■出足の出遅れを払拭。一縷の希望が見えたー
4月19日、雲一つなく晴れあがった白鷗大学野球場に山梨学院大野球部員の歓声が一瞬漏れた。関甲新学生野球春季1部リーグ第3節2戦目が山梨学院大と作新学院大との間で行われ、試合終了とともに勝利した山梨学院部員が思わず発してしまった声だった。これまでの試合経過は苦しいものだった。迎えた第3節で連勝しなければ第4節に立ち向かう連勝中の上武大への挑戦する重みが減少してしまうのだ。そのために山梨学院はどうしても勝たねばならなかった。
■序盤の先制を投手の2本柱の一角、中込が守り切ったー
午前10時、アンパイアのプレイボールの声がかかった。後攻の山梨学院は第1節の新潟医療福祉大学、第2節の白鷗大学に好投してきた中込陽翔がマウンドに上がった。1回表、2回表と安定感ある投球で無難に立ち上がった。2回裏には味方打線が繋がりを見せ、先頭の4番藤田直仁(4年 川島高)、5番小澤陸(3年 山梨学院高)の連続安打、一死後、7番宮崎一樹(2年 山梨学院高)が四球を選び満塁にすると8番小谷田崇志がしぶとく右翼前適時打を放ち1点を先制した。続く9番飯塚大河(2年 山梨学院高)がきっちり中犠飛を決め1点を追加した。なおも二死二塁・一塁に長尾康太郎主将は6球目を右中間へ2点適時打を打って4-0と序盤にリードする。しかし、3回表作新大は二死後に山梨学院内野の失策と次打者の中前適時打で1点を返した。さらに内野の失策が続き1点を追加され4-2となった。突き放したい山梨学院はその裏、満塁のチャンスを作るも無得点に終わった。作新大は6回にも四球で出塁した先頭打者が一死後に盗塁で2塁に進塁。二死後、強烈なピッチャー返しを中込が弾いたボールが左翼付近に転がった間に走者が生還。4-3と1点差に迫った。それでも中込は冷静に投球を組み立て味方の援護を待ったが3回以降、打線が繋がらず1点が遠かった。終盤の8回表にもピンチが襲った。先頭打者を安打で出塁させると一死二塁で四球を与え二塁・一塁と走者を背負った。次打者の投ゴロで二死三塁・二塁。一打逆転のピンチにそれでも中込は気迫の投球で打者を捕邪飛に仕留め得点を許さなかった。9回も二死から一人の走者を出したが後続を三邪飛で打ち取り試合終了。1点差の虎の子を守り抜いた。
■《第3節2戦目 4月19日 栃木県小山市・白鷗大学野球場》
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
作新学院大学 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 |
山梨学院大学 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 4 |
山梨学院大 バッテリー:中込陽翔(投手) ー (捕手)小谷田崇志
〔投手〕中込(勝利投手):投球回数9回、投球数127、打者37、安打7、四球3、
三振7、失点3・自責点1
〔打撃〕安打9(二塁打:長尾、島村)、四球3、死球2、三振2
〔交代〕宮崎(中)→杉村
■試合後のインタビュー
須田喜照監督は今日の試合を「中込がうちのエラーがありながらも結局完投してくれましたから、だいぶ自信を持って投げているし、今日の勝利は中込が粘り強く投げてくれたことですね」と1点を守り切った投手を称えた。「次の上武大戦。ここで連勝しないと優勝は見えてこないし、連勝すれば見えてくるというところなので、うちとしては勝負所と思っています」と指揮官は正念場に向かって気を引き締める。今季2本柱のひとりとして先発を任されている中込陽翔投手は「もともと調子があまりよくなかったところで何とか粘っていこうと思って、少しエラーが出てしまったですけど4点取ってもらったのが大きかったので楽な気持ちで投げられました。上武大を倒すことは難しいことですけど、それができたら本当に上に行けると思うのでしっかり自分のピッチングをしてなるべくゼロで抑え込んで勝ちたいです」と次の勝利に意欲を示した。投手の好投を引き出して女房役として選手に信頼が厚い小谷田崇志捕手は「最近点が取れていないというのが現状でピッチャーを助けられていなかったので何とか1点を。後に繋ごうと打席に入りました」と話し、この試合で先制打を打ち、チームを盛り上げた。また、投手の好投を引き出していることについて「打たせたい時や三振を狙いに行く時には狙ったとか、意図をはっきりさせるために試合前に投手と話し合っていたので、狙い通りに投げてくれたので抑えられたのだと思います」とバッテリー間の信頼が好投に繋がっているという。2回裏に決勝点となった2点二塁打を打った長尾康太郎主将は「だんだんと自分の形で振れてきていると感じていて、もう少し調整すれば上がっていく感触があります」と頼もしい。これからの試合については「前半戦苦しい試合が続いたので、もう自分たちは挑戦者という気持ちで食らい付いて行くだけなので何としても勝って上位に行けるように、優勝という最終目的にたどり着けたら」とこの2連勝をきっかけに前へ躍動することを誓う。
次節上武大学との対戦は、4月24日・25日の両日、上武大学野球場で行われる。
(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.4.19