●関東大学バレーボール男子秋季2部リーグ戦
~リーグ初参戦で3勝目。目指す中位確保に視界良好~
~立教大に3-1。最終セット見応えある接戦制す~
2021年度「関東大学バレーボール男子秋季2部リーグ戦」7日目が10月17日、行われた。山梨学院大学バレーボール部男子は2019年秋季リーグに2部昇格を果たしたが、新型コロナウイルス感染防止の影響ため2020年春・秋、2021年春季リーグと3季中止になり、この大会が2部リーグ実質のデビューになる。9月19日から始まったリーグ戦(12チーム)に、これまでの試合で上位チームを相手に善戦するも、2勝4敗と負けが先行している。この日の対戦は2部8位の立教大学。山梨学院が今季の目標とする中位確保するには負けられない相手。試合は第1セット、山梨学院が先制するも、点の取り合いに。中盤スパイク、ブロックが決まり5連続得点で一気にリード。その後も山梨学院が優位に進め25-17で第1セットをものにした。2セット目は最後まで一進一退の攻防が続き、25-23でこのセットも奪った。3セット目、立教が攻撃コンビネーションで山梨学院を幻惑。終始試合を主導しこのセットを21-25で奪い返した。4セット目、互いに激しくぶつかり合い強烈なスパイクの応酬、身体を張ったレシーブなどラリーの見せ場をつくる接戦となった。終盤までもつれたセットは24-24のデュースを山学が辛くも逃げ切り27-25で制し、セットカウント3-1で3勝目を挙げた。残り4試合、目標の中位が視野に入った。
山梨学院大バレーボール部は2016年の「スポーツ科学部」開設と同時に男女同時に部を立ち上げ、女子は17番目の強化育成クラブとしてスタートした。男子は遅れて2018年に強化指定クラブに認定され、今年4年目を迎えた。強化指定された春季リーグに4部から3部に昇格。翌年の2019年春季リーグ戦3部優勝。2部入替戦に臨むも敗れ、秋季リーグ戦には2位で入替戦に再挑戦、山梨大学を破り2部昇格を果たした。2部リーグは例年12チーム総当たりで順位を争い、上位・下位2チームが入替戦を戦うが今年は総当たり1位のみ1部に自動昇格し、入替戦は行わない。山梨学院は、2020年春季リーグ戦の開幕を待ちわび厳しい練習に明け暮れたが、関東大学バレーボール連盟は新型コロナウイルス感染防止を受け、2020年春・秋季リーグ中止した。しかし、その年の4年生の集大成の大会として秋季代替大会を開催。グループをA・Bに分け、グループ同士の順位で最終順位を決める大会とした。その結果、山梨学院は11位となり2部リーグで5試合を戦い、2部での実力を確認した。はやる気持ちで2021年春季リーグを心待ちにしたものの、またも開催が中止となった。しかし、代も変わり3、2年生中心の若い新チームは気持ちを入れ替え実質初リーグ参戦となる秋季リーグに向けて夏の厳しい練習に耐えてきた。
■山学バレーボール部男子、待望の2部初リーグに挑むー
迎えた2021年度秋季リーグ戦は9月19日に開幕。2部リーグは12チーム、総当たりで10月31日まで各チーム11試合を戦う。山梨学院は初戦を3位(2019年秋季戦終了時点順位)の大東文化大との対戦で3-2で勝利。幸先の良いスタートを切ったが、2戦目慶應義塾大(2位)に0-3、3戦目国士館大(6位)0-3、4戦目亜細亜大(4位)に2-3、5戦目法政大(1位)1-3と4連敗。6戦目立正大(12位)に3-1で勝利。2勝目を挙げた。負けた試合も一方的なものではなく、1位の法政とは全セット接戦を演じ、初参戦ながら2部での存在感を示し始めている。
■大会7日目(7戦目)中盤戦を控えて、チーム事情を三井勇男子監督に聞いたー
苦労した選手集めについて、三井勇監督は「サークルから始まった部ですから、強化指定クラブになって4部から3部に上がったチームが選手が欲しいと言ってもどこも見向いてくれませんから最初は知っている先生などを通しながら185cm以上あって、鍛えればものになるぞという選手や情報をもらってセンスのありそうな選手に声を掛けました。一線級の選手はいなく2、3線級しかいなかった」と有望な選手は望めなかった。それでも地道に、「身長はなくても全国大会に出てキャリアがあり、他の大学から声が掛からない次のクラスの選手を狙った」。今、その選手たちがチームづくりの土台になっているという。チームスタイルを問うと、「バレーボールは、ボールがコートに落ちれば終わりだし、適当なプレーをすれば2部なんて上からドカーンですから、拾って拾ってコンビネーションで相手の守りを崩し1点1点、1セット1セット、1戦1戦大事にする堅実なプレー」と話す。「強化指定クラブとして勝つことが当然求められるんですけど、何とかチームの体制の強化と真面目にきちっとやれる部にしたい」と語った。
