●2021年度学生チャレンジ制度認定書授与式
~コロナ禍で2年ぶりの募集、学ぶ意欲を支援~
~人や社会とのつながりを意識した7件を認定~
山梨学院学生チャレンジ制度選考委員会は2021年度の認定企画を決定し、7月21日にキャンパスセンターシーズシアターで認定書授与式を実施した。学生チャレンジ制度は、1995年度に創設され、学生のやる気やチャレンジ精神に大学が経済面などで全学的に支援する制度で、2003年度には文部科学省の「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」にも採択された。昨年度はコロナ禍で募集等を中止し、26回目の募集となった今年度は9件の応募があり、教育的効果・人間形成への影響度・独自性・ユニーク度・実現可能度など総合的に審査され、7件が認定された。認定書授与式には各企画代表者らが出席し、選考委員長の丸山正次副学長から認定書が授与され、各企画をスタートさせた。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2年ぶりの実施となった山梨学院チャレンジ制度には9件の応募があり、以下の7件が認定された。
「中国留学生学友会」代表:蘇沢曜(経営学科3年)
応募テーマ:Smile!留学生 in YGU
都市部とは異なる自然豊かな山梨の魅力を、留学生の視点で世界に発信。山梨での活動記録を冊子化しSNS等も通じて、日本への進学を検討している高校生、また進学して間もない1年生に向けて、日本、山梨及び本学の魅力の発信を行う。
「FIND OWN SPACE」代表:佐藤つぐみ(経営学科3年)
応募テーマ:学生の交流の機会を作ろう!
コロナ禍で、人のリアルな交流が減少しており、学生間のリアルな出合いと友人づくりを広げていくことで交流の機会を創出。メンバーで県内の観光地を調査し、学生目線で観光地図を作成。これを電子書籍化し、インターネットで共有、拡散することで、まずは県内学生のコミュニティをつくり、活発な交流の機会を広げ、地域経済の活性化を目指す。
中村音旺(経営学科3年)
応募テーマ:教育支援システムの補助及び便利性向上システムの制作・運用
「manaba」上の課題(宿題)の情報を整理し、未提出課題及びその提出時期等の有益情報を、LINEを通じて、希望する学生に通知するシステムを開発。これにより、学生の単位修得が促進され、安心して卒業できるようにすることを目指す。
「東ゼミナール」代表:牛山美結(経営学科3年)
応募テーマ:「見て、食べて、触って、感じる」リアルだからこそ楽しめる経験の提供
コロナ禍では、リアルな活動体験ができなかった。そこで、実際にリアルな体験のできるイベント(食事の提供及びものづくり)を実施し、それを通じて、リアルな活動体験の輪を広げるとともに、実践的な経営学を修得することにも結び付ける。
「ふーかる」代表:廣瀬蘭(管理栄養学科3年)
応募テーマ:“食”の力で山梨県を元気に!
山梨県の食材を利用して、若者向けの軽食を開発。これをリーフレットにして、運動をしているクラブ学生、その他学生に提供し、栄養及び健康面でのエールを送る。また若者に県産食材を利用した調理方法について知ってもらい、本県の食材、また本県そのものの魅力についても知ってもらうこと、ひいては地域活性化にもつなげる。
「ISS広報部」代表:西条莉理子(スポーツ科学部3年)
応募テーマ:YGUスポーツブランドを世界へ!
本学には、世界的に優秀なスポーツアスリート学生が多数存在する。学部を超えて、そうした著名な学生の世界的な活躍を、冊子及びSNSを通じて広く紹介し、関心を高める。それとともに、YGUスポーツブランドの価値向上につなげ、本学の学生としての誇りをもち、大学全体としてスポーツアスリートへの応援の輪を広げていく。
「東ゼミナール」代表:清水詠介(経営学科4年)
応募テーマ:市川三郷町の地場産業である「和紙」を使った園芸品の開発及び販売への挑戦
園芸品を育てるプランターやポット等を、自然環境保護のため、プラスチックではなく、「和紙」を用いて製作し、試験販売を実施。オンラインサイトでの商品販売も予定し、オンライン運営についても実践的に学ぶ。
7件の認定団体の代表者には、選考委員長を務めた丸山正次副学長から認定書が授与された。丸山正次副学長は「人間は進化の過程で脳が非常に発達しました。前頭葉にはいろいろな働きがありますが、その中の一つに未来を予測する働きがあります。人間を含め、ほとんどの動物は過去の経験から未来を予測しますが、人間だけはより遠くまで予測をします。遠くを予測する要素の一つに楽しさがあります。これは遠くまで自分の力でコントロールできる自信があるからです。未来を予測して自分で自分を操る、これほど楽しいことはないと思います。今回のチャレンジ制度は今まで経験しなかったこと、今までなかったものを経験するという意義があります。この機会を活かして、自分自身で楽しさを感じ、自分のものとして蓄積してください」と企画開始にあたりエールを送った。
認定団体を代表し、ISS広報部の西条莉理子さんは「私たちの企画では、山梨学院大学のスポーツ・クラブ活動の認知度、ブランド価値の向上のため、全学部向けのスポーツ情報誌の作成・発行を目指しています。私たちは、学生広報部として在学生の目線で学生生活の様子やクラブ活動の結果について情報発信をしてきました。しかし、スポーツ科学部の学生や活動が中心となり、他学部への取材や子ども、高齢者のスポーツ活動など競技スポーツ以外の情報が限られてしまっているなど課題がありました。私たちは、学生チャレンジ制度を活用することでこの課題を克服し、本学の魅力をアピールするような情報誌を作成したいと思っています。そして、このチャレンジを起点に、私たちの活動がさらに発展し、活動に関わる仲間がさらに成長していくよう努力していきます。また、学生らしく、共に学び合い、楽しく、チームワークをもって活動を進めて参ります」と挨拶し、企画成功に向け決意表明を行った。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で生活様式・行動様式が大きく変わり、人々の生活は様変わりした。日常生活・学校生活にも大きな制約がある中で、学生の学ぶ意欲・チャレンジ精神・行動力は従前と何ら変わってはいない。27年紡がれた伝統の灯が今年は7件の企画に点された。チャレンジ制度の企画成功に向け、試行錯誤や様々な課題解決における“挑戦”が、学生自身の力となり、将来への希望の光となることを切に願う。
文・カメラ(Y.Y)2021.7.21