山梨学院広報課

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●山学高ラグビー部復活。初陣飾る準優勝の快挙
~決勝で王者日川高に敗れるも2トライと善戦~
~始動3ヶ月、チームに潜在能力の高さを見る~

「第8回全国高等学校7人制(セブンズ)ラグビーフットボール大会山梨県予選」が6月19日、南アルプス市御勅使南公園ラグビー場で行われた。山梨学院高校は昨年、ラグビー部復活を発表。大学ラグビー部との高大連携で競技力を上げ、“花園”常連校の日川高校を破ることを目標に4月に始動した。この日は、2006年の休部以来、15年ぶりに復活した1年生だけの新生ラグビー部公式戦の初陣。第1戦目、対戦するのは都留興譲館高校。前半、前半開始早々、山梨学院セブンズの選手が躍動した。#11芦澤涼介が右サイドを駆け抜け中央にトライで先制すると、1分後に#6初鹿野遙帆、続けて4分後、#8加藤賢正暫定主将が得点を重ね19-0で折り返す。後半にも加藤、#10松原健斗がトライを奪い、相手に隙を与えず33-0の完勝。初戦を勝利で飾った。2戦目準決勝は、富士河口湖高校との対戦となった。前半は相手の攻撃が勝り0-10でリードを許すも、山梨学院は気持ちを切らさず走り回り反撃。21-0と相手を寄せ付けず21-10で勝利し日川高校との決勝戦に進んだ。前半、フィジカルで勝る日川高のディフェンスのプレッシャーやスピード、テクニックに圧倒され0-36で折り返すと、後半、山梨学院も随所で好機をつくり反撃。2トライを返し健闘した。14-58と現在の力の差はぬぐえず王者に屈したものの、初陣に準優勝の快挙を成し遂げ、目標に向かい歩み出した。

■復活!山梨学院高校ラグビー部 目指せ花園
山梨学院高校ラグビー部がこの4月から正式に復活した。1983年に創部したラグビー部は2006年に部員減少のために休部に追い込まれた。かつて県内高校に30校近くあったラグビー部が、近年は9校(山梨学院高含む)と低迷している。山梨学院は、県内の有望な中学生が県外の強豪校へ流失している現状を阻止したいという思いから、練習環境が整っている部を創設することでラグビーを志す生徒を後押しし、県全体のレベルの底上げを図る。指導には元県ラグビー協会強化委員長、元国体成年男子監督・古屋勇紀監督を招聘しラグビー部を復活させた。創部に関しては、日本代表やトップリーグで活躍する選手を多く輩出し、現在、関東大学ラグビーリーグ2部に所属し1部に返り咲きを狙う山梨学院大学大学ラグビー部の存在が大きく、高大連携していくことで効果的な強化育成を目的にする。元日本代表の梶原宏之同大監督が高校総監督を務め、元トップリーガーらが指導に加わり、施設や合同練習など含めた教育資源を活用する練習環境が充実している。山梨学院高の新入部員は、県内や県外、留学生2人を含めた男子25人、女子2人、マネージャー2人の29人。今後、男子は全国高校大会県予選で15連覇中と不動の地位を誇る日川高校の大きな壁を打破し高校生ラガーの聖地・花園(全国大会出場)を目指す。

■初陣!山梨学院高校ラガーマン颯爽と御勅使南公園ラグビー場に登場
午前10時45分。山梨学院高ラグビー部セブンズ(7人)は、御勅使南公園ラグビー場の緑のグラウンドに立った。7人制ラグビーは15人制ラグビーとルールの違いはほとんどないが、スクラムを組むフォワードは8人に対して3人。バックスは7人に対して4人で同じグラウンドで試合を行うため、人数が少ない分多くの運動量を求められ、7分ハーフと短い時間内でスピーディな試合展開が繰り広げられる。記念すべき公式戦の初戦の対戦相手は都留興譲館。かつて日川高校ラグビー部と山梨県王者の覇権を争った桂高校と谷村工業高校が統合された高校だ。試合前、円陣を組んだ山梨学院・古屋勇紀監督は「14分間走り続け自分の役割を見つけろ」と声を掛け選手を送り出した。山梨学院高のキックオフで始まった。前半開始早々、相手ボールを奪うと#15平塚優斗からパスを受けた#11芦澤涼介が右サイドを駆け抜け中央にトライで先制すると、その1分後に#6初鹿野遙帆が続けてトライを奪う。相手の攻撃にプレッシャーを与え、チャンスをつぶす。4分後、#8加藤賢正暫定主将が右サイドを60メートル近く独走し得点を重ね19-0で折り返す。後半にも果敢なタックルによるプレッシャーやパワープレーも決まり優位に立った。攻撃では初めに加藤、終了間際にも#7程原壱茶からのパスを#10松原健斗が中央を突破しトライを奪った。初陣初戦ながら相手に隙を与えず33-0で完勝した。

■山梨学院セブンズスターティングメンバー
#2小俣颯舞、#6初鹿野遙帆、#7程原壱茶、#8加藤賢正、#10松原健斗、
#11芦澤涼介、15平塚優斗 登録メンバー全12人

