山梨学院広報課

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●2021年度全日本大学レスリング選手権
~山学4位 打倒日体大を目指すも力及ばず~
~優勝メンバー揃えるも空回り。出直す~

レスリングフリースタイル大学日本一を決める「第47回内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会」最終日が11月14日に栃木・足利市民体育館で行われた。出場枠は参加大学から1階級1人の8人が出場でき、個人の成績のポイントによる大学対抗戦として争われる。大会は13日1日目に57㎏、61㎏級、65㎏級、74㎏級の4階級が行われた。山梨学院大は61㎏級に先月の全日本学生選手権で優勝した榊流斗(3年)、74㎏級世界選手権に出場した佐藤匡記(2年)の2人が優勝候補に挙げられ期待を寄せられたが榊は3位、佐藤は7位と予想を下回った。57㎏級の後藤玲空(3年)は初戦敗退、65㎏級の青柳善の輔(2年)は8位、74㎏級の飯田翔真(3年)は3位と初日の大学対抗点は6位と出遅れた。2日目、得点の期待が大きい86㎏級山田修太郎(4年)、97㎏級大津拓馬(4年)2人と階級を上げて臨む125㎏級谷崎匠(4年)の3人がマットに上がった。アジア選手権優勝の山田は準決勝でリードするも逆転負け3位となった。世界選手権出場の大津は、この大会精彩なく5位となり谷崎は健闘の3位に食い込んだが大学対抗点の結果は4位に上げるも、昨年の3位から順位を落とした。試合後、小幡邦彦監督は実力以外の課題を戒めた。

全日本大学レスリング選手権大会は今年47回を迎え、来年10月に開催される栃木国体「いちご一会とちぎ国体レスリング競技リハーサル大会」として足利市市民体育館で実施された。レスリングフリースタイル全国大学日本一を決めるこの大会は全国から精鋭が集結。出場枠は8階級に参加大学から1階級1人の8人が出場でき、個人の成績のポイントによる大学対抗戦として争われる。大学対抗得点は、優勝12点、準優勝9点、3位6点、5位3.5点、7位2点、8位1点に振り分けられ加算される。大会は13日1日目に57㎏、61㎏級、65㎏級、74㎏級の4階級、14日2日目に86㎏級、97㎏級、125㎏級の全8階級が行われた。昨年は日本体育大学が71点と2位の拓大46点を25点離して優勝。これまで6回の優勝を誇る山梨学院大は3位39.5点と大きく水を開けられた。小幡邦彦監督が「メンバー的には優勝できる」と送り出した今回の大会1日目。

■≪11/13 大会1日目 栃木県・足利市民体育館≫ 打倒日体大を目指して臨むもー
◆57㎏級の後藤玲空(3年)は10月の全日本選手権(インカレ)激戦階級のベスト8。少しでもこの上へと目指すも、準優勝した拓大選手に予備選で敗退。
◆61㎏級榊流斗(3年)は初戦予備選で10月に行われたインカレで優勝した準々決勝で僅差勝利の小川航大(日体大)にこの日も接戦になり敗れ、その後敗者復活戦に回り2試合を勝ち抜き、3位決定戦では国士館大選手を10-0のTF(テクニカルフォール)で破り強さを見せたが3位となった。榊流斗選手は「内容的には普段の自分の力が出し切れていなかった感じがしたので点数をつけるとしたら30点位。練習の質というか普段の練習をもっとしっかりしていかないと勝てるところも勝てないと感じた試合でした」と振り返った。「調子をここまで上げることができなかったことを含めて、この3位を来月の全日本につなげたいので、ある意味貴重な経験をした大会と受け止めたい」と前向きに次を見据えた。
◆65㎏級青柳善の輔(2年)は東日本学生選手権優勝者として対抗得点獲得を託された。予備選、1回戦、2回戦と勝ち進めたが3回戦準々決勝、早稲田大学選手に1-3で敗れ8位と入賞ラインぎりぎりでの結果となった。
◆70㎏級飯田翔真(3年)は東日本学生選手権優勝の実績を持つ期待の選手。予備選、1回戦に勝利。準々決勝で準優勝した日大選手に敗れ3位決定戦では明治大学選手をTFで下し3位を決定させた。飯田翔真選手は「敗者復活戦に回ったんですけど、その選手ともそんなに実力差がないと思ったところでワンアクションで取られてしまった」と気の緩みを敗因に挙げた。「もともと65㎏級で今年に入り70㎏に上げてちょっとまだパワーが足りてないと感じましたし、攻撃力ももう少し上げたいと思いました。3位は最低限の仕事はできたかなと思います」と対抗得点獲得に貢献した。
◆74㎏級佐藤匡記(2年)は10月の世界選手権に出場。良い結果は残せなかったものの、大きな経験を得て学生の大会に戻ってきた。2戦目まで無難に勝ち上がり3戦目準々決勝で1-3と不覚を取り7位に終わった。佐藤匡記選手は「第1Pで自分が最初2点取って、そのままラスト15秒切ったところでタックルに入られカウンターで足を取ったところを返され負けた」と振り返った。2週間の隔離期間には「マット練習ができなくて自分でトレーニングして体力を持たせていたんですが、短いなりに結構仕上げたつもりだったんですけど、やっぱり準備が足りてなかったのかな」とコロナの影響が少なからずあったと話した。「来月の天皇杯までは一ヶ月と時間も短いので明日から追い込んで行こうと思っています」と次を目標に気持ちを切り替えた。

