●第40回全日本大学ホッケー王座決定戦 準決勝
~男女揃って決勝へ。女子は5年ぶりの優勝へ~
~男子は前回王者を粉砕、15年ぶりの頂点へ~
【第40回全日本大学ホッケー王座決定戦男女揃って決勝戦】
7月8日開幕した2021年度「第40回全日本大学ホッケー王座決定戦」男女準決勝が7月10日、立命館OICフィールドで行われた。昨年、新型コロナウイルス感染防止のため中止になった大会は今回、無観客試合で2年ぶりに実施された。北海道、北信越、関東、東海、関西から男女12校が出場し、大学王座を懸けて熱戦が繰り広げられてきた。山梨学院大女子は、第2シードとして2回戦準々決勝から登場。9日、関西学院大に6-0で順当に勝ち、10日の準決勝では、第3シードの強豪東海学院大と対戦。前半やや相手に押され気味の0-0の展開に第3Q終了直前、PCから尾本桃子がゴールを決め先制。第4Qに入ると目を覚ました山学女子は3分、高島瑠唯(4年)、5分、水谷美稀(4年)が続けてFGを決め優位になると終了のホーンが鳴る中、主将の小林久留海(4年)がFGを決め4-0で勝利。2020年中止を挟んで3年連続決勝に進出した。山梨学院大男子は7月8日の1回戦を関西学院大に圧勝。9日の準々決勝に福井工業大学に4-0と勝利。10日、大会3日目の準決勝には前回大会(2019年)優勝校、朝日大学と対戦。試合は、第1・第2Qと激しい攻防が続くスピーディーな展開に第3Q後半12分サークル内の混戦から河邉皓星(4年)がゴールに押し込み先制。第4Qには11分、深見泰雅(4年)がきれいにリバースシュートを決め2-0で勝利。優勝した2006年以来15年ぶりに決勝に進出した。山梨学院は男女揃って決勝に進出し、女子は明日12時から立命館大、男子は13時30分から天理大と対戦。男女アベック優勝を目指す。
■女子準決勝の結果 宿敵東海学院大を撃破
山梨学院大女子は、2018年・2019年の2年連続準優勝から新型コロナウイルス感染症の影響を受けて昨年の中止を挟み、今回は2016年以来の優勝を目指して王座戦に臨んだ。第2シードの山梨学院は9日の2回戦から登場。天理・親里ホッケー場で関西第3代表の関西学院大学と対戦。6-0で快勝、準決勝に進んだ。10日、立命館OICフィールドで午前9時30分から東海第1代表の東海学院大と対戦した。東海学院大とは2018年第37回大会決勝戦で対戦、引き分け後のSO戦で惜敗した因縁の相手。試合は山梨学院のセンターパスで始まった。第1Q開始早々、東海学院にPCを与える嫌な立ち上がり。そこをクリアし、6分には山梨学院もPCを得るが相手GKの好セーブで得点を阻まれ、その後は一進一退。第2Qに入り、互いにチャンスはつくるもやや東海学院に押され気味の展開は0-0で前半を終了。後半第3Qは東海学院のセンターパスで始まる。第3Qに入ってもなかなか山梨学院のペースに持っていけずとも相手の攻撃をGKの松花衣(2年)の好セーブなど堅い守備で得点は許さない。我慢の時を超え残り20秒、右サイドから中込紅莉(4年)、高島瑠唯(4年)がゴール前を攻め立て相手の反則を誘いPCを得た。それを尾本桃子(4年)が値千金の先制点を決めた。第4Qに入ると目を覚ました山学女子は3分、高島瑠唯がリバースシュート、5分、水谷美稀(4年)が右サイドからのパスにスティックを伸ばしゴール。3-0とリードした。地力のある東海学院も前線を押し上げゴールを狙うが堅い守備で攻撃の芽を摘んだ。山梨学院はさらにどん欲にゴールに迫ると終了のホーンが鳴る中、主将の小林久留海(4年)が左サイドからのロングパスをタッチで合わせ4-0で勝利。決勝戦に進出した。明日の決勝戦は12時、ホームグラウンドの立命館大と対戦する。
2021年度 第40回全日本大学ホッケー王座決定戦 女子準決勝戦 《山梨学院大V東海学院大》7/10 大阪・立命館OICフィールド |
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○ 山梨学院大 4 | 1Q 0-0 2Q 0-0 3Q 1-0 4Q 3-0 |
0 東海学院大 ● |
得点=尾本桃子、高島瑠唯、水谷美稀、小林久留海(山梨学院) |
試合後、ジョン・シアン女子監督は「前半立ち上がりから不用意なプレーで相手にすぐさまPCを与えてしまって、それを守れたということで流れをつくれたかな。第3Qで1点入るまで相手に何回もPCを取られたり、ピンチもあり、キーパーで保ってくれよくやってくれました。それによって流れがこちらに来たんですね。1点が入るまでの守備への貢献ですね。今日のうちの立役者は正直GKだと思います」とGKを称えた。明日の決勝戦には、「王座は何年ぶりになるんでしょうね。5年ぶりなんでしょうか。その時は1点も取られない優勝で。今回もこれまで1点も失点していないのでできれば明日も無失点で優勝したい」と語った。攻守で存在感を示した小林久留海主将は「前半は激しい攻防で自分たちのペースで試合ができなかったんですけど、コーナー(PC)で点を決めてから自分たちの流れで試合を進められることができた」と振り返った。