●2021年度「フルーツ大使」委嘱式
~山学大健康栄養学部の学生がフルーツ大使就任~
~名刺やSNSを活用して山梨の果樹の魅力発信~
山梨県農政部や八代地区都市農村交流推進協議会が推進する「フルーツ大使」に山梨学院大学健康栄養学部の学生73人が就任し、5月6日に委嘱式が行われた。八代地区都市農村交流推進協議会は笛吹市八代地区の農家を中心に構成され、山梨県農政部と連携し、山梨県の特産であるフルーツの生産・消費向上を目的に2013年度からフルーツ大使のプロジェクトを行っている。例年健康栄養学部の1年生がフルーツ大使に委嘱され、ブドウやモモに関する知識の習得や農業体験、研修等を行い、県内の地域農産物の理解や課題の認識に努めている。さらに、名刺やSNSなどを活用し、日々の生活の中でも山梨のフルーツの魅力発信も行っている。これまでで累計300人を超える学生がフルーツ大使として活動してきたが2020年度は新型コロナウイルスの影響により活動を休止。2021年度は2年ぶりに活動を再開し、今年度の1年生に加え、昨年度活動ができなかった2年生もフルーツ大使に委嘱され、活動をスタートさせた。
フルーツ大使の活動は2013年度からはじまり、これまでフルーツ大使に委嘱された学生が果樹農家での圃場実習や販売実習、レシピ開発などに取り組み、フルーツの消費拡大や魅力発信を行ってきた。2020年度は新型コロナウイルスの影響により活動ができなかったものの、2021年度は2年ぶりに活動を再開し、1年生40人と2年生33人がフルーツ大使に委嘱された。この日行われた委嘱式は、新型コロナウイルス感染対策として最少人数で実施され、健康栄養学部の名取貴光副学部長、代表学生6人、山梨県農政部、八代地区都市農村交流推進協議会の関係者らが出席した。
委嘱式では代表学生一人一人に委嘱状が手渡され、フルーツ大使としての名刺も配付。名刺には、シャインマスカットやゴルビー、大石早生、ちよひめなど山梨特産のフルーツの品種名が各自の名前のミドルネームとして記され、裏面にはそのフルーツの説明が写真とともに添えられている。山梨県農政部の千野正章副主幹は「近年フルーツの消費量が全国的に年々落ち込んでいます。私たちはそのことに強い危機感を感じており、再び消費量を拡大したいという想いからこの取り組みは始まりました。フルーツ大使は今までとは違ったアプローチをしようと考えられたもので、全国的に見ても他にないユニークなものだと思っています。学生の皆さんにはフルーツ大使であるという誇りをもって取り組み、この名刺をどんどん活用して、山梨県のフルーツについて広めてほしいと思います」と挨拶した。また、フルーツ大使の活動を中心として支える八代地区都市農村交流推進協議会の風間博文代表は「2013年度からの活動の中で、地域を盛り上げていこうという取り組みを中心に、フルーツ大使の皆さんと地域の食材を使ったレシピの開発など様々なことを考えて取り組んできました。一方で、山梨といえば果物と言っていただくものの、果物の育て方についてはあまり理解されていないのが現状であると感じています。このフルーツ大使の活動を通して、どのように果物ができるのかということを皆さんと共有していきたいと考えています。4年間の学生生活の中で一生懸命取り組んだ経験は、必ず皆さんの将来のためになるはずです」と学生に語り掛けた。
学生を代表して深澤花衣さん(健康栄養学部1年)は「フルーツ大使の活動は山梨の果樹について知るだけでなく、実際の農業の現場や農家の皆さんが日々どんな気持ちで育てているのかを知るきっかけになると思います。この活動を通して多くの人に山梨の果樹について知ってもらえるよう取り組みたいです」と意気込みを語った。また、今回の活動について健康栄養学部の名取貴光副学部長は「学生には山梨のフルーツをまずは自分自身で知ってもらい、さらにそれを周りの人につなげていくことで、フルーツ大使としての活動がとても広がりを持つと考えています。また、地域農産物を知るだけでなく、地域農産物(農家や農業)が抱える問題や課題を理解し、解決していくことが将来の管理栄養士という職にも生きてくるはずです。さらに、山梨には果樹だけではなく、魚や肉、きのこなど様々な農産物があり、それらを知るきっかけにもなると思います」と活動の意義を話し、「活動の中には山梨県内の果樹園で行う圃場実習や後期には基礎演習Ⅱの授業と連携をとり、『地域農産物の現状に関する実態調査』として、農家の方の食事調査や直売所にくる方への農産物の紹介、フルーツを使ったレシピ作成など大学の授業では得られない実践的な調査・研究を行う予定となっています。これらの活動を通じて今後の学びや職に活かしてほしいと考えています」と述べ、産学連携による大学授業への還元や専門知識の醸成に期待を寄せた。
文(R.Y)、カメラ(平川大雪)2021.5.7