●第40回全日本大学ホッケー王座決定戦 決勝戦
~女子5年ぶり、男子15年ぶりの優勝ならず~
~男女とも拮抗した試合に惜敗。悔しい準優勝~
7月8日開幕した2021年度「第40回全日本大学ホッケー王座決定戦」男女決勝戦が7月11日、立命館OICフィールドで行われた。昨日、山梨学院大ホッケー部は男女揃って準決勝に勝利し、決勝に進んだ。男子は実に15年ぶり、女子は5年ぶりに優勝を狙った。
女子決勝戦は、12時30分より山梨学院のセンターパスで始まった。第1Q、一進一退の攻防が続く中、14分、山梨学院沼田明日美がサークル内の混戦からボールを押し込み先制した。第2Q13分には立命館の攻撃から失点。同点に追いつかれた。第3Qに入ると互いに激しい攻防を繰り返すも、得点に至らず決着は第4Qに待った。まず先手を取ったのは立命館。PCから得点をすると、山梨学院も残り1分で金がPCで値千金の同点打を放ち追いつき延長戦のSOでの決着となった。しかしSO戦の結果1-2で敗れ準優勝となった。続いて行なわれた男子は、第2Qから試合は動いた。開始早々、天理大が先制すると山学も沼田空主将がPCから同点打を放ち、互角の戦いが続く。第3Qに柴田光市がの2-1逆転シュートで優位に立つと両チームの攻防が激しさを増し、第4Q負けじと山学ゴールに迫る天理に同点を許すと、さらに山学が反則で不本意なPSを取られ逆転を許した。その後は山学の懸命な最後の攻撃も及ばず無常のホーンが鳴り響き2-3で敗れ男女とも準優勝に終わった。
■≪女子決勝の結果≫ 山梨学院SO戦1-2で敗れ、涙の準優勝
山梨学院大女子は、2018年・2019年の2年連続準優勝から新型コロナウイルス感染症の影響を受けて昨年の中止を挟み、今回は2016年以来の優勝を目指して王座戦に臨んだ。対する立命館大(関西第2代表第4シード)は前回大会(2019年)の覇者で山梨学院は決勝で1-0で敗れている。
不安定な梅雨空からようやく晴れわたった11日、大阪茨木市・立命館OICフィールドで男女3位決定戦の後を継いだ決勝戦は、12時30分から始まった。第1Q山梨学院のセンターパスが繰り出された。序盤から両者スピーディーな動きで激しい攻防を展開。一進一退が続く中、10分、立命館がPC(ペナルティーコーナー)を獲得。それをGK#27松 花衣(3年)が好セーブでピンチをクリア。14分には山梨学院#13沼田明日美(3年)がサイドからのパスをサークル内の密集で反応。素早くボールを押し込み先制した。第2Q開始早々、山学#20金 睬潤(3年)のロングパスを受けた#1高島瑠唯(4年)が倒されPCを得るも#2尾本桃子(4年)のシュートは惜しくも枠を外した。その後も山梨学院は金のロングパスが機能しゴールに迫るも得点には繋がらない。一方の立命館は13分、右サイドからサークルにパスされたボールを#10がタッチシュートを決め同点に追いついた。第3Qに入ると互いに激しい攻防を繰り返す。立命の攻撃には堅い守備のディフェンス陣とGK松の身体を張った守りでゴールを死守。攻撃陣は#5中込紅莉(4年)が自らドリブル突破でゴールを狙うなど緊迫した場面が続いた。同点のまま第4Qに入ると、1分山学がPCを獲得するも相手GKの好セーブで追加点を阻まれた。先手を取ったのは立命館。6分PCを獲得した立命館#18がきれいなヒットシュートで追加点を奪った。追いつきたい山学は積極的に前に出て立命ゴールに再三迫り、残り1分PCから#20金が値千金の同点打を決め振り出しに戻し、延長SO戦に持ち込んだ。SO戦は両チームGKが素晴らしい堅固な守備を見せ、5人のシューター1巡目では1-1の同点。2巡目1人目、最初の山学シューターが決めたと思われたゴールが時間超えとの判定で無効となり、その裏、立命のシューターに押し込まれ1-2で勝負がついた。山学5年ぶりの優勝はここで潰え3連続の準優勝となった。
2021年度 第40回全日本大学ホッケー王座決定戦 女子決勝戦 《山梨学院大VS立命館大》7/11 大阪・立命館OICフィールド |
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● 山梨学院大 2 | 1Q 1-0 2Q 0-1 3Q 0-0 4Q 1-1 SO 1-2 |
2 立命館大 ○ |
山梨学院得点=沼田明日美、金睬潤 立命館得点=五島千那美、佐々木杏 |