■2部定着チーム。8位の立教大に山学大の底力をぶつけるー
10月17日、山梨学院7戦目。立教大と対戦した。立教サーブからトスを受けた1番サイドアタッカーの奥原蓮(3年)がクロススパイクを決め1点先取で始まった。中盤山梨学院の攻撃が立て続けに決まり11番センター宮嶋卓(3年)、12番サイド森一輝(3年)、20番サイド常田将志(2年)のスパイクやブロック、相手のミスも重なり5連続ポイントを奪い主導権を握った。後半にも14番サイド宇佐美陽平(2年)の活躍もあって、25-17でセットを奪った。第2セットも立ち上がり1番奥原が相手のスパイクを1枚ブロックで阻止。先取するもその後、点の取り合いに山梨学院が追いかける展開に、12番森、20番常田、21番サイド西山隼矢(2年)が両サイドから攻撃。後半、ようやく追いつきリード。食い下がる立教コートに最後、20番常田のスパイクがコートに刺さり25-23で制した。第3セット、立教の攻撃コンビネーションが決まりだし、それに浮足立った山梨学院はミスも重なり、4、5点差が縮まらず21-25でこのセットを落とした。第4セットも立ち上がりから一進一退の展開になった。山梨学院はこのセット。16番センター北原尚季(2年)にボールを集め得点するも、立教も粘りを見せ23-23の終盤。ここで21番西山がサービスエースでマッチポイントを得たが立教も諦めず、24-24のデュースに持ち込まれた。先手を打ったのが1番奥原のスパイク。しかし、サービスミスで2度目のデュースに持ちこされた。ここでゲームキャプテンの1番奥原がスパイクでつなぐと、12番森から値千金の一発が炸裂。ゲームに終止符を打った。このセット27-25、ゲームカウント3-1で山梨学院が3勝目を挙げた。
■試合結果
《7日目7戦目 山梨学院大VS立教大 10/17 会場*非公開》 | ||
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○ 山梨学院大学 3 | 第1セット 25-17 第2セット 25-23 第3セット 21-25 第4セット 27-25 |
1 立教大学 ● |
山梨学院メンバーは、1番奥原蓮ゲームキャプテン(スポーツ科学部3年)、6番飯山慎之輔(スポーツ科学部3年)、11番宮嶋卓(スポーツ科学部3年)、12番森一輝(スポーツ科学部3年)、20番常田将志(スポーツ科学部2年)、21番西山隼矢(スポーツ科学部2年)、31番リベロ高原快成(経営学部1年)を中心に7番根津翔平チームキャプテン(スポーツ科学部4年)、14番宇佐美陽平(法学部2年)、16番北原尚季(経営学部2年)、19番リベロ當麻太一(スポーツ科学部2年)、22番水野登偉(スポーツ科学部2年)、25番堀篭太一(経営学部2年)、39番山本翔聖(スポーツ科学部1年)が出場した。
試合終了後、三井勇監督・スポーツ科学部特任教授は「ドキドキハラハラ。試合ってこんなもんですよね。簡単にはいきません。競って、競ってそれで1点が勝負になります。今だって、落としたらフルセットで最後はどうなるか分からなかったです。1点をどう取るかです。本当に良く粘ってくれた」と胸を撫でおろした。さらに「2部に入って初めて一つひとつ経験して強くなる。一戦一戦チームが2部の顔になり定着していくための強さを身に付けていく一歩一歩なんですね。そのなかで1、2歩成長したと思います」とメンバーを労った。
奥原蓮ゲームキャプテンは「ここからの後半戦は負けられないという気持ちで取り組んでデータ収集してチームでああだこうだ言って、毎回1週間迎えているのでそれが結果になって今日の勝利はうれしいです。これからも結構厳しいと思うんですけど、一戦一戦、1勝を大事に積み上げていきたい」と話した。チームの司令塔。トスを上げ続けたセッターの飯山慎之輔選手は「自分たちの持ち味はコンビバレーで組み立てが上手くできればどのチームにも対応でき、良い勝負ができる自信はあったのでレシーブが返ってくる、こないに関わらず自分がしっかり組み立てようと臨みました。でも自分たちがワンタッチしたり、相手のフェイントしてきたボールに対応がしっかりできていなくて自分たちの課題が明確に見えた試合でした」と反省した。今後の試合について、「個人的には身長が低いので自分がどうしようというより仲間をどう生かすか考えていきたい」と次の試合に心を向けた。
この日の戦いを終えて山梨学院は3勝4敗。12チーム中7位と目標の中位に位置する。残り4試合、対戦相手は中位から下位のチーム。これまでの試合で上位チームに善戦してきた力を自信に変え、目指す中位確保を視界に入れた。
文(K.F) カメラ(藤原稔) 2021.10.17