5年ぶりの優勝については、「今日の立ち上がりが悪かったのでしっかり立ち上がりから自分たちの勢いで自分たちの持ち味の前に出るホッケーをしっかりやって勝ち切れるように頑張りたい」と平常心で臨む。先制点を挙げた尾本桃子選手は「ずっと押されぱっなしの相手に流れのある中でチャンスのPCの1本目を外したので2本目は、ジョンさんに言われた通りコースを狙って1点を取れて流れを変えられ良かった」。「山学の前に出るホッケーをして相手より早く先制して無失点で勝ち切れるようにみんなチーム一丸となって頑張りたい」と意気込む。守護神GK松花衣選手は「最近、ジャパンの日本代表メンバーと練習試合をしてもらったりとかして、いつも通りやれば、落ち着いてやれば自分の力が発揮できると知っていたので慌てずにやることを意識してやりました。止め続ければいつかは60分間で点を決めてくれると信じていたので粘り強くディフェンス陣と守備をしてそこからチャンスがでてきたので良かった」と話した。
■男子の準決勝の結果 前回王者の朝日大との熱戦を制す
関東第1代表でノーシードの山梨学院大男子は、7月8日1回戦に関西第3代表の関西学院大を9-0で圧倒。9日準々決勝では北信越第1代表の福井工業大を4-0で退け順当に準決勝に進み全日本学生ホッケー選手権(インカレ)の出場権を獲得した。10日の準決勝は女子と同じ立命館OICフィールドで14時から行われた。対戦するのは前回大会王者の第1シードで東海第1代表の朝日大。スピードと豊富な運動量が特徴の強豪校だ。試合は山梨学院のセンターパスで始まった。開始早々、山学の速攻で相手ゴールに迫るも得点には至らず。すると朝日も反撃、最初のPCを得るが山学ディフェンス陣が凌ぐ。その後は一進一退の激しい攻防を展開。0-0-で前半を終了。第3Qに入っても互いに譲らずも徐々に山学ペースに持ち込み主導権を握ると12分、攻め立てた山学が朝日サークル内での混戦に河邉皓星(4年)がこぼれ球をゴールに押し込み先制した。第4Q、もう1点欲しい山学は相手にプレッシャーを掛けるも、中盤に相手に続けてPCを奪われる流れに山学GK福田匠(3年)が好セーブで凌ぎ攻撃を待った。11分、サークル前に送られたロングパスを受けた深見泰雅(4年)が自ら持ち込みきれいなリバースシュートで2点目を決めた。その後も一丸となった攻守で得点を許さず終了のホーンを聞いた。2-0で勝利した山学男子は明日、天理大を対戦相手に2006年の優勝以来実に15年ぶりの決勝戦に臨む。
2021年度 第40回全日本大学ホッケー王座決定戦 男子準決勝戦 《山梨学院大VS朝日大》7/10 大阪・立命館OICフィールド |
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○ 山梨学院大 2 | 1Q 0-0 2Q 0-0 3Q 1-0 4Q 1-0 |
0 朝日大 ● |
得点=河邉皓星 深見泰雅(山梨学院) |
試合後、寺本祐冶総監督・部長は「今年の選手は非常に優秀な選手が多いので順当にここまでこられました。注意点としての一番は危ないシーンを作らないという流れの中でゲームを進めているので危ないところはなかったですね。安定しているので失点しなければ勝てると思っていました」と余裕を見せるも、「明日は厳しい試合になることは間違いないですね。うちは1試合多いので、昨日、一昨日に比べて足が止まっているところがあるのであとは選手の頑張りに期待したい」と気を引き締めた。先制点を挙げた河邉皓星選手は「自分たちのチームはみんなで守って、そこで自分たち(FW)が決めて守ってという一丸で取った勝利なので明日も継続して点を決めて勝ちたいと思います。王座では男女アベックで優勝したことはないので男女で優勝したい」と話した。だめ押しの2点目を叩き出した深見泰雅選手は「チームのためにもう1点はと思ってフォワードとしての仕事をやり切ったなと思います。第3・4Qで結構いい感じでチームのパスが回って流れが変わりドリブルも通用していたのでその辺は良かったと思います。ボールが来た時には打とうと思っていたのでちゃんとシュート狙って入ったので良かった。明日も先制点、追加点を取って優勝したい」と気を吐いた。沼田空主将は「前半しっかり守備から入って、後半自分たちの総力を活かして点を取れればいいなという試合前の戦略というかイメージがしっかりはまって良かったと思います。今年は4年生が一番多くてチームの勢いとまとまりもとてもいいと思います。自分たちの今の勢いそのままに優勝を目指して頑張ればいいかなと思います」と冷静にチームをまとめる。
11日の男女決勝戦は、女子は12時より立命館大、男子は13時30分から天理大と対戦。女子は2016年以来6度目、男子は2006年以来15年ぶり2度目の優勝を目指す。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.7.10