●山学サッカー部・平河、FC町田加入内定記者会見
~急成長FWがJ2クラブの早いオファーで決断~
~やるからには点を取る。早くデビューしたい~
山梨学院大学サッカー部男子・平河悠選手(3年)のJ2リーグFC町田ゼルビアへの加入内定記者会見が9月16日、山梨学院広報スタジオで行われた。記者会見は、FC町田ゼルビア丸山竜平スカウト部長、山梨学院側からは同大サッカー部横森巧総監督、岩渕弘幹同男子監督、平河悠選手が出席。平河選手はスピーディなドリブル突破とチャンスを演出する巧みなパス回しが持ち味で得点力の高い選手として注目され、現在3年生の早い時期にJリーグチームからオファーされた期待の選手。2023年シーズンからの正式加入を受け内定の記者発表となった。平河選手は、7月の「総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント大会」予選の『アミノバイタルカップ』関東大会4試合6得点を挙げる活躍でチームに貢献。初の出場権を獲得すると本選でもチームを牽引する4試合2得点と存在感を見せつけ、初出場で3位となる快挙を成し遂げる原動力となった。記者会見では、横森総監督、岩渕男子監督、FC町田ゼルビア丸山スカウト部長それぞれが高い能力を評価し、期待を寄せるコメントを送った。それに応え平河悠選手が「オファーいただいたときはうれしさ半分、驚きがとても大きかったです。これからは両立して自分を高めていければ」と意気込みを語った。
■平河悠選手プロフィール
平河悠選手は、171cm68㎏の小柄ながら豊富な運動量とスピードを活かした攻撃力、チャンスを演出するプレーで得点力が高く成長著しい選手として注目され、山梨学院が加盟する東京都大学サッカーリーグ1部で昨年度優勝に貢献。得点王に輝いた。今年も現在まで得点ランキング1位で関東2部昇格へチームの中心と期待されている。平河は佐賀県出身で競技歴は小学校に遡る。佐賀東高校サッカー部在籍中、チームは1年から3年まで全国高校総体(インターハイ)と1、2年には全国高校選手権に出場を果した。平河自身は3年生で初めてインターハイに出場。全国大会を経験するもさほど知られた選手ではなかった。山梨学院高サッカー部長谷川大監督の勧めで、山梨学院大に入学してからFWとして努力を重ね東京都大学サッカーリーグ1部で頭角を現し、得点王に輝くなど著しい活躍を遂げるようになった。7月行われた「アミノバイタルカップ」関東大学トーナメントでは4試合でハットトリックを含め6得点を挙げ得点王になり、チームを4位に引き上げる支柱として奮闘。「第45回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント大会」の関東第4代表として初の全国大会に出場を決めた。8月23日開幕した本大会でも山梨学院は躍動し、準決勝で関東大学2部リーグの東洋大に延長戦で敗れたものの、初出場3位の快挙を成し遂げた。平河は4試合で2得点と活躍。俄然、複数のJクラブスカウトの注目を集め、今回J2FC町田ゼルビアが加入に名乗りを挙げた。FC町田ゼルビアは1989年に創部。2012年にJ2に昇格。その後降格を経て2015年にJ2復帰。今シーズンは9月14日現在、5チームが勝ち点で並ぶ中、得失点差で4位につけ初のJ1昇格を目指している。
■加入内定記者会見での出席者挨拶
9月16日午後1時30分、「平河悠選手 FC町田ゼルビア加入内定記者会見」が山梨学院広報スタジオで行われた。平河選手はメディアのカメラの前にわずかに緊張の面持ちで立った。出席者紹介の後、山梨学院大サッカー部・横森巧総監督が冒頭の挨拶で「サッカー部が強化指定を受けたのが2009年そこから13年経つわけですがその間何人かのJリーグを目指してそこで活躍しようとする選手も育ってきましたが、今回、平河君が3年生の段階でJリーグに行くという大きな夢を叶え仮契約したことは私たちの13年間の中で初めての喜びです。私たちとってはまだ不安なところがありますが、彼の大きな志をこの段階で決めて前進しようとする心意気に期待しています」と述べた。
次に岩渕弘幹男子監督がここまでの経緯と平河選手の紹介を行った。「今回、町田ゼルビアさんから3年生でありながらオファーをいただいたことに正直驚いています。そしてオファーをいただいて間もないにもかかわらず『お世話になりたい』と言った平河の決断の早さにも驚いています」と述べ、続けて平河選手が得点を取る才能を持ち、試合で得点を取るごとに大きく進化し続けている選手であまり例を見ないと評価した。最後に「まだ来年も1年間は我々のチームで活躍してくれると思いますが、それ以降もまだまだ進化してくれると思っていますので自信を持って送り出せる選手であります」と力を込めた。
続いてFC町田ゼルビア・丸山竜平スカウト部長は「オファーして早い段階で答えをいただき本当に気持ちよく我々のクラブを選んでいただいたことにうれしく思いますし、その決断がいい未来になると信じていますし、彼の成長に我々クラブとしても精一杯サポートしていきたい」とクラブの姿勢を示した。さらに平河選手の加入に向けてのプレーの魅力を語り、今後については、「まだまだこれからの選手ではありますが、早い段階でJリーグに内定して『特定指定選手』になれば周りからのハードルも高くなりますのでその中で何ができ、どういうプレーを示せるのか高い技術を吸収してチームに刺激と進化を与えられる選手と期待していますので一緒に上を目指してやっていけるような第一歩になれば」と加入内定の挨拶を行った。
内定をもらった平河悠選手は自分のプレースタイルを説明後、「オファーいただいた時はうれしさ半分、驚きがとても大きかったです。町田ゼルビアさんで練習参加(オファーの前)させてもらった時、とてもチームの雰囲気が良くて練習の質も高いと感じ、このチームでサッカーをしたいと思い決断しました。これからは『特別指定選手』でさせていただく予定になっているので両立して自分を高めていければ」と意気込みを語った。2023年シーズンから正式入団となる平河選手は現在、「特別指定選手」登録申請中で認められれば大学在籍中でもJリーグの公式試合出場が可能となる。
続いて行われた写真撮影の後、報道各社のインタビューに応じた平河悠選手は「プロを目指して大学に入ったんですけど、こんなに早くなれるとは思ってはいませんでした。FWをやるからには点を取ることはもちろんですがどんなポジションであってもドリブルであったり背後取ったりとか自分の特徴を活かしたプレーができればと思っています」と意気込みを語り、今後の目標は「まずは都リーグでこの2年間入れ替え戦で悔しい思いをしているので三度目の正直でしっかり関東2部へ上がることと、早く町田ゼルビアさんでデビューしたいですし、しっかり試合に出て活躍できることを目標にやりたい」と抱負を語った。平河選手のJリーグ加入で山梨学院大出身者のJリーガーは5人となった。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.9.17