●「東京五輪」山学大出身メダリストらが表敬訪問
~柔道濱田、レスリング乙黒兄弟3選手が大会報告~
~古屋学長「皆さんの活躍がこれからの励み」と祝福~
57年ぶりに開催された「東京2020五輪大会」に出場した山梨学院大出身選手3人が10月11日、古屋光司学長らを表敬訪問した。今大会、個人で金メダル、男女混合団体で銅メダルを獲得した柔道女子78㎏・濱田尚里選手、男子レスリング・フリー65㎏級金メダリスト乙黒拓斗選手、惜しくも1回戦で逆転負けした同74㎏級乙黒圭祐選手の3人は、所属する自衛隊体育学校関係者6人とともに、午前10時に本学を訪れ、東京五輪大会出場と活躍を報告した。初めに自衛隊体育学校・石津吉康副校長が結果報告と挨拶をした。続いて3選手から大会での試合の様子の写真パネルが古屋学長に贈呈され、挨拶した古屋光司学長は「自衛隊体育学校さんから卒業生のこういう形での報告を受けられるということに本当にうれしく思っています。今回出場してメダルの獲得もあって、心より皆さんの努力と成果にお祝い申し上げたいと思います」述べた。続いて山梨学院側から下田正二郎カレッジスポーツセンター長、西田孝宏柔道部総監督、小幡邦彦レスリング部監督が選手への思いや労いや自衛隊体育学校への感謝の言葉を述べた。最後に3選手が大会までの準備や大会のこと、山梨学院への感謝の言葉を述べた。その後、3選手への報道各社の囲み取材が行われた。
10月11日、今夏の「東京2020五輪大会」に出場した3選手が山梨学院大学に古屋光司学長らに表敬訪問した。訪問したのは自衛隊と自衛隊体育学校の関係者6人とともに柔道女子78㎏級で金メダル、男女混合団体で銅メダルを獲得した濱田尚里選手、レスリング男子65㎏級金メダルの乙黒拓斗選手、健闘しながらも初戦に逆転負けを喫した同74㎏級乙黒圭祐選手の3人。山梨学院側は古屋光司学長を初め、下田正二郎カレッジスポーツセンター長、西田孝宏柔道部総監督、小幡邦彦レスリング部監督、自身も東京五輪に選手として出場した高橋侑希レスリングコーチが出席した。初めに自衛隊体育学校の石津吉康副校長が試合結果を報告。続けて「体育学校全体でも17名の選手が出場しまして4名の選手がメダルを獲得しました。その中でも山梨学院出身選手の活躍はすごいなと思います。有能な選手を体育学校に選んでいただき、優秀なコーチ陣も我々も支えてきたので立派な成果を残すことができたかなと思います。もちろん本人たちの努力も素晴らしかったですけれども心から労をねぎらいたいと思います。そして、今回応援してくださった山梨県民の方々に心から御礼したいと思います」と挨拶した。次に3選手ひとり一人が大会の雄姿を写した写真パネルを古屋学長に手渡した。
■自衛隊体育学校所属3選手の東京五輪結果成績ー
◆濱田尚里選手(30)=柔道女子78㎏級に出場した濱田選手は、遅咲きの選手で“最強の寝技師”の異名を持つ。学生時代は特に目立った実績はなく、努力で培った寝技を得意技へと昇華。この大会でも得意技を遺憾なく発揮し、決勝までの4試合をオール一本勝ちで収め、決勝戦では2019年、世界選手権決勝で敗れた因縁の相手に雪辱。異次元の強さで文句なしの金メダルを獲得した。金メダルは、山梨学院大にとって初めての快挙だった。また、前回大会リオデジャネイロ五輪で正式種目になった男女混合団体でも銅メダルを獲得した。
◆乙黒拓斗選手(22)=レスリング男子65㎏級フリースタイルに出場した拓斗選手は、2018年の世界選手権に出場。初出場初優勝を成し遂げた。19歳10ヶ月での世界選手権優勝は、恩師高田裕司前監督の記録を上回る日本男子史上最年少と大きな話題となった。2019年12月の全日本選手権で優勝して五輪内定を得た。東京五輪では兄、圭祐選手が1回戦で敗れて登場した拓斗選手は、1回戦モンゴル選手を6-3、2回戦のハンガリー選手に4-1、準決勝では2019年世界選手権覇者の選手を3-2で破り堅実な勝利で決勝に進出。決勝では、リオ五輪フリー57㎏級銅メダルのアゼルバイジャンの選手に5-4と辛くも逃げ切り金メダルを獲得した。
