山梨学院広報課

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●第100回全国高校サッカー選手権山梨大会決勝 
~山学が韮崎との延長PK戦の激闘を制し2連覇8度目V~ 
~FW茂木の同点弾、GK山田のPKセーブで勝利を導く~ 


 
第100回全国高校サッカー選手権山梨県大会決勝が11月6日にJITリサイクルインクスタジアムで行われ、大会2連覇を目指す山梨学院高は韮崎高と対戦した。前半序盤から拮抗した試合展開となり、韮崎はハイプレスからボールを奪い攻撃に繋げ、山学はここまで無失点の堅守で対抗。一方の山学は両サイドを大きく使い、ロングカウンターで前線にボールを入れ好機を窺う。両校GKの好セーブなどもあり、前後半スコアレスで試合は延長戦に。延長後半3分、ついに試合の均衡が破れる。韮崎がセットプレーのこぼれ球を押し込み先制。一方の山学は8分にFW茂木秀人イファインのヘッドで同点に追いつき、勝負の行方はPK戦に委ねられた。先攻の山学は1人目が成功させると韮崎1人目を山学守護神・山田海人がコースを読みブロック。山学は2人目以降も全員が成功させPK戦を5対3で制し、2年連続8度目の選手権切符を獲得した。 
 
決勝は大会2連覇8度目の選手権出場を目指す山梨学院と県内最多34度の選手権出場を誇る韮崎との1戦になった。山学は初戦・3回戦を笛吹に5対0、準々決勝は帝京第三に延長PKで勝利。準決勝では日本航空に3対0といずれもクリーンシートで決勝に進出。対する韮崎は初戦・3回戦を市川・青洲・峡南に10対0、準々決勝で駿台甲府に2対0、準決勝では延長の末、日大明誠を3対2で退け決勝に駒を進めた。県大会は準決勝から一般有観客での開催となり、前回の全国王者・山学と伝統校・韮崎の1戦に多くのサッカーファンが詰めかけた。両校の学校応援もバックスタンドで行われ、全国切符につながる最後の戦いは韮崎のキックオフで始まった。

第100回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準決勝
≪山梨学院高VS日本航空高≫
2021.10.30 会場:JITリサイクルインクスタジアム
○ 山梨学院高校 3 前半 1-0
後半 2-0
0 日本航空高校 ●
得点者:小島慈央、長島大翔、柴田元


前半序盤は高い位置にシンプルにロングボールを入れ、両校セカンドボールを拾い攻撃に繋げる。前半4分には韮崎が中盤右サイドから左前線にロングボールを入れ、中央に折り返して波状攻撃を行うがCB柴田元(3年 東京SC)を中心に山学守備陣が堅守で跳ね返す。韮崎が強度の高い守備を披露し、ハイプレスでボールを奪い、ショートカウンターから試合の主導権を握る。山学は、ボランチの谷口航大(3年 鹿島アントラーズジュニアユース)らが視野の広い守備から中盤で相手ボールを収めるなどSHと連携して韮崎に対抗。最終ラインでは韮崎の両サイトからの攻撃に、右SB溝口慶人(3年 FC多摩)、左SB小川玲(3年 田口FA)が素早いカバーリングで対応し、相手の攻撃の芽を摘んでいく。攻守が激しく入れ替わり、15分にはGK山田海人(3年 FC東京U-15むさし)のロングフィードを左SH山口宇汰(3年 鹿島アントラーズジュニアユース)が収め、PA内でフリーの右SH長島大翔(3年 東急Sレイエス)に送り、長島がシュートを打つがボールは僅かにゴール左にそれる。20分過ぎからは中盤での攻守の入れ替えが多くなり、激しい球際の攻防戦となり、0対0で前半を折り返す。後半に入ると山学は怪我で調整中だったダブルボランチの一角、石川隼大(3年 GRANDE.FC)を投入。石川は本調子ではないものの、主将・谷口とともに中盤の要としてピッチを縦横無尽に駆け回る。山学はFW茂木秀人イファイン(3年 FC東京U-15むさし)が相手の背後を取る動き出しで攻撃のチャンスを作るが相手の組織的な守備を崩せず、0対0で試合は進む。後半終了間際には両校にチャンスシーンが訪れたが、山学は守護神・山田のファインセーブ、韮崎は枚数をかけた守備で得点を与えず、試合は10分ハーフの延長戦に。 
 