■SO戦=サッカーのPK戦にあたるPS(ペナルティーストローク)戦が行われ、各チーム5人のシューターとGK(ゴールキーパー)の1対1によって争われる。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 合計 | ||
立命館大 | ○ | × | × | × | × | ○ | 2 | |
山梨学院大 | × | × | ○ | × | × | × | 1 |
試合後、ジョン・シアン女子監督は「一進一退になるのは分かっていた。どちらが勝ってもおかしくないです。今日はPCを結構取っていたんですけど決まらなかったことが敗因です。王座は立命のホームでは勝ってないし、昨年のインカレも立命にSOで負けているし、2連続SOで負けているので非常に悔しい。今日はその壁を破ることができずに残念です。次は関東でインカレなのでそれはインカレで取り返したい」と雪辱を期した。この大会で敢闘賞を受賞した小林久留海主将は「ゲームの作り方は悪くはなかった。一つひとつの球ぎわとか力強さが少し負けていた部分と相手のホームという環境に飲まれてしまったことでしょうか」と涙をこらえ敗因を語った。今日も再三ゴールを死守したGK松 花衣選手は「SOは高校時代から特別で集中して練習して自信があったんですけど、本当に最後の最後に抑えられなくて悔しいです。自分的には負けていないと思っているので、ちょっとした運とかの差だと思うので次頑張ります」と気丈に話した。
■≪男子の決勝の結果≫ 23回の優勝を誇る天理大に逆転負け悔しい準優勝
上空に入道雲が沸き上がる夏空に変わった立命館OICフィールド。14時30分、女子決勝戦の興奮が冷め終わらない中、男子決勝戦が行われた。天理大のセンターパスで第1Qが始まった。4試合目の山学は3試合目の第3シード関西第2代表の天理に比して立ち上がり動きに硬さが見え、天理が山学スペースに詰め寄った。第2Qから試合は動いた。開始早々、天理大のPCからのシュートが決まり先制すると山学も本来のペースを戻し一進一退の激しい攻防の中、5分、#12沼田空主将(4年)がPCから迫力のヒットシュートを放ち同点に追いついた。その後も拮抗した互角の戦いが続く。第3Q開始2分、左サイドからのパスを沼田主将が中央にいた#15柴田光市(3年)に繫ぐとサークルへドリブルで持ち込み逆転のシュートを決めた。さらに両チームの攻防がヒートアップ。決勝戦にふさわしい名勝負が展開された。第4Q負けじと山学ゴールに迫る天理に5分、PCからの得点を許し2-2の同点となった。さらに9分、山学が故意に反則したとの協議判定を受け、不本意なPS(ペナルティーストローク)を取られ逆転を許した。その後は山学の懸命な最後の攻撃も及ばず無常のホーンが鳴り響き2-3で敗れ悲願の優勝は成らなかった。男女とも惜敗での準優勝となった。
2021年度 第40回全日本大学ホッケー王座決定戦 男子決勝戦 《山梨学院大VS天理大》7/11 大阪・立命館OICフィールド |
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● 山梨学院大 2 | 1Q 0-0 2Q 1-1 3Q 1-0 4Q 0-2 |
3 天理大 ○ |
山梨学院大得点=沼田 空 柴田光市 天理大得点=松島貴也 永吉 拳2 |
試合後、寺本祐冶総監督・部長は「天理は非常に強いチームで、選手はプラン通りやってくれました。1点勝っていた分、逃げ切りたいという焦りが少しあってそこに付け込まれた感が第4Qにあったのかなと思っています。選手にはPCやPSのジャッジに不満があったんですけどそこは強いチームの宿命でひたむきに勝つしかないということを選手に伝えました。秋のインカレに向けて調整します」と前を向いた。女子同様、敢闘賞を受賞した沼田空主将は「試合展開は逆転できた部分で良かったですけど、その後に乗りきれなかったというか自分たちのミスからコーナー(PC)で失点してしまったので悔しい気持ちはあるんですけどまだ終わったわけではないので次のインカレに向けてチームをつくっていきたいと思います」と気持ちを入れ替えた。
今大会の結果は、女子は優勝・立命館大、準優勝・山梨学院大、3位・天理大。男子は優勝・天理大、準優勝・山梨学院大、3位・立命館大となった。女子は3大会連続の準優勝となり、目指した2016年以来6度目の優勝は次回に持ち越した。男子は2006年以来15年ぶり2度目の優勝を目指したが初の準優勝で大会を締めくくった。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.7.12