●総理大臣杯全日本大学サッカー準決勝
~山学大は東洋大に延長激闘の末、1対2で惜敗~
~初出場ながら全国の強豪を退け堂々の3位入賞~
第45回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準決勝が9月3日に行われ、関東第4代表の山梨学院大(初出場)は関東第5代表の東洋大(5大会ぶり2回目)と対戦した。前半序盤から両チーム拮抗し、一進一退の攻防で試合が進む。前半15分を過ぎると東洋が試合の主導権を握り、山学は自陣でのプレーが増えていく。守備から攻撃に転じたい山学だったが、東洋の堅守に阻まれ、我慢の時間が続く。山学は前半終盤になると攻撃のリズムも整い、43分、粘り強い攻撃でボールをつなぎ、ゴール前に詰めたFW増澤陸斗が押し込み山学が先制。1対0の山学リードで前半を折り返したが、後半21分、東洋に同点弾を許し、試合は1対1の振り出しに。その後は攻守が激しく入れ替わる展開となり、勝負の行方は10分ハーフの延長戦に。延長前半7分、山学は右サイドの突破を許し、東洋が逆転。まずは同点に追いつきたい山学は東洋ゴールを目指したが、東洋の堅守が上回り1対2で惜敗。初出場ながら準決勝まで勝ち進み、惜しくも決勝進出は逃したものの堂々の3位で今大会を終えた。
総理大臣杯初出場の山学は、1回戦でびわこ成蹊スポーツ大に2対1、2回戦は福山大に5対1で勝利し3回戦に進出。3回戦では、総理大臣杯の関東予選となったアミノバイタルカップ2021第10回関東大学サッカートーナメントの準決勝で敗れた産業能率大に3対2で競り勝ち、準決勝・ベスト4に進出。ベスト4(山学・東洋・法政・筑波)はいずれも関東勢となったが、都県リーグ所属の山学に対し他のチームは関東リーグ所属の格上。山学は、ここまでの勢いそのままに都県リーグの意地をみせ、関東2部の東洋に挑んだ。
第45回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント 準決勝 ≪山梨学院大VS東洋大≫ 2021.9.3 会場名非公開 |
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● 山梨学院大学 1 | 前半 1-0 後半 0-1 延長前半 0-1 延長後半 0-0 |
2 東洋大学 〇 |
山学得点者:増澤陸斗 |
前半序盤から両チーム拮抗し、一進一退の攻防で試合が進む。前半15分を過ぎると東洋が最終ラインからビルドアップし、細かくパスをつないで試合の主導権を握り、山学は自陣でのプレーが増えていく。山学はGK大嶌宏汰(4年 山梨学院高)の的確なコーチングでCBのフォファナ・マリック(3年 尚志高)、関口凱心(2年 西武台高)が中央を固め、左SB山土井拓海(3年 山梨学院高)、右SB結城将貴(3年 鹿島ユース)が両サイドからの新入を阻む堅守で得点を与えない。守備から攻撃に転じたい山学だったが、この日はセカンドボールが収まらず、東洋の枚数をかけたカバーリングに苦しみ、ボールのポゼッションがあがらず、我慢の時間が続く。山学は前半も終盤になると徐々にポゼッションがあがり、攻撃のリズムも整っていく。43分、山学は右サイド敵陣深くから諦めずにボールをつなぎ、中盤でボールを受けたMF若谷拓海(3年 西武台高)がゴール前にクロスを入れ、ファーサイドに走りこんだMF村田智哉(1年 西武台高)のヘッドは右ポストに阻まれたものの、ゴール前に詰めたFW増澤陸斗(4年 松本一高)が押し込み山学が先制。1対0の山学リードで後半に入ると、前半から降り続いた大雨の影響でグラウンドはスリッピーな状態。両チーム足を取られ、ボールスピードは落ち、慎重なゲームコントロールが求められた。後半も両者譲らぬ拮抗した展開となったが、後半21分、山学守備陣は背後を取られ、ゴール前に東洋のループ性のクロスが入り、これを決められ、試合は1対1の振り出しに。その後は攻守が激しく入れ替わる試合展開となり、スコアは動かず勝負の行方は10分ハーフの延長戦に。延長に入ると序盤は山学がペースを握ったが、7分、東洋に右サイドの突破を許し、マイナスのクロスに山学守備陣が対応できず、逆転を許し、1対2。まずは同点に追いつきたい山学だったが、強豪集う関東リーグで経験を積んだ東洋の堅守を崩せず試合終了。最後まで諦めずにボールを追い、東洋ゴールを目指したが1点が遠く、1対2で惜敗し、初出場での決勝進出はならず、初の全国大会入賞となる3位で今大会を終えた。
試合後、3位の表彰式が行われ、選手たちは悔しさを滲ませながらも、全てを出し切った充実した表情で記念写真に納まった。創部初の全国3位の経験を糧に主戦場の東京都大学サッカーリーグ1部に戻り、まずは関東昇格に必須となる参入戦(関東大学サッカー大会)進出を目指し、勝ち点の積み上げを行う。全国での経験を慢心ではなく自信とし、関東昇格を目指し、選手たちは走り続ける。
文(Y.Y)、写真提供(全日本大学サッカー連盟)、写真構成(平川大雪)
2021.9.3