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●山梨学院大学孔子学院「変面」公演
~山学小・高生が中国伝統芸能を鑑賞~
~中国国家級無形文化遺産の秘技に驚嘆~

山梨学院大学孔子学院は11月16日、中国国家級無形文化財に認定されている「変面」の芸術鑑賞会を山梨学院小学校及び高校で行った。この鑑賞会は6日まで開催されていた「孔子学院の日」企画の「中国文化芸術展」を引き続いて行われた。「変面」とは変面師が手や衣装、扇子などを顔にかざした瞬間にマスクを次々に変幻自在に変えていく中国伝統の芸術でその方法は中国国家機密の「秘技」とされている。小学校では午前の中休み時間のスポーツ館にサプライズとして二人の変面師が児童の前に登場。驚く児童に次々とマスクを変えていくその妙技に子どもたちは目を見張り、感嘆の声を上げていた。続いて高校に場所を移して行われた。山梨学院大孔子学院では2019年開設の翌年4月から山梨学院高進学コースを対象に週2回の中国語授業を開いて中国文化への理解促進に努めており、これまでにもいくつかの文化交流イベントも実施されており、今年度はその一環として「変面芸術鑑賞会」を行った。鑑賞会では「変面」公演に続いてこの変面の影響を受けた古典演劇「京劇」の歴史や特徴、観劇のポイントなどが解説された。生徒たちは短い時間だったが中国文化の一端に触れ興味・関心を広げていた。

孔子学院とは、中国政府が「国際的な中国語教育制度の開発・整備。中国文化に対する世界各国との相互理解と友好関係の促進」を目標に推進するプロジェクトで中国の大学と現地の大学等が提携して運営する教育機関である。日本で15校目となる山梨学院大孔子学院では、2019年度の開設以来、中国語や中国文化の理解促進のための語学講座や文化講座を開講している。通年講座に加え、毎年「孔子学院の日」には文化交流イベントを開催。2019年度は「中国切り絵芸術の世界展」として世界無形文化遺産「剪紙」の実演などを開催。昨年2020年度には山梨学院高校の進学コースの生徒を対象に「楊琴」の演奏会を実施した。

今年度は、牡丹画・中国書を展示した「中国文化芸術展」が10月30日から11月6日まで開催された。この企画展を引き継ぐ形で今回、中国の伝統芸能で国家級無形文化遺産の「変面」の公演が11月16日、山梨学院小学校と高校で行われた。

小学校では午前中の中休み時間にスポーツ館に集まった児童にサプライズ公演として行われ、児童の前にきらびやかな中国衣装と顔に着けた奇面の二人が登場。次々と変幻自在にマスクを変え、児童を驚かした。変面師が繰り広げる一瞬の芸に子どもたちはマスクが変わるたびに目を見張り、感嘆の声を上げ会場は盛り上がった。マスクの変化は30種以上、喜び、悲しみ、怒りや恐れ、絶望などの喜怒哀楽を表現。伝統の隈取された顔のほか日本の漫画のキャラクターなどオリジナルなマスクも含まれており、子どもたちを大いに喜ばせた。山梨学院小児童会長・飯島寛太さん(6年)は「初めて見たのでどんな感じだったのか全然わからなくて、とてもドキドキして面白かったです。最初は見に行くかどうか迷ったけど見てすごくいい経験をさせてもらいました」。桝形真緒さん(6年)は「私自身も初めて見て、横から見ても顔を振っただけで切り替わっていたところがすごく不思議な感じがしました。すごく面白かったです。中国へは一回行ったことがあるんですけど見たことがなかったので次に行ったらぜひ見てみたい」と二人とも興奮気味に話した。休み時間という短い時間だったが、子どもたちに強い印象を残した公演だった。

引き続き、山梨学院高校に移動して公演を行った。高校では「芸術鑑賞会」として4時限目授業で公演を行った。山梨学院大孔子学院では2019年開設の翌年から山梨学院高進学コースを対象に週2回の中国語授業を行い中国文化への理解に努めている。文化交流イベントも実施されており、今回は「変面」公演を行った。鑑賞会では公演の前に吉田正校長が「中国語を普段勉強していますけれども、難しいことだけではなくて、こういう中国の文化に触れるという機会があった方が君たちにとっても楽しいだろうと孔子学院の方々が企画してくれました。是非楽しんでください」と挨拶。続いて「変面」公演が高校ルネサンスホールのステージで演じられた。男女二人の変面師は、11歳から古典劇「京劇」を学びさまざまな演目で主役を演じた京劇を代表する俳優。二人は、変面に京劇の仕草を取り入れてオリジナルの演出で世界初の「双人変面ショー」を完成させ、現在は日本を中心に各国で公演活動を行っている。ホールに集まった生徒の前で息の合ったテンポで次々にマスクを変えていく秘技は圧巻。生徒たちを不思議な世界へ引き込んでいた。続いて京劇俳優であり変面師の劉東風さん(男性)、劉姸さん(女性)がこの変面の影響を受けた古典演劇「京劇」の歴史や「変面」との関係、特徴、役柄、観劇のポイントなどを解説。“京劇は大道具などは使わず仕草で表現する”など例を示しながら演じ、チャイニーズオペラと言われる京劇の特徴ある歌を劉姸さんが美しい声で披露。生徒たちを魅了した。終了後、挨拶に立った山梨学院大孔子学院の熊達雲学院長・大学法学部教授は「これからも孔子学院は、大学にお願いして中国最高級の文化をまた皆さんにも見てもらいたいと思います。中国語を勉強しながら中国の文化もより知っていただくようにお願いします」と述べた。生徒たちは通常の中国語授業とともにイベントを通して悠久なる中国文化の一端に触れ興味・関心を広げていた。
男性生徒の一人は「面白かったです。生で中国文化を学ぶすごくいい機会だと思いますし、ためになりました」。女子生徒は「こういう機会があまりないので中国の無形文化遺産という「変面」を見られてすごく貴重な体験ができました」と話した。

「変面」公演を企画した山梨学院大学孔子学院事務局長・細萱和寛さんは「今後も引き続き中国語の授業を担当させていただいて、ぜひ高校で中国語を勉強した人たちが山梨学院大学でさらに中国語を勉強したり、高校から中国の大学に直接留学したいという生徒さんが出てきてくれるとうれしいです」と話した。

山梨学院大孔子学院では、さまざまな一般向け講座を開催しており、11月21日には2021年中国文化講座として「三国志」をテーマに講座を開講する。第1弾は、竹内真彦龍谷大学教授を講師に迎え「曹操『三国志』を作った男」と題し、講座が行われ、続いて「水滸伝」など興味深い講座が予定されている。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.11.17