1日目が終了して大学対抗得点は1位日体大57点、2位拓殖大24.5点、3位専修大22.5点、4位日大21.5点、5位早稲田大20点、6位山梨学院大15点と優勝は不可能な点差となった。

■《11月/14 2日目最終日》1日目の出遅れの挽回に挑むー
2日目最終日、山梨学院大は86㎏級・山田修太郎(4年)、97㎏級・大津拓馬(4年)、125㎏級・谷崎匠(4年)の3人が出場。アジア選手権優勝の山田、アジア選手権銀メダル・世界選手権出場の大津の二人が優勝を狙い、谷崎が上位に食い込み得点を上積み、挽回する布陣で臨んだ。
◆86㎏級山田修太郎は10月の全日本学生選手権(インカレ)で優勝したライバル白井達也(日体大)に準々決勝で敗れた雪辱を果たし学生最後の今大会を優勝で飾ると心に決めていた。臨んだ1戦、2戦と相手を力と素早い動きで圧倒、難なく勝利。準決勝でも速いタックル、ローリングとそつのない攻撃で6-1と後半に折り返すと、相手は山田の攻撃からカウンターから逆襲、山田はF(フォール)の態勢に抑え込まれ、1分半を残し6-3の状態でF負けを喫した。山田修太郎選手は「95%以上勝利を確信していた時に隙が生まれてしまいとても悔しい」と肩を落とした。3位決定戦では前半序盤から攻め続け5-2で折り返しても攻撃は止まらず、13-2と相手を寄せ付けず勝利。3位を決め主将として得点獲得に貢献した。しかし、この大会で優勝した白井選手との決勝対決は実現しなかった。最後に、「この悔しさを忘れずに高田先生、小幡監督に恩返しできるように頑張りたい」と声を絞りだした。
◆97㎏級大津卓也(4年)は10月の世界選手権帰国後、2週間の隔離の影響か1回戦から動きに精彩がなく簡単に足を取られサークル外へ押し出されるなど強さが影を潜め1回戦の相手がライバルながら何もできずに敗退、マット外で頭を抱えた。ライバルの日大選手が決勝に進出し、敗者復活戦に回り1戦、2戦は勝利するも本来の大津からは遠く、3位決定戦でも相手選手に一方的に攻められTF敗退。5位となった。
◆125㎏級谷崎匠(4年)は本来、92㎏級の選手。階級を上げて臨んだ。1回戦は前半3-4と先行され迎えた後半、取返し9-4と逆転勝利。2戦目準々決勝も体重差を果敢なタックルで応酬、点の取り合いを制し11-10と僅差勝利。準決勝では準優勝した留学生を相手に2-4と善戦するも敗退。3位決定戦では、攻めるしか勝機はないと相手のコーション(指導)から2ポイントを奪い2-1。耐えに耐え僅差で3位を死守した。谷崎匠選手は膝の手術で「大会の1週間前まで練習ができずにコンディションはすごく悪くて、その中で諦めずに勝ち抜けたのはすごくうれしい」と喜んだ。「体重差は大きいですね。20㎏は違うので昨日はご飯をいっぱい食べてぎりぎりの状態で出ました」と92㎏以上の出場制限に苦労したと笑顔で答えた。

大会終了後、小幡邦彦監督は「勝たなきゃいけない選手がミスをしてしまったというところが敗因ですね。メンバー的には優勝してもおかしくないメンバーだったんですけど勝ちきれなかったことはどこかで気を抜いたところがあったので本人たちには薬になったと思います。うちはオリンピックを目指す選手が多いので大事な試合でのミスがないようにこの現状を見直します」と選手の慢心を戒めた。

試合後の表彰式で各階級、大学対抗戦の成績発表があり、最終順位は、1位:日体大87点、2位:日大54.5点、3位:拓大40点、4位:山梨学院大30.5点、5位:専大29.5点、6位:早大20点、7位:明大14点、8位:国士舘大12.5点となった。

文(K.F) カメラ(平川大雪)2021.11.16