◆《山梨学院高校結果 初戦》

第8回全国高等学校7人制(セブンズ)ラグビーフットボール大会山梨県予選
《山梨学院高VS都留興譲館高》6/19 御勅使南公園ラグビー場
○ 山梨学院高 33 前半 19-0
後半 14-0
0 都留興譲館高 ●
山梨学院トライ=芦澤涼介、初鹿野遙帆、加藤賢正2、松原健斗 
ゴールキック=平塚優斗4

試合前、初陣ですが全部勝つ気で優勝を狙うとグラウンドに立った加藤賢正暫定主将は「トライもたくさんできたし、走り負けていなかった。最初にしてはいいゲームができた」と手応えを口にした。先制トライを挙げた芦澤涼介選手は「初めての公式戦で自分のスピードを活かしてトライが取れてとてもうれしい」と初々しく話した。古屋勇紀監督は「勝ちましたけど課題は簡単に反則をしてしまうところ。次の試合で改善しないといけないですね」と気を引き締めた。

■準決勝戦 東海大甲府高校との対戦で同点による抽選で勝ち上がった富士河口湖高校
前半開始2分、富士河口湖高に先制され、その後、モールから奪ったボールや相手のミスから生まれたチャンスを逃し膠着状態が続いた残り1分、ゴールライン近くまで攻め込まれた。必死に阻止するもライン5m付近でかわされトライを許し前半を0-10で終えた。2分のハーフタイムで体制を立て直すと後半、相手ラインアウトからボールを奪いスクラムから出されたボールを#6初鹿野遙帆が決めて5点差に迫り、ゴールキック(コンバージョンゴール)も決まり3点差となった。2分後には#10松原健斗から#11芦澤の流れで得点を加え逆転した。富士河口湖高も黙ってはいない。シンビン(反則)で一人少なくなった山梨学院を激しく攻め立てるも必死のタックルで防御。得点を許さない。目まぐるしく攻守が代わる展開に終了間際、スクラムから出されたボールを再び#11芦澤がトップスピードで相手を振り切りトライ。21-10で逆転勝利。初出場で決勝に進んだ。

◆《山梨学院高校結果 準決勝 VS富士河口湖高校》

○ 山梨学院高 21 前半 0-10
後半 21-0
10 富士河口湖高 ●
山梨学院トライ=初鹿野遙帆、芦澤涼介2
ゴールキック=平澤優斗3

※スターティングメンバーは同じ
加藤主将は「最後まで諦めずにみんなが付いてきてくれたのが大きく、キャプテンとして本当にうれしいです」。日川高との決勝戦については、「相手が3年生だろうが2年生だろうが関係ないので自分たちのできる限りのプレーをして走りきり勝ちきりたい」と力強く語った。

■決勝戦 王者・日川高校に胸を借りる 
決勝戦は“打倒日川”に燃える山梨学院の大きな壁であり目標。雨が降り出し、日川高のキックオフで試合が開始された。日川は開始早々奪ったボールを左に展開、速攻でトライを決めた。相手ディフェンスの強いタックルのプレッシャーで前に進めない山梨学院を尻目に日川は華麗なステップワーク、パス回しと変幻自在の攻撃を続け、前半を0-36で終了。後半立て直しを図りたい山梨学院は、フィジカルで勝る日川に挑戦者として必死に食らいつき随所でチャンスをつくり反撃の機会を狙った。山梨学院の攻撃。ボールを受けた#15平塚優斗がフェイントで相手ディフェンスをかわし、ようやく得点を返した。自らのゴールキックも決まった。その後は、立て続けに2トライを加えられ日川のうまさが光るも、山梨学院の主将・加藤が意地を見せ1トライを返した。終了間際にも1トライを奪われたが、後半は14-22と健闘。現時点での力の差は歴然としていることを見せつけられたが、準優勝という結果は今後、日川高校を脅かす存在となることを予感させた。

◆《山梨学院高校結果 決勝戦 VS日川高校》

● 山梨学院高 14 前半 0-36
後半 14-22
58 日川高 ○
山梨学院トライ=平塚優斗、加藤賢正
ゴールキック=平塚優斗2

※スターティングメンバーは同じ
大会を終え、加藤賢正主将は「負けたのは悔しいです。決勝までいき準優勝はいい経験になりました。次の花園予選では絶対勝つというつもりで今後頑張っていきたい」と胸を張った。古屋勇紀監督は「今回は、初めての経験ばかり新鮮でしたけど、セブンズ対策ということで練習してきました。その延長線上にある15人制を常に意識してきたのでそれに繋がればと考えています。1年生はまだ身体も小さいのでまずは身体を大きくして強いコンタクトと走りきれるラグビーの魅力を見せられればいいなと思っています。最終的にはどこかのタイミングで花園に出場したいと考えています」と今大会を通過点とし、先を見据える。

初陣ながら溌剌としたプレーを随所に見せた山梨学院高ラグビー部。潜在能力の高さを感じさせた。近い将来、高校ラグビーの聖地・花園に縦横無尽に走るチームの姿を思い浮かべる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.6.20