■延長戦 先制を許すもFW茂木が値千金の同点弾 
延長戦は前半2分に左サイドから攻撃を組み立て、FW茂木のシュートに繋げるが、相手GKが好セーブ。ピンチを逸した韮崎は、厚みのある守備からボールを奪いカウンターに繋げ、攻勢を強めていく。後半3分ついに試合が動く。韮崎がFKのセットプレーからのこぼれ球を頭で押し込み先制。後がない山学はスタンドからの想いを力に変え、ラインを上げ、ボールを前線に送る。8分、CB柴田が相手ゴール前で粘りを見せ、甘いクリアボールを誘う。これを右SB溝口がダイレクトでゴール前に戻し、FW茂木が飛び込み、劇的な同点ゴールを決める。山学が最後まで諦めないプレー、全国王者としての執念をみせ、1対1の同点で勝負の行方はPK戦に委ねられた。 
 
■PK戦 守護神・山田の好セーブ、主将・谷口のゴールで試合を決める。 
先攻は山学、最初のキッカーは高さや粘り強い守備でチームを救ったCB柴田。柴田はゴール右に確実に決め、流れを作る。良い流れをもらった守護神・山田は相手のコースを読み、左に飛び右手1本でブロック。山学2人目の右SB溝口はゴール左下に流し込み2対1。韮崎2人目も成功させ、山学3人目は堅守の一角・右CB保坂好寿(3年 Uスポーツクラブ)。CB保坂のシュートは左サイドネットを揺らし、3対2。韮崎3人目は成功させ、山学4人目の途中出場のMF崎山亮(3年 レオヴィスタ厚木)は相手GKの動きを読み、タイミングをずらし4対3。韮崎も4人目が決め、山学5人目のキッカーは前回の全国制覇時の最後のキッカー、主将・谷口。谷口は冷静にゴール中央に決め、山学は延長PK戦にまでもつれこむ激闘を制し、2年連続8回目の選手権出場を決めた。 
 
試合後、長谷川大監督は「相手のスピードのあるアタッカー、粘り強い守備など非常に特徴のあるチームだったのですが、相手の勢いやこれまでの歴史の想いなどが集まった試合になりました。きょうは、挑むことをテーマにしましたが、前後半通して相手の勢いを受けてしまったのでそこが反省点だと思います。その中でも同点に追いつくことができたのは、去年チームが日本一になれたという自信が生徒たちの生命力となり、チームとして成長したところだと思います。100回記念大会に第1シードとして、山梨県代表として出場できるということは、本当に光栄なことだと思います。新しい国立競技場で歴史を新たに紡ぐことがきょう叶うことができたので、しっかりと準備をして一戦必勝の気持ちで戦ってきたいと思います」と語り、谷口航大主将は「難しい試合になりましたが、エースが点を取ってくれて、そこからPK戦で勝つことができたのでほっとしています。自分自身はあまり良くない出来だったので、チームに助けられてチームのみんなには感謝しています。全国大会では自分が引っ張ってチームを助けられる存在になりたいです。あと1か月あるので、課題を修正して、長所を伸ばしてチーム力を上げ、自分たちは常にチャレンジャーなのでどんな相手にもぶつかりに行って、大会2連覇に向けて頑張ってきます」と全国への意気込みを語った。同点弾を決めた茂木秀人イファイン選手は「相手に勢いがあって前半から難しい試合になり、自分たちのペースになるのに時間がかかり、先制されてここで終われないというのが自分の中にあったので、良いクロスからヘディングで決められてとても嬉しかったです。ベンチに入れなかった3年生のためにも自分がきめてやろうという気持ちがあったので結果で出せて良かったです。前回王者ですが、自分たちの代としての強みを出し、2連覇という高い目標を持って準備していきたいと思います」と全国に向けての抱負を語り、好セーブでチームを優勝に導いた山田海人選手は「すごく苦しい試合展開になり、先に失点してしまいましたが、そのあとチーム一丸となって最後イファインが押し込んでくれたので、サッカーやっていて良かったなと思える瞬間でした。PK戦になった時にもう1回サッカーができるチャンスをもらえたとポジティブにとらえ、村松GKコーチや同じGKの仲間たちの想いを背負って、自分を信じてプレーしました。決勝はこれまでと違い、応援が凄かったので、これを経験できたことは全国に向けてプラスになると思うので、選手権は1戦1戦がきょう以上の厳しい戦いになると思うので、一つ一つ勝ち上がって準決勝・決勝の国立のピッチに立ちたいと思います」と更なる高みを見据えた。 
 
100回目の記念すべき選手権に2年連続8度目の出場となる山学は、第1シードとして全国優勝旗を携えて出場する。大会は11月15日に組み合わせ抽選が行われ、12月28日に高校サッカーの聖地・国立競技場で開幕する。開幕まであと52日、これまで涙をのんだ選手たちの想いを胸に、山梨県代表として、前回王者として山学イレブンは高みを目指し、更なる挑戦を続ける。
 
文(Y.Y)、カメラ(今村佳正)2021.11.6