◆乙黒圭祐選手(22)=レスリング男子74㎏級フリースタイルに出場した圭祐選手は、拓斗選手の二つ上の兄。幼いころから二人はレスリングに取り組んできた。全日本選手権に大学時代に2回、2018年には世界選手権に出場。自衛隊に入った2019年12月にも3回目の優勝を果たした。2020年3月に五輪内定戦で勝利し代表内定を決めた。東京五輪では1回戦世界ランキング2位のカザフスタンの選手を積極的に攻め第1ピリオドを主導権を握り、リードして折り返すも、第2ピリオドに一瞬の隙を狙われたタックルからフォールに持ち込まれ敗退した。
■3選手の活躍に古屋学長よろこびを表すー
3選手から写真パネルを贈呈された古屋光司学長は挨拶で「自衛隊体育学校さんから卒業生にこういう形での報告を受けられるということに本当にうれしく思っています。今回出場してメダルの獲得もあって、心より皆さんの努力と成果にお祝い申し上げたいと思います。今回東京オリンピックということで皆さんもこのオリンピックに懸ける思いというのは、母国での大会ですから人一倍大きかったと思います。それだけプレッシャーもあったと思いますけど、日本全体としてもこのコロナ禍のなかでも盛り上がって成果も今までに一番の成果も出すことができましたし、そこに本学の卒業生が貢献できたということは非常にうれしく思っています。世界のトップを目指す人にとって見れば最高の舞台での最高の成績になりますので、特に金メダリストを輩出したいという強い思いを持って本学のカレッジスポーツの振興をしてきて40年にこの成果に結びつくことができたということで今回、一つの歴史的な瞬間を迎えた感じをしています。それが東京だった日本だったというそれもまた何か非常に何か縁を感じるなと思っています。今回の皆さんの活躍というものが本当に我々にこれからもっと頑張ろうという励みになりました。本当にその意味では祝福申し上げるとともに心から皆さんの努力に感謝したいと思います」と述べた。続いて山梨学院側から下田正二郎カレッジスポーツセンター長、西田孝宏柔道部総監督、小幡邦彦レスリング部監督が五輪への思いや選手への労い、自衛隊体育学校への感謝の言葉を述べた。
■出席者のさまざまな言葉に応えて立った3選手はー
濱田尚里選手は「オリンピックに出場内定してから延期が決まり大変なこともたくさんあったんですけど、練習場所などもなかなか見つからない中で山梨学院が練習に受け入れてくださってオリンピックに向けていい準備ができました。オリンピック前の最後の合宿も山梨学院でさせてもらって最高の状態で臨むことができました。結果的にメダルを獲得することができたので感謝の気持ちでいっぱいです」。乙黒拓斗選手は「たくさんの応援のおかげで金メダルを獲得することができました。今年の3月までこの山梨学院で成長して自衛隊に入って、夢を叶えることができてすごくうれしいです。オリンピックは1回戦からすごく厳しい大会だったんですけど、4試合しっかり勝ち抜くことができてここで練習してきた成果が出たと思っています。今後は3年後のパリオリンピックで2連覇を目指していくのでさらなる応援をお願いします」。乙黒圭祐選手は「オリンピックは残念ながら負けてしまったんですけど、僕は山梨学院で強くしてもらい、最後の仕上げは自衛隊だったんですけど、小学校6年生から山梨学院で練習させてもらって小幡コーチ(現監督)に指導を受けてきました。感謝しています。今後の事はゆっくり考え、準備ができればオリンピックという感じです」とそれぞれ大学への感謝を込めた言葉を残した。その後、記念写真やメディアの囲み取材が行われた。
3年後の2024年パリオリンピックには、この日の3選手の他にも山梨学院大学から羽ばたいていったアスリートたちが、それぞれの決意のもとに獲得した“努力の結晶”を母校へ報告をする笑顔が目に浮かぶ。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.10.12